九州大学 応用力学研究所 炉心理工学研究センター 外部評価報告書 目 次 序文・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1. 外部評価委員名簿および委員会日程・・・・・・・・・・・・・ 2 2. 総合評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 3. 個別評価 3.1 統合版(国内委員)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 3.2 個別版(国外委員)・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 4. 九州大学 応用力学研究所 炉心理工学研究センター 研究活動概要(報告)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 (参考資料) 1. 外部評価説明資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35 2. 応用力学研究所 要覧抜粋・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58 (炉心理工学研究センター関係分) 3. 応用力学研究所附属 高温プラズマ力学研究センターの 設置計画(案)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 124 4. 九州大学「プラズマ境界力学実験装置」検討会報告書・・・・・138 5. 今後の我が国の核融合研究の在り方について(報告)・・・・・ 142 「科学技術・学術審議会 学術分科会 基本問題特別委員会 核融合研究ワーキンググループ」平成15年1月8日 1 序文 核融合プラズマ分野における情勢は、本年度 ITER の建設地が関係各国間で合 意・決定されるなど、急速に動き出そうとしております。しかしながら、大学にお ける研究活動の重要さは、この分野における今後の息の長い研究開発の道程を考え ますと、ますます大きなものがあります。 九州大学は、平成16年4月に文部科学省から離れ、国立大学法人として独立し ました。応用力学研究所でも「中期計画・中期目標」をかかげ、研究活動を開始し ております。平成14年度には外部評価を受け、また2年に1回の割合で研究活動 状況をまとめて研究所要覧を発刊し、自己評価としてきました。 この中にあって炉心理工学研究センターでは、平成15年1月に行われた、 「科 学技術・学術審議会 学術分科会 基本問題特別委員会 核融合研究ワーキンググル ープ」の報告に則り、長年進めてきました超伝導強トロイダル磁場実験装置 TRIAM-1M による研究を終了し、新たに、球状トカマクを用いた長時間プラズマ の研究計画を提案しております。 さらに、同センターは平成18年度末をもって10年の時限を迎え、これを機に、 上記計画を推進する新しい研究センター『高温プラズマ力学研究センター』の設置 を提案しております。 これらを鑑み、本年度、国内外の関係研究者による外部評価を進めることとなり ました。 研究機関の活動評価は、全体および個々の研究業績・成果に対して、大局的なら びにきめ細かな視点と的確な批判に基づいて行う必要があります。今回の外部評価 にあたっては、それぞれの評価委員の高い見識と洞察によって、客観的かつ建設的 な評価が得られたと確信しております。各委員の方々のご尽力に対し、委員長とし て厚く御礼申し上げます。 炉心理工学研究センターにあっては、この報告書の内容を重く受け止めていただ き、研究活動のさらなる飛躍・発展に向けて努力されることを願ってやみません。 平成18年3月 九州大学 応用力学研究所 炉心理工学研究センター 外部評価委員会 2 委員長 関 昌弘 1.外部評価委員名簿および委員会日程 1.1 外部評価委員(敬称略) *印:委員長 ◆ 国内委員 関 昌弘* 小川雄一 武藤 敬 (日本原子力研究開発機構 那珂核融合研究所 所長) (東京大学 高温プラズマ研究センター センター長) (核融合科学研究所 高周波加熱プラズマ研究系 研究主幹) ◆ 国外委員 Stewart Prager (Univ. of Wisconsin) Alan Sykes (Culham Laboratory) David Campbell (Max Planck IPP, Garching) # # 氏の都合により別日程(平成17年12月1日)にて行われた。 ◆ センター内説明者 佐藤 図子 花田 中村 坂本 出射 1.2 浩之助 秀樹 和明 一男 瑞樹 浩 (教授、センター長) (教授) (教授) (プラズマ・材料力学部門、教授) (助教授) (助教授) 委員会日程 ◆ 国外委員 委員会 平成17年10月13日 (平成17年12月 1日 9:00∼17:00 David Campbell 氏のみ) ◆ 国内委員 委員会 平成17年10月21日 9:00∼17:00 3 2.総合評価 TRIAM−1M 装置は、超伝導トカマクとして世界的にも大変特徴ある装置であり、 これを用いた研究により多くの成果を挙げてきた。その特徴を活かして、今までも 1時間以上にわたる定常プラズマの維持に成功しているが、最近ではこれを 5 時間 以上にまで更新しており、「定常」やそれに伴う「プラズマ壁相互作用」の研究に おいて、他の装置の追随を許さない研究成果を挙げてきており特筆に価する。特に、 長時間プラズマにおける壁の排気や飽和、さらには再堆積・共堆積現象など、長時 間プラズマにおけるプラズマ壁相互作用の重要性を具体的に指摘し、新たな研究課 題として設定してきたことは極めて高く評価されるべきである。 トカマクプラズマの定常化のためには高周波による電流駆動が有効であり、 TRIAM-1M 装置でも 2.45GHz や 8.2GHz での電流駆動実験では大変多くの成果を挙げ ている。特に最近では強磁場装置であるという特徴を活かして周波数の高い 8.2GHz での電流駆動や加熱実験で成果を挙げている点は高く評価できる。また最 近では、高周波のみによる電流立ち上げや電子バーンシュタイン波による実験など、 高周波による先駆的な研究を精力的に進めている点も高く評価できる。 ところで、高周波による電流駆動は米国の N.Fisch 教授により提案された。本年 度の米国物理学会において、Fisch 教授はマクスウェル賞を受賞したが、受賞記念 講演において TRIAM−1M の 5 時間放電を大きく取り上げてその意義を評価してい た。本センターの成果は海外でもよく知られ、トカマクの定常運転をデモンストレ ーションした点でも比類なき成果である。さらに、これらの長時間放電に関する成 果は IAEA 会議を初めとした多くの国際会議等で招待講演として発表されており、 世界的にも高い評価を受けている. 新しい球状トカマク(ST)の計画については、科学技術・学術審議会 学術分科 会 核融合研究ワーキンググループの報告を尊重し、また長年の超長時間プラズマ の経験と実績を踏まえて積極的に新たな次期計画を策定しており、極めて高く評価 できる. 新 ST 装置(プラズマ境界力学実験装置:QUEST)は高ベータ研究と定常化研究を 2つの柱においており、その学術研究は大学のセンター規模の研究にふさわしいも のである。また、世界的には既に大きな ST 装置が運転されており、ある程度の高 ベータも達成されているので、特に定常化に重点をおいた研究は非常に的を得たも 4 のと評価できる。 研究を展開するに当たり、研究実績、資産の有効利用などの観点から、当センタ ーを母体とする新センターが中核的役割を果たすことは自然なことである。新セン ターを中心に、核融合科学研究所との双方向型共同研究、他大学との共同研究、他 分野との研究協力についても適切に考慮され計画に反映されており、核融合コミュ ニティからも極めて高く評価されている。 ところで、大学の研究機関として、教育は研究とならぶ重要課題である。また一 方、核融合研究は息の長い研究であり、今後はこの分野への優秀な研究者の育成と 供給に力を入れることが望まれる。今後、新研究センターとなり国内の拠点として ST 装置の建設とそれによる研究開発を進めることとなり、学生に対する研究の場 としても一層魅力が増すものと期待できる。 共同研究については、全国共同利用研究機関として積極的に進めており、年々そ の件数も増加してきている。また、TRIAM 研究会の活発な開催により、国内の研究 者に対して共同研究の門戸を大いに開いてきており、極めて高く評価できる. センターの運営としては、全国共同利用研究所のセンターとして大型設備の維持 と更新につとめ、核融合科学研究所の双方向型共同研究に参画して運営経費の確保 に努めるなど、数少ない専任スタッフで運営してきており、大変頑張ってきたと評 価できる。また、前述した成果の陰には、適切なセンター運営があったと評価でき る。所外委員を含めた運営協議会、部門委員を含めたセンター運営委員会等による 議論や指揮の下に、公開性の高い運営がなされたと評価できる。 また今後の展望としては、双方向型共同研究の拠点として主導的役割を果たす上 からも、大学・核融合科学研究所・原子力機構などの核融合コミュニティとの連携 をさらに強めてゆくことや、研究と教育の両面から春日キャンパス内の材料グルー プや理論グループとの連携をこれまで以上に積極的に推進して行く事が重要であ る. さらに、新 ST 装置の次期計画を着実に実施する事が肝要であり、そのためにも 2006 年度で時限を迎える炉心理工学研究センターを改組・更新することが必須で ある。また、大学の法人化に伴い、学内での高い評価とそれに基づく不断の支援を 得ることが重要である。 5 3.個別評価 3.1 統合版(国内) (1)TRIAM-1M 研究に対する評価 1.1 研究目的の設定に関する評価 ①トカマクの定常化のための長時間制御研究について ・ Nb3Sn 超伝導磁石を装備した装置を世界に先駈けて建設し、トカマクの定常化と いう核融合エネルギー実現に必須の課題に挑戦した。研究目的としてきわめて 妥当である。 ・ 世界に先駆けて Nb3Sn を用いた強磁場超伝導トカマク装置を建設し、定常プラ ズマ運転制御を目的に設定したことは時代の必要性を先取りしたもので、適切 であった。 ・ TRIAM−1M 装置は、超伝導トカマクとして世界的にも大変特徴ある装置であり、 今までも多くの成果を挙げてきた。特に超伝導トカマクである点を活かして、 「定常」やそれに伴う「プラズマ・壁相互作用」の研究では,他の装置の追随 を許さない研究成果を挙げており、研究の目的をこれらの特徴を最大限発揮す る研究課題に絞っている点は適切であると判断される。 ・ 本装置はトロイダル磁場を8T まで発生することが可能であり、 「強磁場」とい う観点からも大変大きな利点を有している。特に「強磁場下での定常プラズマ の高周波による維持」という視点から、比較的周波数の高い高周波での研究に 精力を注いでおり、この点も研究課題として妥当であると言える。 ・ ユニークな特徴を有する小型装置としての研究を精力的に進めてきたので、今 後は今までの成果を集大成することや、パラメータ追及に留まることなく、そ の学術的価値への普遍化にむけた研究目標を設定することが妥当であると考え られる。 ②プラズマ壁相互作用研究について ・ 超伝導装置を用いて長時間プラズマを保持して初めて可能になる実験課題が多 くあり、将来も極めて重要な問題である。妥当な目的設定であるといえる。 ・ 壁やプラズマの状態が定常になるような条件下でのプラズマ壁相互作用の研究 は、TRIAM のようなプラズマを長時間維持できる装置があってはじめて可能と なる。研究目的として妥当である。 ③長時間プラズマの高性能化研究について ・ プラズマ閉じ込め装置において、閉じ込めたプラズマの高性能化研究は普遍的 6 課題であり、研究目的として妥当である。 ・ 長時間保持するだけでなく、プラズマのパフォーマンスを高めることは必要な ことで適切な目的設置であるといえる。希望としてはダイバータの無いプラズ マにおいて、高性能化研究項目の具体性と意義について説明があるとよいと思 われた。 1.2 研究成果に対する評価 ①トカマクの定常化のための長時間制御研究について ・ TRIAM-1M は Nb3Sn 超伝導トロイダル磁場コイルを備えたトカマク装置であり、 20年におよぶ研究活動においてトカマク定常化研究に果たした役割は極めて 高いものがある。低域混成波を用いた電流駆動によりリミタ配位で5時間を超 える長時間放電を実現したことは、大きな成果である。 ・ 超伝導トカマクとしての特徴を活かして、今までも1時間以上にわたる定常プ ラズマの維持に成功しているが、最近ではこれを 5 時間以上にまで更新してお り、着実に実績を挙げている。本研究はトカマクの定常運転をデモンストレー ションした点で比類なき大成果である。 ・ 数時間以上の定常運転は、他のトカマク装置では経験が無い領域であり、特に プラズマ・壁相互作用の制御と理解において大変重要となってくる。TRIAM-1M 装置での研究でも、この点に着目し炉心プラズマの粒子制御とプラズマ・壁相 互作用の相乗効果において多くの成果を挙げてきており、特筆に価する。 ・ 長時間放電の達成には、それまでに蓄積したプラズマ制御技術を駆使している ことは言うまでもない。特に、除熱能力の高い可動リミタに全体の30%以上 の熱負荷を分担させる制御により壁の表面温度を低く保ちつつパワーを注入で きたことが大きく寄与している。このような長時間プラズマの実現に向けた研 究開発により、プラズマ壁相互作用の重要性が具体的に認識され、新たな研究 課題として設定されたことは評価されるべきである。 ・ 長時間放電は大きな成果であり、高周波による電流駆動により 5 時間の定常運 転を実証したことの意義は大きい。現在の大型トカマク装置においても最重要 課題であり、定常運転への物理的な高効率化見通しはあるものの、工学的な課 題は今も多く残されている。TRIAM においてその問題点が明らかにされたこと は評価される。 ・ 高周波による電流駆動は米国の N.Fisch 教授により提案された。本年の米国物 理学会において、Fisch 教授はマクスウェル賞を受賞したが、受賞記念講演に おいて TRIAM−1M の 5 時間放電を大きく取り上げてその意義を評価していた。 本センターの成果は海外でもよく知られ、トカマク装置の定常運転を始めて実 証したことは高く評価される。 ・ 定常化のためには高周波による電流駆動が有効であり、TRIAM-1M 装置でも 7 2.45GHz や 8.2GHz での電流駆動実験では大変多くの成果を挙げている。特に最 近では強磁場装置であるという特徴を活かして周波数の高い 8.2GHz での電流 駆動や加熱実験で成果を挙げている点は高く評価できる。また最近では、高周 波のみによる電流立ち上げや電子バーンシュタイン波による実験など、高周波 による先駆的な研究を精力的に進めている点も高く評価できる。 ・ なお、あえて苦言を呈するなら、長時間運転のプラズマパラメータがやや見劣 りする点、および装置が小型のためプラズマ・壁間距離が短い点、等において 中・大型装置でのパラメータ領域との違いによる相異や共通性、および外挿性 についての考察が十分でないと思われる。この点を注意深く踏まえた研究の深 化と集大成化、さらには中・大型装置での研究とのデータの比較や研究上での 交流が強く求められる。 ・ 今後は TRIAM-1M 装置で培った多くの知見と実績を学術研究として集大成する と共に、次期計画へ継続的に発展させてゆくことが肝要である。 ②プラズマ壁相互作用研究について ・ プラズマ壁相互作用によるリサイクリングと壁排気による粒子バランスを数時 間という長時間の現象として研究し、興味ある現象を発見したことは定常プラ ズマ装置として価値ある成果である。プラズマによるリミッター材の再堆積を その場測定する技術開発をおこなったことも興味深く、評価できる。 ・ 長時間放電においては、壁の飽和現象によってプラズマ密度制御が困難になり 放電停止に至った。これを解決しさらに長時間のプラズマ維持を実現するため、 プラズマ壁相互作用研究を進めた。この結果、長時間放電中には壁の排気、飽 和、排気が繰り返されることを見いだした。これらの成果を生かし、壁温度の 適切な制御などにより5時間を超えるプラズマ保持に成功したことは高く評価 される。装置の壁材料はモリブデンで、その再堆積層厚さを計測するためにレ ーザ光反射計測を適用するなど新しい工夫を導入し、壁での現象を緻密に測定 したことは評価できる。 ③長時間プラズマの高性能化研究について ・ 内部輸送障壁を持ったプラズマを1分程度維持することに成功した。この成果 により、先進定常トカマクの実現可能性に見通しができた。 1.3 研究成果の発表とそのインパクトに関する評価 ・ IAEA のオーラル:98 年の横浜の IAEA 会議から毎回オーバービュー講演を発表 し、他に毎回数件の発表もおこなっている。少ない研究者数の割には多くの成 果を報告しており、活発な研究活動を行っていることがわかる。 ・ 国際学会での招待講演:96 年以来 16 件行っており、国際的に評価されている 8 ・ ・ ・ ・ ことが示されている。 Nuclear Fusion 誌:1998 年以来 13 件の論文が発表されており、活発な核融合 研究がなされてきたことを示している。センターのメンバーが TRAIM 以外の他 の研究所においても共同研究をおこない、活発に研究活動をしてきたことが示 されている。 国内の学会について:多くの学会発表がなされており、活発な研究活動が示さ れている。 長時間放電の成果は、IAEA 会議を初めとした多くの国際会議等で招待講演とし て発表されており、世界的にも高い評価を受けている。講演発表の総数もここ 数年大幅に増えてきており、好ましい傾向である。 一方、招待講演に関連した一般講演をもっと増やすよう努力すべきである。特 に大学院生による発表や、貴センター以外の学内や学外からの共同研究者によ る成果の発表を増やす必要がある。 (2)CPD 計画に対する評価 ・ 次期計画である球状トカマク(ST)研究を円滑かつ効率的に推進する目的とし て、CPD 装置を建設・運転することは有意義であると言える。 ・ CPD 計画では、先進的な高周波加熱・電流駆動やコンパクトトーラス入射など の大変チャレンジングな課題が取り込まれており、魅力的な研究の推進が期待 される。 ・ EBW を次期 ST 装置の主要な高周波電流駆動手段として取り上げているので、そ のための基礎研究を小型装置でおこなうことは重要である。EBW は未知の領域 が多いため、しっかりとした基礎データと理論解析による理解により、確かな 装置設計を行い、実験目標達成の確実性をあげることが必要である。そのため には EBW による電流駆動の基礎物理理解のための測定法の開発が望まれる。 CPD 計画は新 ST の成功には不可欠なもので、重要性は高い。 ・ CPD 装置は、プラズマ壁相互作用の研究を行うための小型装置で、既存設備を 最大限利用して効率化を図り、将来の新 ST 計画に続けようとするものである。 基本的にはプラズマ壁相互作用の研究を中心に据えているが、新 ST 計画でもプ ラズマ加熱の中核となる EBW 加熱の物理実験が構想されており、その成果が適 切に新計画に反映されることを期待する。 ・ ただし、現在でも限られたスタッフでの研究体制であるので、新 ST 計画の設 計・建設・運転との勢力の分散が懸念される。従って CPD 計画は,出来るだけ 大学院生や学内外の研究者との共同研究を取り入れ、機動的・効率的に研究が 推進されるべきであろう。 9 (3)新 ST 計画に対する評価 ・ 科学技術・学術審議会学術分科会核融合研究ワーキンググループの報告を受け、 また長年の経験と実績を踏まえて、積極的に新たな次期計画を策定し、着実に 遂行しようとしている点は高く評価できる。 ・ 新 ST 計画(QUEST)は、球状トカマクによるプラズマの定常維持制御、長時間 のプラズマ壁相互作用研究、トロイダルプラズマの総合理解を目的としたもの である。科学技術・学術審議会等での議論と報告を踏まえ、TRIAM-1M による研 究を終了し、新たに QUEST 計画を開始する。本センターは、トカマクによる定 常プラズマの実現に優れた経験と知見を持ち、これを生かした電流駆動システ ムの採用などにより、定常高ベータプラズマの実現を新 ST で目指すことは妥当 な選択であると考える。 ・ 当センター提案の「プラズマ境界力学実験装置」設計に当たっては、国内外の 大学、研究機関の専門家を集めた検討委員会が設置され、学術的・技術的観点 から検討・支援を行った。本委員会の結論は、①全日本的な連携による新しい ST 研究体制を構築すべき、②主要装置として九大提案の「プラズマ境界力学実 験装置」の建設を推進すべき、であった。本研究評価委員会においても、この 結論を支持し、また、その装置設計は、今後の詳細設計は必要であるが、妥当 と評価する。 ・ 特に現有インフラを有効に活用し、国内の関連する研究者と共同立案するなど して,WG 報告書が謳っている新たな挑戦として次期計画を推進しており,核融 合コミュニティからも高く評価されている。 ・ 新 ST 装置の研究においても旧 TRIAM 装置の研究と同程度の人的資源が必要と考 えられる。高ベータ定常プラズマの研究は主に新センターの専任メンバーが行 い、プラズマ壁相互作用の研究には応用力学研究所の併任研究者がおこなう組 織体制である。この体制は TRIAM 研究で実績のある組織であり、活発な研究活 動の継続が期待できる。 ・ 新 ST 装置(QUEST)は高ベータ研究と定常化研究を2つの柱においている。高 ベータ性能は経済性のよい核融合炉には不可欠なもので、その学術研究は大学 のセンター規模の研究にふさわしいものである。世界には既に大きな ST 装置が 運転されており、高ベータも達成されているので、特に定常化に重点をおいた 研究が重要である。本センターは TRIAM 装置において超長時間放電の実績とノ ウハウの蓄積を有するため、このような定常化研究は新 ST 計画としては的を得 たものと評価できる。 ・ 本センターは超伝導装置の基盤設備を有しており、新 ST 装置もその設計と建設 方法を工夫して超伝導装置の建設が望ましかった。 ・ 研究を展開するに当たり、研究実績、資産の有効利用などの観点から、当セン ターを母体とする新センターが中核的役割を果たすことは自然なことである。 10 ・ ・ ・ ・ 新センターを中心に、核融合科学研究所との双方向研究協力、他大学との協力、 他分野との協力についても適切に考慮され計画に反映されている。 次期計画では球状トカマクの定常化という、魅力ある課題を取り上げており、 TRIAM 研究での成果を発展させる事も期待でき、米国や欧州の研究とも相補的 であると言えよう。 全日本の ST 研究者の英知を結集し、わが国の ST 研究の拠点として牽引的な役 割を果たしてもらいたい。特に、ハードがそろっているので、積極的に国内研 究者を受け入れて、学内外の研究者による新たな挑戦の場を構築してもらいた い。 新装置の期待されるパラメータおよびその達成可能性は必ずしも容易ではない。 研究所内のみではなく、国内外の ST 研究者の英知を結集してもらいたい。 国内外の研究者と積極的に共同研究を推進すると、必然的に外部研究者が長期 滞在する可能性が高くなるので、そのための受け入れ体制(予算的,人的対応) の拡充が必須である。 (4)学生教育や産業界への貢献,および社会への発信に対する評価 ・ トライアムの実験により修士論文を修了した学生が 10 年間で 55 名であり、学 生の教育を熱心におこなったと評価できる。 ・ 核融合研究は息の長い研究であり、今後はこの分野への優秀な研究者の育成と 供給に力を入れることが望まれる。 ・ 大学の研究機関として教育は研究とならぶ重要課題であり、特に大学院生の教 育に対する研究センターへの期待も大きい。2005年現在の修士課程の学生 は14名、博士課程6名であり、特に博士課程の学生数が顕著に増加している。 今後新研究センターとなり、国内の拠点として ST 装置の建設とそれによる研究 開発を進めることとなり、学生に対する研究の場としても一層魅力が増すもの と期待する。 ・ ここ数年は修士博士学生とも増えている。ただしそれでも少ない。もっと積極 的に学生を増やす努力が必要であろう。特に博士課程の学生を増やす必要があ る。そのためには大学院のみではなく、学部教育にも関与するよう努力すべき である。 ・ 超伝導コイルを約 20 年近くも健全に運転してきた実績は、非常に高く評価でき る。超伝導に関する共通のデータベース構築に寄与したことは、ITER や様々な 超伝導装置の建設、および今後の超伝導コイルの幅広い産業応用へも大きな寄 与となる。 ・ 企業との共同研究として、超伝導コイルシステム技術のデータベース作成をお 11 こない、研究成果の公開に努力した。また、学内外での公開講座にはエネルギ ーと環境問題をテーマに多くの講演をおこなっており、社会への情報発信に努 力したことが認められる。 ・ 超伝導技術の実績がより直接的に産業応用や産業支援に活用されている可能性 もあるので、民間との共同研究も積極的に進めると良い。従って、核融合以外 を対象とした超伝導グループへの発信も重要である。 ・ また一般の市民への所内開放を毎年行っており、評価できる。 ・ TRIAM-1M 装置および次期計画で建設予定の ST 装置では、最先端の技術による 魅力的な研究が推進されているので、核融合研究の重要性を社会に広く理解し てもらうためには,是非とも今まで以上に一般公開などを積極的に活用して学 内外や一般への啓蒙活動をもっと活性化していってもらいたい。 (5)共同研究に対する評価 ・ 全国共同利用研究機関として、年々共同研究の件数が増加しており、積極性が 認められる。 ・ 長時間プラズマの研究から、プラズマ壁相互作用まで、幅広く研究が行なわれ ている。 ・ H17 年度は 17 件の共同研究がおこなわれているが、専任研究者の数 8 名に対し て十分な量と質の共同研究が実施されていると評価できる。 ・ 共同研究の件数は最近増加傾向にあり、17−18件行われている。今後、新 ST 計画においては国内の中核機関としての役割を果たすことになり、必然的に 幅広い共同研究を展開することが期待される。 ・ TRIAM 研究会の積極的な開催により、国内の研究者に対して、共同研究の門戸 をかなり開いてきており、これは高く評価できる。 ・ 全国共同利用の研究所として、TRIAM-1M 装置を用いた国内研究者との共同研究 が増えており高く評価できる。特にプラズマ閉じ込めや高周波加熱・電流駆動 のみならず、材料や計測の分野でも積極的に共同研究を推進している点は高く 評価できる。今後もより一層の活性化が求められ、特に国内共同研究者の研究 発表等が増えることを期待する。 ・ さらに平成 16 年度より,核融合科学研究所を中核とする双方向共同研究もスタ ートし、共同研究の質的および量的転換が図られた。今後も双方向共同研究の 活性化に腐心してもらいたい。 ・ 東京大学の TST-2 装置を九州大学に移設し実験したことは、高周波システムの 有効利用として、また国内共同研究の活性化としてその意義は大変大きい。約 1 年間の共同研究での実績を踏まえ、その問題点等を整理しておくことは、今 12 後の共同研究を推進する上で重要である。 (6)学内、応力研内の連携に対する評価 ・ 学内の材料グループや理論グループと積極的に連携しており、今後も研究のみ ならず教育という面からも、より積極的な連携・協力が必要であろう。分野が 異なるためかと思うが、応力研の他のグループとの連携は薄いように思われる。 ・ 研究所内のプラズマ材料力学部門と緊密な関係にあり、所内連携も積極的にお こなわれている。より多くの他部門の研究者と連携して研究を進めることが望 ましい。 ・ 連携は、適切に行われていると評価する。特に TRIAM-1M 計画の遂行において、 長時間プラズマ維持の達成にはプラズマ壁相互作用に関する現象の理解とその 制御が不可欠であり、その成果は材料研究グループとの緊密な連携の賜である。 ・ 大学院教育に参加し、学府への協力関係がおこなわれている。修士学生の教育 が熱心におこなわれており学内の連携は適切である。 (7)センターの運営に関する評価 ・ 全国共同利用研究センターとして、大型設備の維持と更新につとめ、核融合科 学研究所の双方向型共同研究に参画して、運営経費の確保に努めるなど、良好 におこなわれていると評価できる。 ・ 炉心理工学研究センターは、その中核装置である強磁場超伝導トカマクによっ て定常トカマク研究を推進し、材料研究との連携と相まって世界を先導する優 れた成果を上げてきた。この成果の陰には、適切なセンター運営があったと評 価できる。所外委員を含めた運営協議会、部門委員を含めたセンター運営委員 会等による議論や指揮の下に公開性の高い運営がなされたと評価できる。 ・ 大型装置の維持・運転を数少ない専任スタッフで運営しており、大変頑張って いると言える。 ・ 実験室や制御室等は綺麗に整備されているが、装置建設から約 20 年が経過して いる点を鑑みると、機器等のトラブルが発生する可能性が高まっている。機器 の保全や研究者・学生の安全、などの観点から安全衛生に関して、より一層の 配慮が必要となろう。 13 (8)今後のセンターの運営に関する評価 ・ 研究と教育の両面から、春日キャンパス内の材料グループや理論グループとの 連携を積極的に推進して行く事が重要である。またさらには,大学の法人化に 伴い、学内での高い評価と、それに基づく不断の支援を得ることが重要である。 ・ 双方向共同研究の拠点としての役割を果たす上からも、大学・核融合研・原子 力機構などの核融合コミュニティとの連携を強めてゆくことが重要である。 ・ 新センターを設置することは、新 ST 計画を走らせる上で不可欠であり、適切で あると評価される。 ・ 新 ST 装置の次期計画を着実に実施する事が肝要であり、そのためにも 2006 年 度で時限を迎える炉心理工学研究センターを改組・更新することが必須である。 14 3.2 個別版(国外) Evaluation Report for Advance Fusion Research Center Kyushu University October, 2005 The Advanced Fusion Research Center (AFRC) is at a turning point in its development. It is about to complete experiments in TRIAM-1M and to begin construction of a new experiment, QUEST. In this evaluation report, we comment on the future plans, recent progress in TRIAM-1M, recent progress in the interim experiment CPD, and the governing structure of the AFRC. Corresponding to each of these four areas, I draw the following conclusions: (1) The future plan, through the QUEST experiment, is outstanding and should enable the AFRC to continue and to enhance the unique, important role that it has played in the world fusion program, (2) recent progress in TRIAM-1M is of great interest, providing results on sustained plasma not available in any other laboratory, and completing the mission of the experiment, (3) construction of the CPD experiment has proceeded rapidly and its operation will provide valuable experience in preparation for the QUEST experiment, and (4) the organization of the research (budget allocations and the collaboration program) is effective and appropriate. Each of these conclusions is explained briefly below. Future Plans The plan to focus AFRC research around the QUEST experiment is well-conceived and wise. This direction of research should keep the AFRC as a strong research contributor in the world fusion community for at least a decade. The plan is promising for two reasons. First, the concept of the spherical tokamak (ST), upon which QUEST is based, is an attractive one for fusion and connects to a strong international community of ST researchers. There are many scientific issues to investigate, and ST research should be an exciting area for many years. Second, the goal of producing an ST of long duration in QUEST will allow QUEST to hold a unique place in the world ST community, analogous to the special role of TRIAM-1M in the tokamak community. If successful, QUEST will be the ST with the longest duration in the world. This will be very important for ST research, particularly since there are scientific issues for ST sustainment that are different from that for tokamak sustainment. The research plan builds on the expertise acquired through the TRIAM-1M experiment, particularly experience with driving plasma current by radio frequency waves. I fully endorse and strongly support the future plan. Recent Progress in TRIAM-1M In the past four years, TRIAM-1M has continued to produce results of great interest. Two results are of particular importance. First, a new oscillation in the plasma (slow sawtooth oscillation) has been discovered. This phenomenon is unexpected and only occurs in long pulse plasmas. It would not have been able to be detected in most of the experiments in the 15 world, since it is a feature of plasmas of very long duration. This phenomenon substantially affects plasma behavior, and is an area for future study. Second, the interaction between the plasma and its surrounding wall, that can only be studied in plasmas of long duration, has been characterized. The methods for fueling the plasma and the effect on the surrounding material has been elucidated. The TRIAM-1M experiment has now completed its mission. It is commendable that it has produced results of significance essentially to its last day of operation. Recent Progress in CPD CPD is a new small spherical tokamak experiment that is now beginning operation. Its purpose is to provide the AFRC team with ST experience and to test methods for possible use in QUEST. It is impressive that the machine was constructed rapidly and successfully. It will be very valuable to operate the experiment while QUEST is being constructed. In addition to providing ST experience, original research will be undertaken in CPD that will be of substantial worldwide interest. In particular, tests of new methods of plasma fueling (by compact torus injection) and current drive (through radio waves of a type needed for QUEST) are of great value. Research Organization The management of the AFRC is very effective. The allocation of the budget and research personnel is appropriate. Clearly, the relatively small staff performs at an extremely high level with enormous productivity. The construction of experiments, operation of unique facilities, and production of research results are all impressive. A steering committee determines the allocation of resources, and appears to function effectively. In addition, the collaboration program is well-managed. Collaborations are critical to the AFRC, and involve a broad spectrum of researchers throughout Japan. Submitted by Stewart Prager Professor of Physics Director of MST Experiment Director of Center for Magnetic Self-Organization University of Wisconsin Madison, Wisconsin 16 Report on TRIAM facility and plans Alan Sykes UKAEA Culham Laboratory 13th October 2005 I found the TRIAM facility, including the buildings, offices, control room and experimental TRIAM-1M device to be very impressive and to be well maintained. Results from TRIAM-1M are very significant for the future fusion programme and the team are to be congratulated on the achievement of a discharge in excess of 5 hours, and the observation and study of a hot ion mode and successive hot-spot events. The proposed Spherical Tokamak, QUEST, appears to be very soundly based. It continues the long-pulse motif and utilises the RF current drive expertise of the team. The device size provides a good combination of sufficient plasma volume to be interesting, whilst providing a significant ratio of RF power to unit volume. The proposal to operate with a hot limiter, thus achieving full recycling (with density control by cryopumps in the divertor region) should provide an ingenious solution to the problems discovered during TRIAM -1M operation. The QUEST device will be unique, being the only hot long-pulse ST in the world. I particularly commend the construction of the smaller CPD device as an interim measure. It is very impressive that first plasma has been obtained so quickly. CPD has an interesting programme in its own right (including compact toroid injection) but I think its most significant feature must be to enable the TRIAM team to build up expertise in operating an ST, which has some quite different characteristics to a conventional tokamak and in particular provides far greater opportunities for diagnostic access than TRIAM -1M. The collaborations with other research groups appear extensive and well managed. An impressive example of this was the temporary re-location of TST-2 from Tokyo to the TRIAM building, which gave very valuable results. I have every confidence that the proposed QUEST device will be a well designed and well operated facility and that it will have a significant impact on the World Fusion Programme. 17 Further comments The QUEST project has international significance and I look forward to seeing collaborations with the MAST team; the new IEA Implementing Agreement on Spherical Tokamaks should facilitate this. The MAST team at Culham have detailed knowledge of SOL and plasma edge phenomena, and have an ongoing programme in investigating EBW Current Drive. I would also recommend that long pulse NBI rst, as a fall-back if the EBW CD does not work as well as predicted. Second, the MAST modelling requires steep density gradients as a necessity for efficient EBW on MAST, and on MASTbe actively pursued. This could be useful in several ways. Fi this can only be achieved after application of NBI. Thirdly, it may provide a means of raising the central safety factor q above unity (possibly by off-axis injection, or even counter-injection), thus avoiding damaging sawtooth activity. Alan Sykes 18 Evaluation of the Advanced Fusion Research Center Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University The Advanced Fusion Research Center (AFRC) of Kyushu University has developed very extensive expertise in magnetic confinement fusion and has made substantial contributions to the development of fusion energy research. The scientific exploitation of the superconducting tokamak TRIAM-1M has been of particular significance and has maintained the AFRC’s leading contribution to fusion research over the past two decades. The construction and continued development of this device is evidence of the advanced technical expertise developed at AFRC, and the programmatic focus on steady-state operation of the tokamak which has been sustained during this time has allowed the TRIAM-1M group to address issues which are central to the development of the tokamak route to fusion energy production. It has been recognized for several decades that the demonstration of steady-state operation of tokamaks will enhance the attractiveness of electricity production from fusion power plants. This mode of operation creates several challenges to tokamak operation and requires that key problems in controlling plasma-wall interactions on long timescales be addressed. The AFRC group have confronted these challenges and have gradually developed the capability of the TRIAM-1M device to allow it to achieve the world record tokamak pulse of 5 hours 16 minutes, which is a factor of 50 greater than the longest pulse achieved in any other tokamak experiment. This has required a careful development of the plasma scenario, addressing plasma control, current drive and plasma-wall interaction issues to ensure that sufficiently high quality plasmas can be sustained for these very long periods. This is a major technical achievement, demonstrating the expertise developed within the AFRC during this time. In addition, this mode of operation has allowed important scientific studies to be pursued and, in particular, the evolution of plasma-wall interactions to be studied under stationary conditions. Tokamak plasmas are characterized by phenomena which develop on timescales varying over many orders of magnitude. There are two particular aspects of plasma behaviour associated with steady-state operation which must be studied on timescales long compared to the normal pulse duration. Firstly, the plasma current profile achieves a relaxed state on a time which is of the order of several times the global current diffusion timescale, which in TRIAM-1M is of order several hundred milliseconds, a timescale which TRIAM-1M pulses exceed by several orders of magnitude. The second, and more challenging aspect is that interactions between the plasma and surrounding wall equilibrate on a timescale which can reach hundreds or even thousands of seconds. TRIAM-1M is therefore in the unique position among the world’s tokamaks of being able to study power and particle control on timescales well beyond the equilibration timescale. The observations of the evolution of particle recycling, impurity production and hydrogen isotope retention on these timescales are therefore of considerable significance for the understanding of plasma behaviour in the steady-state regime. The identification of hydrogen retention in a metal-walled device is 19 particularly important in view of the trend towards all-metal first walls in large tokamak experiments which are exploring the possibility of using all-metal plasma facing components in ITER. The observation of driven relaxation oscillations, or ultra-low frequency events (ULF), evolving over timescales of hundreds of seconds in long TRIAM-1M pulses is also of significance, emphasizing that the plasma-wall interaction and plasma particle transport can vary on very long timescales, implying that the plasma exists in a dynamic equilibrium. These observations are of significance, since they are indicative of the range of phenomena which must be dealt with in developing steady-state operational scenarios in ITER. Studies of high performance regimes in TRIAM-1M have revealed a new transition in plasmas with internal transport barriers (ITB) in which the lower hybrid current drive efficiency increases spontaneously. This regime also exhibits slow relaxation oscillations having a frequency of several Hz which modulate the plasma parameters and which are associated with the formation and collapse of the ITB. These observations are again indicative that the plasma is sustained in a dynamic equilibrium, rather than in a fully relaxed stationary state, and emphasize the need for careful control of plasma parameters in steady-state operation. Nevertheless, the TRIAM-1M group has been able to demonstrate plasmas with internal transport barriers lasting for about 100 current diffusion times, a significant scientific and technical achievement. Overall, the TRIAM-1M experiments have been very productive and have initiated a new regime of long pulse plasma operation. They have provided access to a range of phenomena characteristic of steady-state operation and have revealed new insights into core plasma behaviour and the evolution of plasma-wall interactions on long timescales. The TRIAM-1M team has shown considerable technical ingenuity in developing the plasma measurement, heating and current drive, and control techniques required to sustain such long pulses and to investigate the associated plasma phenomena. Now that other, larger superconducting devices, in Japan and elsewhere, will have the capability to extend the TRIAM-1M investigations of steady-state plasma operation, it is appropriate that the AFRC should propose to exploit the extensive expertise which they have developed in tokamak operations, in plasma heating and current drive, and in plasma-wall interactions via a new experimental facility. The proposal to construct the QUEST spherical tokamak will allow the Center to explore aspects of steady-state plasma operation in new plasma regimes and in a new plasma configuration which holds considerable promise, both in terms of the range of physics to which it provides access and in relation to the longer term development of fusion energy. The spherical tokamak is an extension of the tokamak concept towards low aspect ratio (R/a ~ 1.5) which has made rapid progress over the last two decades and which provides cost effective access to high performance plasmas. The scale of the device proposed by AFRC represents a sensible attempt to explore the ST concept on a scale between the many smaller devices which have been developed in recent years to explore basic physics phenomena in such plasmas and the two large devices MAST (Culham, UK) and NSTX 20 (Princeton, USA) which are exploring high performance plasmas in the ST configuration. The capabilities foreseen for the QUEST device should allow a wide range of high temperature plasma phenomena to be explored and provide access to studies of steady-state operation in STs, which makes excellent use of the scientific and technical experience gained through the operation of TRIAM-1M. The proposed scientific programme foreseen for QUEST, combining studies of high beta ST plasmas under steady-state conditions with investigations of plasma-wall interactions, is both challenging and a valuable contribution to the development of the ST concept. The facility will also provide important opportunities for collaboration at the national and international levels, since there is now a very active community pursuing the development of spherical tokamaks to extend the understanding of tokamak physics and to develop the technological potential of this configuration, for example as a volumetric neutron source for materials testing or as a component test facility for fusion technology development. The proposal therefore combines a flexible and cost-effective experimental facility, which has the ability to sustain a challenging scientific and technical programme for a considerable period in the future, with a centre for collaborative studies which can be expected to establish valuable links within the national and international fusion community. David J Campbell Field Co-ordinator, Physics Integration European Fusion Development Agreement, Close Support Unit D-85748 Garching Germany 6 January 2006 21
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