2012/9/7 放射線の指導等に関する研修会(中・高・特別支援学校等) 長崎大学教育学部技術教室 藤本登 (長崎大学エネルギー環境教育研究会) 講義「放射線の基礎知識」 60分 実験「みえる、はかる、放射線」 45分 質疑応答「学校における放射線に関する指導について」 15分 放射線に関する副読本 便益 リスク 理科編によると・・・ 放射線 放射線 利用 P.11 追加した主な内容[第1分野]に放射線 P.14 第3学年「エネルギー」の中に、 人体影響 エネルギー資源(放射線を含む) エネルギ 資源(放射線を含む) P.63 「科学技術と人間」のア)エネルギー 性質 (ア) 様々なエネルギーとその変換 (イ) エネルギー資源←(内容の取扱い) アの(イ)については,放射線の性質と利用にも触れること。 P.65 その際,原子力発電ではウランなどの核燃料からエネル ギーを取り出していること,核燃料は放射線を出している を り ,核燃料 放 線を ことや放射線は自然界にも存在すること,放射線は透過 性などをもち,医療や製造業などで利用されていることな どにも触れる。 この意図は? 放射線・・・怖い、危険、見えない、後遺症など負のイメージの払拭? 教材化のポイント:視覚化・数値化、身近のものを題材、活用例 ・・・見えない・分からない・怖い → 分かった(何が!) 放射線 以外 子どもの発達段階に応じた知識習得 子どもに夢や希望を与えるために! 学習した知識をどう使うか? いじめ・ 給食等 放射線の 基礎的な知識と 指導の在り方 学習指導要領と放射線 放射線って何だろう? ○作成の背景 福島第一原子力発電所の事故後の放射線に関する事象を受けて、 共通資料としての副読本の作成が、内外から求められたため 【対象】小学校高学年、中学生、高校生及び担当教師(教育関係者) 保護者等地域住民も含 興味関心 ある方 保護者等地域住民も含め興味関心がある方 【内容】放射線の存在、性質、測定、影響、利用、防護・管理、情報 【特徴】 ・児童用:入門書としては分かりやすい ・中学生と高校生用:ほぼ同じ内容。言葉や図と内容の深さが違う ・教師用:指導や教材のヒント+人体への影響などに関する解説 さて、これは何でしょう? ヒント! 11月か3月に花が咲く 水辺・湿気の多い所が好き ※副読本p.4:植物・鉱物から 出ている放射線の画像あり その他の色々なイメージング・プレート画像 http://www.ies.or.jp/japanese/mini/mini_40b.html 例えば、 小学校よりも 中学校の方が より詳しく! 蛍光塗料付時計 マントル ウランガラス タバコ・食塩・昆布・どくだみ茶・米糠 出典:(財)環境科学研究所 http://www.ies.or.jp/japanese/mini/mini_40b_ip_suisen.html 外部の放射線をしゃ断する厚い鉛箱の中で、 イメージングプレートと試料を数日~1ヶ月程度、保管 天然塩 乾燥昆布 1 2012/9/7 医療への放射線利用 放射線を含む光量子ビームは、先端科学研究のプローブとして幅広く使用され、生命科 学、構造解析、化学分析等では必需品! 答え:p.14 どこが折れているの 先端科学研究への放射線の利用 病気の診断への利用 腎臓周辺の立体画像 ①X線写真 肺、骨、歯、胃など 肺 骨 歯 胃など ②血管造影検査 カテーテルでX線吸収率の高いヨード造影剤 を注入し、連続的にX線で撮影して血液の流 脳血管造影(頭部側面像) れを撮影、解析 ③CT検査 身体の周囲からX線を透過させて、それらの 透過率からコンピュータを使って身体の輪切り の画像(断層像)を作って病気の診断 ④PET検査 PET(Positron Emission Tomography) では、陽電子(ポジトロン)を放出するRIを用いて 合成された放射性薬剤を投与し、陽電子が電子と 結合して消滅する時に放出される一対のガンマ線 5 を検出して、がん検査を実施 メチオニン-PET/CT画像 歴史への利用 生成 ユリの水揚げ リ 水揚げ 肥料 放射性炭素(14C)年代測定 14N核 14C 14CO 2 植物や動物中の放射性炭素(14C)濃度は、 生きている間は大気中の14C濃度と平衡 関係にあるが、死ぬと14Cの半減期に従っ て減少! 過去と現在の環境中の14Cレベルが同じ と仮定し 試料の14C濃度を測定すること と仮定し、試料の で、試料が死んだ年代を推測! 中性子利用 土中の根の様子 (肥料の周囲に根は張 らない!) 身の回りの放射線 銀河を起源とする陽子・電子・X線など 40K、238U、232Thなどからγ線やα線 (カリウム) (ウラン) (トリウム) 分散 土器に付着した炭化物 を採取している様子 福岡市雀居遺跡の土器 壊変 14C β- 14N 222Raなどからα・β線やγ線 半減期5730年 環境中での14Cの生成と挙動 (ラドン) X線:仏像の中を透過(内臓?) 40K、14C、87Rbなどからγ線やβ線 (カリウム) (炭素) (ルビジウム) 2 2012/9/7 放射線とは? ◆原子と原子核 放射性物質や放射線を出す機械から出てくる目に見えない光や粒子 物質 原子 放射性物質 ・・・存在する限り、放射線を出し続ける 放射線を出す物質 ヨウ素、セシウム、カリウムなどを含む物質 (気体状、ちり、エアロゾル等) 原子核 電子 陽子 原子核 中性子 10-8cm 10-13cm ◆原子から出る放射線 放射線を出す機械 ・・・電源を切れば、放射線は出ない ◆小さな粒子が高速で飛ぶ粒子線 ◆波のように伝わる電磁波 アルファ(α)線 X線撮影装置のようなもの。線源があれば別。 線撮影装置 ようなも 。線源 あれ 別。 原子核 目に見えない光 X線・γ線等・・・高エネルギーを持った 電磁波 目に見えない粒子 ガンマ(γ)線 ガン (γ)線 原子核 (ヘリウムの原子核) 原子核 (電子) 福島:β線とγ線 ベータ(β)線 α線・β線等・・・ヘリウム原子核、電子 放射線発生装置からの放射線の例 エックス線の発生 放射線は電磁波の仲間(電磁波には、電離放射線と非電離放射線がある) 物質に電離作用(物質と相互作用してイオン化:電離現象を起す)を及ぼす放射線のことを 電離放射線=放射線という(エネルギーが10eV未満(波長で近紫外線)を非電離放射線) 波長 10-15 10-14 10-13 10-12 10-11 10-10 10-9 10-8 10-7 ((1Å)) ガンマ:γ線 10-6 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 1 ((1μm) μ ) 10 102 103 ((1km)) マイクロ波 電波 線撮影( レントゲン) コンピュータ断層撮影( 放射光 医療用器具の照射減菌 ジャガイモの発芽抑制 X C T ) 具体的な例 周波数 これは何? 2年生の「電 流とその利 用」で使用 X線発生! ((m)) X線 (原子核から出る) (原子や装置で発生) X線の中にはγ線 より短波長あり 1895年 レントゲン:X線発見 1896年 ベクレル:ウラン鉱物の放 射能の発見 ((1mm)(1cm) )( ) 1023 1022 1021 1020 1019 1018 1017 1016 1015 Hz 1014 1013 1012 1011 1010 109 108 (GHz) 107 106 (MHz) 1898年 キュリー夫妻:Ra,Po発見 3 2012/9/7 ◆原子のモデル(殻モデル) 主な放射線の種類と透過力 ◆放射性物質(同位元素)の例 トリチウム(三重水素) ストロンチウム90 原子核 電子 K軌道 L軌道 β線 40K 89.3% 【不安定】 10.7% 40Ca 【安定】 40Ar γ線 炭素14 ヨウ素129 ナトリウム24 ヨウ素131 リン32 セシウム137 カリウム40 金198 カルシウム45 ラジウム226 鉄59 トリウム232 コバルト60 ウラン238 C 射 電荷をもった粒子線 線 電荷をもたない粒子線 飛ぶ距離 40Co 質量数=陽子(P)の数+中性子(N)の数 原子番号=陽子(P)の数 60Ni 【安定】 【不安定】 線を止める 1~10cm アルファ()線 数m ベータ()線 数10m ガンマ()線 エックス( )線 数10km? 中性子線 β線 質量数 12 16 放 【安定】 ◆原子の表記法 X線(原子核の外で発生する) ガンマ線(原子核から出る) アルファ線(原子核から飛び出るヘリウム の原子核) タ線(原子から飛び出る電子) ベータ線(原子から飛び出る電子) 電子線(加速器などで作られる) 陽子線(加速器で作られる) その他 中性子(原子炉、加速器、アイソトープ で作られる) 電磁波 身体に当たると 中性子線を止める 数μm 数μ γ線 紙・皮膚 吸収線量 グレイ(Gy) 物質(人体含む)が吸収した放射線のエネルギー 1Gy=吸収エネルギー=1J/kg 最初の量 放射能 線量 ベクレル(Bq) シーベルト(Sv) 1秒間に原子核が崩壊する数 臓器等の人体への影響(ガンの増加度合い)を度合い示す値 測定器による計測とBqからの換算値 例)甲状腺等=0.4 赤色骨髄等=0.12 皮膚,脳等=0.01 この他にも 内部被ばくで用いる 「預託実効線量」 (大人50年、子ども70年) 測定器で用いる 「1cm線量等量」 などがあり、注意を必要 とする場合がある 出典:放射線医学総合研究所、放射線被ばくに関するQ&A 放射 放 射能 能の の量 量 炎は放射能にたとえられる 炎がだす熱(赤外線)は放射線に たとえられる ※火傷の度合いがSv アルミニウム などの薄い 金属板 鉛や厚い 鉄の板 水や コンクリート 放射能の減り方(半減期) 1 例)β,γ,X線=1 α,重原子核等=20 中性子線=2.5~20 線 線 を止める 数mm 原子番号 放射能と放射線の単位 線を止める 1/2 1/4 大気中131I 海洋131I 大気中137Ce 海洋137Ce 海洋134Ce 大気中133X 大気中133Xe 海洋90St 1.5E+17 2.8E+15 1.2E+16 放射性物質 9.4E+14 ラドン220 9.4E+14 1 1E+19 ナトリウム24 1.1E+19 4.62E+14 ラドン222 半減期は核種 によって異なる! 放出される放射線 55.6秒 β γ β,γ 15時間 α,β 3.8日 ヨウ素131 β,γ 8.0日 コバルト60 β,γ 5.3年 ストロンチウム90 β 28.8年 セシウム137 β,γ 30年 ラジウム226 α,γ 1600年 プルトニウム239 α 2.4万年 ウラン238 α,β,γ 45億年 1/8 1/16 131I:33g 137Ce:4kg 134Ce:20g 133Xe:1.6kg 90St:90g 半減期 α,γ 時間 総和すると放出された放射性物質の総量 8日 1/2 16日1/4 24日1/8 32日1/16 ・・・ 80日1/1024 長半減期のも のは、長期間 注意が必要 半減期には、 物理学的半減期:Tp 生物学的半減期:Tb があり、体内で半分になる 期間を実効半減期:Teという。 1/Te=1/Tp+1/Tb 4 2012/9/7 放射線の性質 軽水炉におけるウラン燃料の変化 ◆蛍光作用 ◆電離作用や励起作用 そのまま 1% 235U 3% 4% 核 分 裂 0.3% 2.7% 239Pu 1.7% 1% 238U 96% そのまま そのまま 1% 5% 235U 蛍光物質(ガラスの内側) 電離 気体原子(水銀) 電子 電子 電離 核分裂⽣成物 1% 239Pu P 93% 238U 放 射 線 初期ウラン燃料(濃縮度 使⽤済み燃料 4%) 燃焼度45 000MWd/t 燃焼度45,000MWd/t 原子核 極 極 紫外線 ◆透過力 励起 エックス(X)線 発生装置 一部が炉外へ 1号機:78,795kg、2・3号機:106,800kg ◆自然界から受ける放射線量 世界平均 体内、食物中の自然放射性物質 日本平均 ●体内の放射性物質の量 医療被ばく 0.61 3.13 mSv 自然放射線 1.48 3.75 mSv (体重60kgの日本人の場合) 医療被ばく 2.25 カリウム40 4,000Bq 炭素14 2 500B 2,500Bq ルビジウム87 500Bq 鉛210・ポロニウム210 20Bq 自然放射線 24 2.4 宇宙 0.39 2.4 mSv 大地 0.48 ●食物中のカリウム40の放射能量(日本) 宇宙 0.29 吸入 (主Ra) 1.26 大地 0.38 食物 0.29 1.48 mSv (単位:ベクレル/㎏) 吸入 (主Ra) 0.59 食物 0 22 0.22 干しこんぶ 2,000 医療被ばく: レントゲン検査やCT検査で受ける被ばくのこと。 フォールアウト: 以前の核実験で環境中に放出された放射性物質のこと。 ◆内部被ばくと外部被ばく ○外部被ばく 体の外の放射性物質や放射線を 出す機械からの放射線を受けること ○内部被ばく 放射性物質が含まれる空 気を吸ったり、食べ物を摂 取することで、放射性物質 が体の中に入り、体の中か ら放射線を受けること ポテトチップ 400 干ししいたけ 700 牛乳 50 生わかめ 200 食パン 30 ほうれん草 200 米 30 魚 100 ビール 10 牛肉 100 出典:旧科学技術庁パンフレット 5 2012/9/7 例題:外部被曝線量 [建物外]空間線量率:0.3μSv/h [建物内]空間線量率:屋外の40% ポイント 空間線量率・ 遮蔽滞在時間 例題:食事による内部被曝線量 滞在時間:4h/day 滞在時間:20h/day 牛肉中の放射能:3.2kBq/kg・・・報道の最高値 経口摂取の場合の実効線量係数:14μSv/kBq 1kgの牛肉を食べたことによる、70歳までの内部被曝量 牛 を食 歳 部被 ポイント 14μSv/kBq×3.2kBq/kg=44.8μSv/kg 量・種類・ 日本人の平均年間牛肉摂取量:9.3kg/年 実効半減期 年間の平均牛肉摂取量による70歳までの内部被曝線量 44.8μSv/kg×9.3kg/年=417μSv/年 例題出典:長崎市理科教育研修会中Ⅱ・長崎大学松田尚樹教授講演資料より作成 ※実効線量係数など被曝など人体影響等の情報は緊急被ばく医療ポケットブックが分かり易い http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/index.html チキンカ カレー 例題:牛肉からの内部被曝線量 食材 海藻サラダ (0.3μSv/h×4h/day+0.4×0.3μSv/h×20h/day)×365day =3.6μSv/day×365day=1314μSv=1.314mSv/年 年 チキンカレー、海藻サラダとイチゴを食べた場合 鶏肉 ジャガイモ にんじん タマネギ エリンギ 卵 小計 レタス キャベツ トマト きゅうり わかめ わ 小計 イチゴ 小計 分量(1人) Cs-137 I-131 分量あたりの放射能(Bq) 線量係数(Bq→Sv) g Bq/kg Bq/kg Cs-137 I-131 Cs-137 0.013μSv/Bq 60 6.5 5 0.39 0.3 I-131 0.034μSv/Bq 100 ・国際放射線防護委員会の数値 25 ・15歳、経口摂取、70歳までの総被曝線量 100 2(1本) 24 27 0.048 0.054 60(1個) 17 1.02 Cs-137 I-131 内部被曝線量(μSv) 0.438 1.374 献立 Bq Bq Cs-137 I-131 合計 40(1枚) 0.438 1.374 0.0057 0.0467 0.0524 40(1枚) 120 14 4.8 0.56 チキンカレー 海藻サラダ 5.785 1.343 0.0752 0.0456 0.1209 25(1/4個) 17 8.9 0.425 0.223 デザート 11.9 98 0.1547 3.3320 3.4867 合計 18.12 100.7 0.2356 3.4244 3.6600 25(1/4本) 4 140 140 0.56 0.56 過去最大の放射能の値を示した時期 5.785 1.343 3月下旬:鶏肉、エリンギ(I-131)、卵、いちご 4月中旬:キャベツ、トマト 70 170 1400 11.9 98 5月中旬:わかめ 11.9 98 6月初旬:エリンギ(Cs-137) 夕食に使用した食材が、過去最高レベルの汚染をしていた場合 3.66μSv/70歳まで 同じ献立を1日3食、1年間食べ続けると・・・4.0mSv/70歳まで 例題出典:長崎市理科教育研修会中Ⅱ・長崎大学松田尚樹教授講演資料より作成 放射線・放射能のいろいろな利用 ,励起作用 工業(新素材の開発、生産管理…) 医療(X線写真、がん治療… ) 農業(品種改良、害虫駆除…) 科学(物質や生命の探求…) など 日本の電力の30%?を支える 原子力発電 ④ 半減期を有する(放射能の特徴) 放射線のエネルギーを 熱エネルギーに変換する 原子力発電 経済規模:年間7.3兆円 経済規模:年間8.6兆円 文化財(年代測定) *数字は1997年のものです(原子力学会誌、2008年、No.9) 6 2012/9/7 農業への放射線利用 透過性の工業的活用の例 突然変異育種(品種改良) ・食用植物:放射線(主γ線)照射により、短稈化、多収化、早生化、耐病化等の改良 ・突然変異育種:2007年9月時点で、世界で2543登録 (品種:イネ、麦、トウモロコシ、大豆等、アジアの国々で活発) イネ「レイメイ」は87品種の子孫の品種を生み多用 梨「ゴールド二十世紀」は、二十世紀に放射線照射し、耐病化 「ゴ ド 紀 紀 放射線 射 病 鑑賞用植物のキク、カーネーションにγ線やイオン照射し、 花びらの形、色等を変化 害虫駆除(不妊放飼法) 放射線を照射し不妊化した害虫(雄)を野外に放し、害虫を 根絶する技術 ウリ・ミカンコミバエ、アリモドキ・イモゾウムシ 食品照射 食品照射は、放射線の生物作用を利 用して食品の衛生化、保存、品質向上 を目的とする処理技術。 世界57カ国で、香辛料、球根・地下根 茎類、果実・野菜、穀類、魚介類、肉類 等について食品照射が行われ、日本 では、じゃがいもの芽止めのみ許可。 沖縄県の不妊化施設内部 1958年:ソ連でじゃがいも 年 ソ連でじゃが も 1959年:ドイツで香辛料 1980年:FAO、IAEA、 WHOは共同で、照射食品 に関する安全宣言を発表 ガンマ線を70Gy照射 北海道士幌町農協 日常生活と放射線 自然放射線 ブラジル・ガラパリの 放射線(年間,大地などから) 放射線(年間 大地などから) 10 宇宙から 0.39 大地から 0.48 食物から 0.29 福島第1原子力発電所の 事故による放射線量の目安 人工放射線 放射線の量 (ミリシーベルト) 6.9 胸部X線コンピュータ断層 撮影検査(CTスキャン)(1回) 飲食物からの放射線 (I-131の場合) ①水 10 例えば、300Bq/Lの水を1日 2L、1ヶ月間飲み続けた →0.4mSv 一人当たりの 2.4 自然放射線(年間) (世界平均) ②牛乳 1.48 岐阜 1.19 〔日本平 均〕 神奈川 1.0 1 例えば、300Bq/Lの牛乳を1 日200cc、1ヶ月間飲み続けた 一般公衆の人工線量限度 (年間)(医療は除く) →0.04mSv 0.81 長崎:1.00 ③ほうれん草 0.6 0.4 ① ④ 吸入により 1.26 (主にラドン) 国内自然放射線の差(年間) (県別平均値の差の最大) 例えば、2000Bq/Lのほうれん 草を1日50g、1ヶ月間食べ続 けた →0.07mSv 0 07mSv 胃のX線集団検診(1回) 0.1 ③ 0.2 東京-ニューヨーク航空機旅行(往復) (高度による宇宙線の増加) 0.05 1/4 クリアランスレベル導出の 線量目安値(年間) 大気・大地からの放射線 胸のX線集団検診(1回) ④空間線量率 例えば、空間線量率0.3μSv/h の場所に、1ヶ月間居続けた ② 0.01 →0.21mSv 原子力発電所(軽水炉)周辺の ※生涯被曝線量100mSv 線量目標値(年間) (実績:0.001ミリシーベルト未満) (内部+外部被曝の方向? :自然放射線除く) 【出典:資源エネルギー庁「原子力2004」他】 7 2012/9/7 放射線によるDNA損傷と修復 放射線の健康影響 H24年度中に、健康影響についての解説書が、 放射線医学総合研究所から出ます(講習会もあり) 身体的影響 細胞喪失 放射線 火傷・嘔吐・ 造血機能低下 1本鎖切断 生物影響 修復不可能 不完全修復 遺伝性変異 自然発生率 低線量域 線量 心理的影響 ・・・学校では特に大切! 確定的影響としきい値 損傷 塩基損傷 1本鎖切断 2本鎖切断 ここから 回復 死滅 × 2本鎖切断 ※遺伝的影響については、人では報告例がない 細胞変異 自然発生 放射線誘発 (/細胞/日) (/細胞/Gy) 20,000 50,000 10 300 1,000 30 亜致死損傷からの回復(Sublethal Damage Recovery(SLD回復) Elkind回復)は正常細胞と腫瘍細胞 で異なる。 つまり 腫瘍細胞の方が正常細胞よ つまり、腫瘍細胞の方が正常細胞よ りも放射線の影響を受けやすいので、 死滅するまで分割照射を行うと、そ の後は正常細胞が回復していく。 細胞が1度に1Gy被ばくすると、 2本鎖切断が自然発生よりも 20個増える(3倍になる) 低線量被爆の影響 潜伏期 しきい値 (Gy※) 一時的不妊 精巣 3~9週間 約0.1 永久不妊 永久 妊 永久不妊 精巣 卵巣 3週間 週間 1週間以内 約6 約 約3 造血能低下 骨髄 3~7日 約0.5 皮膚紅斑 皮膚(広範囲) 1~4週間 3~6以下 皮膚熱傷 一時的脱毛 時的脱毛 皮膚(広範囲) 皮膚 2~3週間 2 3週間 2~3週間 5~10 約4 着床前期 妊娠2~4週 流産 腫瘍細胞 2本鎖DNA がん・白血病 臓器/組織 正常細胞 線量 晩発障害 胎児への影響 修復 しきい線量 >100mSV 白内障 障害 放射線治療による細胞の生存率 放射線照射 照射 照射 照射 胎児影響 遺伝的影響 修復酵素 生存率 急性障害 塩基損傷 ※ガンマ線による急性照射の場合 重要な器官が形成される時期 =薬の使用も気をつける時期=放射線にも弱い時期 器官形成期 妊娠4~10週 発生・発達異常 胎児前期 妊娠10~17週 精神遅滞 胎児後期 妊娠17~出産 100mSv(正確には100mGy)以上で影響が出現 出典:神田玲子、教師のための放射線教育、日本エネルギー環境教育学会特別シンポジウム、2011.11.19 放射線は一度に被ばくした場合と、少量ずつ時間をかけて被ばくした場合とでは影響が異なる。即ち、放射線作業従事者 が少量の放射線を何度も被ばくするような場合には、LNT仮説から予想されるよりも実際のリスクはずっと小さくなる。 出典:電中研ニュース401号 8 2012/9/7 被ばくの影響 放射線と生活習慣の 発がん相対リスク比較 【例】化学物質の摂取と 健康被害の関係 安心対策 (心理の領域) 実質安全 被ばくの影響が 明確に認められる 小 (科学 領域) (科学の領域) 大 用量 健康被害なし 放射線のみによる死亡割合の増加分 要因 安全対策・健康対策 不確実領域 (安全係数) 食品添加物 規制 残留農薬 遺伝子組換え食品 厳しい規制で 安全が守られている 気になる! ※生涯被曝線量100mSv 単位:ミリシーベルト(mSv) 喫煙 飲酒(毎日3合以上) 1.6倍 最低限の規制 主に個人の注意 気にならない! 1.29倍 肥満 1.22倍 200~500mSvの被ばく 1.19倍 運動不足 1.15~1.19倍 塩分の取り過ぎ 1.11~1.15倍 100~200mSvの被ばく 1.08倍 野菜不足 1.06倍 肥満、飲酒、喫煙はさらに高いリスク 9月15日時点 12月20日時点 8.00 1.29 42.1 11 9 11.9 4.11 1.72 0.79 0.23 0.07 7.89 1.28 41.6 11 7 11.7 4.07 1.66 0.78 0.23 0.07 7.73 1.27 41.2 11 3 11.3 4.02 1.60 0.77 0.23 0.07 ※最初の3週間:131Iと137Csで屋内外に関係なく空間線量のまま被ばく ※それ以降は: 137Csのみで屋外は空間線量のまま、屋内はその半分で被ばく 安全側の計算 100mSv以下では、放射線リスクは (あったとしても)統計学的に有意な 不確かさの中に埋もれてしまう程度34 ◆放射線から身を守る方法 単位:μSv/年 福島 京都 経口摂取 83.1 吸入摂取 76.9 160 合計 受けた放射線の蓄積線量 5.3 5.3 ※2011年7月2~8日にCsによる被ばく。 福島の値は最大値。 京都大学防災研究所 Environ Health Prev Med 2011 Nov 10. 放射性物質からの距離 放射性物質から距離を取る 線量 7月3日時点 単位:mSv/年 1000人が100mSv受け た場合 生涯で305人が た場合、生涯で305人が ガンで死亡し、そのうち5 人が放射線によると推定 できる 線量率 地名 福島では外部被ばく の低減が重要! 僅かに低下傾向! 除線が重要! 【福島(6月末)】 ・子どもの尿から0.41~1.3Bqの137Cs (被ばく量からすると誤差範囲) 40Kは毎日数10Bq尿から排出 【チェルノブイリ】 ・ 137Csを尿から750Bq排出した子ども ・131Iによる甲状腺ガン以外、 137Csによる 白血病や固形ガンの患者はいない 放射線を受ける時間を短くする 被ばく時間 線量率 測定年 1.8倍 国立がんセンターの調査結果 飯舘 南相馬 浪江(赤宇木) 浪江(下津島) 福島 郡山 いわき 会津若松 南会津 1986年チェルノブイリ原発事故 1~2Svの放射線被ばく 痩せすぎ 普通の食品 喫煙 健康食品 飲酒 福島における被ばく量と過去の知見 日本人成人男性の137Cs体内量の推移 【概算】体内から検出された1Bqの137Cs の年間被曝量:0.0359μSvとすると、 1964年の年間被曝量≒19μSv 中学生の尿のデータでは約14μSv (尿水内の 137Cs量は60年と64年比で10倍 :0.5→4.8Bq/L) がんになるリスク 健康被害あり 放射性物質の摂取と健康 被害の関係も同様の考え方 (正しく怖がるために、 線量把握・影響検討・判断) 被ばくの影響が よく分からない がん死亡率のリスク管理 コンクリートなどの建物の中に入る (木造よりコンクリートの方が放射線を通しません) コンクリートの厚さ 出典:基礎から学ぶ緊急被曝ガイド、岡崎龍史、医療科学社、p.94-98、2012 9 2012/9/7 事故の時に身を守るには 3.15~17 主RI:I131 計画的避難区域該当(対策本部) 学校等屋外活動基準対応(文科省) CS134,137 S134 137 CS137 3.22 3.11 事故が起こった時の心構え 冷温停止達成:12月26日 放射線を少しは知れたかな? ○か×か 放射線の強さは時間がたっても変わらない × 放射線の進む方向は強い風によって変わる × 放射線を出す物質は地球ができた時から自然界に存在する 放射線は少しだが普通の食べ物の中からも出ている ○ ○ 放射線は少しだが常に身体からも出ている ○ 自然放射線と人工放射線はその性質が異なる × 出典:平成14年度日本原子力産業会議報告書より 10 2012/9/7 天然鉱石の使用の規制について 参考資料 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に基 づく核原料物質の使用の届出が必要になる場合があり ウラン、トリウムの放射能の濃度370Bq/g(固体)以上で、含まれる ウラン及びトリウムの量((トリウムの量)+(ウランの量の3倍))が 900g以上の鉱石を使用する場合 (放射能の濃度の目安:トリウム232の場合、含有率4.5%以上、ウ ラン238の場合、含有率1.4%以上ある場合) ○規制対象となる可能性のある主な鉱石 モナザイト(モナズ石)、チャヤームン鉱、リン鉱石、シュレーキンゲル鉱、コロンバイト、 ジルケル鉱 タンタライト ゼノタイム ストロベライト トロゴム石 パイロクロ ル ジルケル鉱、タンタライト、ゼノタイム、ストロベライト、トロゴム石、パイロクロール、 オーエル石、バストネサイト、バクハン石、セリウムコンセントレート、カツレン石、ジルコン 、タングステン鉱、ゴム石、 デービド鉱、ホウトリウム石、ブロッカイト、ブランネル石、 ウラノフェン、センウラン鉱(ピッチブレンド)、コフィン石、リンドウウラン石、ニンギョウ石、 リンカイウラン石、ウラントール石、カルノー石、メタチャムン石、ウランホウトリウム鉱、 ツャムン石、トール石、フランセビル石 出典:http://www.mext.go.jp/a_menu/anzenkakuho/genshiro_anzenkisei/1260837.htm 放射線の人への影響の大きさ 吸入摂取による内部被曝の年齢差 組織 小さな粒、光と大きな粒では、人への影響が違う。 その違いをLETの高い、低いで示す 線エネルギー付与(LET:Linear 線エネルギ 付与(LET Linear Energy Transfer)とは? 1μm進んだ時に平均何keVのエネルギーを与えたか?(keV/μm) (a)低LET放射線: β線、γ線、X線 まばらにしか電離しない(或いはラジカルや活性酸素を生成しない)放射線 (b)高LET放射線:α線、中性子線、陽子線、重粒子線 密に電離する(或いはラジカルや活性酸素を生成しない)放射線 (a)低LET放射線 放 線 (b)高LET放射線 高 放 線 (a)低LET放射線 1Gy=1Sv (b)高LET放射線 1Gy=5~20Sv LETの異なる放射線によって生ずる電離の空間分布の模式図 副腎 血管壁 骨表面 脳 乳房 消化管 腎臓 肝臓 筋肉 卵巣 前立腺 赤色骨髄 呼吸器 皮膚 脾臓 睾丸 胸腺 甲状腺 子宮 その他の組織 全身 3ヶ月 7.4 7.8 7.3 6.9 6.4 7.4-19 7.3 7.3 7.0 7.7 7.6 6.8 7.1-32 6.3 7.3 6.9 7.4 7.5 7.6 20 8.8 吸入摂取の内部被曝線量係数(μSv/kBq) 1歳 5歳 10歳 15歳 4.4 3.2 3.6 4.5 4.7 3.8 3.8 4.5 4.3 3.1 3.5 4.4 4.0 2.9 3.1 3.8 3.7 2.6 2.9 3.6 4.3-12 3.1-6.6 3.3-5.5 4.2-5.2 4.3 3.1 3.4 4.3 4.3 3.1 3.5 4.3 4.1 2.9 3.2 4.0 4.6 3.3 3.7 4.6 4.5 3.2 3.7 4.6 4.0 2.9 3.3 4.2 4.2-25 3.0-14 3.3-9.7 4.2-7.8 3.6 2.6 2.8 3.4 4.3 3.1 3.5 4.3 4.0 2.9 3.2 4.0 4.3 3.1 3.4 4.3 4.4 3.2 3.5 4.2 4.5 3.3 3.7 4.6 15 8.3 6.5 5.9 5.4 3.6 3.7 4.4 成人 4.7 4.9 4.6 4.0 3.8 4.4-5.6 4.5 4.6 4.2 4.8 4.8 4.4 4.3-7.4 3.6 4.5 4.2 4.4 4.4 4.9 5.8 4.6 ICRP Pub.71.1995 11 2012/9/7 組織 副腎 血管壁 骨表面 脳 乳房 消化管 腎臓 肝臓 筋肉 卵巣 前立腺 赤色骨髄 皮膚 脾臓 睾丸 胸腺 甲状腺 子宮 その他の組織 全身 3ヶ月 19 20 19 18 16 19-48 19 19 18 20 19 17 16 19 17 18 19 19 19 21 経口摂取の内部被曝線量係数(μSv/kBq) 1歳 5歳 10歳 15歳 11 9.1 10 14 12 11 11 14 11 8.8 9.8 13 10 82 8.2 89 8.9 12 9.2 7.4 8.1 11 11-31 9.4-19 9.9-16 1.3-1.6 11 8.8 9.8 13 11 8.9 9.8 13 10 8.3 9.1 12 12 9.5 10 14 11 9.3 10 14 10 8.3 9.4 13 90 9.0 73 7.3 78 7.8 11 11 8.8 9.8 13 10 8.2 3.2 4.0 10 8.6 9.5 13 11 9.0 9.8 13 11 9.4 10 14 10 8.3 9.1 12 12 9.7 10 13 成人 14 14 14 12 11 1.3-1.7 13 14 13 14 14 13 11 14 4.2 13 13 14 13 14 Cs137 公衆による経口摂取 Cs-137,全ての化合物,全身残留割合 ○放射線医学総合研究所HP 放射線安全研究成果情報データベース http://www.nirs.go.jp/db/anzendb/RPD/gpmdj.php 1 0.1 単位:μSv/Bq I 131 Cs I-131 Cs-134 134 Cs Cs-137 137 乳児(3ヶ月) 幼児(1歳) 子ども(2-7歳) 成人 0.18 0.18 0.10 0.022 0.026 0.016 0.013 0.013 0.020 0.012 0.0096 0.013 水1L当たりI-131が8.59Bq、Cs-134が 0.28Bq、Cs-137が0.45Bq含まれていた時 に、乳児が1日に1.65L、29日間飲んだ場 合 実効被ばく線量は 合の実効被ばく線量は、 I-131: 0.18×8.59×1.65×29=74.0 Cs-134:0.026×0.28×1.65×29=0.35 Cs-137: 0.020×0.45×1.65×29=0.43 なので、合計 74.8μSv E2 E-2 全身残留割合 経口摂取による内部被曝の年齢差 E-3 E-4 E-5 E-6 E-7 E-8 0.1 幼児:74.4、子ども:41.5、成人:10μSv ICRP Pub.67.1993 住民避難目安 外部被曝線量 退避:50mSv< 屋内退避: 10~50mSv 100 1000 福島第1原発事故に係る原子力災害対策本部等の主要な放射線防護関連措置 月日 事故事象、対応等 3.11 津波による全電源喪失 原子力緊急事態宣言。 3Km>避難、3~10Km屋内退避 指示 対策本部 3.12 1号機建屋水素爆発 10Km>避難指示→20Km> 拡大 対策本部 3.14 3号機建屋水素爆発 機 3.15 2,4号機で爆発音 20~30Km 屋内退避要請。炉内作業従事者許容線量 100→250mSv 対策本部 厚労省 食品の放射能汚染に係る暫定基準値設定 内閣府 ICRP日本へ特別勧告 福島、茨城、栃木、群馬県産野菜の一部、福島県内原乳出荷停止 農水省 20~30Km 屋内退避要請→自主退避要請 対策本部 EPZ(緊急時計画区域) 防災指針 10 摂取後の日数 3.11前 原子力施設における事故の 際に退避、屋内退避などの 措置をとる時の判断の目安 距離 原子炉施設:10Km 1 3.17 3.21 原子力総合防災訓練 3.25 年に1回、原子力発電所 を選び、総合的な訓練を 実施している 4.4 放射線防護措置 発令者 LL汚染水1.2万t放出 4.5 魚介類の放射性ヨウ素基準値設定(野菜と同じ) 内閣府 4 11 4.11 20 S / <の飯館村等20 60K を計画的避難区域に指定 20mSv/y<の飯館村等20~60Kmを計画的避難区域に指定 対策本部 4.12 国際評価尺度5→7 保安院 4.17 事故収束行程表発表 東電 4.19 学校等屋外活動基準20mSv/y設定 4.20 福島県沖コウナゴ出荷停止、摂取制限 農水省 厚労省 4.22 20Km> 避難区域→警戒区域 対策本部 以降 お茶葉、牛肉、麦わら等出荷停止 農水省 文科省 12 2012/9/7 安全な線量と避難線量 安全な線量 ICRP緊急事態勧告(2011.3.21) 年間 臨床症状を起こさない線量 がんのリスクも少ない ((ICRP2007年) 年) 避難 100ミリ ICRP勧告の緊 急時避難の範囲 学校等屋外活動の線量 限度(避難区域外) 校庭の線量3.8μSv/hr(校 20ミリ 庭8Hr+屋内16Hr ,365Days) 10ミリ 具体的な数値は「社会的、経済的な 影響を考慮して」日本政府が決める。 今回20mSvとした(4.11) ICRP勧告の事 態復興期の目標 線量の範囲 5ミリ リ ICRPの公衆の限度 2ミリ 具体的な数値は「社会的、経済 的な影響を考慮して」除染等の 進捗度に応じて日本政府が決 める。 1ミリ 公衆の線量限度 ⾷品の規制 2011年3月29日 ⾷品の規制の根拠 暫定基準 3月17日決定 食品安全委員会決定 • 飲料水: ヨウ素:300, セシウム:200 • ほうれん草(野菜類) ヨウ素:2,000, セシウム:500 • 牛乳・乳製品 ヨウ素:300, 200 • 穀類 セシウム:500 • 肉・卵・魚・他 考え方 まず食品の合計線量を5ミリと決め 次に放射性物質ごとに 重複を考慮 例 ヨウ素は 水・野菜・牛乳・その他を考慮して それぞれの割り当てを2/9 とした セシウム:500 注:1.単位:ベクレル/kg 2.ウラン及びプルトニウムは省略 日本の場合 食品安全委員会 の規制値 世界の場合 年間 100ミリ 臨床症状を起こさない線量 (ICRP) ICRPの値を取らず、WHO の数値を取った(1/2) さらに他の食品との重複 を考慮した 10ミリ 食品基準 放射性ヨウ素 ICRPの食品規制値 5ミリ リ WHOの食品規制値 (1988年) 2ミリ この基準は緊急時 向けではない (WHO) 例示:核種別に 水・牛乳・野菜による重複を 考慮して1/3にしている 13 2012/9/7 ⾷品の新基準規制の根拠 放射線被曝と次世代への影響 トリウム(4n)系列 原爆被爆者同士からの胎児の死産、奇形発生および染色体異常の調査が行われて います。1Gy以上被曝した両親から生まれた子どもと、広島、長崎に住んでおらず被曝 していない両親から生まれた子どもでは、それらの発生確率に差はありませんでした。 2011/4/15福島県出身を理由に結婚破談?のニュースがネットに出ました。「放射線の 影響で元気な子どもが生まれなかったらどうするの?」と婚約者の男性の母親からこう 影響で元気な子どもが生まれなか たらどうするの?」と婚約者の男性の母親からこう いわれ、福島出身の女性が結婚破談になったという話です。 もしこれが事実なら、明らかに放射線影響の知識不足と思われます。放射線被曝によ る次世代への影響はありません! Neel JV et al : National Academy Press(1991) 原爆被爆者における死産 母親の 被曝状況 父親の被曝状況 β崩壊 半減期 異常の起 源 5.5×10-6% 異常を持った子ども 被曝群※ 8,322人 新たに生 じた例 1 (0.01%) 1 (0.01%) 5/614 0.81% 両親由来 15 (0.19%) 10 (0.12%) 1/145 0.7% 未検査 9 (0.11%) 7 (0.08%) 25 (0.31%) 18 (0.22%) 低中線 量 高線量 (≧1Gy) 市内不在 低中線 量 高線量 (≧1Gy) 市内不在 408/31,559 1.3% 72/4,455 1.6% 9/528 1.7% 294/31,904 0.92% 40/4,509 0.89% 6/534 1.1% 低中線量 279/17,452 1.6% 139/7,881 1.8% 13/608 2.1% 144/17,616 0.82% 79/7,970 0.99% 高線量 (≧1Gy) 26/1,656 1.6% 6/457 1.3% 2/144 1.4% 19/1,676 1.1% 6/463 1.3% ※平均線量0.60Gy 228Ra 88 a-nC 87 合計 55.6s 0.145s 212Pb 82 35.9% 5.75y 6.15h 228Ac 89 6.15h 3.30m 224Fr 安定型染色体の異常 対照群 7,976人 市内不在 (症例数/調査された子どもの数 1948-53年) a-nB 232Th 90 1.405×1010y Neel JV et al : J. Radiat. Res. (1991), 32(Supple), 347-74 生後2週間以内に診断された奇形 父親の被曝状況 aA α崩壊半減期 3.36d 228Th 90 1.913y 224Ra 88 220Rn 86 216Po 84 3.30m 212Bi 83 60.55m 212Po 84 64.1% 60.55m 2.99×10-7s 3.053m 208 208Tl 81 82 Pb 14 2012/9/7 ネプツニウム(4n+1)系列 237Npは地球の年齢に比べてはるかに短寿命な同位体 地球上では既に存在しない崩壊系列 2.14×106y 233Pa 91 aA α崩壊半減期 崩壊半減期 26.97d 233U 92 1.592×105y β崩壊 半減期 a-nB 237Np 93 7.34×103y 14.9d 225 88 Ra 10.0d 4.9m 3.23×10-2s 217At 85 5.4×10-4s 3.23×10-2s 45.59m 213 83Bi 45.59m 2.09% 209Tl 81 4.2×10-6s 2.20m 209Pb 82 3.10m 217Rn 86 213Po 84 3.253h 209Bi 83 7.038×108y 25.52h 231 aA 90 Th a-nC 21.77y 1.38% 22.8m 97% 215Bi 83 7.6m 99.724% 207Tl 81 3.96s 36.1m 210Tl 81 1.9×10-6% 206Hg 80 230Th 90 226 Ra 1.600×103y 88 222Rn 86 3.824d 3.10m 218Po 84 26 8m 26.8m 19.9m 1.30m 22.3y 8.15m 1.6s 214Bi 83 218At 85 19 9m 19.9m 1.6s 214Po 84 1.643×10-4s 210Pb 82 22.3y 218 Rn 0.035s 86 0.1% 0.02% 210Bi 83 99.979% 5.013d 138.4d 5.013d 4.199m 206 Pb 206Tl 81 210Po 84 82 235U 92 231Pa 91 4.77m 21 77y 21.77y 18.72d 227Th 90 98.62% 223Ra 88 11.44d 219Rn 86 1.0×10-4s 211Bi 83 227Ac 89 22.8m 223Fr 87 1.781×10-3s 215Po 84 1.781×10-3s 36.1m 211 82 Pb 56s 219At 85 0.006% 56s 7.538×104y 3.276×104y β崩壊 半減期 a-nB 0.021% 234U 92 1.32×10-4% アクチニウム(4n+3)系列 α崩壊半減期 214Pb 82 0.012% 1.17m 234mPa 91 2.455×105y 0.0055% 0.7200% 238U:99.2745% 221Fr 87 0.16% 6.70h 1.17m IT 24.10d 234Th 90 235U: 225Ac 89 234Pa 91 238U 92 4.468×109y 234U: 229Th 90 a-nC ウラン (4n+2) 18.72d 系列 36.1m 215At 87 211Po 84 2.3×10-4% 0.276% 0.516s 207Pb 82 15
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