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熱流体に関係する課題
機械工学科 藤原誠之
専門分野: 熱工学
キーワード: 熱物性,分子シミュレーション,熱流動解析
概要 本研究室では,分子シミュレーションやマクロ
な熱流体解析を用い,ミクロからマクロまでの熱問
題に関する課題に対して研究を行っています。
粗視化
分子動力学法 図1は固体内の熱伝導率を解析す
る非熱平衡分子動力学の解析モデル例です。熱
伝導層に構造体を配置させたり,格子欠陥を生成
させることにより,それらが熱伝導に与える影響を分
子レベルで詳細に調べることが出来ます。
分子
散逸粒子
図2 散逸粒子動力学の概念図
図3 粒子の速度分布
図1 固体内の熱伝導解析
散逸粒子動力学法 図2は散逸粒子動力学法の概
念図です。複数の分子や原子をまとめて粗視化し
た散逸粒子に対して解析を行う方法で,大規模な
系の解析が低い計算コストで可能となります。この
解析法はこれまでエネルギーの伝播に関する解析
が出来ませんでした。そこで,本研究室では新たな
解析手法を開発しています。本手法は,例えば燃
料電池のポーラス体内の熱流動などメゾスコピック
な領域の解析に適用可能です。
応用研究 具体的な応用研究として,熱音響冷凍
機の開発を行っています(図4)。駆動部を有しない
ため,メンテナンスフリーで航空宇宙分野での活用
が期待されます。本研究では差分法による圧縮性
流体の熱流体解析を用いた性能シミュレーターの
開発と実機を用いた実測の両面から行っています。
スピーカー
動ひずみ計
熱交換器
蓄熱体
共鳴管
パワーアンプ
ファンクションジェネレータ
図4 熱音響冷凍機
格子ボルツマン法 本解析は規則性を持った粒子
の移動する割合(分布関数)を用いてマクロな流れ
を自己組織化させて解析する方法です(図3)。近
年では空力音の直接解析や複雑な流路内の解析
などに適用されています。
まとめ 熱流体問題に関し,コンピュータを用いてミ
クロからマクロまで研究を行っています。また,熱音
響を用いた冷凍機に関する研究を行っています。
製品開発等で熱流体に関する問題等が御座いまし
たら,気軽に連絡下さい。
連絡先 e-mail:[email protected]
所属学会:機械学会・伝熱学会・熱物性学会
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