ソニーフィナンシャルホールディングス調査レポート ソニーフィナンシャルホールディングス 金融市場調査部長 尾河 眞樹 issue date 2017/02/13 日米首脳会談に注目 今週のドル円予想レンジ 113.00-115.00 日米首脳会談は無事に通過。日本にとってはベストの結果ともいえ、週明けの金融市場はリスクオ ンの展開が想定される。ただ、市場が期待する米財政政策の詳細が固まるのはまだ先で、仏大統領 選の不透明感もくすぶるなか、ドル円は上昇しても、今週の上値は限定的とみている。 2月10日に行われた日米首脳会談は、両国の友好関係を世界にア ピールする場となった。懸念されていた通商・為替問題では、米国 から日本に対する厳しい注文は一切なかった。そればかりか共同声 明では①日米同盟:尖閣問題や北朝鮮問題に関する米国のコミット メントが明確に記載された、②日米経済関係:金融、経済分野にお ける利益共有や「3本の矢」の推進、環太平洋経済連携協定(TPP) に代わる貿易・投資の枠組みを日米2国間で協議すること、などが 今週の注目材料(いずれも現地時間) 【中】2月14日:1月消費者物価指数 【独】2月14日:2月ZEW景況感指数 【米】2月14日:イエレンFRB議長議会証言 【米】2月15日:1月小売売上高、 1月消費者物価指数 盛り込まれた、③本年中のトランプ大統領の訪日を約束した、こと は、日本政府にとっては満額回答を得た格好であり、今回の会談は 120点の結果だったと言ってよいだろう。 重要イベントを無事に通過したことで、週明けは円安・株高が進行 1月鉱工業生産 【豪】2月16日:1月雇用統計 ■図表1:マリーヌ・ルペン氏の公約(一部) するなど、市場がリスクオンに傾く可能性は高い。ただ、米国の減 ・「自国第一」を明記する憲法の改正 税やインフラ投資といった財政政策の詳細が明らかになるまでには ・EU離脱、国民投票の実施 まだ時間を要することに加え、仏大統領選への不透明感が増してい ・単一通貨ユーロからの離脱、自国通貨の復活 ることなども重しとなり、ドル円が115円の大台を大きく超えてい ・移民の数を年間二万人から一万人に減少 くには時間がかかりそうだ。4~5月のフランス大統領選では極右 ・シェンゲン協定の破棄 政党の国民戦線(FN)のルペン党首が支持を伸ばしており、ハリ ・フランス市民権を得るための条件強化 ス・インターナショナルが実施した世論調査では、同氏が24%で トップ、新党「アン・マルシェ」のマクロン党首は21%、共和党 のフィヨン氏は19%となっている(インターネット経由で6002人 を対象に6-8日に実施)。フィヨン元首相はこれまで最も大統領に 近いといわれていたが、家族への不正給与疑惑が広がり支持率が低 下。その後支持を伸ばしていた新党「アン・マルシェ」のマクロン ・警察官の数を二倍に ・中小企業へ減税 ・児童手当など家庭への手当てはフランス人家庭にのみ給付 出所:各報道をもとにsonyFH金融市場調査部作成 ■図表2:独仏国債利回り 党首も、先週不倫疑惑が浮上したことで情勢は不透明となっている。 ルペン氏は「ユーロの通貨同盟を離脱する」と主張しており(図表 1)、9日には「仏国債の元本がユーロ、新フランのどちらで返済 されるかは、国債保有者大半にとって大した違いはない」などと述 べた。しかし、投資家にとってこうした不透明感は大いにマイナス で、先週は仏国債が売られ利回りは上昇。独仏国債利回りが拡大す るなど、市場はルペン氏勝利のリスクをじわり織り込み始めている (図表2)。今週は、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が議 会 証 言 を 行 う 。 昨 年 12 月 に 行 わ れ た 米 連 邦 公 開 市 場 委 員 会 (FOMC)の議事要旨を見る限り、メンバーは、「トランプ政権の 財政政策が経済に与える影響は不透明」としており、政策の詳細が 明らかになるまで利上げには踏み切らないだろう。したがって、イ エレン議長がトランプ政権の政策に現段階で深く言及する可能性は 低く、ドル円相場への影響は限定的とみている。 出所:Bloomberg 1 Weekly Market Focusについてのご注意 本レポートは、ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社(以下「当社」といいます)が経済情勢、市況などの投 資環境に関する情報をお伝えすることを目的としてお客様にご提供するものであり、金融商品取引法に基づく開示資料で はなく、特定の金融商品の推奨や売買申し込み、投資の勧誘等を目的としたものでもありません。 本レポートに掲載された内容は、本レポートの発行時点における投資環境やこれに関する当社の見解や予測を紹介するも のであり、その内容は変更又は修正されることがありますが、当社はかかる変更等を行い又はその変更等の内容を報告す る義務を負わないものといたします。本レポートに記載された情報は、公的に入手可能な情報ですが、当社がその正確 性・信頼性・完全性・妥当性等を保証するものではありません。本レポート中のグラフ、数値等は将来の予測値を含むも のであり、実際と異なる場合があります。 本レポート中のいかなる内容も、将来の投資環境の変動等を保証するものではなく、かつ、将来の運用成果等を約束する ものでもありません。かかる投資環境や相場の変動は、お客様に損失を与える可能性もございます。 当社は、当社の子会社及び関連会社(以下、「グループ会社」といいます)に対しても本レポートに記載される内容を開 示又は提供しており、かかるグループ会社が本レポートの内容を参考に投資決定を行う可能性もあれば、逆に、グループ 会社が本レポートの内容と整合しないあるいは矛盾する投資決定を行う場合もあります。本レポートは、特定のお客様の 財務状況、需要、投資目的を考慮して作成されているものではありません。また、本レポートはお客様に対して税務・会 計・法令・投資上のアドバイスを提供する目的で作成されたものではありません。投資の選択や投資時期の決定は必ずお 客様ご自身の判断と責任でなされますようお願いいたします。 当社及びグループ会社は、お客様が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと(お客様が第三者に利用さ せたこと及び依拠させたことを含みます)による結果のいかなるもの(直接的な損害のみならず、間接損害、特別損害、 付随的損害及び懲罰的損害、逸失利益、機会損失、代替商品又は代替サービスの調達価格、のれん又は評判に対する損失、 その他の無形の損失などを含みますが、これらに限られないものとします)についても一切責任を負わないと共に、本レ ポートを直接・間接的に受領するいかなる投資家その他の第三者に対しても法的責任を負うものではありません。 本レポートに含まれる情報は、本レポートの提供を受けられたお客様限りで日本国内においてご使用ください。 本レポートに関する著作権及び内容に関する一切の権利は、当社又は当社に対して使用を許諾した原権利者に帰属します。 当社の事前の了承なく複製又は転送等を行わないようお願いします。 本レポートに関するお問い合わせは、お客様に本レポートを提供した当社グループ会社の担当までお願いいたします。 ソニーフィナンシャルグループ 東証第一部上場(銘柄コード8729) 100%出資 100%出資 100%出資 生命保険事業 ソニーフィナンシャルホールディングスは、ソ ニー生命保険株式会社、ソニー損害保険株式会 社、ソニー銀行株式会社の3社を中核とする金 融持株会社で、東京証券取引所第一部に上場 (銘柄コード8729)しています。 損害保険事業 当社グループの各事業は、独自性のある事業モ デルを構築し、合理的かつ利便性の高い商品・ サービスを個人のお客さまに提供しています。 銀行事業 当社グループの基本情報、業績、グループ各社 の事業内容などにつきましては、当社ホーム ページでご覧いただけます。 http://www.sonyfh.co.jp 100%出資 介護事業
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