3 次の各問いに答えよ。 (1) ABC において,AB = 2,∠BAC = 60

3 □
次の各問いに答えよ。
(1)△ ABC において,AB = 2,∠BAC = 60°,∠ABC = 45° であるとき,△ ABC の外接円の
半径を求めよ。
(2)tan 2𝜃 = 2 2 0° < 𝜃 < 45° であるとき,sin 𝜃 の値を求めよ。
:
(3)cos 𝛼 + cos𝛽 = cos 𝛼 cos 𝛽 = −
0° < 𝛼 < 𝛽 < 180° であるとき,sin 𝛽 − 𝛼 の値を求めよ。
:;
(4)𝑥𝑦 平面上に 2 直線 𝑦 = 2𝑥,𝑦 = 𝑎𝑥 𝑎 > 2 があり,2 直線のなす角を 𝜃 0° < 𝜃 < 90° とおく
:
と,tan 𝜃 = となる。このとき,𝑎 の値を求めよ。
C
(はじめに)
3 角形に関する問題では,実際にその 3 角形の図を書くことを強くお勧めします!
(1)△ ABC において,AB = 2,∠BAC = 60°,∠ABC = 45° であるとき,△ ABC の外接円の
半径を求めよ。
<解説>
A
(はじめに)に従って,まず △ ABC において与えられた条件を図で表すと
60°
√2
右図のようになります.
「3 角形の内角の和 = 180°」ですから,右図より
45°
B
∠ACB = 180° − 60° + 45° = 75° となりますよね!?
一方,この問題において求めるのは △ ABC の外接円の半径なのですが,3 角形の外接円の半径
と言えば,正弦定理ですよね!?
ですから,求める外接円の半径を R とすると
正弦定理より
EF
GHI∠EJF
=
;
GHIKL°
= 2R
∴R=
;
;GHIKL°
C
…①
次に,この sin75° の値についてですが,75° = 45° + 30° ですから,加法定理を用いれば
sin75° の値が求まりますよね!?
サインについての加法定理の基本形は sin 𝛼 + 𝛽 = sin𝛼cos𝛽 +cos𝛼 sin𝛽 ですから
この式の 𝛼 のところに 𝛼 = 45°,𝛽 のところに 𝛽 = 30° を代入すると
sin75° = sin 45° + 30° = sin 45° cos30° + cos 45° sin 30° =
;
;
∙
C
;
+
; :
;
∙ =
ります.
よって,この sin75° =
R=
;
UV W
;∙
X
=
RS ;
T
; ;
RS ;
=
を①に代入して
; ;
RS ;
RY ;
RY ;
よって,求める外接円の半径は
=
;∙ :;YT
T
=
;∙; CYT
3 − 1 です.
T
= 3−1
;
RS ;
T
と sin75° の値が求ま
(2)tan 2𝜃 = 2 2 0° < 𝜃 < 45° であるとき,sin 𝜃 の値を求めよ。
(はじめに)
サイン,コサイン,タンジェントの相互関係について説明致します.
(ア)まず,sin 𝜃 と cos 𝜃 との間には cos ; 𝜃 + sin; 𝜃 = 1 …①という関係がありますよね!?
ですから sin 𝜃 と cos 𝜃 のうち,一方の値が分かれば,もう一方の値が求まります.
:
:
例えば sin 𝜃 = と sin 𝜃 の値が分かっているとき,この sin 𝜃 = を①に代入すると
;
: ;
cos ; 𝜃 +
;
(※ cos 𝜃 = ±
;
C
= 1 より cos ; 𝜃 = ∴ cos 𝜃 = ±
T
C
;
:
また例えば cos 𝜃 =
: ;
C
C
とは,cos 𝜃 の値が
または −
;
C
;
C
と cos 𝜃 の値が求まりますよね!?
であることを意味します.以下同じ)
;
と cos 𝜃 の値が分かっているとき,この cos 𝜃 =
C
\
; ;
]
C
+ sin; 𝜃 = 1 より sin; 𝜃 = ∴ sin 𝜃 = ±
:
を①に代入すると
C
と sin 𝜃 の値が求まりますよね!?
つまり,sin 𝜃 と cos 𝜃 のうち,一方の値が分かれば,それを①に代入することによって,もう
一方の値が求まります.
(イ)一方,sin 𝜃 と cos 𝜃 との間に成り立つ式である cos ; 𝜃 + sin; 𝜃 = 1 の両辺を cos ; 𝜃 で割ること
により(途中で tan 𝜃 =
GHI ^
_`G ^
であることを用いて) 1 + tan; 𝜃 =
:
_`GW ^
…②という式が導かれます
がこの式により cos 𝜃 と tan 𝜃 のうち,一方の値が分かれば,もう一方の値が求まります.
:
:
例えば cos 𝜃 = と cos 𝜃 の値が分かっているとき,この cos 𝜃 = を②に代入すると
;
:
1 + tan; 𝜃 =
a W
W
;
すなわち 1 + tan; 𝜃 = 4 より tan; 𝜃 = 3 ∴ tan 𝜃 = ± 3
と tan 𝜃 の値が求まります.
また例えば tan 𝜃 =
: ;
1+
C
:
C
=
と tan 𝜃 の値が分かっているとき,この tan 𝜃 =
:
_`GW ^
:
すなわち
_`GW ^
=
:b
]
より cos ; 𝜃 =
]
:b
:
を②に代入すると
C
∴ cos 𝜃 = ±
C
:b
と cos 𝜃 の値が求まります.
つまり,cos 𝜃 と tan 𝜃 のうち,一方の値が分かれば,それを②に代入することによって,もう一
方の値が求まります.
よって,
(ア),
(イ)より sin 𝜃,cos 𝜃,tan 𝜃 のうち,どれか 1 つの値が分かれば,残りの 2 つの値が
求まります.
:
:
例えば sin 𝜃 = と sin 𝜃 の値が分かっているとき,この sin 𝜃 = を①に代入することにより
;
;
cos 𝜃 +
: ;
;
;
C
;
= 1 より cos 𝜃 = ∴ cos 𝜃 = ±
T
残りの tan 𝜃 については tan 𝜃 =
GHI ^
C
と cos 𝜃 の値が求まります.
;
を用いることにより tan 𝜃 =
_`G ^
a
W
±
c
W
=±
:
C
と tan 𝜃 の値
が求まります.
:
:
また例えば cos 𝜃 = とcos 𝜃 の値が分かっているとき,このcos 𝜃 = を①に代入することにより
C
: ;
C
;
;
\
; ;
]
C
+ sin 𝜃 = 1 より sin 𝜃 = ∴ sin 𝜃 = ±
C
残りの tan 𝜃 については tan 𝜃 =
GHI ^
_`G ^
と sin 𝜃 の値が求まります.
を用いることにより tan 𝜃 =
±
W W
c
a
c
= ±2 2 と tan 𝜃 の
値が求まります.
:
:
さらに例えば tan 𝜃 = と tan 𝜃 の値が分かっているとき,この tan 𝜃 = を②に代入すること
;
;
により
: ;
1+
;
=
:
_`GW ^
すなわち
:
_`GW ^
=
L
T
と cos 𝜃 の値が求まり,この求まった cos 𝜃 = ±
±
;
L
;
;
;
:
T
より cos ; 𝜃 = ∴ cos 𝜃 = ±
;
L
L
L
を①に代入することにより
+ sin 𝜃 = 1 より sin 𝜃 = ∴ sin 𝜃 = ±
L
;
:
L
と sin 𝜃 の値が求まります.
このようにsin 𝜃,cos 𝜃,tan 𝜃のうち,どれか 1 つの値が分かれば,残りの 2 つの値が求まります.
これを一般論として言えば
ある角度について,その角度が 30°や 60°や 100° …,あるいは 𝜃や 2𝜃や 3𝜃 …,あるいは
𝛼や𝛽や𝛾 であろうと,その角度についてのサイン,コサイン,タンジェントのうち,どれか 1 つ
の値が分かれば
その角度についての残りの 2 つの値が求まります.
つまり,cos 100° の値が分かれば sin 100° ,tan100° の値が求まりますし
tan2𝜃 の値が分かれば sin 2𝜃 ,cos2𝜃 の値が求まりますし
sin 𝛾 の値が分かれば cos 𝛾 ,tan𝛾 の値が求まります.
この「ある角度について,サイン,コサイン,タンジェントのうち,どれか 1 つの値が分かれば
その角度についての残りの 2 つの値が求まる」
ということは極めて重要ですので,キッチリと頭の中に入れて,いつでも活用できるようにして
下さい!
(2)tan 2𝜃 = 2 2 0° < 𝜃 < 45° であるとき,sin 𝜃 の値を求めよ。
<解説>
(はじめに)に従って考えると tan 2𝜃 = 2 2 と tan 2𝜃 の値が与えられている(分かっている)ので
これにより(残りの 2 つである)sin 2𝜃 と cos 2𝜃 の値が求まります.
sin 2𝜃 と cos 2𝜃 との間に成り立つ式:cos ; 2𝜃 + sin; 2𝜃 = 1 の両辺を cos ; 2𝜃 で割ることによって
導かれる式:1 + tan; 2𝜃 =
:
_`GW ;^
(途中で tan 2𝜃 =
に tan 2𝜃 = 2 2 を代入すると 1 + 2 2
これにより 9 =
:
;
;
すなわち cos 2𝜃 =
_`GW ;^
=
:
]
:
_`GW ;^
GHI ;^
_`G ;^
であることを用いました)
となります.
であることが分かります.
ここで 0° < 𝜃 < 45° より 0° < 2𝜃 < 90° ですから cos 2𝜃 > 0 が成り立ちます.よって cos 2𝜃 =
:
C
<補足>ある範囲内の角度があって(ここでは0° < 2𝜃 < 90°),その範囲内におけるコサイン,サ
インの符号についての考え方については(ここでは cos 2𝜃 , sin 2𝜃 の符号についての考
え方),実際の授業では,単位円の図を用いて詳しく解説致しますが,紙面上で図の意味
を文章で説明すると,かえってややこしくなる可能性がありますので,ここでは省略させ
てもらいます.
さらに sin 2𝜃 と cos 2𝜃 との間に成り立つ式:cos ; 2𝜃 + sin; 2𝜃 = 1 に,この cos ; 2𝜃 =
;
ことにより sin 2𝜃 =
\
]
:
]
を代入する
であることが分かります.
ここで 0° < 2𝜃 < 90° ですから sin 2𝜃 > 0 が成り立ちます.よって sin 2𝜃 =
; ;
C
ここで,この問題において求めるのは sin 𝜃 の値です.
cos 2𝜃 や sin 2𝜃 と sin 𝜃 との間に成り立つ式には
2 倍角の公式として
cos 2𝜃 = cos ; 𝜃 − sin; 𝜃
cos 2𝜃 = 1 − 2 sin; 𝜃
sin 2𝜃 = 2 sin 𝜃 cos 𝜃
があります.
これら 3 つの式のうち cos 2𝜃 や sin 2𝜃 の値が分かっているときに sin𝜃 の値を求めるのに
適しているのは cos 2𝜃 = 1 − 2 sin; 𝜃 ですよね!?
cos 2𝜃 = cos ; 𝜃 − sin; 𝜃 や sin 2𝜃 = 2 sin 𝜃 cos 𝜃 を用いて,sin 𝜃 の値を求めるには
他に cos 𝜃 の値を求める必要があります.
ですから,2 倍角の公式:cos 2𝜃 = 1 − 2 sin; 𝜃 を用いて,これに cos 2𝜃 =
:
C
;
;
= 1 − 2 sin 𝜃 ∴ sin 𝜃 =
sin𝜃 =
:
C
=
C
C
:
C
:
C
を代入すると
ここで 0° < 𝜃 < 45° ですから sin𝜃 > 0 が成り立つので
となります.よって,求める sin𝜃 の値は sin𝜃 =
<補足>上の<解説>では sin𝜃 =
別に有理化せずに sin𝜃 =
:
√C
:
√C
=
√C
C
C
C
です.
と有理化しましたが
と,そのまま解答用紙に書いても構いません.
(別解)
tan 2𝜃 =
GHI ;^
_`G ;^
;
ですから tan 2𝜃 = 2 2 のとき
GHI ;^
_`G ;^
;
= 2 2 が成り立ちます.
ここで cos 2𝜃 + sin; 2𝜃 = 1 ですから,この cos 2𝜃 + sin; 2𝜃 = 1 を用いるために
GHI ;^
_`G ;^
= 2 2 の両辺に cos 2𝜃 をかけて sin 2𝜃 = 2 2 cos 2𝜃 と変形してから
;
両辺を 2 乗すると sin; 2𝜃 = 2 2 cos ; 2𝜃 すなわち sin; 2𝜃 = 8 cos ; 2𝜃 が得られます.
これを cos ; 2𝜃 + sin; 2𝜃 = 1 に代入すると cos ; 2𝜃 + 8 cos ; 2𝜃 = 1 となり
:
9 cos ; 2𝜃 = 1 より cos ; 2𝜃 = であることが分かります.
]
ここで 0° < 𝜃 < 45° より 0° < 2𝜃 < 90° ですから cos 2𝜃 > 0 が成り立ちます.よって cos 2𝜃 =
さらに 2 倍角の公式より cos 2𝜃 = 1 − 2 sin; 𝜃 ですから cos 2𝜃 =
:
C
= 1 − 2 sin; 𝜃 すなわち sin; 𝜃 =
:
C
:
C
:
C
のとき
であることが分かります.
ここで 0° < 𝜃 < 45° ですから sin 𝜃 > 0 が成り立つので sin 𝜃 =
:
C
=
C
C
…とする方法もあります.
(3)cos 𝛼 + cos𝛽 = cos 𝛼 cos 𝛽 = −
:
:;
0° < 𝛼 < 𝛽 < 180° であるとき,sin 𝛽 − 𝛼 の値を求めよ。
<解説>
この問題は cos 𝛼 + cos𝛽 = cos 𝛼 cos 𝛽 = −
cos 𝛼 + cos𝛽 = −
:
:;
:
,すなわち
:;
, cos 𝛼 cos 𝛽 = −
:
という条件から cos 𝛼 , cos 𝛽 の値をいかにして
:;
求めるか!?が問われている問題と言えるでしょう.
:
確かに…代入法,すなわち cos 𝛼 + cos𝛽 = −
から cos 𝛽 = −
:
これを cos 𝛼 cos 𝛽 = −
:
;
cos 𝛼 +
:;
cos 𝛼 −
:
:;
:;
:;
に代入して cos 𝛼 −
そして,cos 𝛼 =
T
cos 𝛼 = −
C
− cos 𝛼 = −
:;
とし
= 0 すなわち 12 cos 𝛼 + cos 𝛼 − 1 = 0 とし
のとき cos 𝛽 = −
:
:;
− cos 𝛼 とし
;
4cos 𝛼 − 1 3cos 𝛼 + 1 = 0 より cos 𝛼 =
:
:
:
:;
:
:
:;
のとき cos 𝛽 = −
:
T
または −
− cos 𝛼 = −
:
:;
:
:;
− cos 𝛼 = −
よって cos 𝛼 , cos 𝛽 =
:
T
,−
:
C
:
C
.
:
:
T
C
:
− =−
:
− −
:;
:
, − ,
:
C
ところが 0° < 𝛼 < 𝛽 < 180° より cos 𝛼 , cos 𝛽 = − ,
よって cos 𝛼 =
:
T
,cos 𝛽 = −
C
:
:
T
C
:
=
:
T
.
T
は不適.<補足>
C
…という方法でも cos 𝛼 , cos 𝛽 の値を求めることができますし,この方法で cos 𝛼 , cos 𝛽 の
値を求めても減点されることはありません.
しかし,出題者は,皆さんが「解と係数の関係」をきちんとマスターできてるか!?を試そうと
しているハズです.
解と係数の関係は,本来
「2 次方程式 𝑎𝑥 ; + 𝑏𝑥 + 𝑐 = 0 𝑎 0 の 2 つの解を 𝛼,𝛽 とすると
g
i
h
h
𝛼 + 𝛽 = − ,𝛼𝛽 =
が成り立つ」
というものですが,これを逆に言えば
「𝛼 + 𝛽 = 𝑠,𝛼𝛽 = 𝑡 のとき 𝛼,𝛽 を解にもつ 2 次方程式は 𝑥 ; − 𝑠𝑥 + 𝑡 = 0 と表せる」
ということが言えますよね!?
:
:
ですから「解と係数の関係」を用いれば cos 𝛼 + cos𝛽 = −
,cos 𝛼 cos 𝛽 = −
のとき
cos 𝛼 , cos 𝛽 を解にもつ 2 次方程式は 𝑥 ; +
:
:;
𝑥−
:
:;
:;
:;
= 0 と表せます.
:
:
T
C
この式の両辺に 12 をかけて因数分解すると 4𝑥 − 1 3𝑥 + 1 = 0 ∴ 𝑥 = , −
:
ここで 0° < 𝛼 < 𝛽 < 180° ですから cos 𝛼 = , cos 𝛽 = −
T
ここまでをまとめると cos 𝛼 + cos𝛽 = cos 𝛼 cos 𝛽 = −
:
:
T
C
cos 𝛼 = , cos 𝛽 = −
:
:;
:
C
であることが分かります.<補足>
0° < 𝛼 < 𝛽 < 180° であることから
であることが分かりました.
一方,この問題において求めるのは sin 𝛽 − 𝛼 の値です.
:
:
cos 𝛼 = , cos 𝛽 = − であることから,例えば 𝛽 − 𝛼 = 30° と 𝛽 − 𝛼 の値が求まれば
T
C
良いのですが,それはムリですよね!?
ですから sin 𝛽 − 𝛼 については,加法定理を用います.
サインについての加法定理の基本形は sin 𝛼 + 𝛽 = sin 𝛼 cos 𝛽 + cos 𝛼 sin 𝛽 ですよね!?
この式において 𝛼 と 𝛽 とを入れ換え,両辺の+(プラス)を-(マイナス)に変えることによって
sin 𝛽 − 𝛼 = sin 𝛽 cos 𝛼 − cos 𝛽 sin 𝛼 …①が得られます.
この sin 𝛽 − 𝛼 = sin 𝛽 cos 𝛼 − cos 𝛽 sin 𝛼 を用いて sin 𝛽 − 𝛼 の値を求めるのですが
:
:
今,分かっているのは cos 𝛼 = , cos 𝛽 = − であることです.
T
C
よって①を用いて sin 𝛽 − 𝛼 の値を求めるには,さらに sin 𝛼 と sin 𝛽 の値を求める必要があります.
今,cos 𝛼 と cos 𝛽 の値が分かっているので
sin 𝛼 の値を求めるには sin 𝛼 と cos 𝛼 との間に成り立つ式:cos ; 𝛼 + sin; 𝛼 = 1 を用い
sin 𝛽 の値を求めるには sin 𝛽 と cos 𝛽 との間に成り立つ式:cos ; 𝛽 + sin; 𝛽 = 1 を用いれば
sin 𝛼 と sin 𝛽 の値が求まりますよね!?
従って cos ; 𝛼 + sin; 𝛼 = 1 に cos 𝛼 =
:
を代入すると
T
: ;
T
+ sin; 𝛼 = 1 ∴ sin; 𝛼 =
:L
:R
ここで 0° < 𝛼 < 𝛽 < 180° ですから sin 𝛼 > 0, sin 𝛽 > 0 です.よって sin 𝛼 =
また cos ; 𝛽 + sin; 𝛽 = 1 に cos 𝛽 = −
sin 𝛽 > 0 であることから sin 𝛽 =
:
つまり,cos 𝛼 = , cos 𝛽 = −
T
sin 𝛼 =
:L
T
:
C
:
C
; ;
を代入すると
−
: ;
C
+ sin; 𝛽 = 1 ∴ sin; 𝛽 =
:L
T
<補足>
\
]
C
であることから
, sin 𝛽 =
; ;
C
であることが分かりました.
あとは①にこれらの値を代入するだけです.
よって sin 𝛽 − 𝛼 = sin 𝛽 cos 𝛼 − cos 𝛽 sin 𝛼 =
sin 𝛽 − 𝛼 =
; ;S :L
:;
; ; :
C
∙ − −
T
:
C
∙
:L
T
=
; ;S :L
:;
より
となります.
:
:
C
T
<補足>なぜ 0° < 𝛼 < 𝛽 < 180° のとき lcos 𝛼 , cos 𝛽m = n− , o は不適であるか!?
:
また 0° < 𝛼 < 𝛽 < 180° のとき,なぜ cos 𝛼 = , cos 𝛽 = −
T
:
C
となるか!?
さらに 0° < 𝛼 < 𝛽 < 180° のとき,なぜ sin 𝛼 > 0, sin 𝛽 > 0 となるか!?
については,実際の授業では,単位円の図を用いて詳しく解説致しますが
紙面上で図の意味を文章で説明すると,かえってややこしくなる可能性がありますので
ここでは省略させてもらいます.
(※)実際の試験においては,𝛼 + 𝛽,𝛼𝛽 の値が与えられたとき
「解と係数の関係」を用いて 𝛼,𝛽 の値を求めるようにして下さい.
(4)𝑥𝑦 平面上に 2 直線 𝑦 = 2𝑥,𝑦 = 𝑎𝑥 𝑎 > 2 があり,2 直線のなす角を 𝜃 0° < 𝜃 < 90° とおく
:
と,tan 𝜃 = となる。このとき,𝑎 の値を求めよ。
C
(はじめに)
直線の傾きと tan 𝜃 との関係について説明致します.
右図のように,傾きが 𝑚 である直線 𝑦 = 𝑚𝑥 + 𝑛 と x 軸とのなす角を 𝜃 とすると
直線 𝑦 = 𝑚𝑥 + 𝑛 上の点 P は(P から Q へと)x 軸方向に 1 だけ進むと
y 軸方向には(Q から R へと)𝑚 だけ進むので
右図の 3 角形 PQR において tan 𝜃 =
rs
ts
=
u
:
=𝑚
𝑦
𝑦 = 𝑚𝑥 + 𝑛
R
P
𝜃
1
𝑚
Q
𝑛
𝜃
𝑥
0
すなわち 𝑚 = tan 𝜃 が成り立ちます.
つまり,(直線の傾き) = tan 𝜃 となります.
この(直線の傾き) = tan 𝜃 というとらえ方は xy 平面上において
“直線のなす角”を考えるときに非常に役立ちますので,しっかりと頭の中に刻み込んでおいて下さい.
𝑦
<解説>
𝑦 = 𝑎𝑥
(はじめに)に従って考えると
直線 𝑦 = 2𝑥 と x 軸とのなす角を 𝛼 とすると
𝑦 = 2𝑥
直線 𝑦 = 2𝑥 の傾きは 2 ですから tan 𝛼 = 2 となります.
𝛽
また,直線 𝑦 = 𝑎𝑥 と x 軸とのなす角を 𝛽 とすると
𝜃
𝛼
𝑥
直線 𝑦 = 𝑎𝑥 の傾きは 𝑎 ですから tan 𝛽 = 𝑎 となります.
0
そして,これらのことを図で表すと,右図のようになります.
(※メンドウかも知れませんが,図はきちんと書いて下さい.また図を書く際には 𝑎 > 2 であることに
注意して下さい)
ここで,問題文にあるように 𝑦 = 2𝑥 と 𝑦 = 𝑎𝑥 とのなす角を 𝜃 とすると,右図より 𝜃 = 𝛽 − 𝛼 と表
せますよね!?
:
この問題では tan 𝜃 = とタンジェントについての条件が与えられているので,タンジェントについて
C
考えると
:
:
𝜃 = 𝛽 − 𝛼 であることから tan 𝜃 = のとき tan 𝛽 − 𝛼 = が成り立ちます.
C
C
ここまでをまとめると
直線 𝑦 = 2𝑥 と x 軸とのなす角を 𝛼 とし,直線 𝑦 = 𝑎𝑥 と x 軸とのなす角を 𝛽 とすると
:
:
tan 𝛼 = 2, tan 𝛽 = 𝑎 が成り立ち,tan 𝜃 = であることから,この 𝛼,𝛽 について tan 𝛽 − 𝛼 = が
C
C
成り立つことが分かりました.
この問題において求めるのは 𝑎 の値ですから,
tan 𝛼 = 2, tan 𝛽 = 𝑎, tan 𝛽 − 𝛼 =
:
C
であることを用いて 𝑎 の値を求めます.
まず tan 𝛽 − 𝛼 についてですが 𝛽 − 𝛼 の値が分かりませんので tan 𝛽 − 𝛼 に加法定理を用います.
タンジェントについての加法定理の基本形は tan 𝛼 + 𝛽 =
vwI xSvwI y
:YvwI x vwI y
ですよね!?
この式において 𝛼と𝛽 とを入れ換え,両辺の+(プラス)を-(マイナス)に,-(マイナス)を+(プ
ラス)に変えることによって tan 𝛽 − 𝛼 =
vwI yYvwI x
:SvwI y vwI x
が得られます.
この式に tan 𝛼 = 2, tan 𝛽 = 𝑎 を代入すると tan 𝛽 − 𝛼 =
ここで tan 𝛽 − 𝛼 =
:
C
ですから
hY;
:S;h
=
:
C
hY;
:S;h
となります.
が成り立ちます.
よって 3 𝑎 − 2 = 1 + 2𝑎 より 𝑎 = 7 と 𝑎 の値が求まります.
これが求める 𝑎 の値です.
(まとめ)
このように,ある直線(例えば 𝑦 = 2𝑥)と x 軸とのなす角は
(直線の傾き) = tan 𝜃 とカンタンにとらえることができます.
(𝑦 = 2𝑥 と x 軸とのなす角を 𝜃 とすると 𝑦 = 2𝑥 の傾きは 2 ですから 2 = tan 𝜃 となります)
しかし,2 つの直線(例えば 𝑦 = 3𝑥と𝑦 = 2𝑥)のなす角を一気にとらえることはできません.
(𝑦 = 3𝑥と𝑦 = 2𝑥 とのなす角を一気にとらえることはできません)
ですから,2 つの直線がそれぞれ x 軸とのなす角を文字でおきかえ,その差をとるのです.
(傾きが 3 である 𝑦 = 3𝑥 と x 軸とのなす角を 𝛼,傾きが 2 である 𝑦 = 2𝑥 と x 軸とのなす角を 𝛽 と
すると
3 = tan 𝛼 ,2 = tan 𝛽 が成り立ち 𝑦 = 3𝑥と𝑦 = 2𝑥 とのなす角は 𝛼 − 𝛽 となります)
ですから,今後 2 つの直線のなす角について考える際には
まず,それぞれの直線が x 軸とのなす角を 𝛼,𝛽 などの文字でおきかえて下さい!
そうすれば,l一方の直線の傾きm = tan 𝛼 ,lもう一方の直線の傾きm = tan 𝛽 が成り立ち
2 つの直線のなす角については |𝛼 − 𝛽|と表せますから…
<補足>2 つの直線のなす角が負になることはありません.𝛼 − 𝛽 と表すと 𝛼 < 𝛽 のとき 𝛼 − 𝛽
は負となります.ですから |𝛼 − 𝛽| と絶対値記号を用いて表しました.