2017年1月23日 あおぞら投信株式会社 『柔道家 天然資源で 誰と組む 日露の歴史 新たなページか』 昨年12月、ロシアのプーチン大統領が11年ぶりに来日し、5月のソチでの首脳会談で安倍首相が提案した 「8項目の経済協力」に沿った事業の具体化で合意しました。これにより、民間を含む日本側の経済協力の総 額は3000億円規模になる見込みです。その中でも注目はサハリン~北海道間の天然ガスパイプラインにつ いての合意ではないでしょうか。 パイプラインで熱電併給事業が実施されれば、北海道経済の潜在力(観光や酪農業など)のパワーアップ により地域の発展に寄与すると思われます。ロシアから日本に輸出される天然ガスは、今のところ全体の シェアの約1割(グラフ参照)ですが、化石燃料の中東地域への依存度が高い日本にとってエネルギー安全 保障上のリスク分散となり得ます。また「パイプラインでつながる」ことで、両国経済の押し上げ効果も期待さ れます。1970年代初の西ドイツ(当時)が、東方外交から、自国の技術と引き換えに旧ソ連の天然ガスをパイ プライン経由で輸入し始めたことが、その後のドイツの再統一や冷戦終結に寄与しました。現在、ドイツは自 国で消費する天然ガスの3分の1以上をロシア産天然ガスに依存しています。一方、ドイツの中小企業にとっ て、ロシア市場は大切な輸出先になっています。 領土問題については「ソフトボーダー」(領土を双方で防護し合うのではなく、両国の協力で管理する国境) といった、国境を帯状の一定の地域と捉え、そこに昔住んでいた住民がビザなしで行き来できるように、両国 で共有する場といった新たなアプローチの検討が始まりました。ロシアの「豊かな資源」と「輸送インフラの整 備」という課題は、エネルギー供給をはじめ幅広い分野で日露がパートナーとなり得る時を迎えたことを示し ているのかも知れません。 日本の天然ガス輸入先(2015年度確報値) ナイジェリア オマーン その他 2.7% 2.6% 4.5% パプアニューギニア 4.8% ブルネイ オーストラリア 5.3% 23.0% アラブ首長国連邦 6.5% インドネシア マレーシア 8.2% 18.5% ロシア 8.3% 出所:財務省貿易統計 カタール 15.6% 本資料は情報の提供を目的としており、何らかの行動を勧誘するものではありません。本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、当社は その正確性、完全性を保証するものではありません。ここに示された意見などは、本資料作成日現在の当社の見解であり、事前の予告なしに変更される事もありま す。投資信託の取得に当たっては、投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。 商 号: あおぞら投信株式会社 金融商品取引業者: 関東財務局長(金商)第2771号 加入協会:一般社団法人投資信託協会 ホームページ・アドレス: http://www.aozora-im.co.jp/
© Copyright 2024 ExpyDoc