マーケットの見方(No.132)を掲載しました。

2017年1月23日
あおぞら投信株式会社
『柔道家 天然資源で 誰と組む
日露の歴史 新たなページか』
昨年12月、ロシアのプーチン大統領が11年ぶりに来日し、5月のソチでの首脳会談で安倍首相が提案した
「8項目の経済協力」に沿った事業の具体化で合意しました。これにより、民間を含む日本側の経済協力の総
額は3000億円規模になる見込みです。その中でも注目はサハリン~北海道間の天然ガスパイプラインにつ
いての合意ではないでしょうか。
パイプラインで熱電併給事業が実施されれば、北海道経済の潜在力(観光や酪農業など)のパワーアップ
により地域の発展に寄与すると思われます。ロシアから日本に輸出される天然ガスは、今のところ全体の
シェアの約1割(グラフ参照)ですが、化石燃料の中東地域への依存度が高い日本にとってエネルギー安全
保障上のリスク分散となり得ます。また「パイプラインでつながる」ことで、両国経済の押し上げ効果も期待さ
れます。1970年代初の西ドイツ(当時)が、東方外交から、自国の技術と引き換えに旧ソ連の天然ガスをパイ
プライン経由で輸入し始めたことが、その後のドイツの再統一や冷戦終結に寄与しました。現在、ドイツは自
国で消費する天然ガスの3分の1以上をロシア産天然ガスに依存しています。一方、ドイツの中小企業にとっ
て、ロシア市場は大切な輸出先になっています。
領土問題については「ソフトボーダー」(領土を双方で防護し合うのではなく、両国の協力で管理する国境)
といった、国境を帯状の一定の地域と捉え、そこに昔住んでいた住民がビザなしで行き来できるように、両国
で共有する場といった新たなアプローチの検討が始まりました。ロシアの「豊かな資源」と「輸送インフラの整
備」という課題は、エネルギー供給をはじめ幅広い分野で日露がパートナーとなり得る時を迎えたことを示し
ているのかも知れません。
日本の天然ガス輸入先(2015年度確報値)
ナイジェリア
オマーン
その他
2.7%
2.6%
4.5%
パプアニューギニア
4.8%
ブルネイ
オーストラリア
5.3%
23.0%
アラブ首長国連邦
6.5%
インドネシア
マレーシア
8.2%
18.5%
ロシア
8.3%
出所:財務省貿易統計
カタール
15.6%
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商 号: あおぞら投信株式会社 金融商品取引業者: 関東財務局長(金商)第2771号
加入協会:一般社団法人投資信託協会 ホームページ・アドレス: http://www.aozora-im.co.jp/