米国、金融政策の正常化に一歩前進

2016年12月15日
米国、金融政策の正常化に一歩前進
~ 1年ぶりの利上げ ~
2016年12月14日、FRB(米連邦準備制度理事会)は、大統領選挙後で初となるFOMC(米連邦公
開市場委員会)で、主要政策金利であるFF金利(フェデラル・ファンド金利)の誘導目標を、
2015年12月以来1年ぶりに0.25%ポイント引き上げ、年0.50~0.75%にすることを全会一致で
決定しました。
FRBは、昨年12月に約9年ぶりの利上げを決定したものの、今年前半は、追加利上げの根拠は
整ってきたとしつつも、世界経済と金融市場への影響を見極めたいとしたことや、労働市場の
一段の改善と2%の物価目標への実現に向けた確証を待つために、金利を据え置いてきました。
しかし、今年半ば以降は、好調な雇用や賃金環境の改善基調から消費が回復に向かい、経済活
動が緩やかなペースで拡大していることや、次期政権による積極的な財政政策への期待などに
伴なう米長期金利の上昇などもあり、利上げに踏み切りました。なお、今後の金融政策のスタ
ンスについては、引き続き緩和的としています。
FOMC参加メンバーによる
FF金利(中央値)予想
米国の政策金利と10年国債利回り、世界株式の推移
(2005年12月~2016年12月*、月末値)
(%)
160
7 (%)
2.9
2.6
3.0
140
6
2.5
世界株式**(左軸)
120
2.1
1.9
5
2.0
100
4
米10年国債利回り(右軸)
80
3
60
2
40
米政策金利(右軸)
0~0.25%
20
05/12
*
**
0.50~0.75%
0.25~0.50%
1.5
1.4
1.1
1.0
前
回
(
9
月
)
予
想
今
回
(
12
月
)
予
想
0.5
1 0.0
2017年 2018年 2019年
0
07/12
09/12
11/12
13/12
15/12
(年/月)
2016年12月は14日の終値
2005年12月末を100として指数化、MSCI ACワールド指数(米ドル・ベース)
(FRBなどの信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
※上記グラフ・データは過去のものおよび予測であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
■当資料は、日興アセットマネジメントが投資環境についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではあり
ません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来
の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産は為替変動リスクもあります。)を投資
対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用を
ご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
1/2
(万人)
米国の雇用者数とインフレ率の推移
(2008年1月~2016年11月*)
(%)
個人消費支出(PCE)インフレ率
80
3.0
(除くエネルギー、食品、前年同月比)(右軸)
60
2.5
*2016年10月まで
40
2.0
20
1.5
0
1.0
-20
0.5
-40
0.0
-60
-0.5
-80
-1.0
非農業部門雇用者数 (前月比)(左軸)
-100
-1.5
08/1
10/1
12/1
14/1
16/1 (年/月)
(億米ドル)
4,800
米国の小売売上高の推移
(2008年1月~2016年11月)
(%)
5
自動車、ガソリン、建材、食品を除くコア
小売売上高(3ヵ月平均の3ヵ月前比)
(右軸)
4,600
4,400
4
3
4,200
2
4,000
1
3,800
0
3,600
-1
3,400
-2
小売売上高(左軸)
3,200
-3
08/1
10/1
12/1
14/1
16/1 (年/月)
(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
※上記グラフ・データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
以下で、今回の利上げが世界の金融市場に与える影響について、弊社ストラテジストの見解
をお伝えします。
政策金利が、1年ぶりに引き上げられました。今回の利上げは、「過熱を冷やす」目的ではな
く、経済が正常化に向かっていることに沿った利上げであったと思います。もっとも、年初に
複数回の利上げが予想されていただけに、今年は1回にとどまったことはサプライズだった、と
も言えます。
同時に発表された、FOMC参加者による2017年の金利予測の中央値は、前回の1.1%から1.4%に
引き上がり、17年の予想利上げ回数は年2回から年3回に修正(0.25%/回換算)されています。
経済の見通しに変化がなかっただけに市場参加者に意外な結果と受け止められたのですが、そ
れだけ経済が緩やかに拡大するとみている、とも言えます。
米国経済は、雇用の回復が賃金を引き上げ、それに伴なってインフレ率の上昇期待が強まって
きた状態にあると言えそうです。イエレンFRB議長はFOMC後の会見でトランプ氏の財政拡大方針
について問う質問に対して、雇用回復の観点からは現時点で必要ないと発言しているようです
が、逆に言えば、現時点の経済環境において、雇用は十分拡大しており、財政政策拡大は過熱
にすらつながる、と認識しているとも考えられます。このことが、長期金利の上昇に一役買っ
たのかもしれません。
トランプ次期政権の政策内容に不透明感はあるものの、これまでに報道されている閣僚予定者
を見る限り、ビジネスフレンドリーな政策になる可能性があり、経済にとっての不確実性は低
下していくものとみています。また、足元、賃金上昇に比べて消費の拡大が鈍い中で、次期政
権で所得税の減税が実施されるならば、消費の加速が期待されます。
米国経済が正常化に向かう中、先進国のみならず、資源国や新興国を含めた世界経済の正常化
もさらに進展する、というトレンドは続くとみています。米国の金融政策の正常化は始まった
ばかりで、リスク資産に投資する機会になると思います。
チーフ・ストラテジスト
神山直樹
■当資料は、日興アセットマネジメントが投資環境についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではあり
ません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来
の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産は為替変動リスクもあります。)を投資
対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用を
ご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
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