第9章 罰 則

第9章 罰
第9章
則
罰
則
徴収法は、国税徴収の確保を侵害する危険を防止するため、納税者等が滞納処分を免れる
目的でその財産を隠蔽等した場合の滞納処分免脱罪(徴187)
、また、徴収法第141条の質問
及び検査に対する不答弁や拒否等があった場合の罰則(徴188)を規定している。
1 滞納処分免脱罪
【構成要件】
(徴187)
①
納税者又は納税者の財産を占有する第三者が行為者であること
②
滞納処分の執行を免れる目的をもって行為をしたこと
③
納税者の財産を隠蔽し、損壊し、国の不利益に処分し、又はその財産に係る負担を偽っ
て増加する行為をしたこと
納税者の財産を
納
税
情を知って納税者又は納税
者
者の財産を占有する第三者
占有する第三者
3年以下の懲役
250万円以下の罰金
の行為の相手方となった者
2年以下の懲役
150万円以下の罰金
2 検査拒否等の罪
① 徴収職員の質問に対して答弁せず、又は偽りの陳述をした者
②
帳簿若しくは書類の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はその帳簿若しくは書類で偽りの記載
をしたものを提示した者
は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する(徴188)。
【参考】1 法人の代表者等が、その法人の業務等に関して徴収法第187条又は第188条の違反行為をした
ときは、当該違反行為者を罰する他、その法人に対しても罰金刑を科する(徴189①)。
2
刑法において、公務の執行を妨害する罪として公務執行妨害及び職務強要、封印等破棄並び
に競売等妨害が規定されている(刑法95、96、96の3)
。
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