(PDF文書)

豊岡市教育委員会
2016(H28)12.1
No.10
豊岡市のホームページにもアップしています
豊岡市 HP→左中段「⇨教育委員会」→「⇨教育研修センター」からご覧頂けます
スーパーバイザー支援事業
日高東中学校区では,平成27・28年度の2年間の指定でスーパーバイザー支援事業に取り組
んで頂きました。これまでもお知らせしていた通り,この事業は,日高東中学校区5校に中尾先生
(関西国際大学教授)に入って頂き,授業における子供達の事実(発達の課題や特徴等)と教師の
関わりについてアドバイスを受け,日々の教育活動の質を高めていくというものです。そのために
一貫して大切にしてきたことは,
“授業を改善する”ということでした。このことに5校の先生方
には,真摯に取り組んで頂きました。5校の先生方の取組に共通していることは,“子供のせいに
しない”という姿勢です。それは,子供達の課題をしっかりと引き受けることで,学校の存在意義
を一層高めるということなのだと思いました。
今年は,日高東中学校区内での公開授業研究会を行って頂きました。10月17日には日高小学
校で,高井先生(1年生国語科)
・野川先生(3年生国語科)
・川島先生(6年生国語科)に授業提
案をして頂きました。11月4日には日高東中学校で谷口先生(2年生数学科)
・土野先生(3年
生国語科)に授業提案をして頂きました。
どちらの学校でも,学習指導案に個別の支援の手立てが盛り込まれており,その内容の確かさを
中尾先生が褒めておられました。事後研究協議会では,日高東中学校区の小・中学校の先生方が一
緒になって議論される姿がありました。先生方が授業実践に前向きに取り組まれる姿は素晴らしい
ものでした。日高東中学校区の先生方のこの2年間の研究は,今後豊岡市の授業研究に大きな影響
を与えて頂くものになったと思います。ありがとうございました。
授業研究の価値
161201-36
授業は,学校が学校として存在する上で最も重要な時間であり活動です。学習指導要領によっ
て学習内容が国レベルで確実に整えられている日本であっても,
“学習をどう行うのか”という
ことについては各先生で違いがあります。この違いは,豊かさをつくる意味においては必要です
が,違いが“差”を大きくするものであってはいけません。学習内容の獲得状況が大きく下がっ
たり,学習への意欲が極端に低くなったりするような場合は,根本的な部分で授業の見直しが必
要だと言えるでしょう。それに何より,学校の教育活動の内で最も長い時間を要する授業が楽し
くなければ,子供達も教師もつらい思いをすることになります。
解決策は,授業研究。この2年間の日高東中学校区におけるスーパーバイザー支援事業の最も
優れていることは,授業研究が中心となったということです。その授業研究において,日高東中
学校区で揃えられていたことは,個々の子供の課題を子供の言動で判断し具体的な支援を考え教
育効果を高めるという実践スタイルです。この実践スタイルは,子供にとっても,教師にとって
も授業がより重視され楽しみの時間となり「分かる」「できる」ことでさらに授業が楽しくなる
…という好循環を生み出し,これは教師からしか始められないことであり,授業の高度化が図ら
れとてもやりがいのあることだと日高東中学校区の皆さんに教えて頂いたのだと思います。
授業研究の価値を決めるのは教師です。各学校の授業研究と,中学校区の授業研究を連動させ
ること,そこに,子供達の事実で判断する教師の英知を結集させること。このような授業研究を
行うことは,教師の専門性を高めることや子供達をもっと大切にすることに確実に役に立ちま
す。また,役に立つようにさらに工夫を加えることも検討されるでしょう。日高東中学校区の取
組は,授業研究を中心にした小中一貫教育の大きな可能性の提案でもあったのだと思います。