授業づくり「大事にしたいこと」7 ~ 教師学のすすめ 「学生に見せたい姿」 ~ 先日の教授会で、本学部の学生の特徴(目指す姿)について学部長からの提案と協議 がなされ、その第一に「正規教員として就職」が掲げられた。 (願わくば100%だよね。) その前提となるのは、ぜひ教師になりたいという教職への夢や憧れを育むこと。その ために我々にできることは、学生たちに、授業や学校の仕事を心から楽しんでいる姿と か教師らしい感性(教師のかっこよさ)をしっかりと見せてあげることだと思います。 しかもそこには、教師一人一人に特徴があって、それぞれのものの見方や考え方、行 動の美学というか哲学(教師学と呼びたい)に裏付けられた、こだわりといったものが 感じられる。そうであってこそ、教職に魅力を感じ、何が何でも教師になりたいという 気持ちが湧いてくるだろうし、本校の生徒たちのためにも、そうありたいと思うのです。 9月の主免実習は、附属に務める者の正に勝負の時。あなたは、自身のどんなかっこ いい姿を思い描いて彼らの前に立ちますか? 1 以下、私の大事にしたい姿を記します。 子どもに語るときの姿 かっこいい教師は、授業とか集会で話をするとき、自分を子どもたちの中に完全に 入れていて、声が体全体から発せられ、教室とか体育館に気持ちよく響いている。 目や表情、手足の動きによって、全体に向かって話していても一人一人に語りかけ ているように聞こえ、目の前の一人に話しているようで全体にしっかりと届いている。 そして、言葉に力がある。それは、決して巧みな、事前に用意された言葉ではない。 教師の素直な気持ちとか、本気度とか、愛情とかがまっすぐに伝わる、心に響く言葉。 2 子どもの発言を聞く姿 かっこいい教師は、例えば、授業で発表している子どもに向ける姿が美しい。その 子の方をしっかりと向いて、目を見てうなずきながら聞き、一生懸命に理解しようと している。それでいて、聞き手の子どもたち(教室全体)も見えていて、理解や納得、 疑問の空気とか、つぶやきを抜かりなくとらえ、確認や聞き返しを自然に行っている。 相づちを打ちながら、大事なことを押さえたり、次なる疑問や更なる意欲の種を蒔 いている。間違っても、子どもが話をしているとき、指導案とか教材とか黒板等、子 ぶざま ども以外のものに目をやったり、関係のない動きをするような、無様な姿は見せない。 3 子どもの活動を見る姿 かっこいい教師は、子どもたちの活動をよく見ている。その眼差しは純粋で、鋭く 新鮮な「見え方」ができている。しかも、子どもの学びとかやっていることの中から、 自らも新たな発見をしようと期待感をもって見つめている。子どもの様子を「学びの 事実」として見て取り、その後の授業展開や勝負の一手をどうしようか悩んでいる。 教師にとって、授業は真剣勝負の場であり、その所作にすきがあってはならない。 「見える」ということは、ある意味それがすべてだという先人の言葉を大事にしたい。
© Copyright 2024 ExpyDoc