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産業アウトルック 2016年度下期
造船
16年度
下期見通し
11. 造船・プラント
【造船】受注量は急減、今後も低迷が
続く可能性
造船各社は2013~14年上期に欧州船主等
から大量に受注したことで、概ね2018年
までの工事量を確保しています。もっと
も、2016年上期は元々の船腹過剰に加え、
中国経済の減速等に伴う荷動き量の頭打
ちや先行きの不透明感を背景に、受注量
が前年同期比▲78.8%減と急減しました。
今後も荷動き量の改善が見込み難く、受
注量は低迷するとみられています。
造船6社の2015年度業績は、不採算船の竣
工増や海洋事業での損失計上等により前
年度比増収ながら減益となり、営業赤字
の先もみられました。2016年度も円高等
を背景に営業赤字を見込む先があります。
【プラント】受注量減も業績は前年度並
ここ数年は世界的なエネルギー需要拡大
に伴い、各地でLNGプラント等のプロジェ
クトが立ち上げられ、各社は高い技術力
を背景に受注を重ねてきました。しかし
ながら、2015年度は原油価格が下落しLNG
のコスト競争力が低下したほか、新興国
経済の減速等を受けてエネルギー需要が
鈍 化 し た こ と か ら、 受 注 高 は 前 年 度 比
▲41.2%減となりました。
プラント専業3社の2015年度業績は、受注
済大型案件の進捗や原油価格の下落等に
よる資機材コスト減で前年度比増収増益
となりました。2016年度は円高影響を案
件進捗やコスト減で補い、概ね前年度並
みになるとみられています。
担当:澤口 昭太郎
図表1 世界の新造船竣工量と船舶需給の推移
図表2 新造船契約船価、受注量(四半期)推移
~引き続き船腹過剰は解消されず
(百万DWT)
200
船腹量増減率(右軸)
150
プラント
16年度
下期見通し
~船価、受注量共に過去10年間で最低水準
(2004年対比の増減率)
140%
(百万ドル)
200
(百万DWT)
80
120%
100%
海上荷動量増減率(右軸)
80%
100
150
60
100
40
50
20
60%
40%
50
20%
0%
0
05
-20%
04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (年)
日 本(左軸)
韓 国(左軸)
中 国(左軸)
その他(左軸)
06
07
08
09
10
11
0
出所:日本造船工業会、Clarkson Research Servicesより弊行作成
船価:タンカー(VLCC)(左軸)
受注量:世界(右軸)
~円高ながら案件進捗やコスト減で前年度並
(億円)
9,000
12%
8,000
10%
7,000
8%
6,000
6%
5,000
4%
4,000
2%
3,000
0%
2,000
-2%
1,000
-4%
0
-6%
13 14 15 16予(年度)
営業利益率(右軸)
12
14
図表4 プラント専業3社(注)の合算連結業績推移
~2016年度も営業赤字見込みの先あり
08 09 10 11
売上高合計(左軸)
13
出所:Clarkson Research Servicesより弊行作成
図表3 国内上場造船関連6社(注)の合算業績推移
07
0
15 16
(年/3Q)
船価:BC(ケープ)(左軸)
受注量:日本(右軸)
12
出所:各社決算短信、補足資料より弊行作成
(注)三井造船、川崎重工業、住友重機械工業、サノヤスホールディングス、
内海造船、名村造船所
(億円)
25,000
12%
20,000
10%
8%
15,000
6%
10,000
4%
5,000
2%
0
07 08 09 10 11
売上高合計(左軸)
営業利益率(右軸)
12
13
0%
14 15 16予 (年度)
受注高合計(左軸)
出所:各社決算短信、補足資料より弊行作成
(注)日揮、千代田化工建設、東洋エンジニアリング
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