教育情報かごしまVol.34(11月号)一括表示(PDF:2018KB)

2016
V o l .3 4
表紙写真:○上原美幸選手(第一生命)表敬訪問
リ オ デ ジ ャ ネ イ ロ オ リ ン ピ ッ ク 陸 上 女 子 5000M日 本 代 表
○吉野中学校中馬梨歩さん表敬訪問
2016年 度 全 国 中 学 校 体 育 大 会
−
■ かごしま教育NOW
目
次
柔 道 女 子 48キ ロ 級
優勝
−
ページ
■ チャンプ本を目指した熱き戦い!
1
∼鹿児島県高校生ビブリオバトル大会∼
■ 「特別の教科
2
道徳」に向けて
∼質の高い多様な学習方法の工夫を∼
■ 私の実践紹介
県立鹿屋養護学校
■ 人権同和教育情報
3
■ 高等学校への巡回相談を通して
教諭
西
育子
■ いじめを未然に防ぐための人間関係づくり
4
∼ M o m と W T G で STEP 1 2 3 4 ∼
■ すぐに使える学校情報
■ 指導法改善に向けて(算数・数学)
5
∼ 平 成 27 年 度 鹿 児 島 学 習 定 着 度 調 査 の 結 果 か ら ∼
7
■ 指導法改善に向けて(理科)
∼ 平 成 27 年 度 鹿 児 島 学 習 定 着 度 調 査 の 結 果 か ら ∼
■ “もっと活用!スクールカウンセラー”
9
■ 地域指導者の活用による授業の充実
10
■ 郷土の文化財
■ 「本物」を活用した郷土教育のススメ
11
■ 情報コーナー
■ 「一年の計は元旦にあり」健康づくりにジョギング・ウォーキ
12
ングを!
■ 寒さに負けない強い心と体をつくろう!
13
■ 自然とふれあい
14
人と関わる
体験活動
∼ ハ ー ト フ ル ウ ィ ン タ ー in な ん さ つ ∼
■ ∼読み聞かせのコツと学力向上のヒント∼
生涯学習県民大学講座
15
かごしま教育NOW
チャンプ本を目指した熱き戦い!
∼鹿児島県高校生ビブリオバトル大会∼
社会教育課
なぜ今,ビブリオバトル大会なのか?
読書は大抵,個別に行われる活動ですが,ビ
ブリオバトルは1冊の本の魅力を発表者と多く
の観戦者が共有することができる読書活動です。
本をしっかりと読み込み,深く理解しなけれ
ば限られた時間でうまく伝えることができない
ので,読書の質の向上に繋がります。また,他
人の発表を聞くことで,読書の幅が広がり,新
たな見方や考え方を知る機会ともなります。さ
らに,普段よく読む人も読まない人も一緒に楽
しめる,コミュニケーションツールとしての機
能も期待できます。
これらのことから,高校生の読書活動推進に
適した方法であると考え,大会を企画しました。
決勝大会
各ブロック優勝者による最終バトル!会場全
体を緊張感が包みました。
身振り手振りで発表する人,予定していた内
容を忘れてしまう人,時間が余ってしまう人な
ど様々でしたが,さすがに各ブロックの優勝者,
個性あふれるプレゼンテーションに観戦者も笑
顔をうかべたり,大きくうなずいたりしながら
聞き入りました。
ビブリオバトルの進め方は・・・
①
発表者が他の人に紹介したい本の魅力を
5分間で紹介する。
② それぞれの発表後に観戦者とその発表に
関する意見交換を2分間程度行う。
③ すべての発表が終了した後に,どの本が
一番読みたくなったか観戦者の多数決で決
定し,チャンプ本(優勝)を決める。
大会当日の概要
8月20日(土)県庁において,鹿児島県高校
生ビブリオバトル大会を開催しました。
当日は,県内各地から国立・県立・私立の合
わせて21高校,38人の高校生が熱きバトルを繰
り広げ,500人を超える観戦者を魅了しました。
予選会
6会場に分かれて,各ブロック6∼7人ずつ
で,決勝大会を目指したバトルが行われました。
観戦者が一番読みたくなった本にうちわを上げ
て投票し,決勝進出者を決定しました。
【チャンプ本は齋藤恵里さん(鹿屋高校)が
紹介した「竜の柩」に決定!!】
トークショー
ゲスト 辻村深月氏(平成24年 直木賞受賞)
インタビュアー 中村朋美氏(フリーアナウンサー)
高校時代,好きな作家にファンレターを出し
たり,追っかけをしていたという 辻村 さん。そ
の作家に背中を押されて,自身も作家の道に入
ったという体験に基づき,好きなことを続ける
ことの大切さを熱く語ってくださいました。
おわりに
優勝した齋藤恵里さんは,平成29年1月の全
国大会に出場予定です。
この大会をきっかけに,各学校での読書への
関心が,ますます高まり,読書活動が活発に推
進されることを期待します。
かごしま教育NOW
「特別の教科
道徳」に向けて
∼質の高い多様な指導方法の工夫を∼
義務教育課
「質の高い多様な指導方法の工夫」
はじめに
これまでの道徳の授業を振り返ったとき,「読
み物資料の登場人物の心情理解に終始する授業」
や「望ましいと思われること,決まりきったこ
とを言わせたり,書かせたりする」授業が中心
に行われるなど,「登場人物の気持ちの変化を
捉えたり,気持ちに共感させたりすること」や
「何が大切か,どうすることが望ましいのかを
考えさせること」に力点が置かれがちでした。
読み物をとおして,主人公の気持ちを考える
授業を中心にしてきた授業者においては,児童
生徒が自分自身の問題として考えられるように,
新たな指導方法を取り入れ,授業の在り方を転
換していくことが求められています。
質の高い多様な指導方法
では,考える道徳授業の創造に向けて,道徳
科の授業において,どのような指導方法を取り
入れていけばよいのでしょうか。
国の道徳教育に係る評価等の在り方に関する
専門家会議は,「『特別の教科 道徳』の指導方
法・評価等(平成28年7月22日)について(報
告)【概要】」において,道徳の指導方法につい
て,次のように述べています。
単なる話し合いや読み物の登場人物の心情の
読み取りに偏ることなく道徳科の質的転換を図
るためには,学校や児童生徒の実態に応じて,
問題解決的な学習など質の高い多様な指導方法
を展開することが大切である。(下線部筆者)
多様な指導方法のねらいと発問
児童生徒が道徳的諸価値について,多面的・
多角的に考えるために必要な,質の高い指導方
法として,次の3例が示されています。そのね
らいや展開部における発問のポイントについて,
例示します。
(1) 読み物教材の登場人物への自我関与が中心
の学習
教材の登場人物の心情を,自分との関わり
で多面的・多角的に考えることなどを通して,
道徳的価値の自覚を深めることをねらいと
しています。
展開部では,道徳的価値を自分との関わり
で考えることができるように「自分だったら
このような行動ができるだろうか。」などと
発問することが考えられます。
(2) 問題解決的な学習
問題解決的な学習を通して,道徳的な問題
を多面的・多角的に考え,児童一人一人が生
きる上で出会う様々な問題を主体的に解決す
るために必要な資質・能力を養うことをねら
いとしています。
展開部では,道徳的な問題を主体的に解決
するために必要な資質・能力を育成するため
に,「なぜ,○○(という道徳的価値)は大
切なのでしょうか。」,「どうすれば解決でき
るでしょうか。」などと発問することが考え
られます。
(3) 道徳的行為に関する体験的な学習
この指導方法は,役割演技などの体験的な
学習を通して,道徳的価値の理解を深め,様
々な課題や問題を主体的に解決するために必
要な資質・能力を養うことをねらいとしてい
ます。
展開部では,役割演技をとおして,多面的・
多角的に考えさせるために,「○○という行
動ができたのはなぜですか。」などと発問す
ることが考えられます。
以上,指導方法の工夫について,ねらいと発問
例について示しましたが,まずは,「指導法あり
き」ではなく,教師が「ねらいとする道徳的価値
(道徳の内容)について,学習指導要領に基づき
明確な考えをもつ(価値観)」,「児童生徒に本時
で学ばせたいことを明らかにする(児童観)」,「教
材の活用の仕方を明らかにする(教材観)」に基
づいた指導観を明確にした上で,指導法を選択し
て授業に臨むことが前提となります。この質の高
い指導方法の具体的な指導事例は,「道徳教育の
充実に向けて(平成29年3月発行)」に掲載予定
です。なお,教科化に向けたQ&A等については,
鹿児島県教育委員会ホームページに「道徳教育の
充実に向けて(平成28年3月)」として掲載中で
す。こちらも併せて参照してください。
私の実践紹介
高等学校への巡回相談を通して
県立鹿屋養護学校
はじめに
教諭
西
育子
「“注視―復唱”話形」が,Dさんの理解や記憶,
安心感を促していくと思います。また,「“注視―
「いろいろ分からなかった自分のことが分かり, 復唱”話形」は,Dさんだけでなく他の生徒さんに
だいぶ楽になりました。」と,Aさんの年賀状には も有効な支援となるでしょう。特に“復唱”の効
ありました。B高校に通うAさんは学校生活で苦戦 果はかなりあると思います。
が続き,特別支援教育コーディネーターである養
説明に「順番ことば」「数ことば」
護教諭のC先生の勧めで,巡回相談で知能検査(WA
IS-Ⅲ)を受けました。Aさんが検査を受けて楽に
視覚情報に強いEさんには,視覚支援をお願いし
なったと聞き,C先生も私も安堵しました。
たいところですが,視覚支援がいつもできるわけ
でもありません。そんなときには言葉だけで理解
する負担を減らせるよう,“まず・それから・最
実践の内容
後に”などの「順番ことば」や,“1番目に∼・2
高校でできる支援
番目に∼”などの「数ことば」を意識的に使って
検査実施に当たり,C先生は検査を「生徒自身が 短文で説明するとよいと思います。もちろんこれ
自分を知り,自己の良さを見つけるツール」と捉 も他の生徒さんにも効果的です。
え,結果の説明を本人・保護者・担任に丁寧に行
課題は「小分け」と「繰り返し」
いました。数字(結果)が一人歩きしないよう御
協力くださったのです。加えて本人や保護者の了
Fさんは集中が続かないというより,短期決戦
承のもと,検査結果や支援案を職員会で提案し, 型と言えそうです。一度に提示する課題は短時間
特別支援教育を理解してもらうための労力を惜し でサッとやれる“小分け課題”にし,それを繰り
みませんでした。
返します。例えば1枚に載せる問題を10問から5問
その後,私はA高校で20人の生徒の検査をするこ にし2枚でやってもらう。これにより「2枚頑張っ
とになるのですが,どの事例においても検査報告 た」という達成感も得られます。課題や情報は「小
書には,生徒や保護者へ
分け&繰り返し」で,Fさんの良さを生かす支援
のコメントだけでなく,
になると思います。
職員会の資料となるよう
ほめるのは「していいこと」を示すため
な「高校でできる支援」
を具体的に記入すること
行動面や生活面の指導は,学習指導と違い“場
を求められました。
の指導”の方が身につきやすいものです。自分の
私は,C先生やA高校の
行動は本人には見えにくいだけに,ほめることで
先生方との出会いにより,
「今の行動はよかった」と具体的に伝えることが
ときに厳しい御指摘もい
できます。叱るだけでは「していいこと」を伝え
ただきながら,巡回相談
る具体性に欠けるとも言えます。「していいこと」
員として育てていただい
をその場で確実に伝えるためにほめましょう。
たと感謝しています。
以下,A高校で実施した検査の報告書により,提
終わりに
案した支援案をいくつか記します。
今年度は異動に伴い,巡回相談から離れ担任とし
て毎日を送っていますが,巡回相談で学んだこと
復唱を促す話形
言語力に課題が見られるDさん,高校生といえど を生かせることが多く感謝しています。これから
も話の内容をしっかり伝える工夫が必要です。特 も周りの先生方から多くを学んでいくつもりです。
に集団の場面では,話す前に注視を確認し,話し
巡回相談でお世話になったすべての先生方に敬
た後には先生が言ったことを復唱させるという,
意と感謝をこめて,結びにしたいと思います。
すぐに使える学校情報
学力向上ワンポイント情報
指導法改善に向けて(算数・数学)
∼平成27年度鹿児島学習定着度調査の結果から∼
義務教育課
小学校
平成28年1月に実施した鹿児島学習定着度調査の結果では,小学校5年生算数科の平均通過率は59.4
%で,このうち「基礎・基本」の問題については65.0%,「思考・表現」の問題では46.8%で,「基礎・基
本」,「思考・表現」共に十分に定着しているとは言えませんでした。「基礎・基本」においては,問題
の意図を理解するとともに,割合の問題,四角形の性質,面積を求める問題に課題が見られました。
「思
考・表現」については,判断の理由を筋道立てて記述することや新たな課題から情報を読み取り解決を
図ることが十分ではありませんでした。また,平成28年度全国学力・学習状況調査においても割合の問
題については課題が見られました。そこで今回は,義務教育課で示している授業改善のポイントの「見
通しと振り返りの活動の工夫」,「主体的・協働的な活動の充実」を踏まえ,定着度調査で出題された
割合の問題を用い,授業の工夫について紹介します。
小学校5年【大問2(2)の活用】
見通しと振り返りの
活動の重視
問題場面を
言葉や図,式,
表などで考えさせ
ることで,解決の見
通しを立てる活動を
位置付けましょう。
最終的には,個々の
児童が,図や,表,
式等と関連付けて考
えていけるようにし
ていきましょう。
主体的・協働的な
学習活動の工夫
個々の児童に,
考えたことを分かり
やすく説明させたり,
説明に対して質問さ
せたりする場面を取
り入れましょう。
そのためには,自
力解決の場で,自分
の考えを分かりやす
くノートに記述させ
ておくことも大切です。
思考力・判断力・表現力等を児童が身に付けているかどうかけているかどうかも評価しましょう。
相互練り上げの際などには,何を,どこまで,どのように表現すればよいのか,など具体的な児童
の表現例をイメージし,基準をもって授業に臨むことが大切です。「かごしま学力向上支援Webシ
ステム」における単元別評価問題もぜひ活用して自力解決を図ることができるか確認してみましょう。
-1-
中学校
中学校1年生の数学の平均通過率は62.3%で,このうち「基礎・基本」の問題については72.3%,「思
考・表現」の問題は39.1%でした。また,中学校2年生においては,平均通過率は62.9%で,このうち
「基礎・基本」の問題については70.4%,「思考・表現」の問題は48.0%でした。どちらの学年も「基礎・
基本」については,概ね定着が図られていますが,「思考・表現」については,課題があります。特に,
問題の意味,必要な情報を的確に読み取り解決することについて課題がありましたので,定着度調査で
出題された問題を用いて,授業改善のポイントを紹介します。
中学校2年【大問8の活用】
目標の明確化と学
習課題の工夫
学習課題は,
知的好奇心を
揺さぶり,ある程
度の挑戦意欲が湧
くものを準備しま
しょう。
見通しと振り返り
の活動の重視
言葉や式,図等と
関連付けて解決の
イメージを持たせ
ましょう。
主体的・協働的な
学習活動の工夫
ノートに考え
たことを記述さ
せ,分かりやす
く説明をするよう
指示をしたり,説
明に対して質問さ
せたりする場面を
取り入れましょう。
見通しと振り返り
の活動の重視
学習したことや
過程を振り返り,
図や表,式,言葉
等を関連付けてまとめる活動を取り入れましょう。また,数学のよさも確認しましょう。
算数・数学科の授業改善のポイント(「学びの羅針盤」より)
1
問題解決のための見通しと振り返りの場面を工夫し,充実を図る。
課題を工夫し,問題意識を高めましょう。
2 言葉や数,式,図,表,グラフ等の相互の関連を理解させる。
・ 具体場面を文字式を使って表すことや文字式の文字が何を意味しているのかなど,それぞ
れを関連付けて理解させることが大切です。
3 言語活動を通して,相互練り上げの場を工夫する。
・ 数学的な表現を用いて,自分の考えを説明したり,分かりやすく表現させましょう。
4 思考の足跡が分かる板書とノートづくりに取り組む。
・ ノートには,結果だけでなく,途中の過程や考えた内容を根拠を含めて,書かせることが
大切です。
・
-2-
すぐに使える学校情報
学力向上ワンポイント情報
指導法改善に向けて(理科)
∼平成27年度鹿児島学習定着度調査の結果から∼
義務教育課
小学校
平成28年1月に実施した鹿児島学習定着度調査の結果では,小学校5年生理科の平均通過率は68.2%
で,このうち「基礎・基本」の問題については71.0%,
「思考・表現」の問題は62.8%で,
「基礎・基本」,
「思考・表現」ともに概ね定着が図られていました。
しかし,「基礎・基本」については,結露の仕組み,乾電池のつなぎ方と電流の向き,雲の動き方と
天気の変化などの問題の通過率が低く,「思考・表現」については,水溶液の性質,水の体積変化など
の問題に課題が見られ,特に,記述式の問題については無答率が高い傾向にありました。
今後,課題を解決するために,児童が確かな見通しをもって問題解決を進めていくような授業に改善
していく必要があります。今回は,出題された問題を用い,授業改善のポイントを紹介します。
授業改善のための3ポイント
県教育委員会では,子供の考えや意見が生かされ,子供が活躍する魅力ある授業や確かな学力の定着
を図るための質の高い授業の創造を目指して,「目標の明確化と学習課題の工夫」,「見通しと振り返り
の活動の重視」,「主体的・協働的な学習活動の工夫」を授業改善の3ポイントとして設定しています。
目標の明確化と
学習課題の工夫
「水蒸気を調べ
よう」のような
活動目標ではなく,
問題解決的な「め
あて」を示し,
「何
を学習するのか」
明確にします。
見通しと振り返り
の活動の重視
ただ実験さ
せるのではなく,
「実験がどのよ
うな結果になれば,
予想したことが正
しいと言えるの
か?」などの教師
の「発問」が,学
習の見通しにつな
がります。
主体的・協働的な
学習活動の工夫
考察は,まず
は自分の言葉で
ノートにまとめ,
その後,ペアやグ
ループで話し合わ
せて,練り上げま
す。教師がキーワ
ードを示すなど,
思考を促す工夫を
行いましょう。
すぐに使える学校情報
学力向上ワンポイント情報
指導法改善に向けて(理科)
∼平成27年度鹿児島学習定着度調査の結果から∼
義務教育課
中学校
平成28年1月に実施した鹿児島学習定着度調査の結果では,中学校1年生理科の平均通過率は47.1%
でした。このうち「基礎・基本」の問題については52.2%で,あまり定着が図られていません。光の反
射,月の位置や形などの問題の通過率が低い状況でした。「思考・表現」の問題は38.3%で,定着が図
られていません。音の性質,光合成,密度の活用などについて通過率が低く,身近な生活と関連させた
問題などに課題が見られました。
また,中学校2年生理科の平均通過率は54.7%でした。「基礎・基本」は57.3%で,圧力の計算,緊急
地震速報の仕組み,重力の図示などが通過率が低い状況でした。「思考・表現」については,平均通過
率は48.9%であり,化学反応式,火成岩の成因など通過率が低い状況でした。結果を基に推測し,説明
を記述することに課題が見られました。
これらの課題を解決するためには,小学校同様,生徒が確かな見通しをもって問題解決を進めていく
ような授業に改善していく必要があります。今回は,出題された問題を用い,授業改善のポイントを紹
介します。
目標の明確化と
学習課題の工夫
□
観察からの気付きや疑問をノートにまとめ,グループでのホワイトボードを活用しな
がら,自分の考えを説明させる。
「火成岩を調
べよう」のよう
な活動目標では
なく問題解決的な
「めあて」を示し,
「何を学習するの
か」明確にします。
見通しと振り返り
の活動の重視
ただ観察さ
せるだけではなく,
「共通点」と「相
違点」という視点
をもたせて観察さ
せることが,学習
の見通しにつなが
ります。
主体的・協働的な
学習活動の工夫
まずは自分の言
葉でノートにまと
め,その後,グル
ープで話し合わせ
て,練り上げます。
その際,
「なぜ,
そのような違いが
あるのだろうか?」
など,生徒の思考
を促す教師の「発
問」が効果的です。
理科の授業改善のポイント
1
2
3
4
(「学びの羅針盤」から)
子供自身が問題を見い出し,問題解決への確かな見通しをもてるようにする。
子供一人一人が観察,実験の主体となるようにする。
結果を分析し,解釈する場面で効果的に言語活動を取り入れる。
まとめの場面では,教室内の全ての実験結果を生かす。
すぐに使える学校情報(生徒指導ワンポイント情報)
“もっと活用!スクールカウンセラー”
義務教育課
はじめに
本年度は,68人のスクールカウンセラーを全中
学校,希望する小学校,県立高校30校に派遣して
います。平成27年度にスクールカウンセラーが対
応した相談の総数は12,402回,以下のような内容
に対してカウンセリングを行いました。
内 容
不登校
いじめ
暴力行為
交友問題
教職員の指導
家庭・家族の問題
その他
小学校
214
25
20
234
403
377
583
中学校
2,534
113
50
1,091
1,370
1,115
3,095
◆
高校
287
11
10
186
217
179
288
*
学級の様子に問題を感じてい
る先生は,授業参観を要請しま
しょう。事前に学級の状況を伝
え,打合せを行います。
* 参観後は,スクールカウンセ
ラーとのコンサルテーションで
今後の対応を話し合います。
積極的な生徒指導のために
スクールカウンセラーの主な職務は,以下の
ようなカウンセリングであることは言うまでも
ありません。
通常のカウンセリング
【児童生徒に対して】
友人関係での悩み事,友人関係等に起因す
るトラブルについて,何気ない会話の中から
相談につなげます。
【保護者に対して】
子どもの発達に関する不安,子どものしつ
けについて,また,学校の先生には話しにく
いことなども相談に応じます。
【教職員に対して】
学級経営の中で気になる児童生徒への対応
の仕方や同僚には話しにくい悩み,先生自身
のメンタルヘルスについても相談に応じます。
「心理の専門家」としてのスク
ールカウンセラーを,学校教育の
様々な場面で活用することで,積
極的な生徒指導を一層進めること
が可能になります。それでは,ど
のように活用していけばよいか,
具体的に見てみましょう。
心理アセスメントや行動分析
「今日は,スクールカウンセラーが来校する
けれど相談予約が入っていない・・・。(困った)」
という学校の声を聞くことがあります。そんな
ときはスクールカウンセラーに授業参観,行事
等への参加を通じて,気になる児童生徒の観察
を行ってもらうことが有効です。
◆
行動分析を行うことで,何らかの問題が
起こっている際,そのカギとなる児童生徒
をピックアップすることができます。
担任や授業者が気が付かなかった児童生
徒間の関係性や,問題の要因が見えてくる
こともあります。
行事への参加
体育大会の合同練習等に参加しながら,
学年,学校全体の動きを観察します。
児童生徒を話題にしながらの先生方との
会話から,課題を抱える児童生徒への支援
のアイディアが出ることもあります。
授業参観
気になる児童生徒の周辺を観察します。
その際には,学級内の掲示物(書道や絵
画作品)も観ながらの,学級の児童生徒の
全般的な心理アセスメントも可能です。
各種会議への参加
生徒指導部会など校内で開かれる各種会議に
参加してもらうことで,先生方と心理の専門家
が対等な立場で同じ課題に向き合い,意見を出
し合いながら効果的な解決策を検討すること(コ
ンサルテーション)ができます。
◆
◆
生徒指導部会
課題を抱える児童生徒への処遇として何
が適しているか示唆することが可能です。
心理的支援の可能性や,精神科病院受診
の是非の検討の場面で,意見を述べること
ができます。
学年部会
現在,課題となっているケースについて,
どこから着手すれば効果的か,共に考える
ことができます。
共に手を携えて
学校によっては,職員研修や家庭教育学級など
で研修(傾聴,自殺予防,発達障害などのテーマ
で)を設定し,スクールカウンセラーを講師とし
た事例研修等を行うなど,スクールカウンセラー
の専門性を生かした取組を展開しているところも
あります。また,スクールカウンセラー便りや学
校便り等で,スクールカウンセラー来校日を児童
生徒や保護者に定期的に周知する方法を取ってい
る学校も多く見られます。
児童生徒や保護者に対する支援を力強くサポー
トする「心理の専門家」,スクールカウンセラー。
その活用の在り方を再考し,積極的な生徒指導を
一歩ずつ進めていきたいものです。
- 1 -
*
参考
義務教育課臨床心理相談員作成資料
すぐに使える学校情報
体力向上ワンポイント情報
地域指導者の活用による授業の充実
□保健体育課
武道・ダンスの授業の充実を図る取組
体育・保健体育の授業は,誰もが運動やスポーツ
に触れる機会として,児童生徒の健康の保持増進・
体力向上・豊かなスポーツライフの実現に中心的な
役割を果たしています。
児童・生徒が進んで運動を実施するためには,授
業の質の向上が不可欠です。体育・保健体育の学習
を「楽しい」と感じることで,運動・スポーツに親
しみ,知識や技能を身につけ,結果として体力向上
につながるというプラスの循環を生み出します。
安全指導の充実と指導者の指導力の向上を図るな
ど,より質の高い授業を実践するために,特に武道
・ダンスの授業において地域指導者を活用している
例を紹介します。
2 剣道への興味・関心を高める工夫
・ 指導内容・目標を明確に生徒に提示し,学
習のねらいを焦点化しました。
・ 地域指導者が技のポイントを押さえた模範
を示し,個に応じた段階的なきめ細かな指導
を行い,意欲を高める工夫をしました。
・ 防具・竹刀の点検を確実に行い,安全面へ
の配慮や関心を高めるようにしました。
○ 地域指導者と連携した授業で,充実した個別
指導により専門的でより具体的な指導が可能に
なりました。結果として剣道に対して生徒の興
味・関心は高まりました。
いちき串木野市立羽島中学校の実践例
(柔道)
□ 羽島中学校では,柔道において地域で継続的に
指導を行っている方に地域指導者として協力して
いただき,専門的な実技指導や助言により充実し
た柔道の授業を行いました。
1 安全に留意した指導の工夫
地域指導者が生徒の実態に応じて,技能指導
において,安全性を重視した段階的な練習を取
り入れるなど改善すべき面を補足しました。
2 専門的な指導を生かした意欲を高める工夫
地域指導者の技のポイントを押さえた模範を
示し,生徒の意欲・関心の高揚を図りました。
3 生徒の技能向上と教師の指導力向上
固め技・投げ技において,教師の指導の後に
地域指導者が生徒の動きの改善点等を補足指導
することにより,生徒の技能は向上しました。
○ これまでは「こうすると危険である」という
指導を行っていましたが,地域指導者の「こう
【本時の学習目標の提示】
姶良市立蒲生中学校の実践例(ダンス)
□
蒲生中学校ではダンスにおいて,豊富な指導経
験を有する地域指導者と連携して授業を進め,教
師自身も創作ダンスの楽しさを味わうことができ,
さらに指導力も高まりました。
1 地域指導者と連携した指導体制
・ 初めて創作ダンスに出会う生徒には,ダン
スの特性に触れさせる活動や,踊ることを通
して交流することを重視し,それが作品づく
りにつながるように工夫しました。さらに次
学年につながる指導計画を作成しました。
【地域指導者の模範演技】
【グループでの創作活動】
すると大丈夫」という前向きな言葉かけによる
指導により,生徒に安心感を持たせ,不安なく
練習に取り組むことができました。さらに柔道
の楽しさを味わうことができ,意欲的に取り組
む生徒が増えました。
・ TTの役割を明確にし,授業の組み立てや
学習の進め方,方法などは教員,ダンスにつ
いての基本の動きやイメージを表現する動き
などについては地域指導者,というように分
担して,学習指導を行いました。
2 学習指導の工夫
・ 創作ダンスの特性を味わわせるために,自
分を表現できる場の雰囲気を大切にし,互い
に認め合えるよう工夫しました。
○ 地域指導者と一緒に授業を行うことで指導上
の不安が解消され,自信を持って指導すること
ができ教育効果も上がりました。
さつま町立薩摩中学校の実践例(剣道)
□ 薩摩中学校では,日常生活では体験できない特
有の伝統的な考え方や基本動作を学習する剣道に
おいて,
地域指導者と連携して授業を行いました。
1 事前の打合せと連絡調整の工夫
一単位時間の指導計画を地域指導者に提示し,
綿密な打合せを行うことにより指導内容の共通
理解を図りました 。
県教育委員会では,地域指導者の活用事業を行っ
ております。より専門的で安全な授業の実施のため
に「地域指導者」を活用してください。
郷土の文化財
「本物」を活用した郷土教育のススメ
県立埋蔵文化財センター
ようこそ!発掘現場へ
お届けします!「まいぶんキット」
かわ ち やま
現地見学
∼河内山鉱山跡∼
「こんなに迫力のある鉱山が近くにあったなんて
知りませんでした!ふるさとの歴史に興味が出て
きました。」
校区内にある河内山鉱山跡(指宿市)を見学に
訪れた池田小学校児童の感想です。地元の歴史を
身近に感じるまたとない機会となりました。
当センターでは発掘出土品を授業の中で活用し
てもらえるように,本物の土器や矢じり・石斧な
どを貸し出す「まいぶんキット貸出事業」を行っ
ています。土器はざらざらしている,石斧はずっ
しりして重い!など,教科書の写真では伝わらな
い「本物」とのふれあいを通して,授業に深まり
を持たせることができます。
離島や遠隔地には宅配便を利用して貸し出すこ
とも可能です。
発掘の様子を見学する池田小の児童たち
き
発掘体験
さ
き ばる
∼木佐木原遺跡∼
夏休み期間中,姶良市内の小学生36名が木佐木
原遺跡(姶良市蒲生町)を訪れ,発掘体験を行い
ました。作業員さんと一緒になって汗をかきなが
ら掘り下げると,「うわー!土器が出てきた!」
とあちこちで歓声が上がりました。
大きなツボの中をのぞき込む子どもたち
教職員向けの研修等
県立埋蔵文化財センターでは発掘体験以外でも,
「フレッシュ研修」「パワーアップ研修」等の教
職員を対象とした講座も開設しています。
(例) ・授業に使える埋蔵文化財
・遺跡にみる鹿児島の歴史と文化 等
社会科だけでなく理科の単元「大地のつく
り」の授業でも活用できます。できる限り御
要望にお応えいたしますので,お気軽にお問
い合わせください。
ワクワクしながら土器を掘り出す子どもたち
TEL 0995-48-5811
URL http://www.jomon-no-mori.jp
事業紹介
「一年の計は元旦にあり」健康づくりにジョギング・ウォーキングを!
総合体育センター
平成29年元旦「太陽とともに走ろう」
昨年度の様子
☆ 自分のペースで走ったり歩いたりしました。
趣旨
「元旦」の初日のもと
に走り初めを行うこと
で,豊かなスポーツライ
フの実現を目指した健康
づくりや運動実践への意
欲を高めるとともに,多
くの県民が自ら進んでスポーツ・レクリエーシ
ョン活動に親しむことを目指した「マイライフ
・マイスポーツ運動」の推進を図ります。
☆
ぐりぶーとさくらが応援してくれました。
☆
イベント中に初日が上がりました。
主催
鹿児島県総合体育センター
日時
平成29年1月1日(日)
午前7時から午前8時まで
(開場は午前6時30分,小雨決行)
会場
県立鴨池陸上競技場
参加者
幼児から高齢者までどなたでも参加できます。
参加料
無料
日程
予定時刻
6:30
7:00
7:15
7:45
7:50
内
容
開場
開会行事(準備運動)
ジョギング・ウォーキング
整理運動
閉会行事 (∼8:00)
問合せ先
鹿児島県総合体育センター指導課振興係
電話 099-255-0146
HPアドレス http://www.pref.kagoshima.jp/
kikan/taiku/index.html
事業紹介
寒さに負けない強い心と体をつくろう!
総合体育センター
平成28年度「寒げいこ」
昨年度の様子
趣旨
本年度の「寒げいこ」を次の3点を目的として
実施します。
1 柔道,剣道,弓道の礼法,基本動作及び練習
方法等を身に付ける。
2 寒さに負けない強い意志と身体の育成を図る。
3 競技力の向上と生涯にわたって運動に親しむ
資質・能力の育成に寄与する。
【柔道:基本技の習得】
主催
鹿児島県総合体育センター,公益財団法人鹿児
島県柔道会,鹿児島県剣道連盟,鹿児島県弓道連
盟
日時
12月26日(月)・27日(火)の2日間
午前9時30分から午後0時30分まで
(受付:午前9時から午前9時30分まで)
【剣道:基本動作】
会場
鹿児島県総合体育センター武道館(柔道,弓道)
鹿児島県総合体育センター体育館(剣道)
〈通称:県体育館〉
参加者
柔道,剣道:中学生1,2年生
弓道:中学1年生のみ
※ 参加については,引率者を要します。
日程
時間
9:00 9:30 9:50
12:00 12:30 13:00
期日
12月26日
受付 開会 礼法,基本動作, 会場
(月曜日)
行事 基本練習等
整理
12月27日
受付 礼法,基本動作, 閉会 会場
(火曜日)
基本練習等
行事 整理
指導者
公益財団法人鹿児島県柔道会,鹿児島県剣道連
盟,鹿児島県弓道連盟から推薦された指導者
【弓道:基本姿勢,基本動作】
申込締切
12月7日(水)
申込み及び問合せ先
〒890-0062
鹿児島市与次郎一丁目4番20号
鹿児島県総合体育センター指導課振興係
電話 099-255-0146
FAX
099-255-0140
HPアドレス http://www.pref.kagoshima.jp/
kikan/taiku/index.html
情報コーナー
自然とふれあい
人と関わる
体験活動
∼ハートフルウィンターinなんさつ∼
県立南薩少年自然の家
自分を見つめる機会とします
○
■ 趣旨
不登校及び不登校傾向の小・中・高校生等が
体験活動や自然とのふれあいを通して活動する
喜びを体感するとともに,人と関わり合うこと
の大切さに気づき,自分を見つめる機会とする。
○
参加費
一人1,150円
(内訳:食事代〈2食分〉900円,シーツ
クリーニング代150円,保険料100円)
※ 創作活動は,材料代が別途必要
申込期間
平成28年12月5日(月)∼
平成29年1月13日(金)
■ハートフルウィンターinなんさつ
H27夏の事業に参加した感想
○ 日時
○ 最近家にこもり気味で,少しでも外の空気を
平成29年1月28日(土)13:30∼
吸い,体を動かせたらと参加しました。
29日(日)12:00
○ カヌーは初体験で,あまり上手くできなかっ
たけど,とてもいい経験になった。サイクリン
○ 対象者
グは自然の風に当たれてとても気持ちよかっ
不登校及び不登校傾向の小・中・高校生
た。砂浜でもすごくきれいな貝殻を見つけてす
等とその保護者(関係者を含む)20人程度
ごく楽しかった。本当にありがとうございまし
た。
○ 場 所
県立南 少年自然の家
○
内容
・野外活動「吹上浜での海浜活動」(貝殻
採集など)
・創作活動「サンドグラス」
・炊飯活動「炊きこみご飯と豚汁」
・ミニキャンプファイヤー
・おやつ作り
・サンセットブリッジ探索 など
【サイクリング】
【貝がら採集】
【カヌー体験】
情報コーナー
∼読み聞かせのコツと学力向上のヒント∼
生涯学習県民大学講座
かごしま県民大学中央センター
生涯学習県民大学講座について
「かごしまの学力を高める∼未来を生きる
子どものために」
大妻女子大学 樺山敏郎 准教授
本年度,かごしま県民大学中央センターでは,
県内10市町村で26の生涯学習県民大学講座を計画
しています。
1 学力の高い県の特徴(以下全国学力・学習状況調査結果から)
開催する市町村のニーズに応じて,専門の方を
各学校における教員が協力し合い,よりよい
講師にお招きして講座を実施しています。今回は,
授業を求めて研究し,効果が上がるまで徹底的
湧水町中央公民館(7/30)とかごしま県民交流セ
に実践にしている。
ンター(8/28)で実施した「教育・子育て」に関 2 鹿児島県の児童生徒の学力の実態(直近3か
する講座の内容の一部を紹介します。
年にみる全国との比較)
○ 生活や学習に対する基本的生活習慣や態度
は概ね良好であり,人間形成の側面に関して
「親子で楽しむ絵本と豊かな時間」
は,健全な成長がうかがえる。
鹿児島純心女子短期大学 森木朋佳 准教授
1 絵本の構造
○ 課題は,一定の形式を重んじる教育が功を
知っておきたい2
奏している反面,様々な課題に対する児童生
つの構造として,「繰
徒の主体的,積極的な姿勢の不十分さである。
り返し構造」と「物
3 社会経済的背景と学力
語構造」がある。
○ 不利な環境を克服している児童生徒の特徴
2 「絵本の楽しみ」
として,朝食等の生活習慣の確立,家庭での
に注目した絵本選び
読書や読み聞かせ,勉強や成績に関する会話,
○ 発達の段階応じて,
【講座の様子】
学歴期待,学校外教育投資などが挙げられる。
「絵本の楽しみ」が変わってくる。それに応じ
○ 勉強時間や読書は裏切らない。
た絵本選びが大切である。
4 授業改善へのアプローチ
① 「色・形・音・感覚を楽しむ」段階→繰り
○ 習得・活用・探求のサイクル,学習の見通
返し(音・パターン)や感覚に訴えかける絵
し,モデルや手引きの提示(教師作成),交
本
流の位置付け,学習のふり返りが大切。
② 「先を予想して楽しんだり,好きなお話は
○ 形におぼれず,内容で勝負できる授業が大
何度でも読んでほしい」段階→繰り返し(は
切,教えるべきことは教えるが,気付くよう
じめ・パターン・おわり)のある絵本
に,気付かせるように教えることが大事。
③ 「繰り返しから先を予想して展開を楽しん 【受講者の感想】
だり,みんなで一緒に楽しんだりする」段階
○ 今後の授業に役
→物語の(繰り返しを含む)絵本
立てたい。
④ 「まとまったお話を理解したり,お話の世
○ 先生の情熱的な
界を楽しんだりする」段階→物語構造の絵
お話は,子どもの
本
ためだけでなく,
3 上手に読むコツ
聞いている私たち
○ 物語の進む方向(主人公の目線)と同じにな
にも学ぶことや知
るように持つことがお薦めの持ち方である。
ることの喜びを与え
【講座の様子】
○ 絵本のめくりは,読むスピードに合わせる。
てくださった。
○ 低年齢の子ども用の絵本は,リズムを利用し
「教育・子育て」に関する講座の案内
て読み進める。
○ 声の変化よりも,スピードに変化をつける。
◆ 12月3日(土)
【かごしま県民交流センター】
【受講者の感想】
○13:00∼14:40「育てる脳,育てられる脳∼
○ 絵本の構造を知り,今後絵本を選ぶ際の参考
『子育て』で変わる親子の脳」
になった。
○15:00∼16:40「住まいるな話」
○ 絵本の読み方を知り,今後親子一緒に過ごす
◆ 12月11日(日)【宇検村生涯学習センター】
時間が増えると思う。
○13:00∼14:40「子どもの学習意欲の見方・
導き方」