指導法改善に向けて(算数・数学)(PDF:631KB)

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指導法改善に向けて(算数・数学)
~平成27年度鹿児島学習定着度調査の結果から~
義務教育課
小学校
平成28年1月に実施した鹿児島学習定着度調査の結果では,小学校5年生算数科の平均通過率は59.4
%で,このうち「基礎・基本」の問題については65.0%,「思考・表現」の問題では46.8%で,「基礎・基
本」,「思考・表現」共に十分に定着しているとは言えませんでした。「基礎・基本」においては,問題
の意図を理解するとともに,割合の問題,四角形の性質,面積を求める問題に課題が見られました。
「思
考・表現」については,判断の理由を筋道立てて記述することや新たな課題から情報を読み取り解決を
図ることが十分ではありませんでした。また,平成28年度全国学力・学習状況調査においても割合の問
題については課題が見られました。そこで今回は,義務教育課で示している授業改善のポイントの「見
通しと振り返りの活動の工夫」,「主体的・協働的な活動の充実」を踏まえ,定着度調査で出題された
割合の問題を用い,授業の工夫について紹介します。
小学校5年【大問2(2)の活用】
見通しと振り返りの
活動の重視
問題場面を
言葉や図,式,
表などで考えさせ
るこ とで,解決の見
通し を立てる活動を
位置 付けましょう。
最終 的には,個々の
児童 が,図や,表,
式等 と関連付けて考
えて いけるようにし
ていきましょう。
主体的・協働的な
学習活動の工夫
個々の児童に,
考え たことを分かり
やすく説明させたり,
説明 に対して質問さ
せた りする場面を取
り入れましょう。
そ のためには,自
力解 決の場で,自分
の考 えを分かりやす
くノ ートに記述させ
ておくことも大切です。
思考力・判断力・表現力等を児童が身に付けているかどうかけているかどうかも評価しましょう。
相互練り上げの際などには,何を,どこまで,どのように表現すればよいのか,など具体的な児童
の表現例をイメージし,基準をもって授業に臨むことが大切です。「かごしま学力向上支援Webシ
ステム」における単元別評価問題もぜひ活用して自力解決を図ることができるか確認してみましょう。
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中学校
中学校1年生の数学の平均通過率は62.3%で,このうち「基礎・基本」の問題については72.3%,「思
考・表現」の問題は39.1%でした。また,中学校2年生においては,平均通過率は62.9%で,このうち
「基礎・基本」の問題については70.4%,「思考・表現」の問題は48.0%でした。どちらの学年も「基礎・
基本」については,概ね定着が図られていますが,「思考・表現」については,課題があります。特に,
問題の意味,必要な情報を的確に読み取り解決することについて課題がありましたので,定着度調査で
出題された問題を用いて,授業改善のポイントを紹介します。
中学校2年【大問8の活用】
目標の明確化と学
習課題の工夫
学習課題は,
知的好奇心を
揺さぶり,ある程
度の挑戦意欲が湧
くものを準備しま
しょう。
見通しと振り返り
の活動の重視
言葉や式,図等と
関連付けて解決の
イメージを持たせ
ましょう。
主体的・協働的な
学習活動の工夫
ノートに考え
たことを記述さ
せ,分かりやす
く説明をするよう
指示をしたり,説
明に対して質問さ
せたりする場面を
取り入れましょう。
見通しと振り返り
の活動の重視
学習したことや
過程を振り返り,
図や表,式,言葉
等を関連付けてまとめる活動を取り入れましょう。また,数学のよさも確認しましょう。
算数・数学科の授業改善のポイント(「学びの羅針盤」より)
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問題解決のための見通しと振り返りの場面を工夫し,充実を図る。
課題を工夫し,問題意識を高めましょう。
2 言葉や数,式,図,表,グラフ等の相互の関連を理解させる。
・ 具体場面を文字式を使って表すことや文字式の文字が何を意味しているのかなど,それぞ
れを関連付けて理解させることが大切です。
3 言語活動を通して,相互練り上げの場を工夫する。
・ 数学的な表現を用いて,自分の考えを説明したり,分かりやすく表現させましょう。
4 思考の足跡が分かる板書とノートづくりに取り組む。
・ ノートには,結果だけでなく,途中の過程や考えた内容を根拠を含めて,書かせることが
大切です。
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