PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
No.1484*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
オーストラリア準銀理事会~ 3会合連続で金利据え置き。週末発表の経
済見通しは底堅いものになりそう
2016年11月1日作成
オーストラリア準備銀行は11月1日に開催した理事会で、政策金利 ▼政策金利とCPI(YoY、%)
を3会合続けて1.50%で据え置くことを決定した。
5/3理事会
4/27 1-3月CPI
0.25%利下げ
+1.3%(yoy)
グローバル経済の全体観に関する声明文の表現は、「引き続き平均
8/2理事会
7/27 4-6月CPI
を下回るペースで成長した」で6月理事会の声明文以降変っていない。
+1.0%(yoy)
0.25%利下げ
10/26 7-9月CPI
一方、同国の最大の貿易相手である中国の経済については、「中期的
11/1理事会
+1.3%(yoy)
金利据え置き
な成長のリスクは残存している」としながらも、「インフラや不動産建設に
支えられて、最近の経済状況は安定した」と指摘、10月4日開催の前
回理事会声明文での「当局のアクションが成長をサポートしているが、
基調にある成長ペースは鈍化している」という表現に比べて、幾分前
CPI
向きなように思われる。また、商品市況等に関する「商品価格は、ここ
数年の相当な下落の後、最近になって上昇した。商品価格の上昇は
オーストラリアの交易条件の改善をサポートしているが、近年の平均を
引き続き下回っている」という記述は、前回の声明文と同じである。
さらに、「経済は緩やかなレートでの成長を続けている。企業投資の ▼為替
大きな減少は、住宅建設、公的需要、輸出を含む他の分野の成長で
相殺された。家計消費は合理的なペースで伸びているが、最近少しだ
円/豪ドル
(左軸)
け減速した。家計や企業のセンチメント指標は引き続き平均を上回っ
ている」という国内経済に対する見方も前回と全く同じである。労働市
場については、「指標はいくぶんまだら模様だが、先行指標は雇用の拡
大が短期的に続くことを示唆している」と述べつつも、「パートタイム雇用
が力強く伸びたが、雇用の伸びは全体的には減速した」と指摘している
米ドル/豪ドル
(右軸)
が、「先行指標は雇用の拡大が短期的に続くことを示唆している」という
見方は変らない。
なお、「低金利が国内需要をサポートしているほか、2013年以降の豪ドル安が貿易セクターの助けに
なっている」との記述が引き続きみられるほか、金融機関の貸出態度を前向きに評価、その上で、「こ
れらの要因の全てが、必要な経済のアシストしている」という前回までの理事会の声明文と同様の見方
を示すとともに「通貨高がこれ(前述した経済の調整)を難しくしかねない」という、豪ドル高に対する準銀
の警戒感を示す文言は8会合続けて盛り込まれている。
金融政策の先行きに関する声明文の表現は、 「有効な情報と、5月と8月の会合で金融緩和を踏ま
えれば、この会合で政策のスタンスを維持することは、経済の持続的な成長と、インフレがいずれ目標
に回帰することに矛盾しないと判断した」でここ3会合変らない。
ところで、今週末(4日)には準銀の「金融政策レポート」が公表される。ちなみに、豪準銀が今年に
入って実施した二度の利下げは、ともに直前に発表されたCPIの低下に呼応した側面があり、先月26日
に発表された7-9月のCPIは低下に歯止めがかかったため、今回の理事会では金利据え置きとの見方
が優勢だったが、声明文はインフレについて「引き続きかなり低い」との見方を継続している。声明文は
一方で先行きにも言及、「生産とインフレに対する準銀の見通しは3ヶ月前から少し変化した。今後2年
間の経済は潜在レート近くで成長したあと緩やかに強まり、インフレは今後2年間で緩やかに上向くだろ
う」と述べているが、理事会終了後の為替市場では豪ドルが強含んでいる背景としては、「金融政策レ
ポート」で示される成長とインフレの見通しが底堅いものになることが示唆されたことが挙げられよう。
(文責:勇崎 聡)
(出所:オーストラリア準備銀行、同統計局及びBloombergのデータより髙木証券作成)
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