平 成２ ８年度 研 究の概 要 白 井 市立 清水 口 小学 校 Ⅰ 研究主題 自ら 進んで 運動に取 り組み， 体力の 向上をめ ざす子ど もの育成 ～ 運動の楽し さ やできた喜びを感じ，分かち合える体育科学習のあり方～ Ⅱ １ 主題設定の理由 今 日的 な 課題 から 体 育 科 の 目 標 は ，「 心 と 体 を 一 体 と し て と ら え ， 適 切 な 運 動 の 経 験 と 健 康 ・ 安 全 に つ い て の 理解 を 通 し て ， 生 涯に わ た っ て 運動 に 親 し む 資 質や 能 力 の 基 礎 を育 て る とと もに 健 康 の 保 持 増 進 と 体 力 の 向 上 を 図 り ， 楽 し く 明 る い 生 活 を 営 む 態 度 を 育 て る 。」 こ と で あ る 。 前 回 ， 体 育 科 の 学 習 指 導 要 領 の 改 訂 の 要 点 で ，「 運 動 す る 子 ど も と そ う で な い 子 ど も の 二 極 化の 傾 向 や 子 ど も の体 力 の 低 下 傾向 が 依 然 深 刻 にな っ て い る こ とか ら ， 全て の運 動 領 域 で 適切 な 運 動 の 経 験 を通 し て ， 一 層の 体 力 の 向 上 を図 る こ と が で きる よ う ，指 導の 在 り 方 を 改 善 す る こ と と し た 。」 と あ る 。 そ れ に よ っ て ， 今 ま で 以 上 に 基 礎 的 な 体 力 の 向 上 及 び生 涯に わ たっ て運 動 に親 し む姿 勢の 育 成が 重視 さ れる よ うに なっ て きた 。 体 育の 時 間 の 中 で し か運 動 を し な い児 童 が い る 中 で， 体 育 科 の 授 業を 研 究 して いく こ と は ，「 知 ・ 徳 ・ 体 の 全 て を 育 成 で き る 」「 学 級 経 営 の 基 礎 に な る 」「 で き た 喜 び を 分 か ち 合 え る 」と い っ た 成 果 が 期待 で き る 。 そし て ， 何 よ り 小学 生 の 好 き な 教科 の 第 １位 であ る と い う 教育 系 民 間 企 業 の デー タ か ら も 授業 改 善 に よ っ て， 運 動 経 験 の 二極 化 と いっ た問 題 点 も 改 善さ れ ， 体 育 の 嫌 いな 子 ど も も 減少 し ， 児 童 の 全体 的 な 体 力 の 向上 に つ なが ると 考 え られ る。 ２ 学 校教 育 目標 から 本 校 の 学 校 教 育 目 標 は ，『「 知 ・ 徳 ・ 体 の 調 和 の と れ た 人 間 性 豊 か な 子 ど も 』 の 育 成 」 で あ る 。 ま た ， め ざ す 児 童 像 は ，「 し っ か り 学 ぶ 子 ， 思 い や り の あ る 子 ， 進 ん で 体 を 鍛 え る子 」と な って いる 。 ①「し っ かり 学ぶ 子 」は ，自 ら 課題 を もち ，生き 生 きと 学 習に 取り 組 む姿 その も ので あ り ， ま た， 基 礎 ・ 基 本 を 繰り 返 し 学 ん で学 年 で 求 め ら れて い る 力 を 身 につ け る 児童 の姿 で も あ る。 ②「思 い やり のあ る 子 」は ，自 分の 考 えを 述べ る だけ でな く ，他者 の 考え を受 け 入れ た り ， そ れを 基 に 自 分 の 考 えを 新 た に 構 築し て い く こ と がで き る 児 童 の 姿に 結 び つく 。他 者 の 考 えを 正 し く 理 解 す るに と ど ま ら ず， 伝 え ら れ た 言葉 か ら 他 者 の 心情 を 思 い描 きな が ら 受 け取 る こと がで き る児 童 の姿 であ る 。 ③ 「 進 ん で 体 を 鍛 え る 子 」 は ，「 早 寝 ・ 早 起 き ・ 朝 ご 飯 」 と い っ た 基 本 的 な 生 活 習 慣 を 身 研 究の 概要－ 1 に つけ る だ け で な く ，栄 養 の バ ラ ンス を 考 え た 食 事を し ， 体 育 科 の授 業 だ けで なく ， 休 み 時間 な どに 進ん で 体を 動 かす 児童 の 姿で ある 。 こ うい っ た 目 標 か ら ，学 校 生 活 全 体の 中 で ， 知 ・ 徳・ 体 の バ ラ ン スの と れ た児 童の 育 成 が 必 要で あ る と 考 え ら れる 。 自 ら 進 んで 運 動 し よ う とし た り ， 技 能 を教 え 伝 え合 った り す る 主 体的 な 学 習 態 度 を もつ よ う な 学 習計 画 と 学 習 内 容の 明 確 化 ， 体 育科 の 学 習に おけ る 単 元構 成や 学 習内 容の 明 確化 な ど指 導す る 側の 観点 か らと ら え直 すこ と が求 めら れ る。 ３ 児 童の 実 態か ら 本 校 の 児 童 の姿 に つ い て ， 全職 員 で 話 し 合い ， 分 析 し た と ころ ， 以 下の よ うな 結果 に な った 。 プ ラ ス面 ・外 遊び が 好き な児 童 が多 い （体 を動 か すこ とが 好 き） ・マ ラソ ン ，縄 跳び な どの 記 録会 に向 け て， 一生 懸 命に 取 り組 む。 ・場 の設 定 （用 具や 教 具の 準 備） を協 力 して 行う こ とが で きる 。 ・運 動の き まり （ル ー ル） を 厳格 に守 る こと がで き る。 ・走 る運 動 やボ ール 運 動に は 意欲 的な 児 童が 多い 。 マ イナ ス面 ・人 数と 場 所に 合っ た ，運 動 遊び が十 分 に身 につ い てい な い。 ・運 動技 能 を教 え伝 え 合う 姿 が見 られ な い。 ・体 力の 低 下が 著し い 。（ 体 力の 二 極化 ） ・不 器用 で バラ ンス が 悪い 児 童が 多い 。 ・体 力テ ス トの 考察 か ら， 柔 軟性 と走 力 ，瞬 発力 に 課題 が ある 。 対 策 ○全 校が 統 一し て， ド リル 運 動を 取り 入 れる 。 ○学 習内 容 を明 確に す る。 ○運 動に 興 味や 関心 が 高ま る よう な場 を 設け る。 ○他 人と の 関わ り合 い を深 め る 。。 ○体 力テ ス トの 種目 で 劣っ て いる 種目 の 運動 を取 り 入れ る 。 ○ 「 体育 カ ー ド 」 を 作 成し ， 学 習 に 見通 し を 持 た せ ると と も に ， 振 り返 り を 行え るよ う に す る。 こ のよ う な 児 童 の 実 態や 教 師 の 意 見か ら ， 運 動 の 特性 に 触 れ る よ うな 授 業 作り の見 直 し を 行 った り ， 運 動 の 機 会を 多 く 設 け ，運 動 に 進 ん で 親し む よ う な 研 修を 進 め てい きた い と 考 え る。 ま た ， そ れ ら の活 動 が 人 間 関係 作 り に 活 か され る よ う に す るた め に ，運 動の 楽 し さと でき た 喜び を分 か ち合 え るよ うな 活 動を 取り 入 れた 授 業作 りを 進 めて 行き た い。 本 校は ， 平 成 ２ ８ 年 度と ２ ９ 年 度 の２ 年 間 ， 白 井 市よ り 「 体 力 向 上推 進 指 定校 」と し て の 指 定を 受 け た 。 今 年 度は ， 千 葉 県 教育 委 員 会 か ら 示さ れ て い る 「 学校 体 育 要覧 」を も と に ， 自分 た ち の 視 点 か らと ら え ， 着 実に 体 育 科 教 育 を推 し 進 め た い と， 本 研 究主 題を 設 定 し， 研究 を 進め てい く 。 研 究の 概要－ 2 Ⅲ 研究仮説 ①運動の特性に触れるような授業作りの改善を行ったり，運動の機会を多く設 け た りすれ ば ，運動に進んで親しむ子どもが育 つで あろう。 ②話し合いの場や技能を教え伝え合える場を設ければ，運動の楽しさやできた 喜 び を分か ち 合うことができるであろう。 ＜授業作 りの手立 てとなる ポイント＞ 運 動量 の確 保 ・ 実際 の 運動 時間 ・ 集 合し て話 し てい る時 間 ・ 場の 設 定 教 え合 い活動 の 充実 ・ 活動 の めあ ての 明 確さ ・ 教え 合 いの 評価 ・教 え合 い 伸し やす い 場作 り ・ 役 割分 担 ・ 教具 の 工夫 ・ オノ マ トペ ルール作り の 工夫 ・ みん な が活 躍で き るル ー ル ・選 択 する ルー ル ・ 自分 た ちで 考え た ルー ル チーム やグループ 構成 ・ 力の 均 衡制 ・ 教 え合 い の成 立 （ 異質 か ら同 質グ ル ープ へ ） 場 の設 定の 工 夫 ・ 実態 把 握か らの 準 備 ・ 抵抗 感 の払 拭 ゲーム 化・ 得点 化 ・ 痛さ や 恐怖 の削 減 ・ 回数 ， 時間 ，個 人 ，グ ル ープ ・ ドリ ル ゲー ム ・タ ス クゲ ーム ※ トレ ー ニン グに な らな い よう に。 情 報機 器・ 視 聴覚 機器 の 活用 ・ デ ジ タ ル 機 器 （ タ ブ レ ッ ト 端 末や ビ デ オ カ メ ラ等 ） を 活用 し ，自 分の 動 きや 姿 勢な どを 見 て振 り返 る 。 ・ 運動 に 関連 する ビ デオ や ＤＶ Ｄソ フ トを 視聴 す る。 ドリ ル運 動で 体力 ・ 技能 向 上 ・ 感覚 作 り（ パス ・ ドリ ブ ル・ シュ ー ト等 ） 日 常の 積み重 ね ・ 縄跳 び の日 常化 ・外 遊 びの 励行 ・「 遊・ 友ス ポ ーツ ラン キ ング ち ば」 への 取 り組 み ・ 体力 づ くり 持久 走 の見 直 し ・ 部活 動 ，地 域ス ポ ーツ と の連 携 研 究の 概要－ 3 Ⅳ 研究内容 ◎ 千葉 県 が 発行す る「学校体育要覧」に基 づい て研究を 進め る。 ☆仮 説に も ある 「授 業 作り の改 善 」の 中 の単 元計 画 の作 成手 順に つ いて 参考 文献 ： 小学 校 学習 指導 要 領解 説体 育 編(文部 科 学省 ） 小学 校 体育 （運 動 領域 ）ま る わか り ハン ドブ ッ ク（ 文部 科 学省 ） 学校 体 育要 覧（ 千 葉県 教育 委 員会 ） 校内 体 育科 理論 研 修会 資料 （ 白井 市 教育 委員 会 研 究の 概要－ 4 佐 々木 健 先生 ）
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