楽読 2016年10月19日 Vol. 1,154 (ラクヨミ) 中国のGDP成長率は政府目標を維持 中国の2016年7-9月期実質GDP(国内総生産)成長率は、政府が設定した今年の経済成長率6.5~7.0%増の 範囲内である前年同期比6.7%増となりました。また、名目GDPの産業別比率では、製造業(第二次産業)は昨 年末比約2%ポイント減の約39%となる一方 サービス産業(第三次産業)は同約3%ポイント増の約53%となり 年末比約2%ポイント減の約39%となる一方、サービス産業(第三次産業)は同約3%ポイント増の約53%となり、 政府が目指す製造業からサービス業への構造改革は進んでいるとみられます。 同時に発表された16年1-9月の小売売上高は、前年同期比10.4%増と2ケタの伸び率を維持し、中でも売上高 の約15%を占めるネット通販は同26%増と高い伸びが続いています。また、固定資産投資の伸びは、民間部門 が底打ちする中、公共工事などを中心とした国有部門の一服などで、前四半期からは鈍化しました。一方、足元 の輸出の伸びは低下していますが、これは米国を中心とする世界需要の伸び悩みなどが背景にあるとみられ、 今後は需要回復と共に上昇が見込まれます。なお、16年9月の生産者物価指数の前年同月比伸び率が12年2 月以来の上昇に転じており、今後、製品価格の下落が止まることになれば、企業利益の改善が期待されます。 足元、注目されている不良債権比率については、米国や日本とほぼ同水準にあるものの、潜在的な不良債権 (日本でいう要注意先)の顕在化が不安視されていることなどから、政府は企業の過剰債務の負担を軽減するよ う債務の株式化(企業の負債と株式の交換)などを推進しています。また、過熱感が懸念されている不動産市場 についても、都市毎に投機抑制措置が採られており、政府は適切なコントロールを行なおうとしています。 引き続き、中国は過剰生産設備などの解消や生産性向上を通じた供給サイドの改革、産業の高度化を図るなど で構造改革を断行し 経済を高度成長から安定成長 の移行を進めていくとみられます で構造改革を断行し、経済を高度成長から安定成長への移行を進めていくとみられます。 商業銀行の不良債権の推移 実質GDP成長率(前年同期比)の推移 (2008年1-3月期~2016年4-6月期) (2008年1-3月期~2016年7-9月期) (%) 全体 第二次産業 20 (10億元) 第一次産業 第三次産業 15 政府成長率目標6.5~7.0% 政府成長率目標6.5 7.0% 10 5 0 08 09 10 11 12 13 14 15 16 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 不良債権比率(右軸) 参考:米国の不良債権比率(右軸) 不良債権残高(左軸) 08 (年) 09 10 40 30 20 10 0 12 13 14 15 16 (年) (2011年1月~2016年9月) (2011年1月~2016年9月) 国有部門 11 8 7 6 5 4 3 2 1 0 工業利益と生産者物価指数の推移 固定資産投資の伸び率(前年同月比)の推移 資 投資 伸 率( ) 推移 (%) (%) 不良債権を切り離し 参考:日本の不良債権比率(右軸) 政府が資本注入 *参考の米国と日本は15年まで 40 民間部門 (%) 工業利益(年初来累計、前年同期比) 生産者物価指数(前年同月比) 20 0 *国有部門は16年8月まで 11 12 13 14 15 *工業利益(工業セクターの企業利益)は16年8月まで -20 16 11 (年) 12 13 14 15 16 (年) (CEIC、世界銀行のデータをもとに日興アセットマネジメントが作成) (CEIC、世界銀行のデ タをもとに日興アセットマネジメントが作成) ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 覧ください。 1/1
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