楽読 (ラクヨミ) 2017年1月23日 Vol. 1,182 中国、2016年のGDP成長率は政府目標を達成 中国の2016年の実質GDP(国内総生産)成長率は、6年連続で伸び率は鈍化したものの、政府が設定した6.5 ~7.0%増の範囲内である前年比6.7%増となりました。また、名目GDPの産業別比率は、製造業(第二次産業) が前年比約1%ポイント減の約40%となる一方、サービス産業(第三次産業)は同約2%ポイント増の約52%と なり、政府が目指す構造改革が、緩慢ながらも進んでいるとみられます。 同時に発表された16年通年の小売売上高は、前年比10.4%増と2ケタの伸び率を維持し、中でも売上高の約 15%を占めるネット通販は同26.2%増と高い伸びが続いています。一方、固定資産投資は、民間部門が底打ち する中、公共工事などを中心とした国有部門が減少し、同8.1%増にとどまりました。工業生産も、小型車減税に よりけん引された自動車などが好調であったものの、過剰設備の整理を進めている石炭や鉄鋼が低迷し、同 6.0%増となりました。また、輸出は、米国を中心とする世界需要の伸び悩みに加え、人件費や地価の上昇によ るコスト上昇で競争力が低下したことなどから、同2.0%減となりました。 米国のトランプ新政権による保護主義的な貿易政策の強化が想定される中、先週、習国家主席は中国の国家 主席として初めて世界経済フォーラム(通称ダボス会議)に出席し、基調講演で「新常態(ニューノーマル)に入っ たが、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)に変化はなく、家計消費が経済の主なけん引役になった」との認 識を示しました。中国は、今後も製造業からサービス業への構造改革を着実に進めていくとみられます。同時に、 今年5月に「一帯一路」国際協力サミットフォーラムを開催し、協力事業について討議することについても触れて おり、中国の存在感を高める狙いがあるようです。また、今秋に最高指導部を刷新する共産党大会を控えてい ることから、当面は安定成長に配慮した経済運営が続くと期待されます。 実質GDP成長率(前年同期比)の推移 小売売上高と固定資産投資の推移 (2008年1-3月期~2016年10-12月期) (%) 16 全体 第一次産業 第二次産業 第三次産業 40 35 30 25 20 15 10 5 0 14 12 政府成長率目標6.5~7.0% 10 11 8 (%) 60 6 4 (2011年1月~2016年12月) (%) 小売売上高(前年同月比) 民間部門の固定資産投資(前年同月比) 国有部門の都市部固定資産投資(前年同月比) *固定資産投資は年初来累計 12 13 14 15 16 輸出(通貨別、前年同月比)の推移 (2014年1月~2016年12月) 米ドルベース(左軸) 人民元ベース(左軸) 人民元安 40 人民元高 20 2 08 09 10 0 11 12 13 14 15 16 (年) *成長率は年初来累計 -20 参考:人民元(対米ドル)(右軸) (CEICのデータをもとに日興アセットマネジメントが作成) -40 ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 (年) (人民元) 7.0 6.8 6.6 6.4 6.2 6.0 5.8 5.6 (年/月) ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 覧ください。 1/1
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