(1) y = f(x) (2)

1
関数 f(x) = 1 + sin x + sin2 x (0 5 x 5 2¼) を考える.以下の問いに答えよ.
(1) y = f(x) の増減表を作成し,極値を求めよ.
5
(2) x =
¼ のとき,和 sin x + cos x と積 sin x cos x の値をそれぞれ求めよ.
12
(3) 次の不等式 ‘; ’ がそれぞれ成り立つことを証明せよ.また,等号がいつ成立するか.それぞれ調
べよ.
p
‘ f(x) = sin x(1 + 2 + cos x) (0 5 x 5 ¼)
3
7
3 2
¼
;
’ (sin x + cos x) # ¡ sin x cos x; 5 # ; #0 5 x 5
4
2
2
( 浜松医科大学 2012 )
2
24 時間診療業務を休みなく行う病院において,40 日間で 1 万個使用される医療材料 A について考える.A
の使用頻度は常に一定であり,1 日の時間帯や曜日による変動は全くないものとする.さて,病院におけ
る在庫管理では,
「 品切れ」が起きないこと,
「 コスト 」をできるだけ低くすること,この 2 つが肝要である.
医療材料 A の保管費は,その保管期間に比例し,1 個につき 10 日間で 1 円である.また,納入業者に A を
注文すれば,注文量の多少に関わらず,品物が届いた時点で 200 円の事務費がかかる.なお,担当者は A
の在庫量 y の時間的推移を把握しており,品切れになる直前という最適のタイミングで,注文した量が届
くものとする.われわれは,保管費と事務費の和 S を最小にするような注文の仕方を求める.以下の問い
に答えよ.
(1) A の在庫は最初 1 万個あったとする.そして注文する量は毎回一定として,x で表す.このとき,時間 t
による在庫量 y の変化を表すグラフを,横軸を時間の t 軸とする座標平面上に図示せよ.
( 図示する際には,
適当な x の値を自ら設定すること.
)
以下,1 回目の注文によって品物の届く時点以降の y の変化について考察する.
(2) 周期的な y の変動に留意して,平均在庫量を求めよ.
(3) 長期にわたる保管費,事務費の総額をそれぞれ見積もり,保管費と事務費の和 S の「 1 日当たりの平均コ
スト 」を求めよ.さらに,この 1 日当たりの平均コストを最小にするような x の値を求めよ.
( 浜松医科大学 2012 )
3
n は自然数を表すとして,以下の問いに答えよ.
(1) 平面を次の条件を満たす n 個の直線によって分割する.
【どの直線も他のすべての直線と交わり,どの 3 つの直線も 1 点で交わらない.
】
このような n 個の直線によって作られる領域の個数を L(n) とすると,L(1) = 2; L(2) = 4 は容易にわ
かる.次の問いに答えよ.
‘ L(3); L(4); L(5) をそれぞれ求めよ.
’ L(n) の漸化式を求めよ.
“ L(n) を求めよ.
(2) 平面を次の条件を満たす n 個の円によって分割する.
【どの円も他のすべての円と 2 点で交わり,どの 3 つの円も 1 点で交わらない.
】
このような n 個の円によって作られる領域の個数を D(n) とすると,D(1) = 2 は容易にわかる.次の問
いに答えよ.
‘ D(2); D(3); D(4) をそれぞれ求めよ.
’ D(n) の漸化式を求めよ.
“ D(n) を求めよ.
( 浜松医科大学 2012 )
4
1 個のさいころを 3 回投げる.1 回目,2 回目,3 回目に出る目の数をそれぞれ X1 ; X2 ; X3 として,3 つ
の確率変数
Y = 4X1 + X2 ;
Z1 = 2X1 + 3X2 ;
Z2 = 2X1 + 3X3
を定める.1 から 6 までの目は等確率で出るものとするとき,以下の問いに答えよ.
(1) 数の集合 U = fx j x は整数かつ 5 5 x 5 30g を全体集合として,
¯
¯
1
k
S = Sx ¯ x 2 U かつ P(Y = x) >
36
¯
¯
1
k
T = Sx ¯ x 2 U かつ P(Z1 = x) >
36
を定める.部分集合 S と T の要素をそれぞれ列挙せよ.
(2) Y の値が S に属するという事象を A とし ,i = 1; 2 に対して Zi の値が T に属するという事象を Bi と
する.次の問いに答えよ.
‘ i = 1; 2 に対し,等式 P(A \ Bi ) = P(A)P(Bi ) が成り立つかど うか,それぞれ調べよ.
’ 条件つき確率 PA (B1 \ B2 ) の定義式をかき,その値を求めよ.
( 浜松医科大学 2012 )
5
2 次曲線 C が媒介変数 µ を用いて,
x = 3 + 5 cos µ;
y = 2 + 3 sin µ
(0 5 µ 5 2¼)
と表されている.このとき,次の問いに答えよ.
(1) 曲線 C の方程式を x; y を用いて表せ.また,C を座標平面上に図示せよ.
(2) 曲線 C 上の点 P(3 + 5 cos µ; 2 + 3 sin µ) における C の接線 ` の方程式は,
cos µ
sin µ
(x ¡ 3) +
(y ¡ 2) = 1
5
3
となることを示せ.
(3) 曲線 C の焦点を F1 ,F2 とする.i = 1; 2 に対し,Fi を通り,接線 ` に垂直な直線 mi の方程式を求めよ.
(4) i = 1; 2 に対し ,直線 mi と ` との交点を Qi とする.点 O0 (3; 2) とするとき,線分 O0 Qi の長さを求
めよ.
(5) P が曲線 C を一周するとき,線分 Q1 Q2 の長さの最大値,最小値,およびそのときの点 P をそれぞれ求
めよ.
( 浜松医科大学 2011 )
6
医学部における研究では,いろいろな動物が用いられる.これらの動物を生育して,研究者たちに販売す
る者の立場から,動物 A,B,C を題材にして,以下の問題を考察する.
(1) 動物 A,B を生育するには,3 種類の栄養素 p; q; r が必要である.生育量( 単位 kg )と栄養素の量は,
ともに実数で示される.
( 条件 a ) A を x kg 生育するには,p が 5x,q が 5x,r が x の量,同時に必要である.A の販売価格
は 10 万円 =kg である.
( 条件 b ) B を y kg 生育するには,p が 4y,q が y,r が 2y の量,同時に必要である.B の販売価格
は 5 万円 =kg である.
手持ちの栄養素は今,p が 5,q が 4,r が 2 の量であると仮定する.このとき,A,B をそれぞれ何 kg 生
育すれば,販売額が最大となるか.販売額の最大値,およびそのときの A,B の生育量をそれぞれ求めよ.
(2) 動物 A,B に加えて,動物 C も p; q; r の栄養素によって生育できることがわかる.
( 条件 c ) C を z kg 生育するには,p が 2z,q が 3z,r が z の量,同時に必要である.C の販売価格は
8 万円 =kg である.
手持ちの栄養素は今,p が 5,q が 4 の量であるが,(1) の場合と違って r はいくらでも手に入るものと仮
定する.次の問い ‘; ’; “ に答えよ.
11
; として値を固定し,A,B の生育量をそれぞれ x kg,y kg
10
として変化させる.このとき,点 (x; y) の動く領域 D(k) を図示せよ.さらに,(x; y) がこの領域
‘ C の生育量 z kg は,z = k #0 5 k 5
を動くとき,販売額の最大値を w(k) とかく.w(k) を k の式で表せ.
11
4
11
の範囲から
5 k 5
の範囲に変更する.このとき,点
’ C の生育量 z = k を,0 5 k 5
10
10
3
(x; y) の動く領域 D(k) および販売額の最大値 w(k) はど うなるか,調べよ.
“ A,B,C をそれぞれ何 kg 生育すれば,販売額が最大となるか.販売額の最大値,およびそのときの
A,B,C の生育量をそれぞれ求めよ.
( 浜松医科大学 2011 )
7
実数 k は
¼
¼
5k5
の範囲にあるとする.
3
2
f(x) =
g(x) =
Z
k
Z ¡k
k
¡k
sin(x ¡ t) cos t dt
(¡k 5 x 5 k)
sin(x ¡ t) cos t dt (¡k 5 x 5 k)
と定めるとき,以下の問いに答えよ.
¼
¼
; と g #¡ ;,2 つの定積分の値をそれぞれ求めよ.
6
6
(2) 差 f(x) ¡ g(x) は,区間 ¡k 5 x 5 k で増加することを示せ.
(1) f #
(3) 曲線 y = g(x) の変曲点は何個あるか,調べよ.
( 浜松医科大学 2011 )
8
次の問いに答えよ.
(1) 3 つの数 210 ¡ 1; 310 ¡ 1; 410 ¡ 1 の積を y = (210 ¡ 1)(310 ¡ 1)(410 ¡ 1) として,全体集合 U と部分
集合 A; B を次のように定める.
U = fx j x は y の正の約数 g
A = fx j x 2 U かつ x は 44 の倍数 g
B = fx j x 2 U かつ x は 45 の倍数 g
このとき,部分集合 A \ B に属する要素は,全部で何個あるか.
以下,数列 an = 4n ¡ 1 (n = 1; 2; 3; Ý) を考える.
(2) 次の命題 P を証明せよ.
命題 P
n が 3 で割り切れることは,an が 9 で割り切れるための十分条件である.
(3) 命題 P において,十分条件を必要十分条件に書きかえて,命題 Q をつくる.命題 Q の真偽を答えよ.
(4) 9 と 11 のうち,ど ちらか一方の数で割り切れるけれども,他方の数では割り切れないような an だけを取
り出し ,残りはすべて取り去る.こうして得られる an の部分列を小さい順に並べると,23 番目の項は元
の数列では第 k 項になるという.番号 k を求めよ.
( 浜松医科大学 2011 )
9
平行六面体 ABCD-EFGH において AD を 2 : 1 に内分する点を M,FG を 3 : 2 に内分する点を N とする.
¡! ¡
! ¡! ¡
! ¡! ¡
!
対角線 AG と平面 HMN との交点を P とする.AB = a ,AD = b ,AE = c とするとき,次の問いに
答えよ.
¡! ¡¡! ¡!
¡
! ¡
! ¡
!
(1) AH,HM,HN それぞれを a ; b ; c を用いて表せ.
¡! ¡
! ¡
! ¡
!
(2) AP を a ; b ; c を用いて表せ.
( 浜松医科大学 2010 )
10 3 次関数 f(x) = x3 ¡ 3ax2 (a > 0) と,曲線 C : y = f(x) (¡1 < x < 1) を考える.以下の問いに答
えよ.
(1) y = f(x) の変曲点における接線の式を求めよ.
(2) 曲線 C はこの変曲点に関して対称であることを示せ.
(3) b; c は実数とする.3 次方程式 x3 ¡ 3ax2 = bx ¡ c が 3 つの解をもち,それらの解が等差数列をなすと
き,c を a; b の式で表せ.
p
(4) (3) において,等差数列の公差が 2 3 に等しいとする.このとき,3 次関数 f(x) ¡ bx + c の極値を求めよ.
( 浜松医科大学 2010 )
5x + 3
との交点を P1 (x1 ; y1 )
x+3
とする.次に,P1 を通り x 軸に平行な直線と直線 ` : y = x との交点を P2 (x2 ; y2 ) とする.さらに,P2
11 座標平面上に P0 (1; 0) を取る.P0 を通り y 軸と平行な直線と曲線 C : y =
を通り y 軸と平行な直線と C との交点を P3 (x3 ; y3 ) とし,P3 を通り x 軸に平行な直線と直線 ` との交点
を P4 (x4 ; y4 ) とする.以下この操作を続けて点列 P5 (x5 ; y5 ),P6 (x6 ; y6 ),Ý,Pn (xn ; yn ),Ý を定
める.このとき,次の問いに答えよ.
(1) 曲線 C のグラフを描け.また,その漸近線を求めよ.
zn+1
x2n¡1 ¡ 3
(n = 1; 2; 3; Ý) とおくとき,
を求めよ.
(2) zn =
x2n¡1 + 1
zn
(3) 数列 fzn g はどのような数列か.また,その一般項 zn を求めよ.
(4) 数列 fxn g の一般項 xn を求めよ.さらに,極限 lim xn を求めよ.
n!1
( 浜松医科大学 2010 )
12 ある感染症の対策について考える.感染症の防御のためには感染拡大の試算が必要であり,感染拡大は自
然にはその感染症の感染力と,致死性によって予測される.感染経路は,飛沫,接触,飲食などいろいろ
あり,感染力の制御,つまり感染を広げないために,ワクチン開発はもちろんであるが,外出規制( イベ
ントの自粛や学級閉鎖など ),手洗い呼びかけ,などが有効である.
ここでは簡単のために,1 つの感染症のみを考え,ある一定の集団(たとえば 1000 人程度の島)を対象と
し ,外部との接触,出入りがないと仮定する.最初の時点での過去感染者,未感染者,現在感染者の割合
をそれぞれ x0 ; y0 ; z0 とする.現在感染者は 1 か月後にはすべて過去感染者となり,一度感染した人はも
う感染しない.また幸いなことにこの感染により死者は生じず,また簡単のために他要因による死者,あ
るいは出生,転入出もないとする.
1 か月ごとの変動を見ることとし,i か月後の時点の上記の割合をそれぞれ xi ; yi ; zi で示す.症状は丁度
1 か月続くので,一人の人が現在感染者として数えられるのは 1 回のみである.
過去感染者は,それまでの過去感染者に,1 か月前の現在感染者を足したものである.また,現在感染者
は,1 か月前の未感染者と 1 か月前の現在感染者の接触頻度と,この感染症の感染力によって決まる.接触
頻度の係数を a,感染力の係数を b とすると,現在感染者の割合は 1 か月前の現在感染者の割合,未感染
者の割合,a; b の 4 つをかけたもので求められる.
x0 = 0,y0 = 0:9,z0 = 0:1 として,以下の問いに答えよ.計算は小数点以下第 4 位を四捨五入して求
めよ.
(1) xi ; yi ; zi を,xi¡1 ; yi¡1 ; zi¡1 ; a; b で表せ.
(2) a = 1; b = 1 として,x1 ; y1 ; z1 ; x2 ; y2 ; z2 ; x3 ; y3 ; z3 をそれぞれ求めよ.
(3) a = 1,感染力の係数 b を 2 とした時の x1 ; x2 ; x3 を求めよ.
(4) 手洗いの徹底や外出規制が最初からなされたとして,a = 0:5,b = 1 とした時の,x1 ; x2 ; x3 を求め,
(2),(3) の結果と共に,縦軸を過去感染者の割合,横軸を時間として,3 つの場合の変化を同一座標上にグ
ラフで示せ.
( 浜松医科大学 2010 )