平成28年後期講座②異文化理解

平成28年後期講座②異文化理解
第1講義
異文化理解の定義。文化とは、異なる文化とは
「文化」という言葉を使うと芸術を指すというイメージがあるかもしれません。だが、人類学的な定義
をするなら、芸術のみならず、人々の行動、考え方なども「文化」に含まれている要素です。
「文化」を簡単に定義できるかもしれませんが、問題は「文化」は誰のモノなのかということです。
国のレベルで文化を考える傾向がありますが、よくみると、国内の異文化または国境を超える共通
する文化的な特徴が認められます。講演でこう言った問題点を考慮します。
第2講義
イギリスの多文化
イギリスを例として、多文化の問題点を検討します。第二次大戦後、幕を下ろしていた大英帝国の植
民地から、移民がイギリスにやってきました。その時代から、EUからの離脱まで、特に20年前から、
移民の数が著しく増加していました。現在のロンドンの人口構成をみると「白人イギリス人」と名乗る
人々は45%となり、イギリスの多文化社会を物語っているでしょう。しかし、イギリスの長い歴史を眺
めると過去2,000年前から多文化社会がすでに始まったと言えるでしょう。
第3講義
日本国内における異文化理解
日本はよく小国と言われます。世界には約200カ国が存在しますが、その中で、日本の面積は61番
目にあたります。また、南北の長さは約3000㎞です。面積が最も大きい国家はロシアで、世界の面
積の9分の1の大きさですが、その南北の長さは4000㎞です。このようなことから日本は小国と言え
るでしょうか?南北に長い日本には多くの地域が存在し、様々な文化や慣習があります。それを私
達は県民性や地域性と称します。本日、受講されておられる方々の多くは関西に馴染の深いかと
思いますが、先に述べました通り、けっして小国ではない日本における様々な各地における県民性
や地域性を紹介し、日本国内におけます異文化の理解を目指していいただきたいと思います。本日
の講演の主旨です。
第4講義
グローバル化がもたらすもの
最近、よくグローバル化とか、TPPなどという言葉を耳にしますし、一昔前、インターナショナル化と
いう言葉もよく耳にしましたが、これらの2つにはどのような違いがあるのでしょうか?これらの違い
を説明するとともに、世界的な潮流が島国である日本は、これらに対してどのように対応すうべき
か、また、グローバル化やTPPを受け入れることは、私達の生活に具体的にどのような関わりがあ
るのか等を身近な例をあげて、お話しようとすることが今回の講演の主旨です。少子高齢化等との
関係につきましても触れてみたいと考えています。
第5講義
戦後日本と三島由紀夫(1)アメリカの影
「アメリカ」は、戦後日本の核心を占めるテーマであるが、三島文学の核心的テーマでもある。占領
期の「アメリカ」と高度経済成長期の「アメリカ」、戦後日本の復興と成長の時代を生きた三島由紀
夫の作品と行動の中にあらわれる「アメリカ」を検証する。
第6講義
戦後日本と三島由紀夫(2)ドイツの影
「ドイツ」は、「アメリカ」に比べれば、三島作品の表面に―「わが友ヒットラー」を除いて ― 現れるこ
とは少ない。しかし三島においては、戦後日本の「アメリカ」的風潮に対抗するものとして、ニーチェ
やトーマス・マンの影響、あるいはファウスト的「ドイツ」の影響は看過できない。
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