水素漏えい多点監視システムに 適用可能な水素センサタグ 研究責任者 : 岡崎慎司 (横浜国立大学 大学院工学研究院 准教授) コーディネータ: 西川 羚二 (横浜国立大学 産学連携推進本部 産学官連携コーティネータ) 研究背景 水素の漏えい監視技術の重要性 増大 既存の水素センサ ・半導体式、電気化学式、熱電式、 光学式 安全に大量の水素を ハンドリング スポット型かつ有線⇒コストが高く、複雑 通信技術を駆使し、数多くの低コストセンサを無線化して配置した分 布型センサシステムに注目 センサシステムの低コスト化と簡易化 無線タグ自体に電源や信号処理回路を必要としない、アンテナコイ ルにセンサ機能を付与した極めて単純な構造のセンサデバイス 研究目標 無線ICタグのアンテナ部に白金触媒担持酸化タングステン を固定化したセンサ機能一体型の水素検知タグを開発し、 その電気特性評価 アンテナコイル型センサデバイスの動作原理 水素存在下 (x/2) H2 WO3+ Pt xH+ + xH+ + xe - xe - HXWO3 WO3・・・絶縁体 HxWO3・・・導電体 (0<X<1) 応答反応 電気伝導度の変化を利用 ●無線タグのアンテナ特性に水素検知特性を付与することが可能 水素中 空気中 コイルの実効的な 形状が変化 研究開発成果(センサデバイス作製) 厚膜塗布焼成後 45 mm 塗布前 45 mm 研究開発成果(水素検知特性) 0 -5 Return loss [dB] Air -10 -15 4 vol.%H2/N2 -20 -25 10 1.00E+06 10 1.00E+07 10 1.00E+08 10 1.00E+09 10 1.00E+10 10 1.00E+05 5 6 7 8 9 Frequency [Hz] アンテナコイル型センサデバイスの反射損失の周波数依存性 10 新技術の特徴、従来技術・競合技術との比較 • 常温で水素と反応 • 無通電・無線型の水素センサ • 低コストの多点監視が可能 提案するデバイスは、常温で動作が可能であると同時に RFタグのアンテナ部に水素感応性という付加価値を付与 したものであり、センサの構造自体は極めて単純である ためデバイスの低コスト化が可能 想定される用途 • 水素貯蔵タンクを有する水素ステーショ ンや大規模水素発電システムにおける 水素漏えい検知センサ • 水素タンカーなどの大規模輸送機器に おける水素漏えい検知センサ • 液体水素を利用するロケットなどの宇宙 輸送機の燃料系統の安全センサ 実用化に向けた課題 • 窒素雰囲気における水素に対しては非常に 敏感であり、センサ応答速度も秒オーダーと 良好であった。一方、空気雰囲気における水 素に対しても検出可能な応答が得られたが、 今後更なる高感度化が必要である。 • アンテナコイル特性について更なる検討を行 い、パッシブタグとして使用する場合の通信距 離などの条件の明確化を行っていく。 • 多点センサシステムの実証実験を行い、セン サの最適な配置やモニタリングシステムを構 築する。 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :白金/酸化タングステン系 水素感応膜の製造方法 • 出願番号 :特願2008-162365 • 出願人 :横浜国立大学 • 発明者 :岡崎慎司 • • • • 発明の名称 出願番号 出願人 発明者 :無線タグ :特願2006-338461 :DIT株式会社 :岡崎慎司、大島公夫 想定される技術移転 • 燃料電池車(FCV)市場投入が開始される20 15年以降、水素ステーションの設置数増が予 測される。 • 本成果については、先ずは水素ステーション の安全管理に適用されることを目指して、当 該ビジネスに参入を計画するエネルギー企業 等との実用化に向けた共同研究・実用化検証 を介しての技術移転を想定する。 お問い合わせ先 横浜国立大学産学連携推進本部 産学官連携コーディネーター 西川 羚二 TEL 045-339 - 4382 FAX 045-339 - 4387 e-mail [email protected]
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