チリ医療情報

チリ医療情報
以下の情報は必ずしも最新の医療事情ではありません。詳細(特に緊急時対応)に
ついては現地医療事情に詳しい医療専門家から常に最新の専門的アドバイスを
受けるようにしてください。
最新更新履歴: 2011 年10 月更新
1 赴任前の準備
(1)予防接種
入国に際して義務づけられているものはないが、赴任前に狂犬病、A 型肝炎、B 型
肝炎、破傷風の接種を勧める。チリに黄熱病はみられないが、業務や観光でブラジル
やボリビアに入国する予定の人は、黄熱ワクチンの接種が必要になる。
(2)その他の準備
眼鏡、コンタクトレンズは種類が豊富に出回っている。歯科治療も現地で可能だが、
赴任前に治療を済ませておいたほうがよい。
2.医療事情
(1)医療機関事情
大小の医療機関が多数ある。サンティアゴの私立総合病院(Clinica Alemana de
Santiago、以下Clinica Alemana)やClinica Alemana 相当の医療機関としては、ほ
かにClinica Las Condes、Clinica Santa Maria がある。救急患者は 3 病院ともに
24 時間受け付けているが、通常の診察は事前に予約が必要となる。
個人開業の診療所の医師は、外部の検査機関で行った臨床検査の結果を見て患
者を診察する。薬局は、医師が書いた処方箋を持って行き薬を販売することになる。こ
のように、完全な分業制である。
また、開業医は大きな病院と契約を結んでおり、手術の場合には、手術室やスタッ
フ(麻酔医、看護師など)を借りることになる。したがって、患者は、診療所の医師に診
療代を支払うほかに、入院費と手術に要した薬代・検査代を病院に、執刀医、麻酔医、
看護師などから請求された経費をそれぞれに支払うことになる。
前述の 3 病院を含めて、チリの主な病院は以下のとおりである。
<総合病院>
・Clinica Alemana de Santiago(Clinica Alemana)
Av. Vitacura 5951, Vitacura
TEL : 代表02-210-1111 、救急車呼び出し02-910-9911
FAX:02-210-1214
URL:http://www.alemana.cl
All Rights Reserved, Copyright(c) 2011 Japan International Cooperation Agency
E-mail:[email protected]
診療時間:月−金8:00∼20:00、土8:00−14:00
診療科目:心臓外科、脳外科、整形外科ほかを揃える総合病院。
・Clinica Las Condes
Lo Fontecilla 441, Las Condes
TEL:代表02-210-4000、
急患と救急車呼び出し02-610-7777、または800-211-800(フリーダイヤル)
FAX:02-210-5727
URL:http://www.clinicalascondes.cl
E-mail:[email protected]
診療科目:総合病院。
Clinica Alemana と並んで、チリで最も施設と人員を備えた病院。
・Clinica Santa Maria
Av. Santa María 0500, Providencia
TEL:代表02-913-0000
URL:http://www.clinicasantamaria.cl
診療科目:総合病院。
上記 2 病院に次ぐ規模の総合病院。
(2)緊急時の対応と措置
Clinica Alemana などの総合病院では、緊急外来を設け、24 時間対応している。
3.医薬品、衛生用品
(1)携行することが望ましい医薬品
日本製の医薬品は出回っていないが、家庭内常備薬は容易に調達できる。日ごろ
使用している薬品でないと不安という人は、日本から携行するのが無難。
(2)現地で調達できる医薬品
医薬品の種類は豊富で、都市部には多数の薬局チェーン店がある。ただし処方箋
なしで購入できる医薬品は風邪薬等に限られ、多くの場合医師の処方箋が必要であ
る。
コンタクトレンズは日本と同様、眼科医の処方箋があれば購入可能である。薬局は
日曜日も当番制で営業しており、営業店は新聞に掲載される。
(3)現地で調達できる衛生用品
生理用品、包帯、ガーゼなどは、薬局やスーパーマーケットで調達できる。
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(4)薬局
都市部には多数の薬局チェーン店があり、市販の薬は種類も多く容易に入手できる。
サンティアゴや地方主要都市では、ほとんどの薬局がチェーン店化しており、取り扱っ
ている医薬品をコンピューターで在庫管理している。処方医薬品は購入の際に医師の
処方箋が必要であるが、風邪などの軽い疾病の場合は、薬局の薬剤師が処方薬品以
外の薬を選んでくれる。以下は、主な薬局のチェーン店で、いずれも配達サービスを行
っている。
・Farmacias Ahumada
TEL:02-222-1122、600-222-400
URL:http://www.farmaciasahumada.cl/
・Farmacias Cruz Verde
TEL:800-802-800
URL:http://www.cruzverde.cl/
・Farmacias Salcobrand
TEL:800-800-008
URL:http://www.salcobrand.cl/
4.妊娠、出産、育児
(1)妊娠した場合の対応
病院を選べば、現地での出産は可能であるがコミュニケーションの問題や、医師以
外のスタッフのレベル、緊急時の対応を考慮すると、日本での出産を強く勧める。
(2)出産後の対応
母親健診は産婦人科で、乳児の健診は小児科にて受診。日本のように、市町村か
らの連絡はない。新生児の予防接種は、小児科医と相談し、指示された医療機関で受
ける。
(3)育児
ほ乳瓶、おむつ、粉ミルク、ベビーパウダー、乳児用衣類などは、薬局またはスーパ
ーマーケットで入手できる。
5.手術
(1)現地で可能な手術
私立病院によっては、ドイツ、アメリカなどの先進国の技術が導入されており、ほぼ
全科の手術が受けられる。輸血が必要な場合は、知人などに依頼して使用量(血液型
は不問)を病院側に献血する必要があるが、使用量に達しない場合は不足分の血液
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代が請求される。
(2)手術設備の状況
Clinica Alemana は、緊急外来、ICU、透析室、血液銀行などを備えている。
(3)その他の留意点
入院に際し、保証金として白紙小切手の提出、国際クレジットカードの提示、または
身元の確実な保証人による保証書の提出が要求される。
6.現地での傷病
(1)一般の疾病
サンティアゴは盆地であるため、特に冬季は空気の循環が悪くなり、自動車、暖房、
工場などの排気ガスによるスモッグがよく発生する。そのため、呼吸器系の疾患や眼
病が多い。スモッグ発生時は外出を控えることを勧める。
(2)風土病、感染症
2002年以降、イースター島で断続的に夏季にデング熱が発生したが、ここ数年は報
告されていない。
(3)有害動物、病害虫
サンティアゴ市内では蚊、ハエ、ガなどの害虫が多い。1997 年には、野ネズミがも
たらすハンターウイルスの感染者が全国に現れ、社会問題になったこともあった。その
後も継続して年間数例感染者が発生している。
また、Arana de Rincon(直訳:隅のクモ)という、住居内に棲息する有毒のクモもい
る。被害件数は少ないが、体調が弱まっている時に噛まれると、致命傷になる場合も
あるといわれている。このクモの被害を防ぐには、できるだけ毎日部屋に掃除機をか
け、ベッドメーキングを行い、タンスに防虫剤を入れるなどの対策をとる必要がある。
7.保健衛生
(1)飲料水
サンティアゴ市内で飲料水として一般に利用されるのは、アンデス山中からの水道
水で、カルシウム、マグネシウムを多く含んだ硬水である。そのまま飲用しても問題な
いが、飲み慣れないうちは下痢をすることがあるので、ミネラルウオーターか、一度煮
沸した水を用いるとよい。
(2)濾過器の入手
水差しタイプの簡易型ろ過器が安価に購入できる。水道の蛇口に取り付けるものに
ついては、日本から携行したものは形状が合わない場合があるので、現地で購入する
ことを勧める。
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(3)その他の留意点
冬季のスモッグに対応するためにも、折を見て郊外に出かけ、清浄な空気を吸うよ
うにする。喘息の傾向がある人は、日本からふだん使用している吸入薬を持参すると
ともに、当地の医師の診察を受けることを勧める。
夏は日差しが強いので、紫外線カット率の高い良質なサングラスが必要である。ま
た、日焼け止めクリームの使用は必須である。現地でも良質のものが入手できるが、
肌が敏感な人は使い慣れたものを日本から持参するとよい。
チリの南へ行くほど、オゾン層の破壊による紫外線照射量が増大すると言われてい
るので、留意する必要がある。
以 上
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