ブルンジ - JICA

ブルンジ (ブジュンブラ)医療情報
以下は必ずしも最新の医療事情ではありません。詳細(特に緊急時対応や予防
薬の服用方法など)については現地医療事情に詳しい医療専門家から常に最新
のアドバイスを受けるようにしてください。
最新更新履歴:2015 年 12 月更新
1. 赴任前の準備
(1) 予防接種
ブルンジでは、黄熱流行地域からの入国者に対し黄熱ワクチン接種を義務づけ
ている。流行地域以外からの入国者に対しては義務づけていないが、ケニアなど
アフリカの国が経由地となる場合はイエローカードの提示を求められる。その他
A/B 型肝炎、狂犬病、破傷風の予防接種も強く推奨する。また、特に A 型肝炎は
汚染された食物や水から容易に感染するので A 型肝炎の予防接種を済ませてくる
ほうがよい。現地ではワクチンの入手が難しいため接種できない。周辺国や日本
への一時帰国時に受けるようにする。髄膜炎菌ワクチン(ACWY4 価タイプ)及び
腸チフスワクチンについて、日本国内のトラベルクリニックもしくは周辺国での接種
を推奨する。
(2) その他の準備
持病のある人は現地での受診の可能性を考え、病名、治療内容(内服薬につい
ては商品名ではなく一般名で記載)、現在の状態、緊急時の対応方法などを記載
した英文の紹介状を主治医に書いてもらい持参する。持病の治療薬については、
現地で主治医を見つけるまでの間の十分な量を持参する。
また、健康上問題がない場合でも、派遣前健康診断書の控え(英文版)、予防接
種歴(英文版)が記載されたものを必ず持参する。
眼鏡はブジュンブラ市内で購入可能であるが、常時在庫がない為、持参したほ
うがよい。コンタクトレンズは入手不可能。保存液、洗浄液などコンタクトケアー用
品は、持参したほうがよい。
コンタクトレンズ使用に関連する眼のトラブルを予防するためにコンタクトレンズ
の着用はさけ、眼鏡を使用したほうがよい。
基本的な治療は受けられるが、応急処置のみ程度にしたほうがよい。特に義歯
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装着の場合は現地でトラブルが起きないよう、検診を受けて装着状態をチェックし
ておくとよい。歯科疾患のある場合は赴任前に治療を済ませてくる ことを強く勧め
る。
虫よけスプレー、蚊帳、蚊取り線香は入手困難のため、日本から持参すること。
電気液体蚊取りは現地で購入可能である。
マラリアに関しては、予防薬のメフロキンは入手困難である。治療薬として使用
されるコアテムも病院や薬局にない為、スタンバイメディスンとして購入しておく事
を勧める。また、現地医療機関では血液塗沫検査の信頼性に欠ける為、マラリア
迅速診断キットが近隣国で購入できる為、数個常備しておく事も勧める。
2. 医療事情
(1) 医療機関
高いとはいえない。できる病院は殆ど無いと言ってよいが、下痢や風邪で受診
は可能。但し、入院治療や手術は医師の多くは一般会話については英語で可能だ
が、医療専門域となるとフランス語が主となる事がある。手術が必要な場合や緊急
を要する疾病は、医療先進国への国外緊急移送を考慮するべきである。
24 時間 Open の外来がある医療機関は以下のとおり。
New Hospital (プライベートクリニック)
所在地:ブジュンブラ市内 / 19A Av.de la R.D.Congo BP590
電話:(257)224671/228616
FAX:(257)229429
診療時間:月‐金 730-12、1430-1730
診療科目:内科、産婦人科、小児科、CT 有
備考:CT スキャンがある。但し、婦人科医の院長が撮影し、読影は放射線科専
門医が行う。院長は勤務が午前のみの為、緊急時には利用が難しい。
Polyclinic de Centralle Bujumbula (私立病院)
所在地:ブジュンブラ市内 / BP378 BD Uprona61-63
電話:(257)22 22 50 50 / 22 24 67 14
Email:[email protected]
診療時間:24 時間/無休
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診療科目:内科、循環器科、耳鼻科、外科、産婦人科、小児科、歯科、レントゲン
有
備考:救急外来があり、24 時間受け付けている。レントゲン有。入院施設はすべ
て個室・トイレつきで経過観察目的で入院可能。胃カメラも実施可能である
が、感染症の恐れや手技の問題などから勧めない。
CMCK (私立病院)
所在地:ブジュンブラ市内 / Av. Route Rumonge
電話:(257)22 22 6442 / 22 21 9483
Email:[email protected]
診療時間:24 時間/無休
診療科目:内科、外科、産婦人科、小児科、歯科、レントゲン有、
備考:救急外来にて、一般診療可能。救急車あり。
Bumerec(私立病院)
所在地:ブジュンブラ市内 Kabondo West 地区 / Av. Ririkumutima
電話:(257)22 27 5632 /
Email:[email protected]
診療時間:24 時間/無休
診療科目:内科、消化器内科、外科、産婦人科、小児科、整形外科、
レントゲン有
備考:救急外来にて、一般診療可能。救急車あり。
Maison Madicale (私立病院)
所在地:ブジュンブラ市内 opposite prohice II / Chussee peuple muruhai
電話:(257)22 21 8929 / 22 25 2738
FAX:(257) 22 21 7719
診療時間:月-金 08-20 土 10-14、24 時間/無休 Dr. On Call
診療科目:内科、循環器内科、外科、産婦人科、小児科、
レントゲン/心電図/ポータル心エコーあり。
備考:一般診療可能。院長は心臓専門医
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(2) 緊急時の対応と措置
夜間や緊急時はブジュンブラ市内では Polyclinic de Cetralle Bujumbula、
CMCK の緊急外来で受診できる。CMCK、Bumeric は救急車があるが、緊急時
の受診には自家用車またはタクシーを利用した方が早いと考える。
精密検査や治療可能な範囲は限られているため、病状によっては、医療レベルが
高い先進国や日本に移送する必要がある。
3. 医薬品、衛生用品
(1) 携行することが望ましい医薬品
整腸剤、抗マラリア薬は(マラロン、コアテム、メフロキン)は入手不可能である。
予防薬を内服する場合は予備を含めて携行しておいたほうがよい。メフロキン、ア
トバコンとプログアニルの併用薬品はブジュンブラでは入手不可。ドキシサイクリン
は入手可。
常備薬と、持病のある人は常用薬を持参すること。慢性疾患で内服治療されて
いる方は、英文の処方箋、紹介状を持参することが望ましい。
(2) 現地で調達できる医薬品
薬は入手可能であるが、常時在庫があるとは限らない。薬の多くはヨーロッパ製
で中にはインド製のものもある。常備薬は処方箋がなくても購入可能であるが、政
府薬局はどんな薬でも処方箋がないと購入できない。また、前述したように持病の
ある人は必要な薬の処方箋、病歴を書いたレポートを日本の医師に英文で作成し
てもらい、持参する必要がある。日本での商品名とは異なるため、成分名を記載し
た処方箋を用意しなくてはならない。
総合胃腸薬、整腸剤、総合感冒薬、冷湿布薬などは購入できないため自分の
健康に合わせて、余分に携行することを勧める。特にパソコン等の作業にともなう
眼精疲労用点眼薬やドライアイ防止用の人工涙液は入手不可能であり、携行する
ことが望ましい。また、現地では、頚椎カラー、腰椎コルセットや膝や足関節のサポ
ーターや装具も入手できない。
(3) 現地で調達できる衛生用品
生理用品類は南ア産が入手可能。タンポンも入手可能である。
良くない。滅菌しているものは入手不可。避妊具は入手可能である。
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防蚊対策として、虫除けスプレー、蚊取り線香等入手可能だが、在庫切れ程度
は持参した方がよい。
経口補液剤 ORS も味はよくなく飲みづらいが購入可能。また、氷枕や冷却目的
で利用する軟性保冷剤は販売されていない。
(4) 薬局
薬局はブジュンブラ市内に多数ある。病院内の薬局での購入も可能。通常、金
曜日の朝は遅くから始まるが、土日は殆どの薬局が営業している。
SALAMA 薬局
所在地:ブジュンブラ市内 *グリーンクロスのネオン看板あり。
電話:(257)22 254599
開業時間:24 時間営業/無休
*狂犬病ワクチンが有る。(事前に確認必要、在庫切れの時あり。)
*虫除けスプレーあり。
Rond Poin 薬局
所在地:ブジュンブラ市内 ホテルノボテル近く、事務所に近い。
電話:(257)227693
開業時間:月-金 700-2200、/ 土 1100-2200、/ 日-祝 0900-2200
4. 妊娠、出産、育児
(1) 妊娠した場合の対応
尿検査による妊娠判定は可能である。妊娠中の緊急対応は不可能であり速や
かに帰国を勧める。
(2) 出産後の対応
新生児小児科医師はいないため、異常に対する対応に不安がある。
(3) 育児
粉ミルクや哺乳瓶、紙おむつなどは薬局で購入可能であるが、輸入品のため高
価である。紙おむつは日本から多めに持参するとよい。
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5. 手術
(1) 現地で可能な手術
緊急時以外は医療先進国での治療、処置が望ましく、現地での外科的な処置
は合併症の危険が大きく勧められない。
(2) 手術設備の状況
私立病院も設備はあるものの、術後収容施設や看護者の技術面などから対応
は期待できず、合併症などの危険が充分にある。
(3) その他の留意点
なし
5. 現地での傷病
(1) 一般の疾病
ブジュンブラ市はタンガニーカ湖畔に位置する。雨季・乾季の 2 気候で、年間を
通して寒暑はあるものの過ごしやすい気候であるといえる。
朝晩は若干冷え込むことがあるが、日中は強い日差しで気温が上昇するため、
帽子を着用するなど直射日光に長時間さらされることのないようにして熱射病など
予防する。
また、食品や水の衛生もよくないため、生野菜や調理後時間の経った食品は注
意が必要である。基本的には、なま物、なま水は口にしないことである。
(2) 風土病、感染症
A型肝炎(Hepatitis A)
感染経路: 食べ物、水
A 型肝炎は肝臓に影響を及ぼすウイルス性疾患である。ウイルスは、汚染され
た飲食物を介してヒトからヒトへ感染し、特に劣悪な衛生環境の人口密集地帯で発
生する。
症状は 15~50 日の潜伏期間を経て現れ、発熱、悪寒、倦怠感、食欲不振、悪
心嘔吐、腹部不快感、黄疸(皮膚や目の黄変)などがみられ、尿は暗色になり、便
は白っぽくなる。
予防接種
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ブジュンブラでは、A 型肝炎ワクチンは入手不可能のため、本邦または近隣国で
接種しておくことを勧める。
住血吸虫症(Schistosomiasis)
感染経路:
マンソン住血吸虫がタンガニーカ湖周辺に沿って流行している。また、Rusizi 平
野 ,Bujumbura の首都を含む Bujunbura 州の農村、Cyohoha 湖、Rwihinda 湖、
Chibitoke 州、Ruyigi 州でも報告されている。国の中央、頭部、高地、南部はリスク
がないと報告されている。湖での遊泳、水田での素足・素手で接触により皮膚から
感染する。マンソン住血吸虫症に感染すると、便中に虫卵が排泄されることで診断
される。6~8 週間後に血液抗体検査にて感染を確認できるが、Burundi 国での抗
体検査の可否は不明。ワクチンや予防薬はない。
予防
タンガニー湖、およびリスクのある湖水の中で泳いだり渡ったりすることを避ける。
また、水田や川で、素足・素手での作業はしない。
(3) 有害動物、病害虫
マラリアを媒介するハマダラ蚊がいるので、蚊取り線香、防虫スプレーやクリーム、
蚊帳の使用が必須である。毒蛇やさそりもいるが、都市生活においては心配な
い。
6. 保健衛生
(1) 飲料水
水道水の煮沸後飲用やボトルウォーターの飲用が望ましい。
(2) 濾過器の入手
購入不可能である。
(3) その他の留意点
信頼のおける医師は限られており、夜間や緊急時は医師と連絡が取れにくい場
合があるので体調が悪化する前に早めの受診を勧める。また昼間及び夜間の連
絡先を確認しておいたほうがよい。普段からの体調管理が重要である。
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普段使っている薬や体温計など最低限のものは、準備しておくべきである。娯楽
が少なく、仕事以外の時間で自分の余暇が楽しめるところがない為、余暇を見つ
ける。または、日本から本、音楽、映画などを持参するのもよい。
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