アルゼンチン医療情報 以下は必ずしも最新の医療事情ではありません。詳細(特に緊急時対応や予防薬の服用方法 など)については現地医療事情に詳しい医療専門家から常に最新のアドバイスを受けるようにし てください。 最新更新履歴: 2011 年 05 月更新 1. 赴任前の準備 1) 予防接種 入国時に必須の予防接種はないが、狂犬病、A 型肝炎、破傷風、黄熱病 B 型肝炎の接種 を勧める。また、業務や観光でボリビアに入国する予定の人は、入国時イエローカードの提示 が必要になる。 2) その他の準備 治療に必要な医薬品は常備薬とともに持参すること。また、家庭用医学書や医学辞典など も持参すると便利である。 眼鏡、コンタクトレンズは日本と同様に入手可能であるが、眼鏡フレームのデザインは限ら れる。こだわりがある人は予備も含めて持参したほうがよい。 歯科治療については、日本と同程度に受けられる。治療費については治療内容、歯科医・ 治療場所で異なるが、1 回約 40∼70 米ドルである。 2. 医療事情 1) 医療機関 完全な医薬分業制であり、診療と投薬部門が分かれている。まず病院で診断を受け、薬は 薬局で医師の処方箋を提示して購入する。 医療水準は高く、医療衛生設備も十分完備されている。ヨーロッパ医学が主流をなし、設備 もヨーロッパ方式が主体となっている。 全国に国・公・私立の病院がある。国公立病院では原則的に治療費は無料であるが、緊縮 財政に伴う資金難で医療水準が低下しているところも多く、予約から診療まで時間がかかる ことがある。一方、民間病院は施設や機器類も近代的で医療水準が高い病院もある。 1 カ所で総合的な診療をしているところは少ない。総合病院はレントゲン、血液、心電図、 脳波など一般的な検査機器は揃えているが、CT や MRI、筋電図などの特殊な検査は行わな い。これら特殊な検査は民間の病院か専門の検査施設で受け、その結果を持って再び診察 を受けることになる。診療には予約が必要である。 1/6 All Rights Reserved, Copyright(c) 2011 Japan International Cooperation Agency 解熱鎮痛剤などは近所の薬局(farmacia ファルマシア)で薬を購入可能である。資格のあ る薬局員がその場で注射をすることがある。 各地区の薬局のうち、必ず 1 軒は当番制で土日、祝日でも 24 時間営業している。当番の 薬局については新聞に掲載される。 ブエノスアイレスには内科、小児科、外科、歯科の日系人医師がおり、日本語で診察しても らえる。所在地、電話番号などは現地の邦字新聞の広告欄に載っている。また、ニッカイ共済 会の医療センターにも日本語のわかる医師や看護婦がおり、よく利用されている。 手術や入院が必要な場合は、サナトリオと呼ばれる民間のクリニックに送られる。 サナトリオは手術、入院に必要な設備を備えており、看護師と当番医がいる。患者の主治 医や担当医がサナトリオに治療の指示をすることになる。サナトリオは特に民間の個人医院 に多く利用されている。 一般に、民間病院は企業別共済会形式のもとに会員制であるが、一般外来患者も随時受 け付けている。 主な病院は以下のとおり。 <日系医院> ・ニッカイ共済会(MATUAL NIKKAI) 所在地 : Avenida San Juan, 2496 TEL:011-4308-5462, 5456, 5457 診療時間 : (月∼金)9:00∼18:00 備考:外来診療所。日本語での対応が可能。 ・Dr. Roberto Óscar Arakaki(歯科医) 所在地: Suipacha, 1031, Piso 6, Departamento 55 TEL: 011-4311-7538 ・中村医院 所在地: General E. Martínez 2246 TEL: 011-4541-0597 FAX: 011-4541-0597 診療時間: オープン 診療科目: 家庭学(内科、小児科) 備考: 個人診療所。予約制。日本語での対応が可能。 2/6 All Rights Reserved, Copyright(c) 2011 Japan International Cooperation Agency <その他の病院> ・Hospital Alemán 所在地: Av. Pueyrredón, 1640 TEL: 011-4827-7000 FAX: 011-4805-6087 URL: http://www.hospitalaleman.com.ar Hospital Aleman 診療時間: 24時間体制 診療科目: 総合病院 備考: 日本語は通じない。一部の医師は英語を解するが、ほとんどの職員はスペイン語のみ である。カード支払い可能。 2) 緊急時の対応と措置 ブエノスアイレス市では、Atención Médica de Urgencia(救急病院、電話: 107)に電話を すると救急車が駆けつけてくれる。地方都市にもそれぞれ救急病院があるので調べておくと よい。また、地区の救急車会社もある。これらも電話をすると救急車が駆けつけ、最寄りの適 切な病院に患者を移送する。病院ではただちに応急処置を施し、専門医や患者指定の担当 医に連絡をとる。最寄りの医師に直接連絡をしてもよい。輸血の必要がある場合は Banco de Sangre(血液銀行、電話: 011-4805-6026)に連絡する。 ・連邦警察緊急電話: 911(地域により 101) ・消防署: 100 3. 医薬品、衛生用品 1) 携行することが望ましい医薬品 使い慣れた常備薬、体温計、アイスノン、虫刺され用の医薬品は携行するとよい。湿布は 現地で入手できないので携行を勧める。 また、点眼薬は現地で入手できるものの、あまり種類が多くない。コンタクトレンズの不快 感や疲れ目を和らげるなどの特化したものは入手できないので、特にコンタクトレンズ使用者 については、ふだん使い慣れた点眼薬を携行することを勧める。 2) 現地で調達できる医薬品 現地では一般的な常備医薬品(風邪薬、胃腸薬、乳酸菌成分含有の整腸剤、痛み止め、 抗生物質、各種軟膏、塗布剤)は入手できる。ただし、服用量は一般的に日本の基準の 2 倍 などであるため、服用前に成分量を確認する事。 3/6 All Rights Reserved, Copyright(c) 2011 Japan International Cooperation Agency 3) 現地で調達できる衛生用品 一般に現地で入手できるので、特に問題はない。蚊取り線香はスーパーにて購入可能。 4) 薬局 市内に薬局は多くある。一般的な医薬品については処方箋なしで購入できる。 主な薬局は以下のとおり。 Farmacity (http://www.farmacity.com.ar) サンタ・フェ通り店 所在地 : Avenida Santa Fe, 802/24 (Esmeralda 通りとの角) TEL: 011-4312-9661 備考 : 24 時間営業。ほかに、ラス・エラス通り店(所在地: Avenida Las Heras 2055、TEL: 011-4809-0277)、カビルド通り店(所在地: Cabildo 2340、TEL: 011-4788-4220)など、 ブエノスアイレス市内随所及び中∼北部の主要都市に店舗を展開している。店舗の住 所については上記 HP 参照。 4. 妊娠、出産、育児 1) 妊娠した場合の対応 一般的に現地での外国人の出産は、ドイツ病院やスイス病院など、施設が揃っており医師 の技術に定評がある。正常分娩、異常分娩の場合ともに対応可能ではあるが、言葉の問題、 医師以外のスタッフのレベル、緊急時の対応などを考慮して、日本での出産を強く勧める。 2) 出産後の対応 上記の病院で対応可能。 3) 育児 育児用品については、哺乳瓶、おむつ、粉ミルク、ベビーパウダー、ベビー石鹸、チクビ、乳 児用衣類などが入手可能である。 5. 手術 1) 現地で可能な手術 手術の技術は進んでおり、肝臓や腎臓結石の手術も頻繁に行われ、外科、心臓外科の技 術も発達している。また、臓器移植は高い実績を誇っており、1995 年 8 月以降、申請・更新し た ID カードや運転免許証には死後の臓器提供の諾否を記入することが義務づけられてい る。 4/6 All Rights Reserved, Copyright(c) 2011 Japan International Cooperation Agency 2) 手術設備の状況 設備に特段の問題はない。 3) その他の留意点 看護師養成機関が少なく、高度な教育を受けた看護師が不足している。このため、総体的 に看護のレベルはあまり高くない。私立病院では独自に看護師を教育しているが、予防対策 の不備などで院内感染が生じることもある。特に外科医の水準は高いが、治療方針は医師 個人の判断が優先される。手術を受ける場合は確かな実績のある医師にかかること。手術・ 医療費は日本より高い。 6. 現地での傷病 1) 一般の疾病 ブエノスアイレスは年間を通じて湿度が高く、気候の変化が激しいため、風邪をひきやすい。 特に 5∼9 月の冬期には湿度が 95%を超える日もあり、一度発病すると治りにくい。日々の 温度差に加え、一日の気温の較差も激しいため、暖かな日でもセーターやジャンパーなどを 持って外出することを勧める。特に神経痛、リューマチ、ぜんそくなどの持病を持つ人は、常 に体温調節に留意すること。 2) 風土病、感染症 亜熱帯の北部では昆虫を媒体とするシャーガス病などがあるが、都市周辺ではまず心配 はない。また、デング熱の発生地域は近年、北部から拡大傾向にある。 回虫やサナダムシなどの寄生虫が少なくないため、野菜はよく洗い、川魚は生で食べない こと。また、A 型肝炎も油断できず、衛生状況のよくない飲食店などでは生野菜や魚は食べな いほうがよい。西北部を中心に毎年コレラが発生するが、これも衛生状態に注意すればまず 問題はない。 3) 有害動物、病害虫 北部や西部などには毒蛇、毒グモ、サソリが生息する。被害の事例は少なくないが、死に 至ることはまれである。 7. 保健衛生 1) 飲料水 水道水はラ・プラタ川の川水を浄化したものである。鉄分や石灰分が多く、病原菌などはな いが良質の飲料水とはいえない。衛生上の問題はないが、水質に慣れないうちは下痢をする 5/6 All Rights Reserved, Copyright(c) 2011 Japan International Cooperation Agency ことがある。地元の人々は水道水をそのまま飲用しているが、日本人は市販のミネラルウオ ーターを用いたほうが無難である。 2) 濾過器の入手 ショッピング・モールなどにもある専門店で各種の濾過器が購入できる。 製品の信用できる濾過器メーカーは以下のとおりである。 ・PSA TEL: 0810-2222-772 URL: http://www.psa.com.ar/ e-mail: [email protected] ※上記の電話番号、URL から代理店情報を取得できる。 3) その他の留意点 該当情報なし。 6/6 All Rights Reserved, Copyright(c) 2011 Japan International Cooperation Agency
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