パラオ医療情報 以下は必ずしも最新の医療事情ではありません。詳細(特に緊急時対応や予防薬の 服用方法など)については現地医療事情に詳しい医療専門家から常に最新のアドバ イスを受けるようにしてください。 最新更新履歴:2016 年 2 月更新 1.赴任前の準備 (1)予防接種 ・ 入国に際して法律で義務付けられている予防接種はない。 ・ 派遣前に推奨されている予防接種は、A 型肝炎・B 型肝炎・破傷風・腸チフスであ る。 ・ 国内で狂犬病の発生はないが、心配な方は接種しても構わない。 ・ A 型肝炎ワクチン/腸チフスは、国内では手に入らず海外からの取り寄せになるの で、できるだけ赴任前や一時帰国時を利用して日本で行うようにすること。 (2)その他の準備 ・ 歯科は、パラオ国立病院にある。初期の虫歯治療は特に問題ないが、可能な限り、 日本で治療を済ませておくことを勧める。 2.医療事情 (1)医療機関 パラオの医療機関は、国唯一の総合病院である国立病院と私営のクリニック2軒 である。 ◇ベラウ国立病院(Belau National Hospital) 所在地: コロール 電話:680-488-2552(代表)/680-488-2558(救急) FAX:680-488-1211 診療時間: 月~金(7:30~16:30) 休日夜間対応あり。 診療科目: 内科・外科・整形外科・小児科・産婦人科・精神科・歯科・麻酔科 日本人スタッフ:歯科医が勤務中 All Rights Reserved, Copyright (c) 2016 Japan International Cooperation Agency 備考:入院施設があるのは、この病院のみ。ベッド数80床。 ◇ Belau Medical Clinic (私営クリニック) 所在地: 822 Ernguui road 電話:680-488-2687(代表) FAX:680-488-1088 診療時間: 月~金 午前(8:30~12:00) 午後(16:30~21:00) 診療科目: 内科・産婦人科 日本人スタッフ:なし 備考:レントゲンや超音波が可能で、医療機器や医薬品が比較的充実している。 ◇ Family Surgical Clinic (私営クリニック) 所在地: コロール(国立病院に隣接) 電話:680-488-6920(代表/救急) FAX:680-488-6922 診療時間: 月~金(8:00~21:00)/土(8:00~12:00) 診療科目: 内科・外科・小児科 日本人スタッフ:なし 備考:院長が外科医で、局所麻酔で行うことができる程度の外科手術を行ってい る。 (2)緊急時の対応と措置 ・ 患者の搬送先は、ベラウ国立病院である。 ・ 病院までの患者の搬送手段は、本島内であれば救急車、離島から本島へはボー トになる。 ・ 患者の状態によっては、精密検査や治療のために海外への移送が必要になる。 国内に緊急移送会社はないので、海外への移送手段は、商用便か海外の緊急 移送会社になる。 All Rights Reserved, Copyright (c) 2016 Japan International Cooperation Agency 3.医薬品、衛生用品 (1)携行することが望ましい医薬品 ・ 総合感冒薬や痛み止めなど、日本で飲みなれた薬があれば持参すること。 ・ 湿布薬は現地で入手困難なため、携行を勧める。 ・ 乳幼児用の市販薬は入手困難なため、必要と思われる薬は予め携行することを 勧める。 (2)現地で調達できる医薬品 医師の処方箋が不要な家庭用医薬品は、コロニア内にある次のスーパーで購入で きる。 ◇SURANGEL’s SUPERMAKET (Belau Medical Clinic 向かい) ◇PICK & SAVE (WCTC ショッピングセンター内) ほとんどの薬は外国製だが、解熱鎮痛剤、胃腸薬、風邪薬、かゆみ止め、虫よけ スプレー、目薬、各種ビタミン剤などの家庭用医薬品は揃っている。また、常時入 手できるとは限らないが、日本製の痛み止め、総合感冒薬、目薬、胃腸薬、消炎鎮 痛剤、痒み止めクリームなども売られている。 3)現地で調達できる衛生用品 ・ 生理用品、絆創膏、包帯、消毒薬、うがい薬なども、スーパーで手に入る。 ・ 避妊具(コンドーム)は保健所(PUBLIC HEALTH)で無料で提供されている。 ま た、PICK & SAVE などの薬局や一部のリゾートホテルで購入可能である。 ・ 虫除けスプレー、蚊取線香、殺虫剤は、スーパーで手に入る。 一般的な室内の防蚊対策は、網戸の使用と蚊取り線香である。蚊帳はあまり使わ れていない。 (4)薬局 ・ 国立病院と2つのプライベートクリニックには、調剤薬局がある。 ・ 抗生剤の購入には、医師の処方箋が必要である。 All Rights Reserved, Copyright (c) 2016 Japan International Cooperation Agency 4.妊娠、出産、育児 (1)妊娠した場合の対応 ・ 正常分娩であっても、不測の事態が生じた場合、迅速で適切な対応ができないこ とも考えられるため、日本での出産が望ましい。 ・ 母子健診は、保健所(PUBLIC HEALTH)で受けることができる。 (2)出産後の対応 ・ 乳幼児健診は、保健所(PUBLIC HEALTH)で受けることができる。 ・ 小児の予防接種は、保健所(PUBLIC HEALTH)で受けることができる。ただし、 日本の接種プログラムとは異なる。赴任後の予防接種に関しては、あらかじめ日 本の医師と相談しておくか、現地の小児科医と相談して行うこと。 ・ 日本の母子手帳と予防接種カードがあれば、持参すること。 (3)育児 ・ 育児用品は、SURANGEL’s SUPERMAKET や WCTC ショッピングセンターなど の大手スーパーマーケットで購入できる。すべて外国製だが、哺乳瓶、紙おむつ、 粉ミルク、ベビー石鹸、ローション、衣類、離乳食などが売られている。しかし、入 荷は安定していない。 5.手術 (1)現地で可能な手術 ・ 一般外科、産婦人科、整形外科等の手術が行われている。脳外科、心臓血管外 科の専門医はいないため、これらの病気に対しては、手術が必要な場合でも現地 では基本的に内科的な治療しか行えない。 ・ 手術中に不測の事態が生じた場合や手術後に重篤な合併症が起きた場合、国内 の医療レベルでは対応できない恐れがあるので、手術は可能な限り日本で行うこ とを勧める。 (2)手術設備の状況 ・ 全身麻酔や腰椎麻酔などの手術設備があるのは国立病院のみである。 ・ Family Surgical Clinicでは傷の縫合など、局所麻酔で行う手術が行われてい る。 All Rights Reserved, Copyright (c) 2016 Japan International Cooperation Agency (3)その他の留意点 輸血前には感染症スクリーニング検査が実施されているが、安全性を考慮し、慎重 に対応する必要がある。 6.現地での傷病 (1)一般の疾病 ・ 小さな島国なので、風邪やインフルエンザ、結膜炎、デング熱など流行性の病気 は感染が短期間で島中に広がる傾向にある。 ・ 高温多湿のため、細菌やカビなどが繁殖しやすい環境である。食中毒、水虫など の真菌疾患、細菌による傷の化膿が起こりやすい。 (2)風土病、感染症 ・ デング熱の流行地域である。蚊に刺されないようにすることが唯一の予防。 ・ マラリアの発生はない。 (3)有害動物、病害虫 ゴキブリやねずみなどがいる。 7.保健衛生 (1)飲料水 ・ 水道水は、飲料用には適していない。 ・ 現地の人は雨水を自宅のタンクにためて、飲食用に使用しているが、煮沸して飲 むことを勧める。 ・ ボトルに入った水は、スーパーで売られている。飲料用蒸留水を販売している会 社もあり、宅配サービスも行っている。 (2)濾過器の入手 蛇口につけるフィルター式のものが売られている。 (3)その他の留意点 ・ ダイビングによる減圧症治療のための再加圧チャンバーは、ベラウ国立病院にあ るが、機器の不具合により稼働していない場合もあるので、確認が必要である。 All Rights Reserved, Copyright (c) 2016 Japan International Cooperation Agency ・ 生活習慣病予防の自己管理が必要である。現地の食生活は欧米化しており、脂 っぽい食べ物が多く、外食はカロリーや塩分の取りすぎにつながる。 ・ 運動施設として、Palau Pacific Resort 内にフィットネス施設がある。 All Rights Reserved, Copyright (c) 2016 Japan International Cooperation Agency
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