EU Indicators 欧州経済指標コメント:9月ドイツIfo企業景況感 発表日:2016年9月26日(月) ~悲観し過ぎたとの楽観が広がる~ 第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト 田中 理 03-5221-4527 ・ 9月のドイツのIfo企業景況感(2005年=100の指数)は3ヶ月振りに改善し、2014年5月以来の水 準に復帰した。内訳は、現状判断が前月の落ち込みを概ね取り戻したほか、先行き判断が過去2ヶ月 の落ち込みを大きく凌駕する形で反発し、今年に入って最も高い水準を記録した。 ・ 業種別の先行きの業況判断(ゼロが分岐点)は、世界景気の先行き不安の後退から製造業(前月:▲ 3.0→今月:+7.8)が大きく反発したほか、低金利による投資活動の拡大期待を背景に建設業(+1.4 →+4.0)の改善が加速し、低金利による預金収入の目減りを不安視した小売業(▲7.0→▲2.2)の業 況悪化幅も縮小した。また、同時に発表されたサービス業の業況判断(Ifo企業景況感には含まれ ない)は改善ペースが加速(+22.0→+24.7)。23日に発表された9月PMIでのサービス業の不振 (好不況の分岐点である50に接近)が嘘のような好調さを維持している。雇用環境の改善が続くなど、 ドイツの内需を取り巻く環境を考えると、PMIサービス業の分が悪い。 ・ 英国民投票後に広がった世界景気の先行きに対する不透明感を完全に払拭する内容。震源地の英国景 気がほとんど減速していないこともあり、ドイツ景気への過度な悲観論が修正されている。ただ、悲 観修正の過程で、今度は楽観に振れている面もある。反発後の指数の水準は出来すぎの感が否めない。 ■ドイツ:Ifo企業景況感 ■ドイツ:業種別の先行きの業況判断 サービス業 製造業 30 建設業 卸売業 小売業 20 Ifo企業景況感 現状判断 先行き判断 (2005=100) 120 115 110 10 105 0 100 -10 95 90 12 13 14 15 -20 16 12 出所:Ifo 13 14 15 16 出所:Ifo ■ドイツIfo企業景況感 企業景況感(総合) 現状指数 先行き指数 業況判断 製造業 建設業 卸売業 小売業 2015 4Q 108.6 113.2 104.2 10.2 11.4 1.0 13.8 9.0 2016 1Q 106.8 113.2 100.6 6.6 6.2 -0.1 13.1 7.7 2Q 107.7 114.0 101.7 8.5 8.5 3.0 13.0 8.7 3Q 108.0 114.1 102.3 9.1 9.8 6.7 9.7 6.9 2015 12月 108.6 113.0 104.3 10.2 12.1 0.8 12.1 7.6 2016 1月 2月 107.4 105.9 112.7 113.1 102.3 99.2 7.9 5.0 8.3 4.2 -0.4 0.5 13.3 12.5 7.4 4.7 3月 107.0 113.9 100.4 7.0 6.1 -0.3 13.6 11.0 4月 106.7 113.3 100.5 6.5 6.6 0.7 10.8 6.9 5月 107.8 114.2 101.7 8.6 8.0 3.6 13.1 11.1 6月 108.7 114.6 103.0 10.4 10.8 4.8 15.2 8.1 7月 108.3 114.8 102.2 9.6 9.7 5.4 11.8 10.2 8月 106.3 112.9 100.1 5.7 6.4 5.6 5.7 2.5 9月 109.5 114.7 104.5 11.9 13.3 9.1 11.6 7.9 出所:Ifo 本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内 容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。 1
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