Economic Indicators 定例経済指標レポート

EU Indicators
欧州経済指標コメント:1月ドイツIfo企業景況感
発表日:2017年1月26日(木)
~反グローバル化の影~
第一生命経済研究所 経済調査部
主席エコノミスト 田中 理
03-5221-4527
・ 25日に発表された1月のドイツのIfo企業景況感(2005年=100の指数)は、前月から▲1.2ポイン
トと落ち込み、昨年9月以来の水準に低下。内訳は、現状判断が同+0.2ポイントと小幅ながら5ヶ月
連続で改善した一方、先行き判断が同▲2.3ポイントと大幅に落ち込んだ。昨夏の小休止後に急回復し
たドイツの景況感は、先行き判断を中心に年明け以降に再び急ブレーキが掛かっている。
・ 業種別の先行きの業況判断(ゼロが分岐点)は軒並み悪化。製造業(前月:+8.6→今月:+4.1)、
建設業(+9.6→+3.9)、卸売業(+11.0→+6.0)のプラス幅が縮小し、小売業(▲1.0→▲4.8)の
マイナス幅が拡大した。同時に発表されたサービス業の業況判断は、現状判断(+41.7→+38.8)が
2ヶ月連続で、先行き判断(+22.3→+19.1)が3ヶ月連続で何れも大きく落ち込んだ。
・ 米トランプ大統領誕生によるブローバル化の後退懸念や年明け以降のユーロ安反転が製造業の業況冷
え込みに、昨秋来続く金利の上昇反転が建設業の業況冷え込みに、12月に一段と加速したインフレ率
の上昇が小売業・卸売業・サービス業の業況冷え込みにつながった模様。
・ こうした姿は、サービス業が2ヶ月連続で改善モメンタムが鈍化した一方、製造業が逆に2ヶ月連続
で改善モメンタムが加速し、2014年1月以来の高水準を記録した既報の1月PMIの結果とやや食い
違う。来月以降にPMIもピークアウトする可能性がある。
■ドイツ:製造業業況判断
30
Ifo製造業(左)
65
20
PMI製造業(右)
60
■ドイツ:業種別の先行きの業況判断
サービス業
30
製造業
建設業
卸売業
20
小売業
10
55
0
50
-10
45
-20
40
-10
35
-20
-30
10
11
12
13
14
15
16
10
0
17
12
出所:Ifo、Markit
13
14
15
16
17
出所:Ifo
■ドイツIfo企業景況感
企業景況感(総合)
現状指数
先行き指数
業況判断
製造業
建設業
卸売業
小売業
2016
1Q
106.8
113.3
100.6
6.6
6.1
0.0
13.1
7.7
2Q
107.8
114.2
101.8
8.7
8.7
3.2
13.2
8.8
3Q
108.0
114.2
102.3
9.1
9.9
6.9
9.8
7.0
4Q
110.6
115.8
105.6
14.1
15.6
11.6
14.3
8.9
2016
4月
106.8
113.5
100.6
6.8
6.9
0.8
11.0
7.0
5月
107.9
114.4
101.8
8.8
8.3
3.8
13.3
11.2
6月
108.8
114.8
103.0
10.5
10.9
4.9
15.3
8.2
7月
108.3
114.9
102.2
9.7
9.9
5.6
11.9
10.3
8月
106.3
113.0
100.1
5.8
6.5
5.7
5.8
2.7
9月
109.5
114.8
104.5
11.9
13.3
9.4
11.7
8.0
10月
110.5
115.1
106.0
13.8
16.7
10.3
9.9
7.9
11月
110.4
115.6
105.4
13.7
14.7
11.3
15.2
9.4
12月
111.0
116.7
105.5
14.7
15.4
13.1
17.9
9.4
2017
1月
109.8
116.9
103.2
12.5
13.8
10.7
14.7
5.8
出所:Ifo
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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