欧州経済指標コメント;pdf

EU Indicators
欧州経済指標コメント:3月ドイツIfo企業景況感
発表日:2015年3月26日(木)
~ドイツの背中を追いかけて~
第一生命経済研究所 経済調査部
主席エコノミスト 田中 理
03-5221-4527
・ 25日に発表された3月のドイツのIfo企業景況感(2005年=100の指数)は前月差+1.1ポイントと
5ヶ月連続で改善。内訳は、現状判断が同+0.7ポイント、先行き判断が同+1.4ポイントと揃って改
善した。業種別の業況判断(現状と先行きの合成、ゼロが分岐点)は、マイナス幅が拡大した建設業
(前月:▲5.8→今月:▲7.8)を除いて、製造業(+9.5→+12.5)、小売業(+3.3→+5.2)、卸売
業(+8.2→+10.1)が揃ってプラス幅が拡大。別途発表されたサービス業の業況判断は、現状判断の
改善により、3ヶ月振りに前月から改善した(但し、同計数は月毎の振れが大きく、基調的には高水
準で安定推移のイメージ)。PMI指数でも確認された通り、ユーロ安や原油安の外部環境の好転を
背景に、内外需セクターともに改善が加速している。先行き判断の改善からは、好環境による景気刺
激効果が今後一段と顕在化するとの期待が高まっていることが示唆。ドイツ企業は自信を深めている。
・ 同日発表された3月のフランスのINSEE製造業景況感は99と、前月の100(上方修正前は99)から
1ポイント悪化。項目別の内訳は、受注全体(▲25→▲22)、輸出受注(▲15→▲13)のマイナス幅
が縮小、生産見通し(▲8→0)が改善したものの、自社の生産見通し(+11→+7)のプラス幅が
縮小し、過去の生産(0→▲8)が悪化した。産業全体の景況感(94→96)は、前述の製造業が悪化、
建設業(89→89)が横這いにとどまったものの、小売業(99→104)とサービス業(92→93)が牽引し、
2012年4月以来の水準を回復した。ドイツと比べた出遅れ感が目立つものの、小売業の業況改善が鮮
明となり、製造業も先行きの判断項目が全般に改善するなど、前向きな動きも確認され始めている。
■ドイツ:Ifo企業景況感
( 2000=100)
125
■ドイツ:Ifo業種別の先行き判断
Ifo企 業景況 感
現 状判断
先 行き判 断
120
製 造業
建 設業
卸 売業
小 売業
30
20
115
10
110
0
105
-10
100
-20
95
-30
90
10
11
12
13
14
10
15
出所:Ifo
11
12
13
14
15
出所:Ifo
■ドイツIfo企業景況感
企業景況感(総合)
現状指数
先行き指数
業況判断
製造業
建設業
卸売業
小売業
2014
2015
2014
2015
2Q
3Q
4Q
1Q
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
110.1 106.7 104.5 107.1 108.0 106.5 105.5 103.4 104.6 105.5 106.7 106.8 107.9
114.9 111.6 109.1 111.7 113.3 110.8 110.7 108.1 109.3 109.8 111.7 111.3 112.0
105.5 101.9 100.1 102.8 103.0 102.3 100.4
98.9 100.1 101.3 102.0 102.5 103.9
13.2
6.4
2.3
7.4
9.1
6.1
4.1
0.2
2.5
4.2
6.6
6.7
8.8
17.8
10.5
4.2
10.4
13.1
10.4
8.0
2.0
3.7
7.0
9.3
9.5
12.5
-4.5
-3.9
-3.8
-6.4
-5.0
-3.6
-3.0
-3.1
-3.2
-5.1
-5.6
-5.8
-7.8
13.0
3.0
4.4
8.9
9.3
1.5
-1.8
0.3
5.8
7.1
8.3
8.2
10.1
7.7
0.4
-4.0
3.9
3.0
-0.3
-1.4
-5.4
-2.3
-4.2
3.2
3.3
5.2
出所:Ifo
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
1