食品関係企業の2/3が機能性表示食品の取扱いに

ニュースリリース
平 成 28年 10月 3 日
食品産業動向調査:機能性表示食品
株 式 会社 日 本 政 策 金 融 公 庫
食品関係企業の2/3が機能性表示食品の取扱いに関心
~肥満や生活慣習病の予防をビジネスチャンスに~
<平成28年上半期食品産業動向調査>
日本政策金融公庫(略称:日本公庫)農林水産事業が、平成 28 年7月に実施した「平成 28
年上半期食品産業動向調査(特別設問)
」で、食品関係企業に対して機能性表示食品(注)の
扱いについて調査したところ、66.9%の企業が取扱いに関心を示す結果となりました。
具体的に取扱っている機能性の表示は「中性脂肪・体脂肪」や「血糖値」
、
「コレステロー
ル」などで、肥満や生活習慣病の予防に重点を置いていることが明らかになりました。
調査結果の詳細は以下のとおりです。
(注)機能性表示食品とは
・事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが
消費者庁に届け出られたもの。ただし、特定保健用食品(トクホ)とは異なり、消費者庁の個別の許可を受けたものではあり
ません。
<調査結果のポイント>
○ 小売業の 45.6%が「既に取り扱っている」と回答(資料:図1~4)
全国の食品関係企業(製造業、卸売業、小売業、飲食業)を対象に、機能性表示食品の
取扱い状況について聞いたところ、10.5%の企業が「既に取り扱っている」と回答しまし
た。これに「検討又は計画している」5.4%、「検討していないが、関心はある」51.0%を
加えると 66.9%の企業が機能性表示食品の取扱いに関心を示す結果となりました。
業種別にみると、小売業では「既に取り扱っている」が 45.6%と他業種(製造業 7.2%、
卸売業 7.5%、飲食業 2.9%)と比べ機能性表示食品の取扱いが圧倒的に進んでいることを
示す結果となりました。
更に製造業と小売業について売上高別にみると、売上規模が大きくなるほど「既に取り
扱っている」の回答割合が大きくなる傾向にあり、特に小売業の売上規模 500 億円以上の
企業については、86.7%となることがわかりました。
○ 機能性表示食品の効果は「肥満」や「生活習慣病」の予防に重点(資料:図5~6)
機能性表示食品について「既に取り扱っている」「検討又は計画している」と回答した
企業を対象に、どのような機能性表示食品の効果を狙いとしているか聞いたところ、「中
性脂肪・体脂肪」が 52.3%と最も多く、次いで「血糖値」42.5%、「コレステロール」が
37.4%となり、消費者にアピールしたいポイントを「肥満」や「生活習慣病」の予防に置
いていることがわかりました。
業種別にみると、小売業では「中性脂肪・体脂肪」、「血糖値」、「コレステロール」
が 50%以上、「血圧」も 50%近くが狙いとする効果としており、狙いとする効果がより明
確であることがわかりました。
○ 製造業は研究人材の確保、小売業はマーケティングが経営課題(資料:図7~8)
機能性表示食品を取り扱ううえでの課題を聞いたところ、
「消費者ニーズ把握のためのマ
ーケティング」が 39.0%と最も多く、次いで「研究開発スタッフの充実」38.2%、
「機能性
食品に関する規定が厳しい中での商品の差別化」31.9%となりました。
業種別にみると、製造業では「研究開発スタッフの充実」46.5%が最も多くなっている一
方で、小売業では「消費者ニーズ把握のためのマーケティング」47.8%が最も多く、業種に
よって課題が異なることがわかりました。
調査時点
平成 28 年 7 月 1 日
調査方法
郵送により調査票を配布し郵送により回収
調査対象
全国の食品関係企業(製造業、卸売業、小売業、飲食業) 7,042 社
※なお、今回の調査では熊本地震の被害を大きく受けられた熊本県内の食品関係企業を
調査対象から除いています。
有効回収数
全体で 2,705 社 (回収率 38.4%)
《内訳》 製造業:1,731 社、卸売業:665 社、小売業:237 社、飲食業:72 社
資 料
(図1)機能性表示食品の取扱い状況
既に取り扱って
いる
10.5 %
検討または計画
している
5.4 %
関心がない
31.6%
(n=2,561)
検討していない
が関心はある
51.0%
断念した、また
は中止した
1.5 %
66.9%
(図2)機能性表示食品の取扱い状況(業種別)
0%
製造業
10%
7.2
20%
30%
40%
6.5
50%
60%
54.4
70%
80%
1.8
90%
100%
30.2
(n=1,655)
卸売業
7.5
2.9
47.7
0.8
41.0
(n=612)
小売業
45.6
4.4
35.4
0.9
13.7
(n=226)
飲食業
2.9 2.9
50.0
2.9
41.2
(n=68)
既に取り扱っている
検討または計画している
検討していないが関心はある
断念した、または中止した
関心がない
(図3)機能性表示食品の取扱い状況
(製造業・売上高別)
0%
5億円未満
20%
5.4
5.9
5.4
5.1
40%
60%
52.6
80%
1.5
100%
34.6
(n=460)
5億円以上10億円未満
56.0
3.3
30.4
(n=336)
10億円以上20億円未満
5.9
6.2
6.4
5.8
57.1
1.1
29.7
(n=273)
20億円以上50億円未満
55.4
1.9
30.4
0.8
30.3
(n=312)
50億円以上100億円未満
9.0
9.8
50.0
(n=122)
100億円以上
22.3
14.0
46.3
0.8
16.5
(n=120)
既に取り扱っている
検討または計画している
検討していないが関心はある
断念した、または中止した
関心がない
(売上未記名先・不明先31先は除く)
(図4)機能性表示食品の取扱い状況
(小売業・売上高別)
0%
20億円未満
20%
15.0
40%
60%
8.3
80%
53.3
100%
0.0
23.3
(n=60)
20億円以上50億円未満
43.6
5.1
38.5
2.6
10.3
(n=39)
50億円以上100億円未満
48.6
2.7
29.7
0.0
18.9
(n=37)
100億円以上200億円未
満
53.6
0.0
28.6
3.6
14.3
(n=28)
200億円以上500億円未
満
61.5
3.8
26.9
0.0 7.7
(n=26)
500億円以上
86.7
3.3
10.0 0.0
(n=30)
既に取り扱っている
(売上未記名先・不明先6先は除く)
検討または計画している
検討していないが関心はある
断念した、または中止した
関心がない
(図5)機能性表示食品において狙いとしている効果
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
(%)
中性脂肪・体脂肪
血糖値
コレステロール
血圧
肌
骨・関節
胃腸
疲労
血流
眼
肝機能
ストレス
記憶力
睡眠
その他
52.3
42.5
37.4
30.7
19.1
17.3
15.1
14.6
10.3
9.5
9.3
6.0
4.8
3.5
(n=398)
9.5
(図6)機能性表示食品において狙いとしている効果(製造業・小売業別)
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
70.0
80.0
90.0
(%)
33.2
中性脂肪・体脂肪
34.1
血糖値
23.3
血圧
15.2
肌
疲労
12.1
血流
11.7
10.0
4.0
4.9
肝機能
20.9
15.5
4.0
6.4
3.1
1.8
21.8
19.1
6.3
7.3
ストレス
その他
48.2
15.2
13.6
胃腸
睡眠
54.5
24.5
13.0
骨・関節
記憶力
62.7
27.4
コレステロール
眼
84.5
6.4
13.9
製造業
(n=223)
小売業
(n=110)
(図7)機能性表示食品の課題
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
(%)
消費者ニーズ把握のためのマーケティング
39.0
研究開発スタッフの充実
38.2
機能性食品に関する規定が厳しい中での商品の差別化
31.9
販売ルートの確保
30.7
機能性食品制度が示す安全性の証明
30.2
訴求したい機能性をうまく消費者に伝えること
28.8
手続きに時間を要すること
16.0
研究開発にかかる資金不足の解消
15.2
連携先の確保
13.8
システマティックレビューの作成
10.3
その他
(n=1,938)
2.2
特にない
14.4
(図8)機能性表示食品の課題(製造業・小売業別)
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
39.2
消費者ニーズ把握のためのマーケティング
研究開発スタッフの充実
機能性食品に関する規定が厳しい中での商品の差別化
29.0
34.7
30.8
32.3
27.8
訴求したい機能性をうまく消費者に伝えること
手続きに時間を要すること
18.2
5.9
連携先の確保
8.6
システマティックレビューの作成
46.2
19.0
5.9
研究開発にかかる資金不足の解消
特にない
47.8
32.0
12.4
機能性食品制度が示す安全性の証明
その他
60.0
(%)
46.5
13.4
販売ルートの確保
50.0
7.0
13.8
12.5
2.6
1.6
12.0
10.8
製造業
(n=1,275)
小売業
(n=186)