Economic Indicators 定例経済指標レポート

EU Indicators
欧州経済指標コメント:2月ドイツIfo企業景況感
発表日:2017年2月22日(水)
~政治リスクが業況改善の追い風に~
第一生命経済研究所 経済調査部
主席エコノミスト 田中 理
03-5221-4527
・ 2月のドイツのIfo企業景況感(2005年=100の指数)は前月から+1.1ポイント改善、前月の落ち
込み(同▲1.1ポイント)を取り戻し、昨年12月と並んで2014年3月以来の水準を記録した。内訳は、
先行き指数が同+0.8ポイント改善したものの、前月の落ち込み(同▲2.3ポイント)を取り戻せなか
ったのに対し、現状指数が同+1.5%ポイント改善し(2011年8月以来の水準)、全体を押し上げた。
・ 業種別の業況判断(ゼロが分岐点)は、製造業(前月:+13.9→今月:+16.5)と卸売業(+14.7→
+22.2)の改善が加速。製造業の先行きの業況判断が微増(+4.3→+4.8)にとどまったことから、
現状判断の大幅改善が示唆される。米トランプ政権の発足後、ドイツの自動車輸出批判やユーロ安牽
制発言を受け、製造業の業況が慎重化。先行き判断には引き続き警戒姿勢が滲む一方で、世界的な景
気回復やユーロ安傾向を受け、現状判断が大きく上向いた。このところ欧州の政治リスクへの不安が
広がっているが、かえってユーロ安進行を通じて製造業の業況改善を後押ししそうだ。
・ 昨年12月のドイツの鉱工業生産が急減し、1-3月期に向けてマイナスのゲタを履いている。ただ、受注
統計のリバウンドや、先日のPMIに続き、Ifoの大幅改善を考えると、12月の落ち込みは一過性
のもので、1月以降の反発が予想される。1-3月期も堅調な成長が予想される。
■ドイツ:企業景況感と実質GDP成長率
Ifo企業景況感(左)
120
■ドイツ:業種別の先行きの業況判断
サービス業
30
製造業
建設業
卸売業
20
小売業
2.0
実質GDP成長率(右)
1.5
115
1.0
110
10
0.5
105
0
0.0
100
95
11
12
13
14
15
16
-0.5
-10
-1.0
-20
17
12
出所:Ifo、独連邦統計局
13
14
15
16
17
出所:Ifo
■ドイツIfo企業景況感
企業景況感(総合)
現状指数
先行き指数
業況判断
製造業
建設業
卸売業
小売業
2016
1Q
106.7
113.1
100.6
6.5
6.0
0.1
13.0
7.7
2Q
107.9
114.2
101.8
8.7
8.8
3.1
13.2
8.8
3Q
108.1
114.2
102.3
9.2
9.9
6.9
9.9
7.0
4Q
110.6
115.9
105.6
14.1
15.7
11.4
14.3
8.9
2016
5月
107.9
114.4
101.8
8.8
8.3
3.7
13.3
11.2
6月
108.8
114.8
103.1
10.6
11.0
4.9
15.4
8.2
7月
108.4
114.9
102.2
9.7
9.9
5.6
11.9
10.3
8月
106.4
113.0
100.1
5.9
6.5
5.8
6.0
2.8
9月
109.5
114.8
104.5
12.0
13.3
9.4
11.7
8.0
10月
110.5
115.2
106.0
13.9
16.8
10.2
9.9
7.9
11月
110.4
115.7
105.4
13.7
14.8
11.0
15.2
9.4
12月
111.0
116.7
105.5
14.8
15.4
13.1
17.9
9.4
2017
1月
109.9
116.9
103.2
12.6
13.9
10.8
14.7
5.8
2月
111.0
118.4
104.0
14.7
16.5
7.6
22.2
4.4
出所:Ifo
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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