第165回中小企業景気動向調査(県西地区)結果速報 ( 平成28年7月~9月期実績 と 平成28年10月~12月期の見通し ) さがみ信用金庫総合企画部 調査日 調査地域 全調査先数 調査対象 有効回答率 分析方法 平成28年9月上旬 小田原市、南足柄市、秦野市、足柄上郡、足柄下郡、中郡 当庫取引先323社 当庫取引先316社(製造業27.5%、卸売業11.4%、小売業16.5%、サービス業18.0%、建設業18.0%、不動産業8.6%) 97.8% 各質問項目で、「増加(上昇)」したとする企業が全体に占める構成比と、「減少(下降)」したとする企業の構 成比との差(DI・判断指数)を中心にして分析を行いました。 1.概 況 前期 (平成28年 4月 ~ 6月期 実績) 今期 (平成28年 7月 ~ 9月期 実績) 来期 (平成28年 10月 ~ 12月期 予想) 売上は大幅改善し、収益・業況はともに改善 「第165回中小企業景気動向調査(平成28年7月~9月期)」 によると、景況感を表す業況DIは前期(平成28年4月~ 6月期)比 6.6ポイント改善し▲17.4となりました。また、売上DIは 15.2ポイントと大幅改善の 1.3、収益DIについては販 売等価格DIが低下したものの、それ以上に原材料(仕入れ)価格DIが低下したからか、 7.9ポイント改善し▲6.0となり ました。なお、人手DIは低下し、不足感が強まりました。 業種別の景況感については、 「小売業」 は大幅に改善、 「製造業」 ・ 「卸売業」 ・ 「建設業」 はそれぞれ改善、 「サービス業」 は横這いとなりましたが、 「不動産業」 は全業種中で唯一の悪化となりました。 「製造業」 は売上DIが改善、収益DIが大幅改善となり、業況DIは改善となりました。 「卸売業」 は売上DIが悪化、 収益DIは大幅悪化と、ともに全業種中で最も悪化し、それぞれ全業種中で最も低い水準となりましたが、業況DIは改 善となりました。 「小売業」 は売上DI ・ 収益DI ・ 業況DIがそれぞれ全業種中で最も大幅改善となりました。 「サービ ス業」 は売上DI ・ 収益DIがともに大幅改善となり、全業種中で最も高い水準となりましたが、業況DIは横這いとなりま した。 「建設業」 は売上DIが大幅改善、収益DI ・ 業況DIがともに改善となりました。 「不動産業」 は売上DIが横這 い、収益DIが悪化となり、業況DIは全業種中で唯一の悪化となりました。 来期(平成28年10月~12月期)については、売上DIは 8.2ポイント改善の 9.5、収益DIは 10.1ポイントと大幅改善の 4.1となり、業況DIは 14.2ポイントと大幅改善の▲3.2となる見込みです。業種別では、売上DI ・ 収益DIはともに 「製 造業」 ・ 「卸売業」 の改善幅が大きい一方、 「サービス業」 の悪化幅が大きくなる見込みです。業況DIは 「製造業」 ・ 「卸売業」 ・ 「小売業」 がそれぞれ大幅改善、 「サービス業」 が改善し、 「建設業」 は横這いとなるようですが、 「不動 産業」 は唯一の大幅悪化となる見込みです。なお、 「製造業」 は業況DIが 3年ぶりにマイナス水準を脱する見通しで す。 総合 業況・売上・収益DIの推移 業況 売上 収益 20 10 0 -10 -20 -30 -40 25.9 25.12 26.3 業種別業況天気図 総 26.6 26.9 27年7~9月 26.12 27.3 27年10~12月 27.6 28年1~3月 27.9 27.12 28.3 前期 28年4~6月 28.6 28.9 来期予想 今期 28年7~9月 来期見通し 28年10~12月 合 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 建 不 設 動 業 産 業 好調 ← (業況DI目安) 100 → 低調 ← 50 ← 30 ← -1- 0 → ▲30 → ▲50 → ▲100 2.業種別の特徴(業況DI ・ 売上DI ・ 収益DI) 収益が大幅改善し、売上 ・ 業況はともに改善 製造業 前期比 4.6ポイント改善の▲19.5、来期見通し 13.8 今期は収益DIが大幅改善し、売上DI ・ 業況DIはともに改善となりました。なお、来期については売上DI ・ 収益DI ・ 業況 DIはそれぞれ全業種中で最も大幅改善し、最も高い水準となる見通しです。 業況 売上 収益 製造業 業況・売上・収益DIの推移 経営上の問題点 単位:% 46.0 売上の停滞・減少 40 29.9 人手不足 30 20 10 0 利幅の縮小 25.3 人件費の増加 25.3 当面の重点経営施策 単位:% -10 -30 卸売業 50.6 経費を節減する -40 25.9 66.7 販路を広げる -20 26.3 26.9 27.3 27.9 28.3 28.9 31.0 人材を確保する 来期 売上が悪化、収益は大幅悪化するも、業況は改善 前期比 8.3ポイント改善の▲27.8、来期見通し▲13.9 今期は売上DIが全業種中で唯一悪化し、収益DIが全業種中で最も大幅悪化となりましたが、業況DIは改善となりました。 なお、来期については売上DI ・ 収益DI ・ 業況DIはそれぞれ大幅改善となる見通しです。 業況 売上 収益 卸売業 業況・売上・収益DIの推移 経営上の問題点 単位:% 55.6 売上の停滞・減少 30 20 同業者間の競争の激化 33.3 利幅の縮小 33.3 10 0 -10 当面の重点経営施策 -20 -30 単位:% 販路を広げる 80.6 -40 経費を節減する -50 -60 25.9 26.3 26.9 27.3 27.9 28.3 28.9 来期 売上 ・ 収益 ・ 業況はそれぞれ大幅改善 小売業 50.0 情報力を強化する 36.1 前期比 21.1ポイントと大幅改善の▲21.2、来期見通し▲3.8 今期は売上DI ・ 収益DI ・ 業況DIがそれぞれ全業種中で最も大幅改善となりました。なお、来期については売上DIが悪化 するも、収益DIは改善し、業況DIは大幅改善となる見通しです。 業況 売上 収益 小売業 業況・売上・収益DIの推移 経営上の問題点 20 売上の停滞・減少 10 利幅の縮小 単位:% 55.8 32.7 0 同業者間の競争の激化 -10 -20 当面の重点経営施策 -30 経費を節減する -40 -50 -60 25.9 28.8 26.3 26.9 27.3 27.9 28.3 28.9 来期 -2- 単位:% 51.9 0 25.0 人材を確保する 0 宣伝・広告を強化する 0 19.2 売れ筋商品を取り扱う 0 19.2 サービス業 売上 ・ 収益がともに大幅改善するも、業況は横這い 前期比で横這いの▲14.0、来期見通し▲5.3 今期は売上DI ・ 収益DIがともに大幅改善となりましたが、業況DIは横這いとなりました。なお、来期については売上DI ・ 収益DIがともに全業種中で最も大幅悪化が見込まれますが、業況DIは改善となる見通しです。 業況 売上 収益 サービス業 業況・売上・収益DIの推移 経営上の問題点 30 人手不足 20 売上の停滞・減少 単位:% 45.6 40.4 10 人件費の増加 0 -10 28.1 当面の重点経営施策 単位:% -20 -40 販路を広げる -50 25.9 50.9 人材を確保する -30 26.3 26.9 27.3 27.9 28.3 経費を節減する 28.9 来期 売上が大幅改善し、収益 ・ 業況はともに改善 建設業 45.6 40.4 前期比 8.5ポイント改善の▲7.0、来期見通し▲7.0 今期は売上DIが大幅改善し、収益DI ・ 業況DIがともに改善となりました。なお、来期については売上DIは悪化するも、収 益DIは改善し、業況DIは横這いとなる見通しです。 業況 売上 収益 建設業 業況・売上・収益DIの推移 経営上の問題点 単位:% 同業者間の競争の激化 40 30 利幅の縮小 20 売上の停滞・減少 56.1 40.4 36.8 10 0 当面の重点経営施策 -10 単位:% 61.4 販路を広げる -20 -40 25.9 50.9 経費を節減する -30 26.3 26.9 27.3 27.9 28.3 28.9 来期 売上は横這い、収益 ・ 業況はともに悪化 不動産業 人材を確保する 43.9 前期比 7.4ポイント悪化の▲18.5、来期見通し▲29.6 今期は売上DIが横這いとなり、収益DI ・ 業況DIがともに悪化となりました。なお、来期については売上DIは改善するも、収 益DIは悪化、業況DIは全業種中で唯一大幅悪化し、最も低い水準となる見通しです。 業況 売上 収益 不動産業 業況・売上・収益DIの推移 経営上の問題点 売上の停滞・減少 20 10 利幅の縮小 0 同業者間の競争の激化 -10 48.1 44.4 29.6 当面の重点経営施策 -20 単位:% 情報力を強化する 宣伝・広告を強化する -30 -40 25.9 単位:% 26.3 26.9 27.3 27.9 28.3 28.9 -3- 来期 55.6 44.4 経費を節減する 33.3 販路を広げる 33.3 3.特別調査 「金融サービスにおけるIT利活用と中小企業」 【問1】 貴社では、現状の金融機関取引がIT化していくことで、どのような変化が起こると考えていますか。 もっともあてはまるものをお答えください。 「決済や入出金の利便性が高まる」 が 37.0%と最多 現状の金融機関取引がIT化していくことで、どのような変化が起こるかについての回答割合は、「決済や入出金の利便性 が高まる」 が 37.0%と最も高くなりました。また、『良い変化』 が起こると考える回答の合計が 52.6%となった一方で、『悪い 変化』 が起こると考える回答の合計は 15.8%となりました。 【問2】 最近、IT化の進展にともない、ITを活用した金融サービスを提供する金融機関が出始めています が、貴社では、「金融とITの融合(フィンテック)」をご存知でしたか。また、こうしたITを活用した金融サー ビスを貴社の事業上で利用したいとお考えですか。それぞれお答えください。 フィンテックの認知度は 「言葉だけ聞いたことがある」 が 38.3%と最多 金融ITサービスの利用意向は 「わからない」 が 53.8%と最多 金融とITの融合(フィンテック)の認知度についての回答割合は、「言葉だけ聞いたことがある」 が 38.3%と最も高くなりまし た。次いで、「知らない、聞いたことはない」 が 30.1%と続いています。 金融ITサービスの利用意向については、「わからない」 が 53.8%と最も高くなりました。次いで 「どちらかといえば利用した い」 が 13.6%と続いています。 【問3】 貴社が組織(事業)としてITを活用した金融サービスを利用している(あるいは利用したいと考えてい る)サービスはございますか。3つ以内で選んでお答えください。 「インターネット技術を活用した経営・業務支援系サービス(事務処理など)」 が 21.4%と最多 利用している(利用したいと考えている)金融サービスについての回答割合は、「インターネット技術を活用した経営・業務 支援系サービス(事務処理など)」 が 21.4%と最も高くなりました。また、『利用している(利用したいと考えている) 合計』 が 67.2%となった一方で、「利用したくない」 が 28.7%となりました。 【問4】 社長ならびに家族が個人としてITを活用した金融サービスを利用している(あるいは利用したいと考え ている)サービスはございますか。3つ以内で選んでお答えください。 「スマホ決済・送金」 が 25.9%と最多 利用している(利用したいと考えている)金融サービスについての回答割合は、「スマホ決済・送金」 が 25.9%と最も高くな りました。また、『利用している(利用したいと考えている) 合計』 が 47.7%となった一方で、「利用したくない」 が 42.6%となり ました。 【問5】 取引金融機関から貴社に対して、事業上でITを活用した金融サービスの利用を勧奨されたことがあ りますか。特に強く提案してきた取引金融機関および特に強く勧奨されたサービスをそれぞれお答えくだ さい。 提案してきた取引金融機関は 「地方銀行・第二地方銀行」 が 8.9%と最多 取引金融機関から提案されたサービスは 「スマホ決済・送金」 が 7.6%と最多 提案してきた取引金融機関についての回答割合は、「地方銀行・第二地方銀行」 が 8.9%と高くなりました。一方で、「な し」 との回答が 74.7%となりました。 取引金融機関から提案されたサービスについては、「スマホ決済・送金」 が 7.6%と高くなりました。一方で、 「なし」 との回 答が 77.5%となりました。 以上 -4- 調査内容の詳細をご覧になりたい方は、下記までご連絡ください。 さがみ信用金庫総合企画部 : TEL 0465-24-3162 E-mailアドレス : [email protected] -5-
© Copyright 2024 ExpyDoc