H28とちぎっ子学習状況調査報告書概要(PDF:1747KB)

平成 28 年度とちぎっ子学習状況調査報告書の概要
栃木県教育委員会事務局学校教育課
1.教科に関する調査
平均正答率
学年
(%)
思考・判断・表現
教科
教科全体
基礎・基本
小学校第 4 学年
国語
算数
理科
56.6
72.4
66.2
66.8
80.0
74.5
29.4
57.2
49.7
小学校第 5 学年
国語
算数
理科
58.7
64.4
58.8
64.0
71.4
62.0
34.9
50.3
53.4
中学校第 2 学年
国語
社会
数学
理科
英語
65.9
53.5
54.9
57.3
70.3
71.1
61.1
59.4
61.2
73.7
49.5
37.7
43.9
50.6
65.4
(1) 基礎的・基本的な知識・技能に関する問題では、小学校において6教科中4教科の平
均正答率が 65%以上であり、中学校においても5教科中4教科の平均正答率が 60%~
70%であった。全体として基礎的・基本的な知識・技能に関しては、概ね良好である
と考えられる。知識・技能を活用する場面を意図的・計画的に位置付けた学習活動を行
い、さらに基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図ることが大切である。(p3~5)
(2)
平成 26 年度、平成 27 年度の調査結果から本県の児童生徒は、思考力・判断力・表
現力等について大きな課題があることが明らかになった。そこで、平成 28 年度の調査
では、記述式問題について、児童生徒一人一人のつまずきをより詳細に分析することが
できるよう、出題方法や採点方法を見直したことから、小学校4年国語、小学校5年国
語、小学校5年算数、中学校2年社会などの「思考・判断・表現」の平均正答率が、過
去2回の調査結果と比較して低かったと考えられる。このことから、本県の課題がより
明確になり、思考力・判断力・表現力等を育成するために、言語活動の充実を図る授業
改善が求められる。(p3~5)
1
(3) 学年が上がるにつれて、正答率度数分布のピークが低くなり、全体としてなだらかな
山型となることから、下の学年でのつまずきが、上の学年の学習に影響していることが
考えられる。調査問題やフォローアップシート(復習用資料)を効果的に活用し、学習
した内容がその学年のうちに身に付いているかを確認することが大切である。小・中学
校9年間を見通した系統的な指導を行うため、県教育委員会で作成している「関連表」
等を参考にして、調査問題を年間指導計画に位置付け、計画的に活用することが考えら
れる。(p6~27)
50%
50%
45%
45%
小学校第4学年
算数
40%
35%
35%
30%
30%
25%
25%
20%
20%
15%
15%
10%
10%
5%
5%
0%
0%
<10%
<20%
<30%
<40%
<50%
中学校第2学年
数学
40%
<60%
<70%
<80%
<90%
<100% 100%
0%
0%
<10%
<20%
<30%
<40%
<50% <60%
<70%
<80%
<90%
<100% 100%
(4)
記述式問題の結果から、複数の資料を的確に読み取り、条件に合わせて、自分の考え
をまとめて記述することに課題があることが明らかになった。課題解決に向けて、自分
の考えをまとめて書く時間を確保するとともに、
「記述」する活動と、言葉で人に伝える
「説明」「話合い」といった活動を相互に関連付けるなど、授業を工夫する必要がある。
(p6~27)
(5)
経年問題では、中学校2年英語の対話文の聞き取りと応答の問題について、平成 27
年度と比較して平均正答率が高くなった。また、小学校4年理科の虫眼鏡の適切な操作
方法について、平成 26 年度からの平均正答率の推移から見ると改善傾向が見られる。
引き続き課題の見られる問題については、今後も重点的に指導の充実を図る必要がある。
(p29~41)
2.児童生徒質問紙調査
(1) 「学校のきまりを守っている」、
「学校での役割や係の仕事に責任をもって取り組んで
いる」について、どの学年も「はい」と回答した児童生徒の割合が約6割である。また、
「できるだけ自分ひとりの力で課題を解決しようとしている」に対して「はい」と回答
した児童生徒の割合が平成 27 年度と比較して高くなっていることから、各学校におい
て、個に応じた指導が工夫され充実していると考えられる。(p50、p52)
学校のきまりを守っている
役割や係の仕事に責任をもって取り組んでいる
小4
57.7
小4
小5
58.2
小5
62.8
中2
0%
20%
60.8
65.4
62.2
中2
40%
60%
80%
100%
0%
20%
40%
60%
はい
はい
2
80%
100%
(2) 「テレビやビデオ・DVDの視聴時間」については、どの学年も「3時間以上4時間
より少ない」、「4時間以上」視聴している児童生徒の割合は、併せて約 30%であり、
依然として長時間視聴
ふだん(月~金曜日)、1日にどれくらいの時間、テレビやビデオ・
している傾向が見られ
DVDなどを見たり、聞いたりしますか(テレビゲームは除く)
る。ただし、4時間以
小4
15.0
14.5
20.9
26.7
18.5
4.3
上視聴している児童生
小5
16.3
16.0
23.4
25.6
15.3
3.2
徒の割合は、平成 26 年
度から減少の傾向が見
中2
13.0
14.7
26.7
28.1
14.8
2.5
られる。(p56)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
4時間以上
1時間以上、2時間より少ない
3時間以上、4時間より少ない
1時間より少ない
2時間以上、3時間より少ない
全くしない
(3)
平成 26 年からの経年変化を見ると、家庭学習では、「自分で計画を立てて勉強をし
ている」、「テストで間違えた問題について勉強している」については改善の傾向が見
られる。今後も、児童生徒が主体的に学習に取り組むことができるよう、より意図的・
計画的に学習の仕方などについて指導することが大切である。(p43~44)
(4)
携帯電話やスマートフォン
の所持率は、どの学年も年々
増加している。また、使用時
間についても増加傾向が見ら
れるため、家庭と連携を図り、
適切な使用について児童生徒
に考えさせていくことが大切
である。(p58)
平日の携帯電話・スマートフォン使用時間
4時間以上
0%
20%
2.9 2.2 3.6 4.6
6.7
小4
40%
60%
80%
100%
22.9
57.1
0.2
25.7
55.5
0.1
2.1 1.6 3.0 4.8
7.0
小5
5.1 4.7
8.9
中2
13.4
12.6
19.4
0.0
35.9
3時間以上、
4時間より少ない
2時間以上、
3時間より少ない
1時間以上、
2時間より少ない
30分以上、
1時間より少ない
30分より少ない
携帯電話やスマートフォン
を持っていない
無回答
3.教科に関する調査と児童生徒質問紙調査とのクロス集計
(1) 「家で、学校の授業の復習をしている」、「家で、テストでまちがえた問題について勉
強をしている」について教科平均正答率との関連を見ると、学んだことを振り返る習慣
が身に付いている児童生徒の方が、教科平均正答率が高い傾向が見られる。特に、中2
では「はい」と回答した生徒と「いいえ」と回答した生徒の教科平均正答率に大きな差
が見られる。(p44)
家で、テストでまちがえた問題について勉強をしている
家で、学校の授業の復習をしている
小4
(%)
80
小5
中2
70
68.0
64.1 66.6
70
66.1
61.4
60
63.4
60.2
小4
(%)
80
小5
68.8
67.2 63.9
61.8 61.4
60.6
58.3
54.9
中2
66.7
60
54.6
63.4
58.4
54.6
51.0
59.4
53.9
50.6
50
50
40
40
い
どちらかといえ 、 どちらかといえ 、
い
いいえ
い
いいえ
3
どちらかといえ 、 どちらかといえ 、
い
いいえ
いいえ
(2)
平日のゲーム使用時間につ
いて、教科平均正答率との関
ふだん(月~金曜日)、1日当たりどれくらいの時間、テレビゲー
ム(コンピュータゲーム、携帯式のゲームも含む)をしますか
連を見ると、全ての学年で、
平日のゲーム使用時間が少な
い児童生徒の方が、教科平均
小4
(%)
小5
80
中2
70
正答率が高い傾向が見られる。
(p57)
60
58.9
55.2
54.6
55.1
40
4時間以上
3時間以上、
4時間より
少ない
平日の携帯電話・スマート
フォン使用時間について、教
科平均正答率との関連を見る
時間が少ない児童生徒の方が、
教科平均正答率が高い傾向が
見られる。
「持っていない」と
童生徒の教科平均正答率には
57.3 57.6
2時間以上、
3時間より
少ない
1時間以上、
2時間より
少ない
1時間より
少ない
全くしない
小4
(%)
小5
80
中2
70
62.0
60
回答している児童生徒と「4
時間以上」と回答している児
66.9
65.5
63.0
ふだん(月~金曜日)、1日当たりどれくらいの時間、携帯電話や
スマートフォンで通話やメール、インターネットをしますか(携帯
電話やスマートフォンを使ってゲームをする時間はのぞく)
と、全ての学年で、平日の携
帯電話・スマートフォン使用
63.264.5
61.7 61.8
51.1
49.2
50
(3)
67.9
66.1
62.8
50
40
49.8 49.2
48.0
4時間以上
10~20 ポイント程度の差が
52.3 53.8
54.8
52.1
50.7 44.2
3時間以上、
4時間より
少ない
2時間以上、
3時間より
少ない
61.2
56.9
65.6 62.6
61.6
68.0
62.6
64.0
56.0
58.1
54.0
1時間以上、
2時間より
少ない
30分以上、
1時間より
少ない
30分より
少ない
携帯電話や
スマートフォンを
持っていない
ある。(p59)
4.学校質問紙調査
(1)
「調査結果の分析を全教職員で行っている」
について、「はい」と回答している割合は平成
27 年度と比較して、小学校では 37.4%から
56.4%、中学校では 23.0%から 35.8%になっ
ていることから、学校全体で調査問題を分析し、
学校の強みと課題を確認している学校が増加
していると考えられる。(p74)
調査結果の分析を全教職員で行っている
小学校
中学校
H27
37.4
56.4
H28
H27
H28
23.0
35.8
0%
はい
42.9
31.1
50.3
41.8
50%
100%
どちらかと言えば、はい
(2) 授業研究を伴う校内研修の回数について、
「年8回以上実施している」と回答している
割合は、小学校、中学校ともに平成 27 年度と比較して4ポイント以上高くなっている。
また、「教職員間で、互いの授業を見せ合っている」についても中学校で約4ポイント
高くなっている。このことから、
授業研究を伴う校内研修の回数
学校が組織的に効果的な方法で
H27
23.7
18.2
40.0
17.9 0.3
小学校
小学校
授業研究に取り組んでいると考
H28
24.2
22.1
37.2
15.2 1.1
えられる。今後は、学力向上担
当者を中心に授業研究会の更な
H27 11.5 12.1
41.8
32.7
1.8
中学校
中学校
H28
る充実を図るために実施方法や
12.7 15.2
36.4
32.1
3.6
内容について検討することが大
0%
20%
40%
60%
80%
100%
12回以上
8回~11回
4回~7回
2回~3回
1回
実施していない
切である。(p73)
4