インドネシア:35000 MW 発電計画 遅延と不透明感

インドネシア:35,000 MW 発電計画 遅延と不透明感
2016 年 9 月 29 日掲載
9 月 13 日付けの地元報道によると、政府の 35,000 MW 発電計画は遅延しており、その促進は、遠隔地
向け電力供給と再生可能エネルギーの進捗遅れにて不透明となっている。
国営電力会社(PLN)による、最終段階の Java-5 発電所(合計出力 2,000 MW)の入札手続き取り消し、
また、10,000 MW 分の新発電所建設の遅れにて、35,000 MW 発電計画は遅れている。エネルギー・鉱物
資源省(MEMR)大臣は、2019 年末では新発電所のうち 20,000~25,000 MW が稼動と予想している。
Java-5 発電所では、PLN 社はプロジェクトを進めるため系列会社である Indonesian Power 社を直接
指名するとした。だが、9 月上旬、MEMR 大臣は Java-5 発電所では、新しい入札手続きを通じて調達す
べきと主張し、PLN 社を強く非難した。
35,000 MW 発電計画は予定より遅れているが、電力需要の伸びは計画より鈍く、Java-Bali 系統の電力
需要は、2015 年は 7.5%増の予測だったが、実際は 1.5%増であった。PLN 社には、余裕電力 30%の維持
の優先度が高く、東 Java にてガス火力発電所建設を計画している。長期的には、Java-Sumatra 連系送電
線事業は、電力システムの強化、Sumatra 島の石炭生産地にある高効率・低経費の石炭火力発電所の市場
を提供するために必要である。
遠隔地での電力調達を予定されていた新会社は不確かであり、遠隔地向け電力供給、再生可能電力供給
のプロセスに対するいかなる影響も現時点では不明である。明らかなのは、政府が Sumatra 島、Java 島、
Bali 島、6,000 の有人島に対して、電力供給の責務を果たす必要があるということである。
(石炭開発部 辻
誠)
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