アジアリート市場動向と見通し(2016年9月号)

2016年9月16日
投資情報室
(審査確認番号H28-TB143)
REITレポート
アジアリート市場動向と見通し(2016年9月号)
アジアリート市場(シンガポール・香港・マレーシア)の動向

8月(月間)は、マレーシアリート(配当込み、現地通貨ベース)が上昇率トップでした。香港リー
ト(同)は小幅下落しました。年初来ではシンガポールリート(同)が出遅れています【図表1、
2】。主要3市場(同)は何れも史上最高値水準近くで推移しています。シンガポールリートでは、
全体の約3割を占める(8月末時点)小売りセクターが全体をけん引しています【図表3】。

主要3市場の時価総額構成比(8月末時点、浮動株ベース※)は、シンガポール57%、香港38%、
マレーシア5%と、シンガポールが約6割を占めます【図表4】。(※)発行済株式の内、持ち合い
株等を除く、市場での取引に関し流動性のある株数
図表1:アジアリート市場の推移(現地通貨ベース)
図表2:アジアリート市場のパフォーマンス
【 現地通貨ベース(2016年8月) 】
データ期間:2014年12月末∼2016年8月末(日次)
130
シンガポール
香港
当月
マレーシア
120
110
年初来
シンガポール
1.0%
14.3%
香港
-0.7%
25.2%
マレーシア
3.9%
20.9%
(参考)【 円ベース(2016年8月) 】
100
当月
90
シンガポール
0.5%
2.3%
香港
0.3%
7.5%
マレーシア
5.2%
10.0%
※2014年12月末を100として指数化
80
2014/12
2015/6
2015/12
2016/6(年/月)
年初来
※各国リートはS&P各国リート指数を使用(いずれも配当込み)
図表3:シンガポールリートのセクター別推移
図表4:時価総額(浮動株ベース)の推移
データ期間:2014年12月末∼2016年8月末(日次) (億米ドル)
700
小売り
産業
オフィス
ヘルスケア
130
120
データ期間:2014年1月末∼2016年8月末(月次)
マレーシア
香港
シンガポール
600
500
110
400
100
300
90
200
80
100
※2014年12月末を100として指数化
0
70
2014/12
2015/6
2015/12
2016/6(年/月)
2014/1
2014/7
2015/1
2015/7
2016/1
2016/7
(年/月)
出所)図表1∼4はS&Pのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成
●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするも
のではありません。実際の投資等に係る最終的な決定はご自身で判断してください。●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりま
すが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは
保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。●投資する有価証券の価格
の変動等により損失を生じるおそれがあります。●手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないの
で、表示することができません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
商 号 等:ニッセイアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号
加入協会:一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
1/2
図表5:主要国リートのイールドスプレッド
(%)
8.0
図表6:アジアリートのPBR(※)推移
2016年8月末時点
配当利回り
10年国債利回り
(倍)
2.00
データ期間:2011年9月末∼2016年8月末(月次)
シンガポール
イールドスプレッド
香港
マレーシア
1.75
6.0
4.56
4.0
1.50
3.41
3.24
2.66
2.57
2.0
1.25
1.42
1.00
0.0
0.75
マレーシア
米国
豪州
香港
日本
シンガポール
-2.0
図表7: シンガポール店舗価格と賃料の推移
データ期間:2000年3月末∼2016年6月末(四半期)
180
店舗価格指数(※)
0.50
2011/9
2012/9
2013/9
2014/9
2015/9(年/月)
(※)株価純資産倍率(株価/純資産):一般的に、1倍割れ
は株価が割安な水準にあるとされる
図表8:シンガポール小売売上高の伸び率の推移
(%)
20
店舗賃料指数(※)
データ期間:2014年1月末∼2016年6月末(月次)
(前年同月比)
15
160
10
140
5
120
0
100
-5
80
2000/3
2003/3
2006/3
2009/3
2012/3
2015/3
(年/月)
(※)両指数は1988年第4四半期平均=100として算出される数値
-10
2014/1
2014/7
2015/1
2015/7
2016/1(年/月)
出所)図表5、7、8はブルームバーグ、図表6はS&Pのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成
今後の見通しについて

世界主要国の金融緩和継続見通し、配当利回りの相対的な高さ【図表5】等を背景に、今後もアジア
リート市場への資金流入は続くものと思われます。合計時価総額が全体の約95%を占めるシンガ
ポールリートと香港リートのPBR(株価純資産倍率)が8月末時点で1倍を下回っている【図表
6】ことも支援材料となりそうです。但し、シンガポールリートに関しては、店舗賃料の下落や小売
売上高の伸び率(前年同月比)鈍化【図表7,8】等に注意が必要であるように思われます。

9月20∼21日の米FOMC(米連邦公開市場委員会)での米国利上げを巡る思惑が市場の波乱要因
となる可能性もあります。
●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするも
のではありません。実際の投資等に係る最終的な決定はご自身で判断してください。●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりま
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商 号 等:ニッセイアセットマネジメント株式会社
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