カナダの金融市場動向

2016年9月13日
カナダの金融市場動向 Weekly Report
【2016年9月3日~2016年9月9日の推移】
【1】先週の回顧
先週のカナダ・ドル円相場は下落、カナダ5年国債利
回りは上昇しました。
米国の原油在庫の減少や産油国の減産合意への期
待を背景とした原油価格の上昇はカナダ・ドルの支援
材料となりましたが、先々週末に発表された米国の雇
用統計や、先週のISM(全米供給管理協会)非製造業
景況指数が市場予想に届かず米ドルの売り材料となり
円高に推移したことで、カナダ・ドルは対円で下落しま
した。債券市場では米国の軟調な経済指標が金利を
下押す一方で、ECB(欧州中央銀行)が追加緩和を見
送ったことから長期年限の金利低下に行き過ぎ感が強
まったことや、週末にかけFRB(米国連邦準備制度理事
会)高官の発言から早期の米国利上げが警戒されたこ
とにより、金利は上昇しました。カナダの政策金利は市
場予想通り0.5%で据え置かれましたが、相場へのイン
パクトは軽微でした。
【2】今週の見通し
【カナダ・ドル 為替推移】 (2016年8月12日~2016年9月9日)
(円/カナダ・ドル)
90
1.15
円/カナダ・ドル(左軸)
カナダ・ドル/米ドル(右軸、上下反転)
85
1.20
78.71
カナダ・
ドル
高
80
1.25
75
1.30
70
1.35
1.30
65
安
1.40
8/12
8/19
8/26
9/2
9/9
※四捨五入の関係で数値とグラフの目盛りが一致しない場合があります。
【カナダ 金利推移】
9月は各地域の金融政策が注目されます。今週は
BOE(イングランド銀行)が政策金利決定会合を開催し
ますが、ここもとの経済指標の強含みから変更無しを予
想します。引き続き月後半の日本と米国の金融政策決
定会合が警戒されやすく、会合前で高官の発言も無く
なるため、手がかりは経済指標となります。極端に弱
かった先週の米国景況感指数を踏まえ、米国の小売売
上高に注目します。下振れた場合には金利低下・円高
にふれやすいとみています。
カナダでは先週の雇用者数が強い内容で経済指標
の好転が続いており、週末にかけ発表される製造業売
上高も好調が見込まれます。ただし、先週のカナダ銀
行(中央銀行)の政策金利発表声明文でインフレ見通
しに下方修正リスクが指摘されたことから、金利は素直
には上昇しにくいとみています。カナダ・ドルは、引き続
き原油相場連れが見込まれます。
(カナダ・ドル/米ドル)
(2016年8月12日~2016年9月9日)
(%)
1.2
カナダ5年国債
1.0
0.8
0.71
0.6
0.4
0.2
8/12
8/19
8/26
9/2
9/9
【3】主要経済指標
発表日
発表頻度
期間
指標名
データ
(参考)前回
9/7
9/8
9/9
9/16
毎月
毎月
毎月
2016年7月
2016年8月
2016年7月
政策金利
新築住宅価格指数(前年同月比)
雇用者数(前月差)
製造業売上高(前月比)
0.50%
2.8%
26.2千人
-
0.50%
2.5%
-31.2千人
0.8%
(出所)Bloomberg等より大和投資信託作成
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