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アジア
2016年9月2日
韓国経済事情
韓国政府が発表した貿易統計によると、韓国の輸出は半導体などを中心に回復の兆しが見られました。しかし、統計
の内容には注意すべき点もあると見ており、他の経済指標などの動向次第では利下げも想定されます。
韓国8月の貿易統計:輸出は前年同月比2.6%
増加と市場予想を上回るが
韓国産業通商資源省が2016年9月1日に発表した8月の輸出
額(速報)は前年同月比2.6%増の401億ドル(約4兆1400億
円)と市場予想(同マイナス0.5%)を上回り、20ヵ月ぶりにプラ
スに転じました(図表1左軸参照)。コンピューター関連が伸び
たほか、スマートフォンの新製品効果で半導体が増加に転じ
たことなどが背景と見られます。また、8月の輸入は同0.1%増
と市場予想(同マイナス2.2%)を上回りました。
どこに注目すべきか:
韓国輸出、営業日、ウォン動向、金融政策
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1:韓国輸出(全体)と中国向け輸出の推移
(月次、期間:2011年9月~2016年8月、中国向けは16年7月迄)
25
150
億ドル
ようやく
%
140
プラスだが
15
130
5
120
110
-5
100
-15
韓国輸出(左軸、前年同月比)
90
韓国中国向け輸出(右軸、金額)
-25
80
11年9月 12年9月 13年9月 14年9月 15年9月
図表2:韓国ウォン(対ドル)レートと政策金利の推移
(日次、期間:2013年9月2日~2016年9月1日)
3.0
%
2.5
ウォン/ドル1,250
2014年8月
利下げ
1,200
1,150
2.0
1,100
1.5
1.0
13年9月
韓国政策金利(左軸)
ウォン(対ドル、右軸)
14年9月
15年9月
安 ウォン 高
韓国の主力産業の一つである輸出は半導体などを中心に
回復の兆しが見られました。しかし、統計の内容には注意す
べき点もあると見ており、他の経済指標などの動向次第で
は利下げも想定されます。
韓国の輸出回復には半導体がプラスに転じるなど明るい面
も見られます。ただし、以下の点に注意も必要です。
まず、韓国産業通商資源省の声明にもあるように8月のデー
タは2016年の営業日が22日と2015年に比べ2日多いことが
あげられます。営業日を調整した後の輸出の伸び率はマイ
ナス6%程度が市場では見込まれています。輸出の実感は営
業日調整後の伸び率の方が近いと思われます。
2点目は最大の貿易相手国である中国向けの輸出が軟調
な展開(データは7月迄)となっていることです(図表1右軸参
照)。中国は2016年前半に積極的な景気支援策が見られま
したが、今後は支援策のスピード調整も見込まれるため、韓
国の中国向け輸出の回復ペースが鈍化することも考えられ
ます。
3点目は韓国ウォン高傾向が続いていることです(図表2参
照)。2014年8月に利下げした時期を境にウォン安傾向となっ
ていましたが、2016年年初頃から概ねウォン高傾向となって
います。通貨高にもかかわらず、最近の韓国銀行(韓国中
央銀行)には利下げに慎重な姿勢も見られました。恐らくは
低金利を背景とした住宅投資の過熱で、家計債務が拡大した
ためと見られます。当局は銀行の融資基準を厳格化する指針
を最近発表するなど沈静化に努めています。
韓国当局(企画財政省)による韓国景気の見通しによると、急
激な下振れの可能性は低いものの、7-9月期は前年同期比
3.3%と回復を示した4-6月期に比べ減速を見込んでいます。景
気刺激策の必要性が高まっているように見られます。
加えて、韓国のインフレ率は8月が前年同月比で+0.4%と低水
準です。家計債務拡大への懸念や米国の金融政策など不透
明要因はあるものの、年内に韓国中銀が利下げを実施する可
能性はあると思われます。
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16年9月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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