(4) 企業活動の動向 ① 鉱工業指数(季節調整値)

(4) 企業活動の動向
①
鉱工業指数(季節調整値)
(生産は国内外の需要が低迷し、概ね横ばいで推移)
鉱工業指数(季節調整値)の生産指数と出荷指数の動きをみると、平成 23 年の生産指数
は、東日本大震災によるサプライチェーンの寸断等により落ち込んだ業種がある一方、代
替生産を行った業種がみられるなど、業種によってプラスとマイナスの要素があった。第
Ⅲ四半期以降は海外経済情勢の減速などの影響で弱含みの動きがみられた。
24 年に入ると、生産指数は、前半に国内需要の持ち直しやタイ洪水被害の解消による受
注回復などがあったが、24 年第Ⅲ四半期は国内外の需要低迷により低下した。
25 年の生産指数は、米国や中国など海外経済や国内経済の持ち直しなどにより受注が回
復したものの、国内の設備投資向けで弱い動きもみられたため、概ね横ばいで推移した。
26 年の生産指数は、一進一退で推移したものの、第Ⅳ四半期には海外向けの受注を中心
に堅調であったことから持ち直しの兆しがみられた。
27 年に入ると、生産指数は、国の補助金制度(
「ものづくり・商業・サービス革新補助金」)
の後押しもあり、設備投資需要が堅調であったものの、公共工事の下振れや個人消費の伸
び悩み等により概ね横ばいで推移した。27 年第Ⅰ四半期は輸送機械がプラスに寄与したも
のの、前期比 0.7 ポイント低下した。第Ⅱ四半期以降は中国経済の減速等に伴う国内外の
需要低迷により多くの業種がマイナスに寄与した。
また、在庫指数の動きをみると、24 年第Ⅲ四半期まで化学工業などが輸出低迷でプラス
に寄与し、上昇基調となった。23 年後半から 24 年前半にかけては電気機械工業がプラス
に寄与した。25 年から 26 年にかけては、はん用・生産用・業務用機械工業などがプラス
に寄与し上昇基調となった。27 年は、第Ⅰ四半期に出荷が増加した電気機械工業などがマ
イナスに寄与したこと、第Ⅱ・第Ⅲ四半期に金属製品工業などがマイナスに寄与したこと
により低下基調にあったが、第Ⅳ四半期には金属製品工業、パルプ・紙・紙加工品工業な
どがプラスに転じたことにより、在庫指数は上昇した。(図2-15)
図2-15
図2-15 鉱工業生産・出荷・在庫指数の動き
鉱工業生産・出荷・在庫指数の動き
120
120
(H22=100、季節調整値)
(H22=100、季節調整値)
150
150
115
115
110
110
140
140
在庫指数(右目盛)
在庫指数(右目盛)
105
105
130
130
120
120
生産指数
生産指数
100
100
110
110
95
95
100
100
90
90
90
90
85
85
80
80
出荷指数
生産指数(全国) 出荷指数
生産指数(全国)
80
80
70
70
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 期
期
平成
23
24
25
26
27
28
平成
23
24
25
26
27
28 年
注:在庫指数は期末値
年
注:在庫指数は期末値
資料:県統計課「新潟県鉱工業指数」
資料:県統計課「新潟県鉱工業指数」
- 19 - 19 -
②
鉱工業生産指数(原指数)
(生産指数は需要低迷などで低下傾向)
鉱工業生産指数(原指数)の前年同期比の推移をみると、平成 23 年第Ⅲ四半期までは
上昇幅が縮小しつつも上昇傾向にあったが、第Ⅳ四半期には8四半期ぶりにマイナスとな
った。同期から 25 年第Ⅱ四半期にかけて概ね低下が続いていたが、第Ⅲ四半期以降、26
年第Ⅰ四半期まで上昇が続いた。26 年第Ⅱ四半期以降は、横ばい圏内の動きが続き、27
年第Ⅰ四半期からは低下傾向となっている。
業種別に対前年同期比寄与度でみると 23 年は、電力不足への懸念による消費電力の少
ない暖房機器への需要の高まりで金属製品工業などが年間を通して前年同期を上回り推移
した。24 年は、第Ⅰ四半期は電子部品・デバイス工業などの需要低迷で弱い動きとなり、
第Ⅲ四半期以降は、ほとんどの業種でマイナスとなった。25 年は、第Ⅰ四半期に電子部品・
デバイス工業などが海外向けを中心に持ち直し、第Ⅲ四半期以降は国内受注が好調な輸送
機械工業などがプラスに寄与し、全体で上昇が続いた。26 年に入ると、第Ⅰ四半期は、消
費税増税前の駆け込み需要の影響などにより、ほとんどの業種がプラスに寄与したが、第
Ⅱ四半期以降は、海外向け需要の増加により、はん用・生産用・業務用機械工業がプラス
に寄与したものの、全体では横ばい圏内の動きが続いた。
27 年に入ると、第Ⅰ四半期は海外からの受注により輸送機械工業がプラスに寄与したも
のの、多くの業種でマイナスとなった。第Ⅱ四半期以降はスマートフォン関連が伸びたこ
とで電子部品・デバイス工業がプラスに寄与したが、中国からの受注減少等によりはん用・
生産用・業務用機械工業などがマイナスに寄与し、全体ではマイナスで推移している。
(図
2-16)
図2-16 鉱工業生産指数の対前年同期比に対する業種別寄与度
鉱工業生産指数の対前年同期比に対する業種別寄与度
図2-16
%、%ポイント
%、%ポイント
15
15
食料品工業
食料品工業
はん用・生産用・業務用機械工業
はん用・生産用・業務用機械工業
化学工業
化学工業
電子部品・デバイス工業
電子部品・デバイス工業
輸送機械工業
輸送機械工業
金属製品工業
金属製品工業
その他
その他
対前年同期比
対前年同期比
10
10
55
00
-5
-5
-10
-10
ⅠⅡ
Ⅱ ⅢⅢ Ⅳ
Ⅳ ⅠⅠ ⅡⅡ ⅢⅢ ⅣⅣ ⅠⅠ ⅡⅡ ⅢⅢⅣⅣ ⅠⅠ ⅡⅡ ⅢⅢⅣⅣ ⅠⅠ ⅡⅡ ⅢⅢⅣⅣ ⅠⅠ 期期
Ⅰ
平成
平成
23
23
2424
2525
注:原指数から算出
注:原指数から算出
資料:県統計課「新潟県鉱工業指数」
資料:県統計課「新潟県鉱工業指数」
- 20 - 20 -
2626
2727
2828 年年
次に 27 年における財別の前年同期比寄与度をみると、建築工事用の資材などに使用さ
れる建設財は、第Ⅱ四半期まで、消費税増税の駆け込み需要の反動による住宅建設の落ち
込みや、公共工事などの減少によりマイナスに寄与していたが、年後半は民間工事や、全
国的な住宅着工戸数の持ち直しの動きによりプラスに寄与した。
主に企業の設備投資などに利用される資本財は、国の補助金制度等を背景とした企業の
設備投資需要の回復などにより、年間を通してプラスに寄与した。
また、家計で購入される耐久消費財は、年前半はプラスに寄与したが、第Ⅲ四半期以降、
暖冬の影響や個人消費の伸び悩み等によりマイナスに寄与した。
なお、鉱工業用生産材(主に鉱工業の生産工程に原材料、部品等として投入)は、海外
経済の減速等により生産が抑制され、国内外の需要が減少したことで、年間を通してマイ
ナスに寄与した。(図2-17)
図2-17
図2-17 鉱工業生産指数の対前年同期比に対する財別寄与度
鉱工業生産指数の対前年同期比に対する財別寄与度
%、%ポイント
%、%ポイント
8
資本財
耐久消費財
耐久消費財
鉱工業用生産財
鉱工業用生産財
対前年同期比
対前年同期比
44
建設財
非耐久消費財
非耐久消費財
その他用生産財
その他用生産財
00
-4
-4
-8
-8
期
平成
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 期
23
24
平成
23
24
注:原指数から算出
注:原指数から算出
資料:県統計課「新潟県鉱工業指
資料:県統計課「新潟県鉱工業指数」
25
25
26
26
27
27
28 年
28 年
注:鉱工業生産指数の財別の区分は以下のとおり
注:鉱工業生産指数の財別の区分は以下のとおり
生産財
生産財
鉱工業用生産財:鉱工業の生産工程に、原材料、燃料、部品、容器、消耗品、
鉱工業用生産財:鉱工業の生産工程に、原材料、燃料、部品、容器、消耗品、
工具等として再投入される製品
工具等として再投入される製品
その他用生産財:非鉱工業の原材料、燃料、容器、消耗品及び企業消費財
その他用生産財:非鉱工業の原材料、燃料、容器、消耗品及び企業消費財
投資財
投資財
最終需要財
資本財:家計以外で購入される製品で、原則として
資本財:家計以外で購入される製品で、原則として
想定耐用年数1年以上で比較的購入単価の高いもの
想定耐用年数1年以上で比較的購入単価の高いもの
建設財:建築工事用の資材、建築物に付随する
最終需要財
建設財:建築工事用の資材、建築物に付随する
内装品及び土木工事の資材
内装品及び土木工事の資材
耐久消費財 :家計で購入される製品で、原則として想定耐用年数
消費財
消費財
耐久消費財 :家計で購入される製品で、原則として想定耐用年数
1年以上で、比較的購入単価の高い製品
1年以上で、比較的購入単価の高い製品
非耐久消費財:家計で購入される製品で、原則として想定耐用年数
非耐久消費財:家計で購入される製品で、原則として想定耐用年数
1年未満又は比較的購入単価の安い製品
1年未満又は比較的購入単価の安い製品
- 21 -
- 21 -
③
鉱工業在庫指数(原指数)
(在庫指数は年間を通して低下)
鉱工業在庫指数(原指数)の前年同期比の推移をみると、平成 23 年第Ⅰ四半期から 24
年第Ⅲ四半期にかけて上昇幅が急なペースで拡大した。その後、26 年第Ⅳ四半期まで上昇
幅は縮小したものの、プラスの状況が続いた。しかし 27 年は低下傾向となった。
27 年は、年間を通して前年同期を下回る動きとなったものの、第Ⅳ四半期に低下幅が小
幅ながら縮小し、28 年第Ⅰ四半期には、5四半期ぶりに上昇に転じた。
業種別に対前年同期比寄与度をみると、はん用・生産用・業務用機械工業は、27 年第Ⅱ・
第Ⅲ四半期では輸出の低迷による在庫の増加により、プラスに寄与したが、27 年第Ⅳ四半
期は生産調整の効果等によりマイナスに寄与した。金属製品工業は、23 年第Ⅲ四半期以降、
上昇傾向が続いていたが、26 年第Ⅱ四半期と第Ⅲ四半期で、出荷が前年を上回ったことな
ども影響し、マイナスに寄与した。電気機械工業は、26 年前半はマイナスに寄与したもの
の、26 年第Ⅳ四半期から 27 年第Ⅲ四半期にかけてインバウンド(訪日外国人旅行)消費
などを背景に家電の在庫を多めに保有したことがプラスに寄与したと考えられる。化学工
業は、27 年第Ⅲ四半期以降プラスに寄与した。
26 年までの上昇傾向から 27 年に入って低下傾向に転じたのは、国内における個人消費
の伸び悩みや中国をはじめとする海外経済の減速による輸出の低迷で生産調整を行ったこ
となどが要因であると考えられる。(図2-18)
図2-18
図2-18 鉱工業在庫指数の対前年同期比に対する業種別寄与度
鉱工業在庫指数の対前年同期比に対する業種別寄与度
2525
%、%ポイント
%、%ポイント
化学工業
化学工業
はん用・生産用・業務用機械工業
はん用・生産用・業務用機械工業
金属製品工業
金属製品工業
食料品工業
食料品工業
電気機械工業
電気機械工業
その他
その他
対前年同期比
対前年同期比
2020
1515
1010
55
0
0
-5
-5
-10
-10
-15
-15
平成
平成
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ
2323
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ
Ⅰ 期
期
25
25
26
26
27
27
28
28 年
年
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ
2424
注1:原指数から算出
注1:原指数から算出
注2:在庫指数は四半期平均値
注2:在庫指数は四半期平均値
資料:県統計課「新潟県鉱工業指数」
資料:県統計課「新潟県鉱工業指数」
- 22 - 22 -
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ
Ⅰ
④
企業収益
(売上高は増加、売上高経常利益率は低下)
平成 27 年度の県内企業の全産業の売上高は、対前年度比 0.8%のプラスとなり、3年連
続で増加した。
業種別にみると、製造業は、24 年度は同 5.3%の減少となったものの、25 年度は同 5.0%
増加した。26 年度は同 3.3%のプラス、27 年度は同 0.8%のプラスとなり、3年連続で増
加した。製造業のうち輸出に限ってみると、27 年度は同 10.7%のプラスと、6年連続で増
加を維持しており、堅調さがうかがえる。非製造業の売上高は、同 0.8%のプラスとなり、
2年ぶりに増加した。
また、売上高経常利益率は、全産業で 23 年度 3.58%から 24 年度 3.52%と概ね横ばい
圏内で推移したものの、25 年度は 3.87%に上昇し、リーマンショック前の 19 年の 3.65%
以来の水準となった。26 年度は、3.88%とほぼ横ばいであったが、27 年度は 3.45%とな
り、0.43 ポイント低下した。
業種別にみると、製造業は 2.78%、非製造業は 3.89%となった。
27 年度は、売上高が製造業、非製造業でともに増加したが、売上高経常利益率は非製造
業で上昇したものの、製造業が大きく低下し、全産業でも低下した。(図2-19)
図2-19 売上高と売上高経常利益率
図2-19
売上高と売上高経常利益率
%
%
① 売上高(対前年度比)
売上高(対前年度比)
①
%
%
10
10
②
② 売上高経常利益率
売上高経常利益率
55
55
44
00
33
-5
-5
●
●
□
□
△
△
-10
-10
平成
平成
23
23
24
24
25
25
非製造業
26
26
●
●
□
□
△
△
全産業
全産業
製造業
製造業
非製造業
22
23
平成 23
平成
27
年度
27 年度
24
24
全産業
全産業
製造業
製造業
非製造業
非製造業
25
25
26
26
注:25
年度実績からは新ベースのため、新旧ベースは接続しない
注:25年度実績まで旧ベース、26
年度実績まで旧ベース、26
年度実績からは新ベースのため、新旧ベースは接続しない
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
23
- 23 -
27 年度
27 年度
(経常利益は、製造業は減益、非製造業は増益)
経常利益の対前年度比の推移をみると、平成 27 年度は全産業で対前年度比 10.9%の減
益となり、3年ぶりに前年度を下回った。
業種別にみると、製造業は、24 年度は減益となったものの、25 年度は前年度比 17.8%
の増益に転じ、26 年度も同 7.3%の増益となった。しかし、27 年度は同 37.7%の大幅な減
益に転じた。27 年度の製造業を企業規模別にみると、中小企業は同 11.3%の増益となった
ものの、大企業では減益となり、中堅企業においては欠損となった。一方、27 年度の非製
造業は同 12.0%の増益となり、原油安によるコストの低下等から、2年ぶりに増益となっ
た。非製造業を企業規模別でみると、大企業、中堅企業、中小企業のすべてで増益となっ
た。
また、全国の経常利益をみると、27 年度は製造業が同 2.9%の減益となったものの、非
製造業が同 10.8%の増益となり、全体でも同 4.8%の増益となった。企業規模別にみると、
中堅企業の製造業で、本県とは対照的に増益となっている。(図2-20、表2-2)
図2-20 経常利益の推移(対前年度比)
図2-20
経常利益の推移(対前年度比)
%
① 新潟県
② 全国
%
%
① 新潟県
%
40
40
20
20
0
② 全国
60
60
● 全産業
● 製造業
全産業
□
□ 非製造業
製造業
△
40
40
△
非製造
0
20
20
-20
-20
●
●
□
□
△
△
-40
-40
-60
-60
平成 23
平成 23
全産業
全産業
製造業
製造業
非製造業
非製造
24
25
24
0
0
26
25
-20
-20
23
平成 23
平成
27
年度
27 年度
26
24
24
25
25
26
26
27 年度
27 年度
注:25年度実績まで旧ベース、26年度実績からは新ベースのため、新旧ベースは接続しない
注:25
年度実績まで旧ベース、26 年度実績からは新ベースのため、新旧ベースは接続しない
資料:日本銀行、日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
資料:日本銀行、日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
表2-2
企業規模別の経常利益対前年度比(平成 27 年度実績)
単位:%
大企業
製造業
新潟県
全国
中堅企業
非製造業
製造業
中小企業
非製造業
製造業
非製造業
△19.8
11.1
欠損
15.4
11.3
8.4
△5.3
11.5
8.0
9.5
3.4
10.1
注:欠損とは決算上で赤字になったことを示す
資料:日本銀行、日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
24
- 24 -
(仕入価格、販売価格ともに下落)
企業の価格判断をみると、「仕入価格判断D.I.」(「上昇」と回答した企業の構成比-
「下落」と回答した企業の構成比)は、21 年9月調査以降、製造業、非製造業ともに「上
昇」超で推移している。しかし、
「上昇」超の超過幅は、25 年3月調査から 26 年6月調査
まで緩やかに拡大してきたが、9月調査以降は、縮小傾向となっている。(図2-21①)
「販売価格判断D.I.」
(「上昇」-「下落」)は、26 年3月調査まで、
「下落」超幅の縮
小が続いていたが、6月調査では、
「下落」超から脱した。9月調査以降は再び「下落」超
となり、27 年6月調査以降は「下落」超の超過幅が拡大している。業種別にみると、製造
業は「下落」超が続いており、27 年6月以降、超過幅は拡大傾向にある。非製造業は、27
年6月調査で「下落」超を脱したものの、9月調査で再び「下落」超に転じた。
(図2-21②)
この2つのグラフを比較すると、27 年は、「仕入価格判断D.I.」、「販売価格判断D.
I.」ともに下落しているが、「仕入価格判断D.I.」の方がより下落幅が大きくなってお
仕入れ(新ベース)
り、企業にとっては、収益環境がやや改善されたものと推測される。
図2-21企業価格判断D.I.の推移
企業価格判断の推移
図2-21
8080
①仕入価格判断D.I.
①仕入価格判断D.I.
%ポイント
%ポイント
6060
製造業
製造業
全産業
全産業
4040
20
20
0
0
非製造業
非製造業
-20
-20
平成
3
3
6
6
9
9
12
12
3
3
6
2323
平成
6
9
9
12
12
3
6
2424
6
9
9
12
12
3
3
6
2525
6
9
9
12
12
3
3
6
2626
6
9
9
12
12
2727
3
調査月
3 調査月
2828
年
年
②販売価格判断D.I.
%ポイント
20
3
②販売価格判断D.I.
%ポイント
20
非製造業
非製造業
10
10
全産業
全産業
0
0
-10
-10
-20
製造業
-20
製造業
-30
-30
-40
3
-40
平成
平成
3
6
6
9
9
23
23
12
12
3
3
6
6
9
9
24
24
12
12
3
3
6
6
9
9
25
12
12
25
3
3
6
6
9
9
26
26
12
12
3
3
6
6
9
9
27
27
12
12
3
28
注:26
年9月調査まで旧ベース、12
月調査は新旧ベース、27年3月調査から新ベースのため
年3月調査から新ベースのため
注:26
年9月調査まで旧ベース、12
月調査は新旧ベース、27
新旧ベースは接続しない
新旧ベースは接続しない
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
25
- 25 -
調査月
3 28 調査月
年
年
(景況感は、製造業、非製造業ともに足踏み)
県内企業の景況感について、業況判断D.I.(「良い」と回答した企業の構成比-「悪
い」と回答した企業の構成比)の推移をみる。
平成 20 年9月発生のリーマンショックによる景気の急激な落ち込みによって景況感は大幅
に悪化したが、その後は、21 年を底に調査ごとにおおむね改善が続いていた。24 年に入る
と、悪化傾向になったものの、25 年6月調査以降は回復し、26 年3月調査では、5%ポイ
ントとなり、18 年 12 月調査以来、7年ぶりに「良い」超に転じた。しかし、9月調査で
は、1%ポイントの「悪い」超に転じ、27 年3月調査では、5%ポイントの「悪い」超と
なった。9月調査では、「良い」超に転じたものの、12 月調査では、2%ポイントの「悪
い」超となった。直近の 28 年3月調査では、6%ポイントの「悪い」超となった。
業種別の比較では、23 年は全国的な自動車生産の回復に伴う受注の増加等を背景に、景
況感が改善した製造業が概ね上回った。24 年は、受注・売上の減少等により景況感が悪化
した製造業が再び非製造業を下回って推移した。25 年は、国内外の経済の回復に伴う売
上・収益の増加等を背景に、製造業、非製造業ともに改善傾向となった。26 年に入ると、
消費税増税の駆け込み需要の影響により非製造業が上昇し、前半は製造業を上回ったもの
の、後半は反動等による落ち込みにより製造業を下回った。27 年に入っても、製造業が非
製造業を上回って推移したが、12 月調査では、非製造業は個人消費の回復等により「悪い」
超幅が縮小した一方で、製造業は一部新興国向けの輸出の減少等により「悪い」超に転じ
たことから、両者の差は縮小した。
全国の全産業との比較では、23 年6月調査での東日本大震災の影響などによる落ち込み
の幅が、全国に比べ新潟県は小さかったことから、全国との差は縮小したが、24 年以降、
その差は再び広がり、全国を下回る動きが続いている。(図2-22①)
15
15
%ポイント
%ポイント
図2-22
図2-22 日銀短観業況判断D.I.の推移(①全体)
日銀短観業況判断D.I.の推移(①全体)
10
10
新潟県(全産業)
新潟県(全産業)
5
5
全国(全産業)
全国(全産業)
0
0
-5
-5
-10
-10
-15
-15
新潟県(製造業)
-20
新潟県(製造業)
-20
-25
-25
-30
新潟県(非製造業)
-30
-35
-35
平成
平成
新潟県(非製造業)
3
6
9
12
3
6
9
12
3
6
9
12
3
6
9
12
3
6
3
6 23 9
12
3
6 24 9
12
3
6 25 9
12
3
6 26 9
12
3
6 27 9
23
24
25
26
9
27
調査月
調査月
12 28
3
年
28 年
12
注:26年9月調査まで旧ベース、12月調査は新旧ベース、27年3月調査から新ベースのため
新旧ベースは接続しない
注:26年9月調査まで旧ベース、12月調査は新旧ベース、27年3月調査から新ベースのため
資料:日本銀行、日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
新旧ベースは接続しない
資料:日本銀行、日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
26
- 26 -
3
製造業全体の業況判断D.I.は、23 年9月調査まで改善が続いていたが、12 月調査で
11 四半期ぶりに「悪い」超幅が拡大し、その後は悪化傾向となった。25 年に入ると、6月
調査では、海外経済の持ち直し等の影響により前回調査から 14%ポイント改善し、26 年6
月調査では、リーマンショック前の 19 年6月調査以来の「良い」超となった。27 年6月
調査では、「良い」超が解消したものの、27 年9月調査では、再び「良い」超となった。
12 月調査では、「悪い」超に転じ、28 年3月調査では、「悪い」超幅が拡大した。(図2-
22①)
製造業を主要業種別にみると、輸送用機械は、25 年9月調査で「良い」超に転じ、26
年3月調査では、
「良い」超幅が拡大したが、6月調査では、駆け込み需要の反動等により
悪化した。9月調査では、国内需要及び海外需要の増加や、収益の改善などから改善し、
その後も、
「良い」超を維持しているものの、自動車関連需要の減少などから「良い」超幅
が縮小している。
はん用・生産用・業務用機械は、27 年3月調査では、円安や国内設備投資等の回復を反
映した受注の増加などから改善したものの、6月調査では、国内需要及び海外需要の減少
などから 16 ポイントも大幅に悪化し、9月調査は、「悪化」超に転じた。
電気機械は、26 年9月調査では、国内需要及び海外需要の増加などから「良い」超に転
じ、その後も「良い」超で推移したが、27 年 12 月調査では、中国の景気減速の影響によ
り 28 ポイントも大幅に悪化し、「良い」超が解消する水準まで落ち込んだ。
食料品は、26 年 12 月調査では、新商品投入効果、価格転嫁の奏功、原材料価格の下落
などから、22 ポイント改善し「悪い」超が解消した。直近の 28 年3月調査では、個人消
費の持ち直しなどから 41 ポイント改善した。(図2-22②)
図2-22
60
60
%ポイント 図2-
業種別業況判断D.I.の推移(②製造業)
22 業種別業況判断D . I . の推移(②製造業)
%ポイント
輸送用機械
はん用・生産用・業務用機械
製造業全体
40
輸送用機械
はん用・生産用・業務用機械
製造業全体
40
20
20
0
0
-20
-20
食料品
-40
電気機械
-40
-60
3
-60
平成
3
平成
食料品
金属製品
6
9
金属製品
12
3
6
23
6
9
12
9
12
3
6
24
3
6
9
9
12
電気機械
3
6
25
12
3
6
9
12
3
6
26
9
12
3
6
9
12
27
9
12
3
3
28
6
9
12
調査月
年
3
23
24
25
26
27
28
注:26年9月調査まで旧ベース、12月調査は新旧ベース、27年3月調査から新ベースのため新
ベースは接続しない
注:26 年9月調査まで旧ベース、12 月調査は新旧ベース、27 年3月調査から新ベースのため新
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
ベースは接続しない
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
27
- 27 -
調査月
年
非製造業全体の業況判断D.I.は、23 年9月調査以降、緩やかな改善傾向が続き、25
年6月調査では、18 年6月調査以来、7年ぶりに「良い」超へと転じたものの、26 年9月
調査で再び「悪い」超に転じた。直近の 28 年3月調査まで、
「悪い」超で推移した。
(図2
-22①)
非製造業を主要業種別にみると、「建設業」は、27 年3月調査で県内の公共工事の減少
や住宅建設の減少などから「良い」超幅が縮小し、6月調査で「悪い」超に転じた。9月
調査で、公共・民間工事の受注獲得などから改善し、「良い」超に転じたものの、12 月調
査では、公共工事受注の減少などから悪化し、
「良い」超が解消した。28 年3月調査では、
公共工事受注の減少などから悪化し、
「悪い」超に転じた。
「小売業」は、26 年6月調査以
降、「悪い」超で推移した。27 年3月調査、6月調査では、個人消費の持ち直し、原油安
やコスト転嫁による収益の改善などにより、
「 悪い」超幅が縮小したものの、9月調査では、
個人消費の下振れなどから「悪い」超幅が再び拡大した。28 年3月調査では、個人消費の
持ち直しなどから、「悪い」超幅が縮小した。(図2-22③)
図2-22
業種別業況判断D.I.の推移(③非製造業)
%ポイント
%ポイント
60 60
40 40
20
0
-20
建設
建設
非製造業全体
非製造業全体
卸売
卸売
20
0
-20
-40
-40
-60
-60
宿泊・飲食サービス
-100
平成
平成
サービス
小売
宿泊・飲食サービス
-80
-100
サービス
小売
-80
3
6
9
3 236
12
9
23
3
12
6
3
9
6 9
24
24
12
12
3
6
3
9
625 9
12
3
6
9
12
3
6
12
3
6 26 9
12
3
6 279
25
26
27
9
12
12
3
調査月
328 調査月
年
28
年
注1:「サービス」は、「対事業所サービス」及び「対個人サービス」の平均値を用いた。
注2:26 年9月調査まで旧ベース、12 月調査は新旧ベース、27 年3月調査から新ベースのため新
旧ベースは接続しない
注1:「サービス」は、
「対事業所サービス」及び「対個人サービス」の平均値を用いた。
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
注2:26年9月調査まで旧ベース、12月調査は新旧ベース、27年3月調査から新ベースのため
新旧ベースは接続しない
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
28
- 28 -
(中小企業の景況感は第Ⅳ四半期以降に悪化)
県内企業の景況感について、新潟県中小企業団体中央会の中小企業業況判断D.I.(前
年同月に比べて「好転」と回答した組合の構成比-「悪化」と回答した組合の構成比)の
推移をみる。
平成 23 年は、一進一退を繰り返しながら推移したが、24 年第Ⅱ四半期以降は改善が続
いた。26 年第Ⅰ四半期には、
「悪化」と回答した企業が減少したことに加えて、
「好転」と
回答した企業が増加したことも影響し、12.3%ポイントとなった。しかし、第Ⅱ四半期に
は「悪化」と回答した企業が増加したことが影響し、マイナスに転じ、その後も悪化が続
いた。27 年は、第Ⅲ四半期をピークとして低下し、28 年第Ⅰ四半期では、△44.5%ポイン
トと、24 年第Ⅰ四半期以来、12 四半期ぶりに△40%ポイントを下回った。
業種別にみると、24 年第Ⅱ四半期以降、製造業が非製造業を下回る水準で推移していた
が、25 年第Ⅱ四半期に逆転し、製造業が上回った。25 年から 26 年第Ⅰ四半期にかけては、
製造業、非製造業ともに改善が続いたが、第Ⅱ四半期以降は、製造業、非製造業ともに悪
化した。27 年第Ⅰ四半期では、緩やかに悪化した非製造業に対し、製造業が大きく悪化し
たことから、製造業と非製造業の差は縮小した。27 年第Ⅲ四半期では、10 四半期ぶりに非
製造業が製造業を上回ったが、第Ⅳ四半期では、改善した製造業に対し、非製造業が大幅
に悪化したことから、製造業が非製造業を再び上回った。
全国との比較では、新潟県が 24 年第Ⅲ四半期以降、全国を上回って推移した。新潟県
が 25 年第Ⅳ四半期にプラスに転じ、その後の 26 年第Ⅰ四半期もプラスとなったのに対し
て、全国は依然マイナスで推移した。しかし、26 年第Ⅱ四半期以降は、新潟県と全国が逆
転し、新潟県が全国を下回って推移しており、27 年第Ⅲ四半期は差が縮小したものの、第
Ⅳ四半期で拡大した。(図2-23)
図2-23 中小企業業況判断D.I.の推移
40
40
図2-23
%ポイント
中小企業業況判断D.I.の推移
%ポイント
20
20
0
0
全国(全産業)
全国(全産業)
新潟県(全産業)
新潟県(全産業)
-20
-20
-40
-40
新潟県(製造業)
新潟県(製造業)
-60
-60
新潟県(非製造業)
新潟県(非製造業)
-80
-80
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ
平成
平成
23
23
24
24
25
25
26
26
27
27
資料:全国中小企業団体中央会、新潟県中小企業団体中央会「中小企業月次景況調査」
資料:全国中小企業団体中央会、新潟県中小企業団体中央会「中小企業月次景況調査」
29
- 29 -
期
期
28
28 年
年
(経営上の問題点は「人材不足」が最高となった)
経営上の問題点について、一般財団法人新潟経済社会リサーチセンターが実施している
「新潟県企業動向調査」からみる。
平成 27 年上期において「人材不足」の回答割合が最も高くなった。「人材不足」の回答
割合が最も高くなったのは平成元年上期以来、26 年ぶりである。「人材不足」の状況が続
くと、人材確保のために一般的には賃金上昇圧力が高まるが、
「人件費の増加」が「人材不
足」と比べて、それほど上昇していないのは、
「人手不足」の状況にあるものの、賃上げが
伴っていないものと推測される。
次に、「仕入価格の上昇」の回答割合は、26 年上期をピークとして、その後は低下傾向
となっている。原油安などによるエネルギーコストの減少による仕入価格の低下が大きく
影響していると考えられる。仕入れ価格の低下により、経営環境に改善の動きがみられた
ものの、26 年下期以降に「生産・受注・売上げ不振」が 50%弱で高止まりしていることか
ら、企業を取り巻く経営環境は依然として厳しいことがうかがえる。(図2-24)
図2-24
経営上の問題点(複数回答)
%
%
70
70
60
60
25年上期
25年上期
25年下期
25年下期
26年上期
26年上期
26年下期
26年下期
27年上期
27年上期
27年下期
27年下期
50
50
40
40
30
30
20
20
10
10
0
0
仕
仕
入
入
価
価
格
格
の
の
上
上
昇
昇
人
人
材
材
不
不
足
足
先
先
行
行
き
き
見
見
通
通
し
し
難
難
競
競
争
争
・
・
競
競
合
合
激
激
化
化
生
生
産
産
・
・
受
受
注
注
・
・
売
売
上
上
げ
げ
不
不
振
振
販
人
販
売
売
価
価
格
格
の
の
低
低
下
下
人
件
件
費
費
の
の
増
増
加
加
注:調査時期は上期が 5 月、下期が 11 月
資料:(一財)新潟経済社会リサーチセンター「新潟県企業動向調査」
30
- 30 -
労
労
働
働
時
時
間
間
の
の
長
長
期
期
化
化
⑤
民間企業設備投資
(製造業、非製造業ともに減少し、2年ぶりに前年度を下回った)
平成 27 年度の民間企業設備投資実績をみると、製造業は、前年の大型投資の反動など
から、前年度比 11.4%の減少となった。非製造業では、用地確保の困難化に伴う出店先送
りなどから、同 5.8%の減少となった。このため、全産業では同 8.4%減少し、2年ぶりに
前年度実績を下回った。
規模別にみると、製造業は、すべての企業規模で前年度を下回る実績となった。非製造
業は、中堅企業や中小企業で前年度を上回る実績となったものの、大企業は前年度を下回
る実績となった。
28 年度計画では、受注好調に伴う生産能力増強投資が計画されていることから、全産業
で前年度を 8.8%上回る計画となっており、製造業は前年度比 25.1%の増加計画、非製造
業は同 4.7%の減少計画となっている。(図2-25)
図2-25
民間企業設備投資実績の推移(対前年度比)
全産業
①①全産業
%%
8080
製造業
製造業
製造業
60
製造業
(新ベース)
60
(旧ベース)
(新ベース)
(旧ベース)
40
全産業
40
全産業
(旧ベース)
20
(旧ベース)
20
0
0
-20
-20
非製造業
-40
非製造業
全産業
(新ベース)
-40
非製造業
全産業
(新ベース)
(新ベース)
非製造業
(旧ベース)
-60
(新ベース)
(旧ベース)
-60
-80
-80 平成 24
25
26
27
28
28年度
平成 24
25
26
27
28
28年度
%
%
② 製造
%
100
② 製造業 中堅企業
100
中堅企業
(新ベース)
80
(新ベース)大企業
80
中小企業
(新ベース)
大企業
60 (旧ベース)
中小企業
(新ベース)
60 (旧ベース)
40
大企業
40
(旧ベース)
大企業
20
(旧ベース)
20
0
0
-20
中小企業
-20
-40
-40
-60
-60
-80
③ 非製造
%
80
③ 非製造業
80
60
中堅企業
中小企業
60
中堅企業
(旧ベース)
中小企業 (旧ベース)
40
(旧ベース) (旧ベース)
中堅企業
40
(新ベース)
中堅企業
20
(新ベース)
20
0
0
-20
大企業
-20
(新ベース)
大企業
-40
(新ベース)
大企業
-40
-60
中小企業
(旧ベース)
大企業
(新ベース)
-60
中小企業
(旧ベース)
-80
(新ベース)
24
25
26
27
28
平成
28年度
-80
25
26
27
28
平成 24
28年度
(新ベース)
中小企業
(新ベース)
中堅企業
(旧ベース)
中堅企業
(旧ベース)
-80 平成 24
平成 24
25
25
26
26
27
27
28
28年度
28年度
28
注1:25年度実績までは旧ベース、26年度以降は新ベース
注2:大企業は資本金10億円以上、中堅企業は同1億円以上10億円未満、
注1:25年度実績まで旧ベース、26年度実績からは新ベースのため、新旧ベースは接続しない
注1:25 年度実績まで旧ベース、26 年度実績からは新ベースのため、新旧ベースは接続しない
中小企業は同1億円未満、27年度は計画値(27年6月調査時点)
注2:大企業は資本金 10 億円以上、中堅企業は同1億円以上 10 億円未満、中小企業は同1億円
注2:中小企業は資本金1億円未満、28年度は計画値(28年6月調査時点)
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
未満、28 年度は計画値(28 年 6 月調査時点)
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
31
- 31 -
(「既存機械・設備入替」の投資が最も高い)
一般財団法人新潟経済社会リサーチセンターが実施した「新潟県企業動向調査」から企
業の設備投資目的をみる。
平成 27 年度実績では、
「既存機械・設備入替」を回答した企業が 68.2%と最も高くなっ
ており、次いで、「生産能力増大のための機械・設備導入」(32.7%)、「省力化・合理化」
(22.9%)の順で高くなっている。
また、27 年度実績を前年度と比較すると、
「既存機械・設備入替」が 0.4%ポイント、
「生
産能力増大のための機械・設備導入」が 1.2%ポイント、「省力化・合理化」が 0.2%ポイ
ント上昇するなどすべての項目で前年度を上回り、投資意欲の高さをうかがわせる結果と
なった。
28 年度計画では、27 年度実績に比べて「土地購入」が 3.5%ポイント、
「省エネルギー・
環境問題への対応」が 2.5%ポイント低下する見通しとなっている。一方、
「情報化(IT
投資)」が 2.8%ポイント、
「省力化・合理化」
「技術革新・研究開発・新製品開発」がとも
に 1.7%ポイント上昇する見通しとなっており、生産性を高める項目を中心に投資意欲が
高まっている。(図2-26)
図2-26
設備投資の実施目的(複数回答)
%
%
80
26年度(実績)
27年度(実績)
26年度(実績)
70
28年度(計画)
27年度(実績)
28年度(計画)
60
60
50
50
40
40
30
30
20
20
10
10
0
0
既
情
報
情
化
報
増
場
改工
増
場
築等
改
の
等
化
舗
設・
工
築
の
I
IT
投
T
資
投
資
め
環
省
境
環
エ
問省
境
ネ
エ
題
問
ル
ネ
へ
題
ギ
ル
の
へ
ギ
対・
の
応・
対
応
ーー
店
新
舗
設店
新
・
))
入
省
力
省
化
力
・
化
合
・
理
合
化
理
化
( (
生
の
産
生
機
の
能
産
械
機
力
能
・
械
増
力
設
・
大
増
備
設
の
大
導
備
た
の
導
入
た
め
、 、
存
既
機
存
械
機
・
械
設
・
備
設
入
備
入
替
替
技
術
・技
革
術
新
・
新
革
製
新
・
新
品
製
研
・
開
品
究
研
発
開
開
究
発
開
発
発
注:26 年度及び 27 年度は実績値、28 年度は計画値
資料:(一財)新潟経済社会リサーチセンター「新潟県企業動向調査」
32
- 32 -
土
地
土
購
地
入
購
入
経
新
営
分経
新
多
営
野
分
角
多
進
野
化
角
出
進
・
化
出
・
⑥
企業金融
(金利は低下が続き、貸出態度は緩和、資金繰りは改善)
企業金融の状況について、企業金融関連判断D.I.の推移をみると、「借入金利水準判
断D.I.」(「上昇」と回答した企業の構成比-「低下」と回答した企業の構成比)は、平
成 25 年9月調査でゼロとなったが、その後は「低下」超が続き、26 年3月調査以降は横
ばいで推移していたが、28 年3月調査で「低下」超が大幅に拡大した。これは日本銀行が
同年2月に導入したマイナス金利の影響と考えられる。
また、「金融機関の貸出態度判断D.I.」(「緩い」と回答した企業の構成比-「厳しい」
と回答した企業の構成比)は、
「緩い」超が続いており、金融機関からの資金調達はしやす
くなっていると考えられる。
金融機関の融資スタンスの緩和に加え、企業業績の改善等から、「資金繰り判断D.I.」
(「楽である」と回答した企業の構成比-「苦しい」と回答した企業の構成比)は、25 年
6月以降「楽である」超が続いた。27 年には、融資スタンスの緩和が続いていることもあ
り、さらに「楽である」超が拡大し、資金繰りに余裕が生じていると推測される。
(図2-
27)
30
30
%ポイント
%ポイント
図2-27
図2-27 企業金融関連判断D.I.の推移
企業金融関連判断D.I.の推移
金融機関の貸出態度判断D.I.
金融機関の貸出態度判断D.I.
資金繰り判断D.I.
資金繰り判断D.I.
20
20
10
10
00
-10
-10
借入金利水準判断D.I.
借入金利水準判断D.I.
-20
-20
-30
-30
平成
平成
33
66
12 33
99 12
66
12 33
99 12
66
12 33
99 12
66
12 33 66 99 12
12 33 調査月
調査月
99 12
23
24
25
26
27
28
23
24
25
26
27
28
年年
注:26年度9月調査まで旧ベース、12月調査は新旧ベース、27年3月調査から新ベースの
注:26年度9月調査まで旧ベース、12月調査は新旧ベース、27年3月調査から新ベースの
ため、新旧ベースは接続しない
ため、新旧ベースは接続しない
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
資料:日本銀行新潟支店「企業短期経済観測調査」
- 33 - 33 -
⑦
企業倒産
(倒産件数は前年に比べて増加したものの、引き続き低水準で推移)
県内企業の倒産状況(負債総額1千万円以上)をみると、平成 27 年の企業倒産件数は、
94 件(前年 90 件)となり、前年に比べて4件、4.4%増加したものの、2年連続で 100 件
を下回る低水準であった。
業種別でみると、建設業が 23 件(前年 23 件)で最も多く、次いで食料品が 21 件(前
年 24 件)、サービス業が8件(前年 12 件)の順となった。原因別でみると、業績低迷や赤
字累積等を要因とする不況型倒産が 87 件(前年 72 件)となり、前年と比べて 15 件、20.8%
増加した。その中でも業績低迷が大多数を占め、件数は 82 件(前年 55 件)で、前年と比
べ 27 件、49.1%増加した。
また、27 年の負債総額は、約 171 億円(前年約 201 億円)で、前年比 14.7%の減少と
なった。四半期ベースでは、第Ⅱ四半期及び第Ⅲ四半期は、負債総額、1件あたりの負債
総額ともに前年同期を下回った。なお、負債総額 10 億円を超える大型倒産は、27 年は3
件であり、前年の2件と比べて増加した。
25 年3月に中小企業金融円滑化法が終了した以降も経営再建が遅れている融資先から
の返済条件の変更要請に金融機関が柔軟に応じていることや、政府による景気回復対策等
も効果を発揮しているとみられ、倒産件数、負債総額ともに、26 年に引き続き低水準で推
移した。(図2-28)
図2-28
300
300
企業倒産件数と負債総額の推移
億円
億円
200
200
負債総額
負債総額
100
100
00
60
60
件件
億円
億円
倒産件数
倒産件数
99
1件あたりの負債総額
1件あたりの負債総額
(右目盛)
(右目盛)
40
40
66
20
20
33
00
00
Ⅰ Ⅱ
Ⅱ Ⅲ
Ⅲ Ⅳ
Ⅳ Ⅰ
Ⅰ Ⅱ
Ⅱ Ⅲ
ⅢⅣ
ⅣⅠ
ⅠⅡ
Ⅱ ⅢⅢ ⅣⅣ ⅠⅠ ⅡⅡ ⅢⅢ ⅣⅣ ⅠⅠ ⅡⅡ ⅢⅢ ⅣⅣ ⅠⅠ 期期
Ⅰ
平成
平成
23
23
24
24
2525
2626
資料:東京商工リサーチ新潟支店「新潟県内企業整理・倒産状況」
資料:東京商工リサーチ新潟支店「新潟県内企業整理・倒産状
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2727
2828 年年
⑧
信用保証の状況
(保証承諾件数、代位弁済額ともに減少)
新潟県信用保証協会によると、平成 27 年の保証承諾件数は 14,301 件(前年 16,081 件)
となり、前年を 11.1%下回った。20 年 10 月に始まった緊急保証制度が 23 年3月末に終了
し、23 年第Ⅰ四半期で6千件近くあった件数が、第Ⅱ四半期以降、4千件程度にまで減少
した。24 年第Ⅱ四半期は 4,136 件と前年同期比で5期連続減少していたものの、第Ⅳ四半
期には5千件に達した。しかし、25 年以降は4千件前後で推移している。
保証協会が中小企業に代わり、金融機関に債務を支払う代位弁済額は、27 年は 68 億8
千万円(前年 82 億9千万円)と前年比 17.0%の減少となった。四半期別では 27 年第Ⅰ四
半期こそ 19 億4千万円と前年同期比で 11.5%増加したものの、第Ⅱ四半期から 28 年第Ⅰ
四半期においては前年同期を下回った。(図2-29、2-30)
図2-29
保証承諾件数と対前年同期比の推移
図2-29 保証承諾件数と対前年同期比の推移
件
件
%
%
8,000
8,000
対前年同期比
保証承諾件数
保証承諾件数
6,000
6,000
50
50
対前年同期比
(右目盛)
(右目盛)
4,000
0
4,000
0
2,000
2,000
0
-50
0 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 期-50
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 期
平成
23
24
25
26
27
28 年
平成
23
24
25
26
27
28 年
図2-30 代位弁済額と対前年同期比の推移
代位弁済額と対前年同期比の推移
図2-30
5050
億円
億円
%
%
120
120
対前年同期比
対前年同期比
(右目盛)
4040
80
80
代位弁済額
代位弁済額
3030
40
40
2020
00
1010
-40
-40
00
-80
-80
ⅠⅠ ⅡⅡ ⅢⅢ ⅣⅣ ⅠⅠ ⅡⅡ ⅢⅢ ⅣⅣ ⅠⅠ ⅡⅡ ⅢⅢ ⅣⅣ ⅠⅠ ⅡⅡ ⅢⅢ ⅣⅣ ⅠⅠ ⅡⅡ ⅢⅢ ⅣⅣ ⅠⅠ 期
期
平成
平成
2323
2424
2525
2626
2727
資料:新潟県信用保証協会「保証にいがた」
資料:新潟県信用保証協会「保証にいがた」
注:「緊急保証制度」とは、政府による中小企業の資金繰り支援策。原材料等のコスト高を
注:「緊急保証制度」とは、政府による中小企業の資金繰り支援策。原材料等のコスト高を
価格転嫁できていない中小企業などが対象で、民間金融機関からの融資を受ける際には
価格転嫁できていない中小企業などが対象で、民間金融機関からの融資を受ける際には
信用保証協会が保証し、返済が滞った場合は信用保証協会が金融機関へ代位弁済する。
信用保証協会が保証し、返済が滞った場合は信用保証協会が金融機関へ代位弁済する。
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2828
年
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