マーケット・フォーカス

マーケット・フォーカス
2016/
経済:日本
12/14
投資情報部
シニアエコノミスト
宮川 憲央
業況判断が改善する一方、先行きの慎重姿勢は残る
 大企業・製造業の業況判断DIは10となり、前回9月調査から4ポイントの改善となった。また、
全体的にみれば、非製造業に比べて製造業の改善幅が大きい傾向が示されている。生産活
動に持ち直しの動きがみられるほか、大幅に円安が進んだことが寄与したとみられる。
 一方、先行きの業況判断DIは全体的に悪化が見込まれているほか、設備投資計画も小幅
の上方修正にとどまっており、企業は先行きを楽観視していないことがうかがえる。このた
め、設備投資や賃金の増加を通じて、民間主導で自律的に成長力が高まるには時間を要す
るとみられる。
 日銀は9月に「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入し、粘り強く目標達成を目指す
姿勢に転換しているため、もともと追加緩和は当面、見込みづらい状況であるが、今回の短
観も日銀に追加緩和を促すような内容とまではいえない。日銀による追加緩和は当面、見送
られる可能性が高い。一方で、日本経済が成長への勢いを欠き、物価目標の達成が難しい
状況にあるため、現在の金融緩和政策や低金利は長期化する可能性が高いと考えている。
製造業を中心に業況
判断は改善
大企業・製造業の業況判断DIは10(前回9月調査比+4ポイント)となり、事前の市
場予想と一致した。一方、大企業・非製造業の業況判断DIは18(同±0ポイント)とな
り、こちらは市場予想(ブルームバーグの集計では19)を下回った。また、中堅企業
や中小企業でも業況判断が改善した結果、全規模・全産業ベースの業況判断DIは
7(同+2ポイント)となった。全体的にみれば、業況判断は小幅に改善するとともに、
非製造業に比べて製造業の改善幅が大きい傾向が示されている。生産活動に持ち
直しの動きがみられるほか、この間大幅に円安が進んだことが寄与したとみられる。
一方、「先行き」の業況判断DIについては、全体的には悪化が見込まれている。
業況判断の改善が進んだ局面では、先行きのDIが慎重になるという統計のクセは
あるものの、企業が先行きを楽観視していないことがうかがえる。
業種別の動きをみると、大企業・製造業では鉄鋼や造船・重機等、食料品等で業
況判断が悪化した一方、石油・石炭製品、非鉄金属、電気機械、はん用機械、自動
車等で改善した。商品市況の持ち直しや円安が寄与したとみられる。また、大企業・
非製造業では電気・ガスや対事業所サービス等で業況判断が改善した一方、物品
賃貸や不動産のほか、小売、対個人サービス、宿泊・飲食サービスといった個人消
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
1
2016/12/14
マーケット・フォーカス
費関連業種等で悪化となった。個人消費の伸び悩みやインバウンド需要の鈍化が
影響しているとみられる。
日銀短観・業況判断DI
業況判断DI
(%ポイント)
2016年6月調査
最近
製造業
大企業
非製造業
全産業
製造業
中堅企業
非製造業
全産業
製造業
中小企業
非製造業
全産業
製造業
全規模
非製造業
全産業
先行き
6
18
12
3
15
10
▲3
1
0
1
7
5
2016年9月調査
最近
6
16
11
1
10
6
▲5
▲2
▲3
0
4
2
先行き
変化幅
8
16
13
2
9
7
▲ 4
▲ 2
▲ 3
1
4
2
変化幅
▲2
▲2
▲1
▲4
▲7
▲5
▲5
▲4
▲5
▲3
▲5
▲5
2016年12月調査
先行き
変化幅
4
8
0
▲3
0
29
▲3
4
1
10
17
11
1
12
▲7
▲5
12
6
▲4
12
2
5
8
12
4
10
0
10
9
10
▲7
▲ 14
2
12
1
8
3
9
0
16
1
29
▲2
27
▲3
20
▲1
8
▲4
13
2
5
0
39
2
18
5
5
4
27
▲3
18
▲3
11
2
13
変化幅
▲2
0
▲ 12
▲7
3
▲ 11
6
2
▲ 14
▲ 12
▲5
▲2
0
0
6
11
2
0
▲1
▲2
▲ 11
▲6
0
▲1
10
▲3
▲5
▲3
▲3
▲6
▲5
2
▲1
4
0
2
3
1
2
4
1
2
3
2
2
10
18
14
6
16
12
1
2
2
4
9
7
出所:日本銀行「短観」のデータよりみずほ証券作成
業種別の業況判断DI(大企業)
業況判断DI
(%ポイント)
2016年9月調査
最近
先行き
最近
製造業
6
6
10
繊維
▲3
▲6
▲3
木材・木製品
41
29
41
紙・パルプ
14
7
11
化学
6
8
7
石油・石炭製品
5
11
22
窯業・土石製品
5
7
6
鉄鋼
0
2
▲7
非鉄金属
8
3
20
食料品
28
16
24
金属製品
8
3
10
はん用機械
6
14
14
生産用機械
6
8
10
業務用機械
10
20
10
電気機械
▲5
3
4
造船・重機等
▲ 18
▲ 18
▲ 25
自動車
8
3
10
素材業種
7
7
8
加工業種
7
6
10
非製造業
18
16
18
建設
39
30
40
不動産
35
29
33
物品賃貸
23
17
20
卸売
10
7
9
小売
7
12
3
運輸・郵便
6
3
8
通信
44
33
44
情報サービス
19
17
21
電気・ガス
3
5
8
対事業所サービス
29
27
33
対個人サービス
26
20
23
宿泊・飲食サービス
12
8
9
全産業
12
11
14
出所:日本銀行「短観」のデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
22
2016/12/14
(ポイント)
マーケット・フォーカス
業況判断DI(全規模・全産業)の推移
(四半期:1990/3~2017/3)
業況判断DI(大企業)の推移
(四半期:1990/3~2017/3)
(ポイント)
60
60
40
40
20
20
0
0
▲ 20
▲ 20
▲ 40
▲ 40
製造業
非製造業
▲ 60
▲ 60
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17
(年)
(注) シャドー部分は景気後退期間、直近(2017/3)の数値は先行き
出所:日本銀行「短観」のデータよりみずほ証券作成
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17
(注) シャドー部分は景気後退期間、直近(2017/3)の数値は先行き
出所:日本銀行「短観」のデータよりみずほ証券作成
人手不足感はさらに
強まる
(年)
その他のDIについて主な動きをみると、大企業・製造業の製商品・サービス需給
判断DIは国内で前回調査比+2ポイント、海外で同+1ポイントと、ともに改善したほか
製商品在庫水準判断DIは同▲1ポイントとなっており、在庫調整が進展し、需給バラ
ンスが改善していることが示されている。
価格判断では、大企業・製造業の販売価格判断DIが前回調査比+3ポイント、商
品市況の上昇を受けて、仕入価格判断DIは同+7ポイントとなっており、交易条件
(販売価格判断DI-仕入価格判断DI)は同▲4ポイントとなった。また、販売価格判
断DIは大企業・非製造業や中小企業でも上昇しており、緩やかながら物価下落圧
力が和らいでいる様子がうかがえる。
全規模・全産業の生産・営業用設備判断DIは0(前回調査比±0ポイント)、雇用人
員判断DIは▲21(同▲2ポイント)となった。設備の過剰感は解消し、人手不足感は
さらに強まっている。ただ、設備や雇用の需給は引き締まっているものの、設備投資
の増加や賃金および物価の上昇には結びつきづらいという状況は続いている。
(ポイント)
60
50
40
30
仕入・販売価格判断DI(大企業・製造業)の推移
(四半期:1990/3~2016/12)
(ポイント)
30
交易条件(販売-仕入)
20
仕入価格判断DI
過剰
販売価格判断DI
10
20
0
10
0
▲ 10
▲ 10
不足
▲ 20
▲ 20
▲ 30
▲ 30
▲ 40
▲ 40
▲ 50
▲ 60
雇用人員判断と生産・営業用設備判断DI(全規模・全産業)の推移
(四半期:1990/3~2016/12)
生産・営業用設備判断DI
▲ 50
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年)
出所:日本銀行「短観」のデータよりみずほ証券作成
雇用人員判断DI
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16
(年)
(注) シャドー部分は景気後退期間、生産・営業用設備判断DIは1990/12から
出所:日本銀行「短観」のデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
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2016/12/14
マーケット・フォーカス
円安を受けて、収益
計画は 今後上方修
正へ
全規模・全産業の2016年度の収益計画は売上高が前年度比▲1.6%(前回調査比
0.8%の下方修正)、経常利益が同▲8.2%(同0.1%の下方修正)となった。大企業・製
造業の想定為替レートは9月調査の1ドル=10 7.92円から同104.90円に円高方向へ
修正されたことが一因とみられる。もっとも、足元では大幅に円安が進行しているた
め、今後も1ドル=110円台を維持するようであれば、収益計画は今後、上方修正さ
れていくとみられる。
経常利益計画の推移(全規模・全産業、前年度比)
(2006年度=100)
120
(%)
35
111.4
110
30
25
経常利益の推移(全規模・全産業)
(年度:2002~2016)
12年度
13年度
14年度
15年度
100
16年度
102.3
100.0
90
20
80
15
70
10
60
5
50
40
0
30
▲5
20
16年度
▲ 10
10
0
▲ 15
3月調査
6月調査
9月調査
12月調査
実績見込
2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
(年度)
実績
(注) 2014年度の12月調査以降は調査対象企業見直し後のデータ、12月調査は見直し前後の結果を併記している
出所:日本銀行「短観」のデータよりみずほ証券作成
(注)経常利益の2006年度=100として指数化、2016年度は2016年12月調査時点の計画
出所:日本銀行「短観」のデータよりみずほ証券作成
企業の売上・収益計画
売上高
(前年度比・%)
2015年度
大企業
中堅企業
中小企業
全規模合計
製造業
国内
輸出
非製造業
全産業
製造業
非製造業
全産業
製造業
非製造業
全産業
製造業
非製造業
全産業
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
2.3
3.1
0.3
2.8
2.6
0.5
0.5
0.5
0.6
0.3
0.1
1.4
1.3
1.3
2016年度
(計画)
修正率
▲ 3.7
▲ 2.0
▲ 2.5
▲ 1.7
▲ 6.3
▲ 2.7
▲ 2.8
▲ 1.3
▲ 3.2
▲ 1.6
▲ 0.4
▲ 0.4
1.3
▲ 0.1
0.9
▲ 0.2
▲ 0.9
▲ 0.5
▲ 0.5
0.5
▲ 0.6
0.3
▲ 2.7
▲ 1.5
▲ 1.1
▲ 0.4
▲ 1.6
▲ 0.8
経常利益
(前年同期比・%)
2016/上期
(計画)
修正率
▲ 6.0
▲ 2.6
▲ 4.2
▲ 1.8
▲ 9.9
▲ 4.3
▲ 5.8
▲ 2.2
▲ 5.9
▲ 2.4
▲ 1.6
▲ 0.3
0.5
▲ 0.4
0.0
▲ 0.4
▲ 1.9
▲ 0.5
▲ 0.8
0.8
▲ 1.0
0.5
▲ 4.6
▲ 1.9
▲ 2.8
▲ 0.9
▲ 3.4
▲ 1.2
2016/下期
(計画)
修正率
▲ 1.4
▲ 1.5
▲ 0.9
▲ 1.6
▲ 2.6
▲ 1.2
0.1
▲ 0.4
▲ 0.5
▲ 0.8
0.7
▲ 0.6
2.1
0.2
1.8
0.0
0.2
▲ 0.5
▲ 0.2
0.3
▲ 0.2
0.1
▲ 0.8
▲ 1.2
0.4
0.0
0.1
▲ 0.4
2016/上期
(計画)
修正率
▲ 26.0
0.3
▲ 23.1
▲ 9.3
▲ 27.1
4.9
▲ 3.9
5.3
▲ 14.5
3.2
▲ 9.2
3.7
5.9
8.7
0.7
7.1
▲ 1.9
8.5
5.3
12.2
3.5
11.3
▲ 21.7
1.7
▲ 0.4
7.4
▲ 9.4
5.3
2016/下期
(計画)
修正率
▲ 9.4
▲ 10.1
7.0
▲ 6.5
▲ 16.0
▲ 11.8
▲ 6.3
▲ 7.7
▲ 7.8
▲ 8.8
▲ 1.5
▲ 1.7
▲ 5.0
▲ 1.5
▲ 3.9
▲ 1.6
9.7
▲ 0.5
▲ 11.8
2.8
▲ 7.1
2.0
▲ 5.9
▲ 7.6
▲ 7.6
▲ 3.8
▲ 6.9
▲ 5.3
(前年度比・%)
2015年度
2016年度
(計画)
修正率
▲ 18.9
▲ 5.0
▲ 10.1
▲ 7.9
▲ 22.3
▲ 3.6
▲ 4.9
▲ 0.8
▲ 11.6
▲ 2.6
▲ 5.3
0.8
▲ 0.3
2.9
▲ 1.8
2.3
3.9
3.6
▲ 4.1
7.3
▲ 2.2
6.3
▲ 14.6
▲ 3.1
▲ 3.9
1.9
▲ 8.2
▲ 0.1
(前年同期比・%)
製造業
▲ 5.3
うち素材業種
3.8
大企業
加工業種
▲ 8.5
非製造業
11.5
全産業
2.8
製造業
8.0
中堅企業
非製造業
9.5
全産業
9.0
製造業
3.4
中小企業
非製造業
10.1
全産業
8.4
製造業
▲ 2.9
全規模合計
非製造業
10.8
全産業
4.8
(注) 修正率・幅は、前回調査との対比
出所:日本銀行「短観」のデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
44
2016/12/14
マーケット・フォーカス
設備投資に慎重な姿
勢は変わらず
全規模・全産業の2016年度の設備投資額(含む土地投資額)は前年度比+1.8%
(前回調査比0.2%の上方修正)となった。例年のパターン通り、中小企業の計画が
上方修正となる一方、大企業の計画は9月から下方修正となった。9月調査からの修
正率がここ最近と比べて小幅にとどまったほか、12月調査時点の計画としては12年
度以降の水準を下回っている点をみても、企業が積極的に投資を積み増す動きは
うかがわれない。内外の需要低迷等、外部環境に不透明感が残るなかで、企業は
設備投資に対して慎重な姿勢を崩していないとみられる。
なお、GDPベース設備投資の概念に近いソフトウェアを含む設備投資額(除く土
地投資額)の16年度計画は前年度比+3.4%(前回調査比1.1%の下方修正)となっ
た。
設備投資計画の推移
(全規模・全産業、含む土地投資額、前年度比)
(%)
10
12月調査における設備投資計画の前回調査比修正率
(全規模・全産業、含む土地投資額)
(%)
3
8
2
6
1
4
2
0
16年度
0
03~07年度平均
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
▲1
▲2
▲4
▲2
▲3
▲6
3月調査
6月調査
9月調査
12月調査
実績見込
00
実績
(注) 2014年度の12月調査以降は調査対象企業見直し後のデータ、12月調査は見直し前後の結果を併記している
出所:日本銀行「短観」のデータよりみずほ証券作成
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年度)
出所:日本銀行「短観」のデータよりみずほ証券作成
設備投資計画(含む土地投資額)
(前年度比・%)
2015年度
2016年度
修正率
11.2
▲
2.5
▲
5.5
▲
2.4
▲
▲ 5.9
▲ 3.0
▲ 11.2
▲ 3.8
▲ 6.2
5.6
▲
▲ 0.1
1.8
(計画)
大企業
中堅企業
中小企業
全規模合計
製造業
非製造業
全産業
製造業
非製造業
全産業
製造業
非製造業
全産業
製造業
非製造業
全産業
8.4
1.0
3.4
9.3
8.3
8.7
11.5
5.2
7.2
9.1
2.9
5.0
1.4
0.4
0.7
1.9
2.6
0.9
4.8
2.3
3.1
0.5
0.6
0.2
(注)修正率・幅は前回調査との対比、ソフトウェア投資額は含まない
出所:日本銀行「短観」のデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
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2016/12/14
マーケット・フォーカス
日本経済の 伸び 悩
みが続くなか、日銀
は現在の金融緩和を
継続へ
以上のように、今回の短観は、①円安の進行もあり、製造業を中心に業況判断は
改善した、②経常利益の計画は下方修正されたものの、円安が進行していることを
ふまえれば、収益計画は今後、上方修正されていくとみられる、③一方で先行きの
業況判断DIは総じて低下しているほか、設備投資を積極的に積み増す様子は依然
としてうかがわれず、企業が先行きに対する慎重姿勢を崩していない、等が確認さ
れる結果となった。
日本経済は人手不足にともなう雇用環境の改善に加えて、円安を背景とする企業
収益の改善、政府による経済対策が下支えすると見込まれる一方、こうした企業の
慎重姿勢をふまえると、設備投資や賃金の増加を通じて、民間主導で自律的に成
長力が高まるには時間を要するとみられる。当面の日本経済の成長ペースは緩や
かなものにとどまる可能性が高い。
金融政策への影響を考えると、日銀は9月に「長短金利操作付き量的・質的金融
緩和」を導入し、粘り強く目標達成を目指す姿勢に転換しているため、もともと追加
緩和は当面、見込みづらい状況であるが、今回の短観も日銀に追加緩和を促すよ
うな内容とまではいえない。また、円安の進行や原油価格の上昇は、消費者物価上
昇率で2%という物価安定目標の達成を目指す日銀にとって追い風といえる。このた
め、日銀は追加緩和を見送り、経済・物価情勢や政策の効果を見極めていく可能
性が高いとみている。もっとも、日本経済が成長への勢いを欠き、物価目標の達成
が難しい状況に変わりはないため、現在の金融緩和政策や低金利は長期化する可
能性が高いと考えている。
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/12/14
金融商品取引法に係る重要事項
マーケット・フォーカス
■国内株式のリスク
リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化
等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
■国内株式の手数料等諸費用について
○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料
をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税
込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
○保護預かり口座管理料は無料です。
■外国株式のリスク
○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含
む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込
むことがあり、損失を被ることがあります。
○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与
えることがあります。
○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が
当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売
却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市
場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し
ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。
○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商
品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。
■外国株式の手数料等諸費用について
○外国委託取引
国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および
諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。
詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金
に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、
約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。
○国内店頭(仕切り)取引
お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別
途手数料および諸費用はかかりません。
○国内委託取引
当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託
手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に
97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
○外国証券取引口座
外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券
取引口座管理料は無料です。
外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決
定した為替レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または
お客さま向け資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-161214-24
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性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
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