平成28年度 校内研修(究)計画書

平成28年度 校内研修(究)計画書
十和田市立ちとせ小学校
1
学校の教育課題
基礎的・基本的内容の確実な
定着と学力の向上
自己抑制力および望ましい
健全な生活習慣の育成
人間関係の育成
教育目標
進んで考え表現する子
明るく思いやりのある子
健やかでたくましい子
努力目標
ともに学び,自分の考えを
表現する子どもを育てる
2
ともに支え,思いやりの心で
人とかかわる子どもを育てる
ともにきたえ,健康や安全
に努める子どもを育てる
本年度の研究計画
(1) 研究主題
ともに学び合い 生き生きと表現できる子どもの育成
~社会科,理科,生活科における「学び合い」の研究~
※「学び合い」…「学び合い」の基礎となるものは,児童に学びの場を保証することと,安心して
学ぶことができる環境をつくることである。教え合うのではなく,自ら学ぼうと
する意志が必要である。また,
「学び合い」の中で確実に学力を身に付けさせるた
めには,高い課題を設定することが必要である。
※生き生きと表現できる子ども…生き生きと表現できるということは,自分で学んだことに自信を
もつということである。分からないことも,お互いに学び合いながら確実に理解
し,分かったことを発信したいという意欲をもたせることが必要である。
(2)主題設定の理由
①学習指導要領等との関連
学習指導要領においては,
「児童に生きる力をはぐくむことを目指す」と規定されている。
「生
きる力」とは,平成 8 年 7 月の中央教育審議会答申において「基礎・基本を確実に身に付け,い
かに社会が変化しようと,自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,
よりよく問題を解決する資質や能力,自らを律しつつ,他人とともに協調し,他人を思いやる心
や感動する心などの豊かな人間性,たくましく生きるための健康や体力などである」と指摘され
ている。
また,平成 20 年 1 月の中央教育審議会答申でも①基礎的・基本的な知識・技能の習得,②思
考力・判断力・表現力等の育成,③学習意欲の向上や学習習慣の確立,④豊かな心や健やかな身
体の育成のための指導の充実をバランスよく図ることが求められている。
これら学習指導要領における記述を受け,校内研修を進めるにあたって,
ア.基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させること
イ.よりよく問題を解決できる思考力・判断力・表現力を育成すること
ウ.主体的に判断し,行動できるように,学習意欲の向上と学習習慣を確立すること
エ.自らを律しつつ,他人とともに学び合うことができる人間性の育成
に取り組んでいくことが大切であると考える。
本校では,これらの課題を解決するための手立てとして,
「学び合い」を取り入れている。
「学
び合い」を通して,児童同士の学びの相互作用を促し,基礎・基本の定着と思考力・判断力・表
現力を育成していく。
②学校教育課題との関連
本校の児童は,明るく元気なあいさつができ,感受性が豊かで独創的な思考が働くという良さ
が見られる。しかし,自分の成長を感じながらも,課題を最後までやり遂げることや,さらなる
成長をしようという気持ちにやや欠ける児童が全体的に多い実態が学習意欲に関するアンケー
トから分かっている。
本校の教育課題は「基礎的・基本的内容の確実な定着と学力の向上」である。そのために,百
マス計算や音読・暗唱に全校的に取り組み,基礎的な能力を高める一方,学習指導においては「学
び合い」を通して学力の向上を図っていきたい。
「学び合い」により,児童がお互いに表現し,得
られた知識を出し入れする中で,学力全体を高め合っていくことを目指していきたい。
③これまでの研究の成果と課題との関連
本校では,平成26年度から「ともに学び合い,生き生きと表現できる児童の育成」をねらい
とし,
「学び合い」の場面設定や支援の在り方について研究を進めてきた。適度に難易度を上げた
問題を設定することで,見通しをもって学習に臨むことの大切さや,話し合いの有効性について
ある程度の成果を得ることができた。
一方で,教師側の反省としては,課題設定の難しさや思考の共有の難しさがあるという意見が
出された。今年度は,これまでの研究を継続しつつ,児童の実態に応じた課題設定や,思考をつ
ないでいく学び合いについての研究を進めていきたい。
(3)研究目標
ともに学び合い,生き生きと表現できる児童を育成するためには,すべての児童が参加で
きる学び合いの中で,適度な難易度の課題に取り組むことが有効であることを,実践を通し
て明らかにする。
(4) 研究仮説
社会科,理科,生活科の学習指導において,学習過程の中で「学び合い」の場面を設け,教
師がユニバーサルデザインを取り入れながら,学習の見通しをもたせる支援を行うことで,児
童は自ら学ぶ意欲をもち,生き生きと表現できるようになるであろう。
○学習過程における「学び合い」と支援例
学習過程
「学び合い」例
支援
つかむ・見通す
・事象提示,問題提示に対して学習
・学習形態を工夫(グループ,ペア
課題をつかむ場面で,まわりの児
等)し,分からない場合はまわり
童と確認しながら自分なりにつ
の子に聞くことができるように
かむことができる。
する。
・問題解決の見通しをもつ場面で
は,自分の予想や仮説について検
討することができる。
・視覚的な手掛かりを活用し,学習
の見通しを児童にもたせる。
・予想や仮説について検討する場
を設けたり,教師が児童の意見を
つないだりする。
自ら学ぶ
・自力解決を基本としつつ,分から
・解決方法別のグループを編成す
ない時やうまくいかない時は,ま
るなど,スムーズに学び合いがで
わりの児童に質問したり,検討し
きる配慮をする。
たりすることができる。
より深く考える
・自分で出した結論について,グル
・自分の考えを発表するだけでな
ープや全体で情報交換をしなが
く,分からないことを質問した
らより妥当な考えをもつことが
り,まとめたりできるように,発
できる。
表の仕方を指導する。
・自分たちの考えを自分たちの言
まとめる
葉でまとめることで,学び合いを
・児童の発言や大事なキーワード
など,板書を工夫する。
通して自ら知識を獲得すること
ができる。
習熟
・発展的な問題や活用問題につい
・その時間に得た知識をもとに考
て考えることで,それまでに得た
えることができる問題や,次の疑
知識を生かし,また,次の活動へ
問につながる問題について考え
の意欲をもつことができる。
させる場面で,児童が学び合いな
がら得た知識を確認できるよう
にする。
※上記の例をもとに,各過程における「学び合い」の仕方や支援について研究をする。
○ユニバーサルデザインを取り入れた支援について
授業におけるユニバーサルデザインは,配慮を要する児童には,
「無いと困る支援」で,他
の児童には「有効な支援」である。本校では,授業のユニバーサルデザインの中でも「視覚
化」に重点をおいて取り組み,視覚にうったえた学習の手掛かりを効果的に活用することで,
児童の学習過程の見通しがより鮮明になる一助としていきたい。また,挿絵,写真,板書な
どの提示場面を工夫することにより,
「学び合い」についての効果についても研究を進めてい
く。
(5)仮説の検証に向けて
①年次計画
年次(年度)
研究内容
1年次(平成26年度) 教科【社会科,理科,生活科】
【研究の土台づくり】
・
「学び合い」について職員間で共通理解する。
・各教科で「学び合い」を取り入れた学習指導に取り組み,学習過
程の中での効果的な取り組みについて明らかにする。
2年次(平成27年度) 教科【社会科,理科,生活科】
【研究の実践】
・1年次の研究を受けて,「学び合い」の効果的な取り組みを実践
し,児童の変容を見る。
3年次(平成28年度) 教科【社会科,理科,生活科】
【研究のまとめ】
・2年間の研究をうけ,十和田市学習指導研究会において成果を発
表する。
②研究の重点
○学習指導の中で,どのように「学び合い」の場面を取り入れていくかの研究を深める。
○児童の発達段階に応じ,適度に難易度を上げた課題に取り組ませる授業研究を深める。
③具体的な研究方法
○研究教科を「社会科・理科・生活科」とする。
○1学期中に「学び合い」についての「学び合い」の場面設定を提案,検討する。
○研究グループは各教科ブロックとする。
(3グループ)
○検証授業は低・中・高学年から1つずつとする。
○検証授業を行わなかった学年については,指導案作成,授業実践を行い,各教科ブロックの研
究を行う。
○検証授業をする際には,各教科ブロック以外の学年が協力し合い,授業記録・協議記録をとる。
④検証方法
○研究内容については,研究した内容について日常の指導に生かしていく。
PDCAサイクルにより
Plan・・・校内研修計画,各教科ブロックでの指導案検討等
Do・・・・・検証授業
Check・・協議,評価
Act・・・・検証授業・協議をもとに,日常の授業に反映させる
○児童の変容を把握する方法
実態調査(児童の算数に対する意欲,自力解決や交流についての意識調査)
事前テスト(学習内容にかかわる理解度調査)
(単元の学習)
事後テスト(事前テストに準ずるもので,児童の変容を確かめる)
評価テスト(具体的に,単元の学習を通して児童にどの程度学習内容が定着したか
をみとる)
※その他,学習中の行動観察,分析などを行う。
(6) 研究日程
No
月
日
内
容
方
法
教科
領域
助 言 者
6日(月) 校内研修共通理解
全員
①
4月
②
4月20日(水) 研修計画の提案
全員
③
5月11日(水) 研修計画書の確認
全員
④
6月
⑤
3学年検証授業
授業者 齋藤 悠介
6月29日(水)
6学年検証授業
授業者 須郷 英明
8日(水) 提案授業指導案検討
6日(水)
2学年検証授業
⑥
7月
⑦
7月20日(水) 指導案検討会①
⑧
7月28日(木) 指導案検討会②
授業者
中村
ゆう子
各教科
ブロック
各教科
ブロック
生活科
理科
社会科
理科
十和田市教育委員会指導課
課長補佐 奈良岡臣哉 先生
社会
十和田市教育委員会指導課
指導主事 二ツ森牧彦 先生
全員
生活科
各教科
生活科
理科
社会科
生活科
理科
社会科
ブロック
各教科
ブロック
生活科
⑨
8月
9日(火) 指導案検討会③
各教科
理科
ブロック
社会科
⑩
⑪
8月18日(木) 指導案検討会④
8月24日(水) 指導案検討会⑤
各教科
社会科
各教科
生活科
理科
ブロック
社会科
9月
7日(水) 発表打ち合わせ
全員
⑬
9月21日(水) 検証授業準備①
全員
⑭
9月28日(水) 検証授業準備②
全員
3日(月) 学習指導研究会準備
⑮
10月
⑯
十和田市学習指導研究会
2学年生活科授業者
中村 ゆう子
10月 4日(火) 3学年理科授業者
齋藤 悠介
6学年社会科授業者
須郷 英明
⑰
11月16日(水)
研究会反省(成果と課題)
課題についての改善策検討
十和田市立南小学校
校長 馬場泰裕 先生
十和田市教育委員会指導課
課長補佐 奈良岡臣哉 先生
十和田市教育委員会指導課
指導主事 二ツ森牧彦 先生
生活科
理科
ブロック
⑫
十和田市立南小学校
校長 馬場泰裕 先生
全員
ブロック
協議
全員
十和田市立南小学校
校長 馬場泰裕 先生
十和田市教育委員会
課長補佐 奈良岡臣哉 先生
十和田市教育委員会
指導主事 二ツ森牧彦 先生
12月
⑱
3
5日(水) 研究の成果と課題
全員
⑲
1月13日(金) 研究のまとめ,次年度の研究
全員
⑳
2月
6日(月) 研究のまとめ,次年度の研究
全員
21
○
2月22日(水) 次年度の研究
全員
研修計画
(1)研修の重点
①幅広く教育技術等を理解したり身に付けたりするため,実践的な研修を行う。
②校外での研修の情報交換の場を設け,指導技術等を共有する。
(2)研修日程
No
月日
内容
方法
講師名
教科・領域
①
8月中
情報教育講座
講義・演習
情報教育
校内講師
②
2月22日
県外研修等報告会
報告
その他
校内講師
本主題での研究
3年目
研究教科等
社会科・理科・生活科
有
○
研修主任
葛西 励
研究指定の有無
・ 無
十和田市学習指導研究会指定校