大阪労働局 Press Release 西野田労働基準監督署発表 平 成 28 年 8 月 25 日 労働安全衛生法違反の疑いで書類送検 (プレス機械の金型取付け作業時に安全措置を講じていなかった疑い) 平成28年8月25日、西野田労働基準監督署(署長 田中 稔)は、下記のとおり 金属プレス製品製造業を営む個人事業主を労働安全衛生法違反の疑いで、大阪地方検察 庁に書類送検した。 記 1 被疑者 個人事業主A 所 在 地 事 業 内 容 2 3 大阪市西淀川区姫島 金属プレス製品製造業 違反条文等 労働安全衛生法違反 同法第20条第1号 同法第27条第1項 労働安全衛生規則第131条の2第1項 同法第119条第1号(罰則) 事件の概要 被疑者の個人事業主Aは、大阪市西淀川区姫島に工場を置き、金属プレス製品製造 業を営む事業者であり、同工場の労働者の安全管理を行う者であるが、平成27年1 0 月 3 0 日 、同 工 場 内 で 、労 働 者 B に 動 力 プ レ ス の 金 型 の 取 付 作 業 を 行 わ せ る に 際 し 、 同人の身体の一部が危険限界に入るのであるから、同人に安全ブロック等を使用させ る等、スライドが不意に下降することによる労働者の危険を防止するための措置を講 じなければならないのに、これを講じず、機械による危険を防止するために必要な措 置を講じなかったものである。 4 参考事項 (1)平成27年10月30日、大阪市西淀川区姫島にある工場において、労働者Bが プレス機械の金型取付作業を行うに際し、同人が誤ってフートスイッチに触れたた めプレス機械のスライド(上型を取り付けて往復運動をする部分)を下降させてし ま い 、取 り 付 け よ う と し て ボ ル ス タ ー( 下 型( 金 型 の 下 側 の 部 分 )を 取 り 付 け る 台 ) の上に置かれていた上型の上面との間に母指が挟まれ粉砕骨折する労働災害が発生 した。 (2)労働安全衛生規則第131条の2第1項は、プレス機械の金型の取付作業を行う 場合には、プレス機械のスライドが不意に下降することにより労働者の危険を防止 す る た め に 必 要 な 措 置 を 講 じ さ せ な け れ ば な ら な い と 規 定 し て い る 。危 険 限 界 と は 、 「スライド又は刃物が作動する範囲をいうこと。」とされているが、プレス機械の 金型の取付作業については、作業の性質上、スライドが作動する危険な範囲に手な どの身体の一部を入れなければならないことがあるため、プレス機械のスライドが 下降することによる危険を防止するために、事業者は有効な安全措置を講じる義務 がある。 (3)プレス機械のスライドが不意に下降することにより労働者の危険を防止するため に必要な安全措置として、 ①スライドの落下を防止するために上型と下型との間に挿入する安全ブロック ②スライドの運転操作回路を遮断できる抜き差しができる形式のスイッチで ある安全プラグ ③プレス機械の操作盤のキースイッチを「切」に設定し引き抜くことで、主電 動機への通電を遮断するキーロック のいずれかの措置を行うことが必要であるが、本件ではキーロックをして、プレス 機械のスライドが下降しないための措置を講じることができたのに、これを講じて いなかったものである。 (4)適用法条文等は、別紙のとおり。 別紙 適 用 条 文 等 労働安全衛生法第二十条(事業者の講ずべき措置等) 事業者は、次の危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。 一 機械、器具その他の設備(以下「機械等」という。)による危険 二 爆発性の物、発火性の物、引火性の物等による危険 三 電気、熱その他のエネルギーによる危険 労働安全衛生法第二十七条(労働者の遵守事項) 第二十条から第二十五条まで及び第二十五条の二第一項の規定により事業者が講ず べき措置及び前条の規定により労働者が守らなければならない事項は、厚生労働省令 で定める。 2 前項の厚生労働省令を定めるに当たっては、公害(環境基本法(平成五年法律第九 十一号)第二条第三項)に規定する公害をいう。)その他一般公衆の公害で、労働災 害と密接に関連するものの防止に関する法令の趣旨に反しないように配慮しなければ ならない。 労働安全衛生規則第百三十一条の二(スライドの下降による危険の防止) 事 業 者 は 、動 力 プ レ ス の 金 型 の 取 付 け 、取 外 し 又 は 調 整 の 作 業 を 行 う 場 合 に お い て 、 当該作業に従事する労働者の身体の一部が危険限界に入るときは、スライドが不意に 下降することによる労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に安全 ブロック等を使用させる等の措置を講じさせなければならない。 2 前項の作業に従事する労働者は、同項の安全ブロックを使用する等の措置を講じな ければならない。 労働安全衛生法第百十九条(罰則) 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処 する。 一 第 十 四 条 、第 二 十 条 か ら 第 二 十 五 条 ま で 、第 二 十 五 条 の 二 第 一 項 、第 三 十 条 の 三 第一項若しくは第四項、第三十一条第一項、第三十一条の二、第三十三条第一項若し くは第二項、第三十四条、第三十五条、第三十八条第一項、第四十条第一項、第四十 二条、第四十三条、第四十四条第六項、第四十四条の二第七項、第五十六条第三項若 しくは第四項、第五十七条の三第五項、第五十七条の四第五項、第五十九条第三項、 第六十一条第一項、第六十五条第一項、第六十五条の四、第六十八条、第八十九条第 五項(第八十九条の二第二項において準用する場合を含む。)、第九十七条第二項、 第百四条又は第百八条の二第四項の規定に違反した者 関 係 通 達 ( 昭 53・2・10 基 発 第 78 号 ) 「安全ブロックを使用する等の措置」の「等」には、安全プラグ及びキーロックに よる措置が含まれること。
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