仕様書[PDF:150KB]

平成28年度
産業財産権制度各国比較調査研究等事業
(五大特許庁及びその他主要知財庁における特許出願から特許査定までの期間
の現状と実態に関する調査)
仕
様
書
特許庁総務部国際政策課
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1. 件名
平成28年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業(五大特許庁及びその他主要知
財庁における特許出願から特許査定までの期間の現状と実態に関する調査研究)
2.事業目的
企業活動のグローバル化が進む中、海外で事業を開始する国内企業にとって、特許権
を始めとした知的財産権を取得することは、現地企業による模倣や訴訟を回避する点
で、非常に重要である。そのような背景もあり、日本の企業による海外への出願を示す
グローバル出願率は、年々上昇し続けている。
他方、知的財産権の取得にあたり、知財庁によって出願又は審査請求から権利の取得
までに相当の時間が掛かる場合もある。その背景には、当該知財庁における出願・審査
請求数の増大や、審査官の確保が困難であることなど、知財庁からみればやむを得ない
様々な事情がある場合も多いが、そのような知財庁側の理由によって、審査期間が長期
化しているにも関わらず、出願維持手数料等の負担を出願人に課しているような場合も
ある。
さらには、当該国への第一国出願については優先的に審査するものの、他国からの出
願または DO 出願等については第一国出願よりも優先度を下げるなど、当該国における
国内ユーザーと海外ユーザーとを区別して審査を行っている場合もあるようである。
このような状況の下、本調査研究では、以下を調査分析することを目的とする。
① 五大特許庁及びその他主要知財庁における特許出願(又は審査請求)から特許査
定(特許公報発行)までの期間に影響を与える制度の比較分析及びデータの分析
② それら期間に関し、当該国内ユーザーと海外ユーザーとの差に影響を与える制度
及びデータから得られる具体的な差に関する調査分析
③ ②の差が生じる場合における要因分析
3.調査研究内容
(1)調査対象国・地域等
日本人出願人からの出願件数の多い以下の国・地域等を調査対象とする。
日本・米国・欧州・中国・韓国・独国・インド・タイ・ブラジル・カナダ・オー
ストラリア(以下、対象国という。)
(2)調査研究の対象項目
対象国の特許出願(又は審査請求)から特許査定(特許公報発行)までの期間に関す
る情報について、少なくとも以下に記載した項目等を調査する。
(調査項目)
① 対象国における特許出願(又は審査請求)から特許査定(特許公報発行)までの期
間に影響を与える制度の調査
対象国における審査請求制度・出願維持年金制度の有無、特許査定から特許公報の発
行までの期間や、特許出願(又は審査請求)から特許査定(特許公報発行)までの期間
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に影響を与える制度や運用(公開後でなければ審査を開始しない等)について比較調査
を行う。
② 対象国における特許出願(又は審査請求)から特許査定(特許公報発行)までの期
間の比較調査1
直近5年程度の特許出願(又は審査請求)から特許査定(特許公報発行)までの期間
に関する情報や、対象国が公表する年次報告書からデータを収集し、一次審査待ち期間、
最終処分までの期間や特許査定までの期間を集約し、①の内容とともに各国の相違を一
覧できる総括表を作成する。データの抽出にあたっては、商用データベース等を用いて、
可能な限りデータを集約する。
③ 対象国の出願人による当該期間と、対象国からみた外国人による当該期間との比較
の調査
上記②の調査にあたって、特に、特許出願(又は審査請求)から特許査定(特許公報
発行)までの期間については、対象国における内国ユーザーと外国ユーザーとを分けて
集計し、有意な差があるか否かを検討する。その際には、対象国の出願人と、対象国か
らみた外国人との期間に影響を与える制度や運用(当該国における内外国出願人による
応答期間の差違等)について比較調査を行う。
④ ③において有意な差が得られた対象国に関し、主要日本人国籍ユーザー、外国人国
籍ユーザーに対するヒアリング調査
上記③において、有意な差が得られた対象国を抽出し、当該統計データを必要に応じ
て提示しつつ、実体的な感覚として日本人国籍ユーザーがそのような感触を有している
か否かに関する観点、及び、そのような差が生じる要因等についてヒアリング調査を行
う。また、同様に、必要に応じて外国人国籍ユーザーや代理人等へのヒアリングを行う。
<<過去の調査研究報告書の参照について>>
以上の調査に当たっては、以下に挙げる過去の調査研究報告書を参照して、調査を進
めること。
・平成23年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業(特許制度調和に向けた五大特
許庁及び主要国の特許制度・運用に関する調査研究)
・平成26年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業「ブラジル・メキシコ・コロン
ビア・インド・ロシアの産業財産権制度及びその運用実態に関する調査研究」
4.調査研究方法
上記3.で挙げた各調査項目について、下記の調査研究方法で調査し、結果を報告書
にとりまとめる。
対象国 11 か国の 1 年当たりの特許登録数は 90 万件程度であり、調査対象の直近 5 年で
は 90 万×5=450 万件程度の見込み。
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(1)国内外公開情報調査
特に、商用データベース等を用いて、対象国における特許公報に掲載される書誌事項
(特に、出願日(審査請求日)、特許査定日、特許公報発行日、出願人国籍(当該国籍
出願人か否か)等に関するデータを集約する。特に、3.(2)①②③に関する情報集
約を先行して行う。また、各商用データベースにおいて、上記に関連するデータとして
どのようなものが入手できるのかについても検討し、いずれのデータベースを用いるか
について、庁担当者に相談し、承認を得ること。但し、いずれのデータベースを用いた
としても対象国によってデータの収集が困難又は集計が困難な場合等については、代替
策を検討した上で庁担当者に相談し、承認を得ること。
併せて、各国の年次報告書、調査報告書、JETRO 等から公開されている情報、データ
ベース情報(特許庁提供の新興国等知財情報データバンク等)及びインターネット情報
等を利用して、対象国に関する上記に関連する情報を調査、整理及び分析し、結果を日
本語で取りまとめる。この調査を行うに当たっては、庁担当者と随時調整し、承認を得
ること。
国内外公開情報調査は、各調査研究内容で示した観点に関連する事項を広範に調査
し、主要又は重要な事項を中心に取りまとめること。
収集した外国語文献については、必要に応じて日本語に翻訳すること。また、各調査
研究に用いるために、必要な事項を抽出し、整理すること。以上において、結果報告書
に取りまとめた事項の中から必要な事項を抽出する際は、庁担当者と調整し、承認を得
ること。
(2)国内ヒアリング調査
(1)の調査を踏まえ、対象国における特許出願件数が多い者に対して、国内ヒアリ
ング調査を実施し、必要に応じて(1)の調査結果を提示しつつ、対象国における課題、
運用について調査する。
・ヒアリング対象先は、庁担当者と相談しつつ合計で10者程度選定し、理由ととも
に庁担当者に提示し、承認を得ること。
・ヒアリング対象先との連絡調整を行うこと。
・ヒアリング調査項目案は、理由とともに庁担当者に提示し、承認を得ること。
・ヒアリング実施、当日のメモ取り、取りまとめ作業を行うこと。
・国内ヒアリングに庁担当者が同行する場合がある。
(3)海外ヒアリング調査
海外ヒアリングについては、対象国における出願の多い日本人国籍以外の企業、大学、
弁護士・弁理士事務所等から、庁担当者と相談しつつ合計で15者程度を選定する。選
択された者に対して必要に応じて(1)の調査結果を提示しつつ、対象国における課題、
運用について調査する。
・海外調査で活用する特許・法律事務所等との連絡調整を行うこと。
・海外調査の項目は、調査内容案を庁担当者に理由とともに提示し、承認を得ること。
・ヒアリング調査ではメモ取りを行うこと。
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・海外調査の結果等は、日本語に翻訳を行うこと。
・必要に応じて謝金を支払うこと。
5.報告書の作成
・国内外公開情報調査・ヒアリング調査で得られた結果をもとに、各国の特徴を比較・
分析し、3.(2)で挙げた項目についてとりまとめる。
・また、その内容に基づき、各項目等に関する対象国ごとの制度の相違を一覧できる総
括表を作成する。
・3.(2)③にて示した内容について、各国の運用等、収集した情報の抜粋を対象国
ごとに整理する。このとき、公表できない資料についてはその旨併記する。また、日本
語以外の言語で記載された情報については、日本語で整理する。
6.人的体制
本調査研究に関して、調査を実施すると共に専門的な視点からの検討、分析をするた
めに、本調査研究分野に専門的な知見を有する者(以下「研究員」という。)を配置す
ることが望ましい。研究員は、我が国の産業財産権を含む知的財産制度・運用に対して
十分な知見・実務経験を有するとともに、知財を巡る国際的議論や諸外国の産業財産権
を含む知的財産制度・運用についても知見・実務経験を有している者が望ましい。
また、上記研究員のうち少なくとも1名を庁担当者からの連絡・調整担当とし、庁担
当者からの問い合わせ等に直接的、迅速かつ的確に対応できる体制を整備すること。
7.調査研究に当たっての留意事項
(1)調査研究開始日から報告書納入日までの本調査研究にかかる全体スケジュール、
調査研究体制、実施機関の連絡体制等について、契約締結後、速やかに庁担当者
に書面にて説明し、承認を得ること。
(2)調査研究進捗状況は、庁担当者の指示する形式・頻度にて報告すること。
(3)調査研究内容については、庁担当者と十分な打ち合わせを行うこと。
(4)調査研究を進めるに際し、常に案を作成・提案し、必ず庁担当者の承認を得るこ
と。
変更が生じた場合は、速やかに報告し、庁担当者の指示に従うこと。
(5)庁担当者に提示する資料(中間成果物を含む)を用意すること。
(6)報告書の納入前において、本調査研究で得られた情報について、庁担当者が必要
と判断する場合には、その指示に従い、必要なデータ等を庁担当者に提供するこ
と。
(7)納入時に納入物及び提出物の報告書等の著作物の著作権は特許庁に帰属するもの
とし、著作者人格権の行使は行わないものとする。ただし、報告書等を執筆した
者については、当該報告書等からの引用である旨付記することを条件に執筆部分
に限り複製、翻訳、翻案等の形で利用することを可能とする。
(8)報告書等に掲載する図面、写真、文章等を他の文献から転載する場合には、出典
を明記するとともに、著作権者から転載許諾を得ること。また転載許諾を得た図
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面、写真、文章等の情報を一覧にまとめ、転載許諾書の写しとともに、特許庁に
提出すること。転載許諾等の手続がなされているものに関しての原著作物の著作
権は原著作(権)者が引き続きこれを有する。
また、報告書等に掲載する図面、写真、文章等を他の文献から引用する場合には、
適切な著作権処理を行い、正当な引用であることを庁担当者に報告すること。
なお、これらに拠りがたい場合には、庁担当者に報告し、承認を得ること。
(9)調査研究により知り得た情報を許可なく外部に漏らし又は他の目的に使用しない
こと。
(10)調査の過程で、各試料の公表の可否について確認し、公表できない資料が含ま
れる場合には、その旨を庁担当者に報告すること。また、電子ファイルについて
公表できる内容のみの場合と、公表できない内容も含む場合とで、2種の調査結
果を納入すること。
(11)その他、詳細については、庁担当者の指示に従うこと。
8.提出物
(1)著作権転載許諾一覧及び転載許諾書の写し
※著作権者から許諾を得る必要があった場合のみ
・紙媒体 1 部
・電子ファイル(CD-R、又はDVD-Rのいずれかの媒体に収納した電子データ)
PDF形式
1部
(2)各調査の調査結果等
庁担当者の求めに応じ、各調査の調査結果等(集計したデータ及び総括票、ヒアリン
グの結果レポートを含む)を電子データ(MS-Word形式、MS-Excel形式)
で提出すること(提出方法については、庁担当者の指示に従うこと。)
また、文献調査等で利用したウェブサイトや文献の一覧と、そのアクセスリスト(ア
クセス先のURL、最終アクセス日時を記載したリスト)を電子データ(MS-Wor
d形式)で提出すること。(提出方法については、庁担当者の指示に従うこと。)
9.納入物
調査研究報告書
・報告書(両面印刷A4、くるみ製本)
25部
・電子ファイル(CD-R、又はDVD-Rのいずれかの媒体に
収納した電子データ)MS-Word形式、PDF形式の両方
1式
※納品にあたっては、テーマ名(件名)を報告書(表紙及び背表紙)、電子ファイルに
記載すること。
10.納入期限
平成29年3月17日(金)
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11.納入場所
特許庁総務部国際政策課
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