東 海 財 務 局 津財務事務所

(県 内 経 済 情勢 報 告 )
平成 28 年 8 月 2 日
東 海 財 務 局
津財務事務所
1.総 論
三重県内経済は、緩やかな回復の動きに足踏みがみられる。
先行きについては、雇用環境等が改善するなかで、各種政策の効果もあって、景気回復
に向かうことが期待される。ただし、海外景気の下振れや為替の動向のほか、労働力不足
による供給制約などに注視していく必要がある。
【総括判断】
項目
総括
判断
28 年 4 月判断
緩やかな回復の動き
に足踏みがみられる
28 年 7 月判断
前回との
比
較
総括判断の要点
生産は持ち直しつつあり、
雇用は引き続き改善して
いるものの、消費は百貨
店・スーパー販売が前年を
下回るなど持ち直しの動
きに足踏みがみられる。
緩やかな回復の動き
に足踏みがみられる
【主要項目の判断】
項目
28 年 4 月判断
28 年 7 月判断
消費
一部に弱さがみられるものの、緩
やかに持ち直している
持ち直しの動きに足踏みがみら
れる
生産
弱含んでいる
一部の業種に弱さがみられるも
のの、持ち直しつつある
雇用
情勢
改善している
改善している
前回との
比
較
(注)28 年 7 月判断は、前回 4 月判断以降、7 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。
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2.各 論
最近の三重県内経済情勢における各項目の動向は、以下のとおりとなっている。
【主要項目】
消費は、持ち直しの動きに足踏みがみられる。
百貨店・スーパー販売は、飲食料品では、生鮮食品が底堅い一方、一般食品が減少して
いることから、前年並みとなっているものの、衣料品では、婦人服を中心に前年を下回っ
ていることから、全体では前年を下回っている。
乗用車販売は、普通自動車が持ち直しているものの、軽自動車が低調なことから、全体
では弱含んでいる。
主要観光施設の入込客は、前年を下回っている。
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生産は、一部の業種に弱さがみられるものの、持ち直しつつある。
輸送機械は、自動車では、軽自動車が販売低迷や熊本地震の影響などから減少している
ものの、小型車が国内向け、輸出向けとも増加していることから、全体では持ち直しつつ
ある。
電子部品・デバイスは、半導体集積回路(メモリ)では、フラッシュメモリを中心に高水準
となっている。液晶表示装置では、大型パネル・中小型パネルともに、弱い動きとなって
いる。
はん用・生産用・業務用機械は、海外受注が米国やアジア向けで減少しているものの、
国内受注が回復傾向にあることから、おおむね横ばいとなっている。
電気機械は、おおむね横ばいとなっている。
石油化学は、おおむね横ばいとなっている。
(資料)経済産業省、中部経済産業局、三重県
(注)「東海」は、愛知、岐阜、三重の3県。
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雇用情勢は、改善している。
有効求人倍率は、有効求職者数が減少し、有効求人数が増加していることから、上昇し
ている。
所定外労働時間は、前年を下回っている。
【その他の項目】
項
目
住
宅
公共事業
物
価
企業倒産
企業の
景況感
28 年 4 月判断
28 年 7 月判断
前年を下回っている
前年を上回っている
前年を上回っている
前年を下回っている
前年比横ばいとなっている
前年比マイナスとなっている
件数は前年を上回っており、負債総額は 件数は前年を下回っており、負債総額は
前年を下回っている
前年を上回っている
現状判断は「下降」超
先行きは「上昇」超に転じる見通し
現状判断は「下降」超
先行きは「下降」超幅が縮小する見通し
企業収益
27 年度通期は増益見込み
28 年度通期は減益見通し
設備投資
27 年度通期は増加見込み
28 年度通期は減少見通し
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3.県内景気に関する地域の声
(1)
消費者は、自分の趣味趣向に合った商品は多少価格が高くても積極的に購入する意
欲があるほか、特別な日への支出は奮発する一方で、日常品など、どこにでもある商
品に対する節約志向は強くなっている。
(小売業)
(2)
秋冬モデルに向けた高機能・高性能な製品を扱うメーカーからの受注が伸びている
ことから、容量の大きい製品へ出荷ウェイトがシフトしており、当社としては前四半
期よりも状況は好転している。
(情報通信機械器具製造業)
(3)
東海地域は業績の良い企業が採用枠を増やしており、新卒定期採用は厳しい状況が
続いていることから、当社では中途採用枠を増やしているほか、パート従業員の正社
員への登用や 70 歳までの定年延長などにより、人材確保に努めている。
(小売業)
(4)
伊勢志摩サミットの開催直前には、厳重な警備を敬遠して観光客が一時的に減少し
たが、サミット終了後も伊勢志摩地域への関心は高く、観光客は再び増加に転じ、土
産物等の売上も右肩上がりとなっている。また、サミット開催決定を契機に、当地域
を訪れる外国人観光客が増加している。
(観光協会)
(5)
変化していく市場やニーズに対応し、会社を成長させていくためには、積極的な設
備投資及び研究開発が必要であり、最近では従来からの事業から、将来性があり付加
価値が高い新たな事業分野に投資を振り向けている。
(食料品製造業)
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1.本調査結果に関する問い合わせは下記へお願いします。
財務省東海財務局
津財務事務所
財務課
℡(059)225-7222(ダイヤルイン)
2.県内経済情勢報告は下記ホームページでもご覧頂けます。
ホームページ=http://tokai.mof.go.jp/tu.htm