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(2016年8月号)
○金融市場の動向(7月中)
○マクロ経済の動向(7月中)
1.株式市場
1.米国経済
主要国株式相場は軒並み上昇。米国株式相場は、米雇用統計の良好な結果や企業決算が想定ほど悪化しなかったこと
が好感され、史上最高値を更新した。また国内株式相場は、為替相場で円安が進行したことに加え、政府による経
済対策や日銀による追加金融緩和への期待が相場上昇を支えた。
●各国株式指数の月次騰落率(%)
●主要国株式指数の推移(2015年7月末を100)
11.22
ブラジルボベスパ
6.79
DAX(独)
130
6.38
日経平均株価
3.90
インドSENSEX
●経済指標の推移
800
600
100
ブラジル
400
NYダウ
200
1.70
上海総合株価指数
2.00
4.00
6.00
8.00
10.00
12.00
ブラジル株式相場は大幅上昇。財政赤字の削減目標を掲げた政
府への信認や景気回復への期待が高まったことに加え、鉄鉱石
価格上昇に伴う資源関連株への買いが相場を押し上げた。
15/7
15/10
15/12
16/2
16/5
日経平均
-600
-20
-800
-30
●各国10年金利の推移(2015年7月末~)
8.46
0.9
米国10年金利
2
-1.13
ブラジル10年金利
1
-2.12
豪州10年金利
米国
豪
日本(右軸)
独(右軸)
-5.40
-10.00
-5.00
0.00
5.00
10.00
15.00
英国のEU離脱決定やRBA(豪州準備銀行)の利下げ観測を背景に、
豪州金利が低下。一方、国内金利は月末の日銀会合で国債買入
増額やマイナス金利幅の拡大が見送られたことを受けて上昇した。
豪州
0.5
米国
0.3
ドイツ
0.1
日本
15/12
16/2
16/5
16/7
0
-0.5
-1
-1.5
12/5
13/3
14/1
14/11
15/9
小売売上高は大幅増加。ガソリン販売が4ヶ月連続で増加し
たほか、オンライン販売などの無店舗販売が牽引し、堅調な
結果となった。
10
%
●経済指標の推移②
景気ウォッチャー調査・先行き判断DI(左軸)
全国百貨店売上高(前年比・右軸)
%
鉱工業生産(前月比:左軸)
機械受注統計(前月比・右軸)
20
5
10
0
0
60
50
40
-5
-10
-10
-20
12/5
13/3
14/1
14/11
15/9
20
10
11/7
鉱工業生産は市場予想を上回り上昇。自動車や自動車部品
の増産が寄与したほか、夏物化粧品などが押し上げ前月から
持ち直した。
12/5
13/3
14/1
14/11
%
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
-15
-20
-25
15/9
百貨店売上高は4ヶ月連続のマイナス。株安による逆資産効
果で高額品の販売が伸びなかったほか、訪日外国人向けの
売上も減少し、低調な結果となった。
3.中国経済、欧州経済
外国為替相場は円が底堅く推移。参院選での自民党の大勝を受けて政策期待が高まったほか、日銀による追加緩和観
測の高まりを受けて、一時円安が進む場面も見られた。その後、黒田日銀総裁が「ヘリコプターマネー」政策に否定的な見
解を示したとの報道や、月末に日銀が発表した追加金融緩和策が市場期待を下回ったことを受けて、円買いが強まった。
●各国通貨の月次騰落率(対ドル、%)
円 ●主要通貨の推移(対円)
ドル円相場(左軸)
豪ドル円(左軸)
ユーロ円(右軸)
130
豪ドル
1.95
日本円
1.10
115
中国経済は弱含み。海外需要の弱さや英国のEU離脱決定による影響で、製造業購買担当者指数は景況拡大・悪
化の節目である50を下回った。欧州経済は、英国のEU離脱決定を背景にユーロ圏消費者信頼感指数は低調な結果
となったが、ドイツの景況感指数は市場予想ほど悪化せず、同国経済が堅調であることを示唆する結果となった。
円
140
ドル円
130
ユーロ
0.61
100
英ポンド
ユーロ円
-0.61
120
-0.82
85
ブラジルレアル -1.12
-1.50
0.5
国内経済は弱含み。鉱工業生産は自動車や自動車部品の増産などが寄与し前月から持ち直す一方、機械受注は
円高や海外減速の影響で2ヶ月連続で減少した。百貨店売上高は株安による逆資産効果で、4ヶ月連続のマイナス
となり、景気ウォッチャー指数も海外経済の先行き不透明感を背景に節目の水準の50を11ヶ月連続で下回った。
11/7
月前半は英国のEU離脱への警戒感や日銀・ECB等の追加緩和
観測を受けて主要国金利は低下。その後、国内金利とドイツ金利
は高値警戒感から利益確定売りが入り、低下幅を縮小した。
3.為替市場
カナダドル
2
1
11/7
15/9
-0.3
-0.5
15/10
14/11
%
1.5
30
-0.1
0
15/7
14/1
雇用者数は市場予想以上に増加。大手通信会社のストラ
イキで急減した情報部門が回復したほか、教育・医療、娯
楽・宿泊等の家計関連業種が伸び、堅調な結果となった。
0.7
ドイツ10年金利
13/3
中古住宅販売件数(左軸)
小売売上高(前月比・季節調整済:右軸)
8
7.5
7
6.5
6
5.5
5
4.5
4
3.5
3
●経済指標の推移
%
%
12/5
百万戸
2.日本経済
3
-10
11/7
ドイツ株式相場は上昇。英国の新首相の決定など英国のEU離脱
を巡る不透明感が和らいだことに加え、堅調な経済指標や市場予
想を上回る企業決算が相場上昇を支えた。
●各国10年金利の月次騰落率(%)
0
-400
各国債券相場はまちまち。月前半は、6月の英国のEU離脱決定を受けた投資家のリスク回避姿勢の強まりや、日銀やECB(
欧州中央銀行)等による追加金融緩和観測の高まりを受けて、主要国金利は低下した。その後、国内金利とドイツ金利は高
値警戒感から利益確定目的の債券売り(金利上昇)も入り、低下幅を縮小する展開となった。
12.44
10
-200
16/7
2.債券市場
日本10年金利
20
上海
70
0.00
30
独DAX
85
2.80
NYダウ工業30種
40
0
3.38
FT100(英)
●経済指標の推移②
非農業部門雇用者数変化(左軸)
フィラデルフィア連銀製造業景気指数
千人
日経平均
NYダウ
独DAX
上海総合指数
ブラジルボベスパ
115
米国経済は堅調。企業部門では、製造業指数が市場予想に反してマイナスとなったが、労働市場は大手通信会社の
ストライキの反動や家計関連業種が伸びたことで、堅調な結果となった。家計部門は、小売売上高がガソリンやオン
ライン販売を中心に増加、中古住宅販売件数も約9年ぶりの高水準を記録するなど良好な結果となった。
豪ドル円
-1.00
-0.50
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
豪ドルは上昇。RBA(豪州中央銀行)による利下げ観測などを背景
に月後半にかけて上値重く推移したが、月末は低調な米経済指
標を背景とした米ドル安で豪ドルが上昇する展開となった。
70
110
15/7
15/10
15/12
16/2
16/5
16/7
ドル/円相場は、日銀の追加金融緩和策が市場期待を下回った
ことや、米国の4-6月期GDPが低調な結果となったことを受けて、
一時1ドル101円台まで円高ドル安が進んだ。
●ユーロ圏の経済指標の推移
●中国の経済指標の推移
%
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
11/7
消費者物価指数(前年比:左軸)
55
0
%
ユーロ圏消費者信頼感指数(左軸)
115
IFO独企業景況感指数(右軸)
製造業PMI(右軸)
110
50
-10
45
-20
40
-30
105
100
95
12/5
13/3
14/1
14/11
15/9
製造業PMIは市場予想を下回り低下。海外需要の弱さなどを
背景に受注が減少し、景況拡大・悪化の節目の50を下回り、
中国経済が減速していることを示唆する結果となった。
90
11/7
12/5
13/3
14/1
14/11
15/9
16/7
IFO独企業景況感指数は若干低下。英国のEU離脱決定によ
る影響が懸念されたが、市場予想ほどは悪化せず、ドイツ経
済が依然堅調であることを示唆する結果となった。
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