りんご生産情報 平成 28 年 7 月19 日発行 弘前中央地区営農係 6月は日照時間が少なく、気温もやや低めに推移したことから肥大が一時期停滞しました。しかし、生態が早かったこともあり、肥大は 平年を上回る状況で推移しています。 今年は黒星病が多く、果実肥大にもバラツキがあることから、摘果作業が遅れている園地が見られます。成らせ過ぎは今年の果実品質は もちろんですが、来年の花芽形成にも大きく影響しますので、見直し摘果をきちんと行い、おいしいりんごを生産しましょう。 1.肥大の状況(7/11 調査 調査地点/品種 単位㎝) つがる ジョナ 王林 ふじ ひろさきふじ トキ 藤 崎 5.6 5.5 4.9 4.5 6.1 5.3 和 徳 5.6 5.4 5.1 4.7 ― ― 5.8 5.7 5.3 4.9 5.6 5.3 JA管内平年 備 考 生育観測地点 和徳管内:津賀野地区 藤崎管内:五林地区 2.薬剤散布 回数/散布量 8 7月末 500/10a 9 8月半ば 500/10a 10 8月末 500/10a 散布時期 7/31 頃~ 8/15 頃~ 8/30 頃~ 対象病害虫 基準薬剤及び調合順序 1,000ℓ当りの 薬量 考 ○クワコナカイガラムシ対策 多発園では7月下旬及び8月上旬に 胴木洗いを実施しましょう。 斑点落葉病・褐斑病 黒星病・すす斑すす点病 炭そ病・モモシンクイガ クワコナカイガラムシ ナリアWDG バリアード 斑点落葉病・すす斑すす点病 ・炭そ病・褐斑病 ハダニ類・モモシンクイガ イカズチWDG コロマイト アリエッティC 1,500倍 1,000倍 800倍 666g 1ℓ 1.25kg 斑点落葉病・すす斑すす点病 ・炭そ病・褐斑病 ハダニ類・モモシンクイガ シャクトリムシ類 フリント 2,000倍 500ml 2,000倍 4,000倍 備 500g 250g 褐斑病の発生が前年に多かった園地 では、7 月末にトップジンM水和剤 1,500倍又はベンレート水和剤 3,000倍を使用しましょう。 シャクトリムシ類の多い園地では、 発生に応じて、バイオマックス4, 000倍又はファイブスター4,0 00倍を散布しましょう。 リンゴコカクモンハマキが多い園地 では8月末にサムコルフロアブルを 散布しましょう。 3.見直し摘果 → 早さよりも強さに重点を置いた見直し摘果を! 仕上げ摘果を終えた時は、ちょうど良いと思われた着果量も肥大が進むにつれて、葉に対して着果量が多いことがわかってきます。それ らをもう一度見直し、葉と果実の比率を適正にするのが、『見直し摘果』です。 見直し摘果は、着果量を決める最終の作業で、早さよりも強さが重要です。きちんと見直し摘果を行ない、適正着果にすることで、良品 果率はアップしていきますので、8 月いっぱいをメドにじっくりと作業を進めていきましょう! 仕上げ摘果の時は、 ちょうど良かった のだが・・・ 見直し摘果によっ て、葉の量に見合っ た着果量に調整しま しょう! ◎黒星病のツル病斑について◎ 今年の発生の特徴として、つるに病斑 が多く見られています。 現在は順調に生育しているものの、今 後病斑部分がコルク化し堅くなると、肥 大の停滞やツルが折れるなどすることか ら、最終的には摘果されると思われます。 また、翌年の菌密度低下のためにも、 見つけしだい摘み取って処分してくださ い。 ◎品種別見直し摘果のポイント◎ つがる 葉取らずりんご きおう ト キ 収穫までの期間が短い品種のため、出来るだけ早く見直し摘果を終えましょう。つがるの着色期は気温が高く、着色しづらい 環境ですが、1果当たりの葉の枚数を多くすることで着色が良くなります。 葉取らずふじは、サンふじに比べると成らせ過ぎる傾向にあります。見た目より食味が重視されますので、今一度着果量の見 直しを行い、食味の良いりんごを生産しましょう。 収穫までの期間が短い品種のため、出来るだけ早く見直し摘果を終えましょう。適正着果にすることで食味が良くなり、カチ ンコの発生を少なくすることができます。 成らせ過ぎの園地が見られます。糖度が高く、食味の良いトキを作るためには、適正着果が重要となります。また、トキは肥 大にバラツキが多く、その差が見られ始めるのが 7 月下旬頃なので、そのころから見直し摘果を行ないましょう。
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