平成27年度 研究要覧 学校教育目標 豊かな心を持ち,一人ひとりの児童が主役となれる学校 研究主題 正確に読む力を身につけ, 表現できる子の育成 佐倉市立志津小学校 仮説の検証 仮説1 文章中の大事な言葉に着目して読み取っていれば,正確に読み取る力 を身につけることができるだろう。 手立て ①辞書の活用 ②言葉に着目するための音読の工夫 ③読み取りのスキルの指導 第3学年『どちらが生たまごでしょう』 〇リーフレットを作成する際,文章に写真を対応させて,表にまとめるように した。 → 写真を活用し,わかりやすく相手に伝わるようにリーフレットを作成す ることができた。 〇文章で多く出てくる言葉で接続後を意識して探すようにした。 → 必要な情報を正確に表にまとめ,リーフレット作りに生かすことができ た。 中心となる言語活動:生たまごとゆでたまごの違いを まとめたリーフレット作成 第4学年『ウミガメの命をつなぐ』 〇学習を大きく3つ(興味をもったこと・その要約・その感想)に分け,2時 間ひとまとまりで進めた。 → 教材文で学んだことを自分が選んだ本の読みや表現にすぐ生かすことが できた。 〇要約する際,興味をもったことをはっきりさせ,5W1Hを意識して言葉や 文を探すようにした。 → 自分に必要な情報を正確に見つけ出し,紹介文に生かすことができた。 中心となる言語活動:絶滅のおそれのある動物を紹介する リーフレット作り 第5学年『まんがの方法』 〇各「まんがの方法」を押さえるとともに方法・効果・具体例を表す言葉に目 を向けて読み取らせた。 → 構成ごとにポイントとなる言葉を押さえることで,内容を読み取れる児 童が増えた。 〇1つ目の方法の構成を丁寧に確かめ,掲示し,2つ目の方法から自分で内容 を読み取らせた。 → 筆者の表現方法の工夫を意識し読むことで,教材文を手本に,自分の考え を文章に表すことができた。 中心となる言語活動:新しいまんがの方法を見つけた 「まんが㊙本」の作成 リーフレット作り 仮説2 学校図書館を適切に利用すれば,表現する力を高めることができる だろう。 手立て ①朝読書の充実 ②並行読書 ③学校図書館司書の活用 第1学年『はたらくじどう車』 〇作った「だいすきのりものブック」を発表する場として,学校図書館を活用 した。 → 児童がやる気をもって,取り組むことができた。 〇乗り物に関する本を図書室から集め,教室の近くに置いておくことで,いつ でも関連する本を読める環境を整えた。 → 児童が自然と本を読むようになり,自分が調べたい乗り物についても,早 い段階で決めることができた。新しく知識を得たり,本を読むことの意欲に つながったりした。 中心となる言語活動:「だいすきのりものブック」の作成 第2学年『さけが大きくなるまで』 〇教材文を学習した後,教師が揃えた生きものの本から選び,すぐに並行読書 を行った。入れ子式で学習を進めた。 → 低学年としては,有効であった。興味が続きやすい。友達が読んでいる本 に興味をもち,読書の幅が広がった。 〇並行読書をしながら,大事な言葉に付箋を貼っていった。 → 意識して,順序を表す言葉を見つけられるようになった。大事な言葉をお さえることで,わかりやすく説明できるようになった。 中心となる言語活動:興味のある生きものの 「成長アルバム作り」 第6学年『伊能忠敬』 〇学習のゴールを人物グッとカードに設定し,視点を①足跡や行動,②グッと きた所,③学んだこととして,まとめさせた。 → 視点がはっきりとしたことで,それぞれの読みに深まりが見られた。 〇学校図書室を利用し,さまざまなジャンルの伝記を選べるようにした。 → 伊能忠敬を学習しながら並行読書を行うことで,伝記の読みが深まった。 中心となる言語活動:人物グッとカードを作ろう ~興味のある人物を紹介しよう~ 成果と課題 成果 《仮説1》 ・ 5W1Hや指示語,効果を表す言葉などを意識して読み取ったことで,内容 の読み取りたいところを早く正確に見つけたり,要約したりできるようにな った。 ・ つけたい力を明確にし,ゴールをはっきりさせて取り組んだ。その過程で, 学習形態を工夫したり,文章構成を丁寧に読んだりすることで,教材文の読 み深め,それを基に,自分の表現にいかすことができた。 《仮説2》 ・ 学習の中に意図的に図書室を利用する場面を入れることで,児童が本を手に する機会が多くなった。 ・ 教材文を学習してから,図書室を利用して広げていくことで,読み取ったこ とや自分の感じたことなどを表現できるようになってきた。 課題 《仮説1》 ・一人一人の目的に応じた正確な読み取りができるための手立てを工夫する必 要がある。 ・つけたい力に合った単元を貫く言語活動を設定し,毎時間の言語活動をどう組 み立てていくかを考えていく必要がある。 《仮説2》 ・教師が読ませたいと思う本を用意するためには,計画的かつ早めの準備が必要 になってくる。 ・児童数分の本を集めるためには,市立図書館との連携も考える必要がある。
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