短期予報解説資料1 2016年 8月17日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①台風第7号は、 房総半島の東海 上を北上している。 台風の影響で 関東地方では非常に激しい雨を 観測。 関東や東北の沿岸波浪計で は 4~5m程度の高波を観測。 ②水蒸気画像で日本海西部から サハリンにかけて暗域と明域の 境界があり、 上層の強風軸に対応 している。 地上では上層の強風軸 の少し南に前線が解析でき、 前線 付近や前線の南側で雷を伴った 激しい雨が観測され、 これまでの 降水で地盤の緩んでいる所があ る。 2.主要じょう乱の予想根拠と 解説上の留意点 ①台風第 7 号は、17 日は温帯低気圧の性質を帯びながら三陸沖を北上し、17 日夕方から夜にかけて北 海道にかなり接近し、上陸するおそれがある。その後、18 日朝にはオホーツク海で温帯低気圧となる 見込み。台風の影響により関東や北日本では雷を伴った非常に激しい雨が降り、局地的に猛烈な雨の おそれもある。また、沿岸部では暴風や大しけとなる所がある。低い土地の浸水、土砂災害、河川の 増水やはん濫、暴風や高波に警戒。北海道では台風の接近により潮位の高くなる所がある高潮に警戒。 ②1 項②の前線は台風第 7 号の北上に伴い、北日本では北上し、本州付近では東進する。17 日は、前 線に向かって湿った空気が流れ込むため大気の状態が非常に不安定となる。北日本から西日本は、18 日にかけても、アリューシャンの南の高気圧と日本海の高気圧の間の気圧の谷となり、大気の不安定 な状況が続く。低い土地の浸水、土砂災害、河川の増水やはん濫に警戒・注意し、落雷や竜巻などの 激しい突風に注意。これまでの降水で地盤の緩んでいる所では土砂災害に厳重に警戒。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は GSM を参考とするが、台風周辺については、最大風速 45kt、最大波高 8m で考える。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):北海道 250、東北 200、関東 120mm。 ②波浪(明日まで):北海道・東北 8、関東 6、伊豆諸島・東海 4m。 ③高潮(明日まで):大潮の時期。全国的に注意報級となる。北海道では台風の影響で警報級となる。 5.全般気象情報発表の有無 「台風第 7 号に関する情報(総合情報) 」を 5 時頃に発表する予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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