47312-029 ○3年次演習関連科目1-29(実証・日本経済1) 2 単位 春学期 今出川 講義形式 廣江 満郎 <概要> 本講義は,経済全体の動きと各経済分野の動きとの関係を,日本経済を分析対象として考察・理解し,経済の動きに関する 洞察力を身につけることを目的とする。講義では,戦後日本の経済社会の発展過程を辿りながら,(1)家計行動(国民生活) の仕組みとその変貌,(2)産業構造と産業組織(企業システム等)の実態とその変貌,(3)グローバル経済と日本経済(グ ローバル化の進展)をテーマに日本経済および他の経済分野との相互関係や制度等の改革が及ぼす影響などについて実証的な 観点から検討・考察する。 なお,講義を進めるにあたって,戦後から今日までの日本経済の動向と各経済分野の動向との関係を,①高度成長期,②低 成長期,③低成長期の中で生起したバブル期,そして④バブル崩壊後の長期不況期と⑤その後の景気回復期と今日の世界同時 不況(リーマンショック後のデフレ経済)の到来に区分し検討・考察する。 <到達目標> 戦後日本の経済構造の動向を考察・理解するうえで必要な知識を習得するだけでなく,各経済分野の動向および各分野間の 相互依存関係の解明に必要な洞察力を身につけることを目標とするが,具体的な到達目標としては以下の通りである。 ①日本経済の変遷過程について理解・説明できる。 ②家計行動(国民生活)および産業構造・企業システムの変貌と要因について理解・説明できる。 ③グローバル化と日本経済(海外取引)の関係とその変貌について理解・説明できる。 <授業計画> (実施回) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 (内容) 日本のマクロ経済構造,経済成長および景気循環 (1)GDPにおける支出・生産・分配の3側面,(2)経済成長 (3)景気循環,(4)まとめ 国民生活のゆくえ-家計行動の変貌 (1)家計の行動原理,(2)家計部門のフローとストック (3)時間の使い方,(4)まとめ 変わりゆく産業構造-生産活動の変遷 (1)高度化する産業構造,(2)産業構造の展開 (3)サービスとソフト化の進展,(4)構造変化と情報化,(5)まとめ 産業組織と企業活動-経済環境の変化 (1)企業分布と生産組織,(2)寡占市場と独占禁止政策 (3)日本的経営の課題と展開 (4)企業経営の高度化,(5)まとめ 国民生活と産業構造・企業システムの関係と変貌 (まとめ) わが国の対外経済関係-グローバル化の中で(その 1) (1)世界経済の出来事とグローバル化 (2)世界経済と輸出入の動向 (3)海外直接投資と世界経済への貢献 (4)TPP問題と今後の日本経済,(5)まとめ 1~14 回の講義内容をベースとして,戦後日本経済の動向と今後の日本経済に向けての講義 内容で締めくくる <成績評価基準> 小レポート 30% 与えられた課題に履修者独自の調査結果をどの程度反映して答えられるか。 期末試験 70% テキストをベースとした講義内容と履修者独自の調査結果を踏まえて,筆記試験問題にどの程度答えられるか。 講義の理解度と自分の意見をしっかりと述べているかの2点を中心にして総合評価を行う。 <テキスト> 八田英二・廣江満郎 編著『日本経済の新地平』第 1 版(晃洋書房,2013),原則としてテキストを使用して講義を行うこと から,事前に予習をしておくこと。 テキスト以外の文献資料も利用しますが,それについては事前に教室で配布します。 ─1─ <参考文献> 参考文献については,講義対象が経済の各専門分野別にわたる関係から教室で適宜指示する。 <備考> 講義では,日々刻々と変わる日本経済の動向にも注目することから,新聞等の報道メディアを利用して話題となっている経済 問題に関心をもち,それに関する経済知識の吸収をはかってください。なお,授業の進捗状況により,授業計画を微修正する こともありうるのでその点留意してください。 ─2─
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