1 作 物 項 目 作 業 内 容 (1)麦の栽培管 理 (今月の作業のポイント) 麦

1
作
項
物
目
作
業
内
容
(今月の作業のポイント)
○麦の栽培管理 ○水田の土づくり
(1)麦の栽培管 ア 湿害対策
理
11 月 24 日高松地方気象台発表の 1 か月予報によると、12 月
25 日までの降水量は多い見込みである。圃場内の明きょ整備が
不十分な圃場は、早急に2~3m毎に排水溝を設置し、湿害対
策に努める。
イ
雑草防除
播種直後に大雨が降ったり、11 月上旬までに早播きした圃場
では、年内中に土壌処理除草剤の効果が低下する恐れがある。
後発雑草の発生が見られた場合、葉齢の小さいうちに占有草種
に効果のある茎葉処理剤を散布する。
ウ
早播き栽培の追肥
11 月上旬までに早播きした麦は、12 月頃からチッ素欠乏によ
る黄化症の発生が見られ、生育
が停滞して収量が低下する恐
れがあるため、中間追肥を施用
する。ドリル播栽培ではチッ素
成分で 10а当たり2kg を、1
2 月中下旬と1月中下旬頃に
それぞれ施用する。ただし多肥
は倒伏を招く恐れがあるため、
写真1 麦の黄化症状
施用にあたっては葉色等の生育
状況を見ながら施用量を調整する。
エ
晩播き栽培の播種
やむを得ず播種が 12 月となった場合、地温の低下により苗立
率が低くなるため播種量を増やす。播種量の目安は「今月の農
作業 11 月」を参照する。また基肥量については、出芽までの期
間が長く、利用率が低下するため、チッ素施用量を基準の 3 割
程度増量し、ドリル播栽培で 10a当たり 9 ㎏とする。
オ
土入れ・麦踏み
土入れは根際の乾燥を防止するとともに、その作業自体が明
渠の補修を兼ねて湿害防止対策となる。また麦踏みは根の浮き
上がりを防ぎ、根張りを良くするとともに、徒長や過繁茂を抑
え茎葉を硬くして倒伏を防止する効果がある。
作業は本葉3~4葉期頃から茎立ち期までに3回、20 日程度
の間隔で行う。留意点として、麦踏みを土入れ作業の前に行う
と、折れた茎葉を覆土し生育障害を起こすので、必ず土入れ作
業の後に麦踏みを行う。
(2)水田の土づ ア 有機質資材の施用
くり
腐植や地力チッ素の増加を目的に、堆肥等の有機質資材を施
用する。施用後は乾土効果(土壌中の有機体チッ素が乾燥によ
り微生物に分解されやすい形に変化すること)を発現させるた
め、鋤き込む。また生わらを鋤き込む場合は、分解・腐熟が不
十分だと次年度に水稲の根腐れを招く恐れがあるため、石灰チ
ッ素(10a当たり 20~40 ㎏)等のチッ素資材を補給し、微生物
による分解を促す。
なお、堆肥や石灰チッ素を施用した場合、条件によっては次
年の水稲のチッ素施肥量を減肥する必要がある。
イ 反転・深耕の励行
冬期の休耕田で、プラウによる反転・深耕を行うことで、作
土層の拡大や微量要素の作土層への移行、透水性の改善が図ら
れ、乾土効果も促進する。また水田雑草に対しては、種子を土
中の深層部に埋め込んだり、クログワイ、オモダカ等の難防除
雑草の塊茎を寒風に晒すことで枯死させ、翌年の発生を減らす
効果が期待できる。スクミリ
ンゴガイ(ジャンボタニシ)
に対しても、越冬貝を破壊し
たり、低温に晒すことで死滅
させ、翌年の発生密度を減ら
す効果が期待できるため、耕
種的防除として有効である。
写真2 難防除雑草クログワイ
(作成
農林水産研究所)