解析演習 第 5 章解答

解析演習 第 5 章解答
【5-2】 (1) 衝突直前・直後における運動量保存;
【5-1】 (1) 物体を吊るしたときの静止位置では
力のつり合い : 0 = mg − kδst (下向き正)
mV0 = (m + M )v より v =
10 kg × 9.8 m/s2
mg
=
= 0.0392 m
k
2500 N/m
···答
(m + M )
d2 x
= −kx
dt2
·········答
(3) (2) の結果から C の運動方程式は
(2) (3) 物体の運動方程式は (1) の結果を利用して
m
···答
(2) C の運動方程式の水平方向成分は
が成立するので,これより
δst =
m
V0
m+M
(
d2 y
mg )
= mg − k(y + δst ) = mg − k y +
= −ky
2
dt
k
d2 x
= −ω 2 x ,
dt2
と書けるので,上式は
√
ただし ω =
k
m+M
···⃝
1
の形に整理できるので,C は角振動数 ω の単振動を行うことが
2
d y
k
=− y
dt2
m
わかる.⃝
1 の一般解は, C1 ,C2 を定数として
·········⃝
1
x = C1 cos ωt + C2 sin ωt
の形に整理できる.ここで方程式⃝
1 は,変位 y の時間に関する
と書くことができる.したがって速度は
2 階微分(加速度)が,(i) 変位に比例し (ii) −符号により常に平
ẋ = −ωC1 sin ωt + ωC2 cos ωt
衡点に向かう, という 2 つの性質を満たしている.これは物体
が単振動を行うための必要十分条件である.したがってその固
これらと初期条件(t = 0 で x = 0,ẋ = v )から,
有振動数は,
√
ωn =
k
=
m
√
2500 N/m
= 15.8 rad/s
10 kg
v
C1 = 0 , C2 =
=
ω
···答
と定まるので,
単振動の方程式⃝
1 の一般解は C1 ,C2 を定数として
m+M
m
· V0
k
m+M
√
mV0
······⃝
2
y = C1 cos ωn t + C2 sin ωn t
√
x= √
· sin
k(m + M )
k
t
m+M
······答
と書くことができる.これを時間微分すると
ẏ = −ωn C1 sin ωn t + ωn C2 cos ωn t
【5-3】 A に働く力は,重力 M g ,斜面からの垂直抗力 NA ,A
······⃝
3
の底面に作用する垂直抗力 P ,バネからの弾性力の 4 つ,B に
ここで⃝
2 ,⃝
3 と初期条件(t = 0 で y = 0,ẏ = v0 )より,
⃝
2 から C1 = 0 , ⃝
3 から C2 =
と定まるので,
v0
y=
sin ωn t =
ωn
√
m
v0 sin
k
√
働く力は,重力 mg ,斜面からの垂直抗力 NB ,B を引き上げる
v0
ωn
力 F ,バネからの弾性力の 4 つ.
バネの長さが l1 のとき,力 F はまだ作用しておらず,A も B も
静止している,このとき,l1 は自然長 l0 より短く,A と B がバ
k
t
m
ネから受ける弾性力の向きは左の図のようになるから,A と B
······答
の力のつりあいの式は,

 斜面水平:0 = M g sin θ + k(l0 − l1 ) − P
A:
 斜面垂直:0 = N − M g cos θ
A

 斜面水平:0 = mg sin θ − k(l0 − l1 )
B:
 斜面垂直:0 = N − mg cos θ
B
···⃝
1
···⃝
2
···⃝
3
···⃝
4
バネの長さが l2 のとき,A は動き出す直前でまだ静止している.
δ
B はゆっくり上に動いているが,そのとき B に働く力は常につ
st
δ)
0
k(y+
り合っている(そうなるように力 F を加減する)
.
st
このとき,l2 は自然長 l0 より長いから,弾性力の向きは右の図
のようになり,A が動き出す瞬間なので垂直抗力 P は 0 となる.
y
mg
1
したがって,このときの A と B の力のつりあいの式は,

 斜面水平:0 = M g sin θ − k(l2 − l0 )
A:
 斜面垂直:0 = N − M g cos θ
と書ける.ここで上式は,
d2 y
= −ω 2 y ,
dt2
···⃝
5
···⃝
6
A

 斜面水平:0 = mg sin θ + k(l2 − l0 ) − F
B:
 斜面垂直:0 = N − mg cos θ
k
M
···⃝
1
y = C1 cos ωt + C2 sin ωt
···⃝
8
と表される.したがって速度は
まず,⃝
3 と⃝
5 を加えて l0 を消去すると
ẏ = −ωC1 sin ωt + ωC2 cos ωt
(m + M )g sin θ
k=
l2 − l1
······⃝
9
これらと初期条件(t = 0 で y = a − δst ,ẏ = 0)から,
が得られる.また,⃝
3 と⃝
5 を
C1 = a − δst = a −
k(l0 − l1 ) = mg sin θ , k(l2 − l0 ) = M g sin θ
と定まるので,
と並べ替えてから辺々の比をとれば
√
y = (a − δst ) cos
l0 − l1
m
ml2 + M l1
=
より l0 =
l2 − l0
M
m+M
······⃝
10
Mg
, C2 = 0
k
k
t
M
いま,ばねの上端はブロックにつなぎとめられていないし,ば
を得る.よって,与えられた数値を⃝
9 ,⃝
10に代入して
ねの質量も無視しているから,ばねが自然長以上に伸びること
はない.したがって,ブロックが床から最も遠ざかったとき,ブ
k = 1.27 × 103 kg/s2 = 1.27 kN/m , l0 = 107 mm · · · 答
【補足】 1◦
ただし ω =
の形に整理できるので,その一般解は C1 ,C2 を定数として
···⃝
7
B
√
ロックの高さがバネの自然長以下であれば,ブロックがバネか
本問では,斜面に沿う方向の動きだけに注目して
ら離れることはないから,
いるので,斜面と垂直方向のつり合い条件 ⃝
2 ⃝
4 ⃝
6 ⃝
8 はさしあ
l0 − δst + (a − δst ) = l0 + a − 2δst ≤ l0
たって必要ない.さらに残りの 4 式のうち,⃝
1 と⃝
7 には未知の
力 P と F がはいっているので,結局⃝
3 と⃝
5 が着目するべき式,
a ≤ 2δst =
ということになる.
2M g
≡ a0
k
······答
2◦ ⃝
10のかわりに,⃝
9 で求めた k を⃝
3 または⃝
5 に代入してもよ
δst
いが,計算は少々面倒になる.
a
F
0
NB
δ
a - st
l0
NB
mg
y
mg
(2) ブロックの最大到達高さを h として,
k l0 - l1
NA
P
エネルギー保存:
k l2 - l0
NA
ka2
2M g
······答
【5-5】 (1) ̸ APB= θ とすると,つり合い条件から
Mg
0 = mg − kr cos θ , cos θ =
【5-4】 (1) ブロックをバネに乗せたとき,バネが自然長から δst
0 = M g − kδst (下向き正) より δst =
Mg
k
m
が成り立つ.このつり合いの位置を原点として,鉛直下向きに y
mg
···答
b
∴ k=
m
からの弾性力と重力を受けるので,ブロックの運動方程式は
d2 y
Mg
= M g − k(y + δst ) = M g − k y +
dt2
k
)
d2 x
= mg − kr cos θ
dt2
ただし cos θ =
b+x
r
より,上式を整理して
軸をとる.ブロックとバネが接している限り,ブロックはバネ
(
b
r
(2) 小球の運動方程式は
だけ縮んで静止したとすれば,力のつり合い
M
h=
が成立するので,これを解いて
!
Mg
1 2
ka = M gh
2
d2 x
= mg − k(b + x)
dt2
······答
(3) 小球の運動方程式に (1) の結果を代入すると
= −ky
m
2
d2 x
mg
d2 x
g
=−
· x すなわち 2 = − x
2
dt
b
dt
b
···⃝
1
となり,⃝
1 から小球は角振動数 ω =
√
g/b で単振動することが
C4 = 0 と定まるので,
√
わかる.
m+M
k·t
mM
(4) 単振動の方程式⃝
1 の一般解は,
Y = yB − yA = l0 + a cos
x = C1 cos ωt + C2 sin ωt
一方,重心座標⃝
4 と相対座標⃝
7 から
yA = yG −
と書けるので,
m
M
Y , yB = yG +
Y
m+M
m+M
の関係が得られるので,これに⃝
6 ,⃝
9 を代入して
ẋ = −ωC1 sin ωt + ωC2 cos ωt
(
√
(
√
1
M Mg
1 − cos
yA = gt2 +
2
m+M k
これらと初期条件(t = 0 で x = x0 ,ẋ = 0)から,
C1 = x0 , C2 = 0
1
M mg
yB = gt2 −
1 − cos
2
m+M k
と定まるので,
√
x = x0 cos
······⃝
9
g
t
b
m+M
k·t
mM
)
)
m+M
k·t
mM
+ l0 +
······答
Mg
k
を得る.下図は一例として,m = M の場合について yA と yB
【5-6】 (1) 鉛直方向の B のつり合い
の時間変化を示したもの.
Mg
0 = M g − ka より a =
k
(2) A と B の運動方程式はそれぞれ
······ ⃝
1 答
y

mÿA = mg + k(yB − yA − l0 )
···⃝
2 
M ÿB = M g − k(yB − yA − l0 )
···⃝
3
···答

(3) A と B の重心座標を yG とすると
yB
myA + M yB
mÿA + M ÿB
yG =
より ÿG =
···⃝
4
m+M
m+M
したがって⃝+
2 ⃝
3 と⃝
4 より
yA
l0+a
···⃝
5
mÿA + M ÿB = (m + M )g ∴ ÿG = g
を得る.ここで⃝
5 を時間で積分すると,C1 ,C2 を定数として
ẏG = gt + C1 , yG =
1 2
gt + C1 t + C2
2
初期条件 t = 0 で ẏG = 0,yG =
C1 = 0 , C2 =
と定まるので
m · 0 + M (l0 + a)
より,
m+M
M (l0 + a)
M
=
m+M
m+M
yG =
1 2
M
gt +
2
m+M
(
(
l0 +
l0 +
Mg
k
Mg
k
)
0
)
2
··· ⃝
6 答
(4) A と B との相対座標を Y = yB − yA · · · ⃝
7 とすると
⃝
⃝
m+M
3
2
−
より ÿB − ÿA = −
k(yB − yA − l0 )
M
m
mM
すなわち Ÿ = −
m+M
k(Y − l0 ) · · · ⃝
8
mM
⃝
8 は Y = l0 を振動中心とする単振動の方程式を表しているか
ら,⃝
8 の一般解は C3 ,C4 を定数として
Y = l0 + C3 cos ωt + C4 sin ωt
Ẏ = −ωC3 sin ωt + ωC4 cos ωt
√
m+M
k とおいた.こ
mM
こで,初期条件(t = 0 で Y = l0 + a ,Ẏ = 0)より,C3 = a,
と書くことができる.ただし,ω =
3
π/ω
t
4
π/ω