確 率 論 ~連続型確率分布3・正規分布からの確率変数~ 連続型確率分布 • • • • • • • 一様分布 正規分布 ガンマ分布(指数分布) カイ二乗分布 ベータ分布 t分布 F分布 などなど F分布 確率変数Xが自由度mのカイ二乗分布に 従い、確率変数Yが自由度nのカイ二乗分 布に従い、互いに独立であるとき は自由度m, nのF分布に従うという。 F分布の定義から1/Uは自由度n, mのF分 布に従う。 F分布 確率変数Uが自由度m, nのF分布に従うと き、その確率密度関数は になる。 F分布の確率密度関数(n=10) m=2 m=20 m=5 F分布の確率密度関数(m=10) n=20 n=5 n=2 F分布の期待値・分散 F分布の性質 正規分布からの確率変数 ここでは、平均μ,分散σ2の正規分布に従う 互いに独立な確率変数X1,X2,…,Xnを考える。 この状況は、平均μ,分散σ2の正規分布の分布 状況である母集団(調査対象の集団)からn個 の標本を、互いに独立に得ることを想定してい る。このような標本を無作為標本という。 標本平均・標本分散 平均μ,分散σ2の正規分布に従う互いに独立 な確率変数X1,X2,…,Xnが与えられたとき、 を標本平均という。また、 を標本分散という。 標本平均の分布1 の分布は平均μ, 分散σ2/nの正規分布 に従う。 n=50 μ=165, σ2=52 n=20 n=10 標本平均の分布2 標本分散 は自由度(n-1)のt分布に従う。 としたとき と s2 の独立性 とすると であり、 と書くことができる。 として よって、u と V は独立である。独立な確率変数 で構成された と s2 も独立である。 がt分布に従う理由 確率変数 乗分布に従い、 は自由度(n-1)のカイ二 は標準正規分布 に従うので は自由度(n-1)のt 分布に従うという。 標本平均の分布2 標準正規分布 自由度20のt分布 自由度10のt分布 自由度5のt分布 標本分散の分布 標本分散を として、 は自由度(n-1)のカイ二乗分布に従い、 標本平均 と独立である。 標本分散の分布 また であるので、これから標本分散 s2 の分布も 分かる。 2種類の確率変数における標本平 均・標本分散の分布 確率変数 が平均μ1,分散σ12の正規 分布に従い、確率変数 分散σ22の正規分布に従うとする。 それぞれの標本平均を とする。 が平均μ2, それぞれの標本分散を とする。このとき、 は自由度(n1+n2ー2)のt分布に従う。 また、 は自由度(n1ー1,n2ー1)のF分布に従う。 これらの結果は、統計学における「母平均の 仮説検定」や「母分散の仮説検定」などで用 いられる。 演 習 確率変数 がそれぞれ互いに独 立で、期待値μ、分散σ2のある確率分布に従うと する。つまり、 である。このとき、標本平均 の期待値と分散を求めよ。
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