4.新技術説明会について(実施後フォローアップ、来年度の実施) 【産連展開部(産学連携支援G)】 表面から組織等散乱体内部に 含まれる蛍光体の位置などを 定量する技術 北海道大学 電子科学研究所 助教 西村 吾朗 1 従来技術とその問題点 組織のような厚い散乱体に埋め込まれた吸収 あるいは蛍光物質は表面で観測される画像とし て応用されているが、 強い散乱に起因し、定量性がない バックグラウンドにより、深部の観測が難しい 深さを知ることが難しい 等の問題があり、医療分野などでの光を用いた 応用の妨げとなっている。 2 新技術の特徴・従来技術との比較 • 時間分解計測法を用いることにより、従来技 術の問題点であるバックグラウンドを区別する ことが可能になり、高感度で蛍光物質の存在 を確認することができる。 • 従来は深さ情報を得るのが難しかったが、表 面からだけの情報で深さ情報が得られるよう になった。 3 時間分解計測法 光源 検出器 検出器への到着時間 光子 a b c a 時間 b c 散乱体試料 1cm = 44.6 ps x 2.23x1010 cm/s (屈折率を 1.33と仮定) 水中: 45ps/cm 時間領域を用いることにより、光路長分布を得る事ができる。 4 時間領域を用いたバックグラウンドの 影響軽減による高感度化 ICG injection 103 integration 0.6 intensity 102 0.4 10 0.2 1 0 0 1 2 3 Time (ns) 4 5 0 gated intensity Time (sec) 3600 5 時間領域を用いた画像再構成の ためのセットアップ 50 Source Detector 40 30 20 Probe distance 12mm Target size 6mm 10 10 20 30 x[mm] 40 50 表面からのみの計測点 6 蛍光画像再構成例 z=40mm y=37mm 0.108 10 0.106 20 0.104 30 0.102 40 0.1 50 10 20 30 x[mm] 40 50 10 20 30 40 50 10 20 30 x [mm] 40 50 0.116 0.114 0.112 0.11 0.108 0.106 0.104 0.102 0.1 7 適用可能な応用用途 • 癌などをプローブする蛍光色素の高感度検出 と位置情報の取得。 • ICG蛍光造影法で通常用いられるカメラで見る ことのできない深さや大きさの蛍光体の検出と 深さや位置の同定 • 粉体中やゲルなどの濁った試料に混入した蛍 光性物質の検出。 8 この技術に付随した新たな技術 •蛍光の高感度計測のための光学系構築する 手法 •不定形な試料と蛍光検出プローブとの接触を 向上させる手法 •不均一な散乱体中にある蛍光色素の蛍光寿 命を計測する手法 •高精度高速度の拡散蛍光の計算手法 9 実用化に向けた課題 • 現在、理論的および模擬試料についての深さ 同定についてある程度可能なところまで開発。 しかし、アルゴリズムの改善が必須である。 • 多チャンネルの装置の簡易化が、実用上極め て重要である。 • 実用化に向けて、より実践的な試料を用いた 実験でのアルゴリズムの最適化を行っている。 10 企業への期待 • 多チャンネル時間分解システムの構築につい て、特に高速データ通信技術に用いられるエ レクトロニクスを用い、より低コストで実現可能 であると考える。 • 多チャンネルの超高速回路技術を持つ、企業 との共同開発を望む。 • 蛍光造影剤の評価機器や診断補助機器のよ り高感度で定量性のある機器を開発中の企業 において、本技術の導入が有効と思われる。 11 産学連携の経歴 • 2007年 • • • • JST地域イノベーション創出総合支 援事業 2008年-2009年 NEDO健康安心イノベーションプロ グラム 2009年-2011年 JST重点地域研究開発推進プログ ラム 2011年-2014年 JST研究成果展開事業 2015年-現在 AMED研究成果展開事業 12 お問い合わせ先 北海道大学 産学推進本部 TEL 011-706-9561 FAX 011-706-9550 e-mail [email protected] 13
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